「
「■■■■■■■■■■■■■■!!?」
デリオラの切り落とされた小指に毒の粘液が吐き出される。
それがかかった途端途端、デリオラに神経を直接蹂躙されるような痛みが襲ってきた。
凄まじい痛みだ。生まれて以来痛みというものを殆ど感じることのなかった彼にとって、それは未知の感覚であり、地獄のような苦痛だった。
ただでさえ痛みに免疫がないのだ。そんな彼が獄卒の呵責に耐えられるはずがない。
「■■■■■■■■■■■■■■!!? ■■■■■■■■■■■■」
ゴロゴロと、山のように巨大な悪魔は転がりまわる。まるで初めてケガをした幼児のように泣き叫んだ。
それだけでは終わらない。粘液は生きているかのように傷口へともぐりこみ、更なる痛みを与える。
傷から虫が入り込むかのような不快感。身体の中を異物が進撃する激痛。……どれもこれも地獄そのものである。
「■■■■■■■■!」
痛みのお返しとばかりにデリオラが炎を吐く。避けようと翼を動かすも、あまりにもでか過ぎる。このままでは避けきれない。
「アイスメイクシールド」
巨大な氷の盾がイクマンの眼前に突如現れる。それは身を犠牲にして炎からイクマンを守った。
氷の冷気と炎の熱気がぶつかり合い、粉々に砕けながら火を煙へと変える。
イクマンは水蒸気を煙幕に利用してその場を離脱。今度はデリオラの右腕にある傷口へ向けて毒液を放った。
「
「■■■■■■■■■■■■■■!!?」
再びデリオラが悲鳴を上げる。
痛みは腕だけだというのに、全身を毒が蝕んでいるかのように錯覚。彼は腕を抑え、雄叫びで激痛を訴えた。
しかしそれもつかの間。すぐさま攻撃へと移転した。
「アイスメイクフィールド!」
「
イクマンの周囲を氷の花びらが咲き誇る。
舞い散る氷の盾はデリオラの攻撃からイクマンの身を守り、彼を攻撃ポイントへと運んだ。
「アイスメイクミサイル!」
人一人分はあるの氷ミサイルが何百発も同時に掛かる。
瘴気で焼かれた肌を氷が貫き、氷によって付けられた傷の中に蒸発した毒が侵入し、毒と共に冷気が体内を侵した。
しかし相手は町一つ吹き飛ばす化け物。この程度のダメージなど瞬時に回復した。
今はこれでいい。これは弾幕によるけん制のようなもの。こうしている間に敵の補測から逃れ、次の攻撃の準備が出来るのだから。
「
また放たれる激痛の魔弾。しかしデリオラはそれを傷のない足で蹴り払う。
どうやらその魔法はある程度大きな傷のある個所でないと通じないようだ。
「アイスメイクピットフォール!」
ウルが氷の落とし穴を瞬時に作り出し、それに嵌まるデリオラ。
一瞬のうちで足だけとはいえデリオラの巨体を覆って動きを制限させるその腕前はさすがといったところだ。
だが、この程度では災厄は止まらない。デリオラは自慢の怪力ですぐさまそれを破壊した。……彼にとっては十分すぎる時間をかけて。
「
今度はデリオラの胸部の傷へと放たれた。
案の定すさまじい悲鳴をあげるデリオラ。イクマンは更に巨大ごみを痛めつけようと動いた。
「よし、あとは1か所!」
「ああ、任せろ!」
頼もしい返事が返ってきた。
彼女を頼りにもう一度激痛の増強毒弾を当てようとする。
だが、デリオラはそれを左手で弾く。そして傷を庇うかのように構えた。
「クソ!俺を警戒して守りに入りやがった!」
「ここは私に任せろ!」
「なに?だがその足で行けるのか?」
「安心しろ。足の一つや二つ、造形魔法でなんとでもなる」
「……わかった、頼むぞ」
デリオラの攻撃をよけながらイクマンはウルを下す。いや、投げ捨てた。
通常なら考えられない暴挙。しかし彼女はベテランの魔導士だ。たとえ足が欠けていようとも問題ない。
「アイスメイクホース!」
氷の馬を創り出し、それを足にして着地。
デリオラが敵意を向けたのは無論イクマン。口から炎の弾丸を連射して撃ち落とそうとした。
生み出されるのは数百もの火玉。それらは高速で回転しながらイクマンへと襲い掛かった。
「―――ッグ!」
爆音が響いた。一斉に種たちが芽吹き、炎の花を咲かせる。イクマンのいる箇所―――いや、空そのものが炎に包まれた。
直撃は避けられたが、余波だけでもかなりのものであった。一つの弾丸だけでも家一つは軽く吹き飛ばせるほどの威力。それが数百も同時に襲い掛かったのだ。
ウルはそれを今まで一人で防いできたのだ。本当に恐れ入る。
火の雨の中、僅かな隙間を見つけて掻い潜る。掠るだけでも消し炭不可避の魔弾。余波だけでも必殺となる爆弾の中を。
しかしイクマンは反撃しない。防御もしない。ただひたすら逃げる。
「■■■■■■■■■■!」
「―――やべっ」
眼前に突如現れたデリオラ。
別に瞬間移動なんて芸当をしたのではない。ただ一跳びしただけで接近したのだ。
巨体に見合わぬ俊敏さ。巨体よりも遥かに高い筋力。それらがあって出来る芸当である。
その腕がイクマンに振り下ろされようとした瞬間………。
「傷がないのなら作ればいいだけだ! アイスメイク・ファイブドラゴン!」
デリオラの背後から5つの頭を持つ竜が牙を剥いた。氷の竜はデリオラの背中に傷を作る。
本来、魔導士がデリオラを傷つけるのは不可能。いくら戦闘で疲労しようとも、聖十魔導士レベルでないと彼の体に傷をつけることは能わない。
それを可能にする当たりウルの強さを物語っているといえよう。
「ナイスアシストだ!
「■■■■■■■■■■■■■■!!?」
かけられる激痛の呪い。あまりの痛みに攻撃を忘れるデリオラ。
これで4度目だ。今まで痛みを訴えたことのない彼が今夜で四回も死ぬような苦痛を味わった。
通常ならば気が狂う。なのにそうならないのはゼレフの悪魔であるためか……。
それともより大きな恐怖を知っているからなのか……。
「やっと整ったぜ……これでテメエを地獄に落とせるぜ」
「!!?」
ニヤリと、口元を三ヶ月型に歪めるイクマンに、デリオラは初めてその顔を憤怒から恐怖のものへと変えた。
そして、彼は呪いの言葉を唱えた。
「腐爛せし死肉を貪る蛇の王よ! 何故其方は怒り狂う!?」
「母なる大樹を齧り、偉大なる神々を罵倒するか!」
それらの言葉に瘴気を乗せ、極大の魔力が流れ出た。
展開された魔法陣から漏れる瘴気。彼の足元にある瓦礫が溶け、周囲の大気が、踏みしめている大地が。まるで命を吸われるかのように塵へと変わっていく。
「妬ましいか、神々の絢爛たる輝きが! 希望と生命に満ち溢れ、陽の光を歩む!」
「いいだろう、その願いを我が叶えてやる。怒りのままに全てを食らいつくせ!」
魔法陣が軋む。まるで内部から何かが門を叩くかのように。ドンドンと叩く度に瘴気が漏れ、今か今かと外の世界を待ち焦がれているかのように。
「出でよ、我が最大魔法!
『SHINEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!』
今、地獄の門が開いた。
shineはローマ字読みでお願いします。
滅竜魔導士を全員女体化したいんですけどいいですかね~?
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一部のみOK