「で、何があった?」
ギルメンを救助したあと、俺は彼女たちに何故ここにいたのか質問した。
どうやら彼女はトラブル、しかも闇ギルドに巻き込まれたらしい。
彼女の依頼はオルゴールを依頼者の息子に渡すこと。
報酬は50万8千。しかし高価なものであるため盗難の可能性あり。
まあ、傍から見れば美味しい仕事だ。運搬品がいくら高価といってもこの報酬は破格だ。
こんな美味しい仕事にありつけてらラッキーだったな。
……って、んなわけあるかアホ!
そんな美味しい話があるか! 絶対に裏があるにきまってるだろ!
「それで、なんでイクマンはここにいるの?」
「……あ~、実は魔法が使えるようになったからここで試し打ちをしてたんだ。色々試せるからな」
俺はとっさに用意しておいた嘘の訳を話す。
無論、このまま話していたらボロが出るので話題を変えるつもりだ。
「それよりなんでお前ら闇ギルドにつかまってたんだ? 依頼はそれを運ぶだけだろ?」
「それなんだけど……」
話を聞くに、どうやらいきなり襲ってきたらしい。
魔動輪(タクシー)に乗っていたらいきなり襲撃され、魔法を使う暇もなく捕獲されたようなんだ。
それはなんとまあ……。
「間抜けな話だな」
「な、なんだと!?」
俺の発言にナツは怒りの表情を見せた。
「だってそうだろ。普通の輸送なら魔導士ギルドなんて使わず郵便を使えばいい。なのに魔導士に頼むってことは相応の品ってことだ。……なら用心するだろうが」
魔導士ギルドは決して安全な仕事ではない。むしろ世間でいう3K(きつい、汚い、危険)が揃ってるような職場だ。
クエストを受けている際中は決して油断してはならない。紛争地帯で活動している軍隊のようのに慎重かつ果敢に任務を続行しなくてはならいのだ。
「イクマン……好き勝手言ってくれるじゃん!じゃあお前は不意打ちなんて食らわねえんだよな!?」
「もちろんだ。現にこうしてお前の拳が来る前に動いてるし……」
俺はナツの振り上げられようとされていた拳をアームロックし、仕掛けておいた罠を発動させた。
魔法陣から毒のガスが噴き出て、俺たちを囲んでいた魔導士たちをこん睡させた。
「や……闇ギルドの魔導士!? いつの間にこんな近くに!? ていうかお前気づいてたのかよイクマン!?」
当然だ。ここは相手のテリトリーだぞ。そりゃ用心するわ。
というか、こいつら気づかないどころか完全に気が緩んでいたな。
「鈍いんだよお前。反応速度も魔法の発動時間も。そんなんだから奇襲されるんだ」
「ナツ、お前は発動時間を省略しろ。腕を動かすのと同じ感覚で炎を使えるようにするんだ。滅竜魔法は自身の属性を自分の手足のように使えて初めて一人前だと知れ」
「クエスト中では想定外のことが起こりえる。しかしそれでも結果を出す義務が俺らにはあるんだ。……それを忘れるな」
俺たちは引き受けた依頼を達成する義務がある。
自分で受けておいて出来ませんでしたでは話にならない。消防士が火事から逃げるようなものだ。
まあ、よっぽど想定外の事態が起きて依頼続行が不可能になったら仕方ないが。むしろ、その時は情報を持ち帰ってくれた方が「こちら」としては助かる。
「ああ、ついでだナツ。少し火を出してくれ。ほんの少しでいい。もし出しすぎたら殺すからな」
「え? ああ…うん……」
ナツが指先から火を出す。それは魔導士に襲い掛かろうとした瞬間……。
「よし、窓から逃げるぞ! 飛び降りるんだ!!」
「え、なに?なんなんだよ!?」
俺はナツを抱きかかえて飛び降りる。それをわけの分からなそうな顔をしながらも受け入れるナツ。
そんな顔すんなってすぐ答えがわかるから。
「飛び降りろ!爆発するぞ!!」
「だから何が……きゃあああああああああああああ!!!」
かわいい悲鳴を上げるナツちゃん。どうやら男みたいな言葉遣いをしても中身はちゃんと女の子のようだな。
「なに!? なんなの!? なにしたのイクマン!?」
「別に大したことじゃない。あの毒ガスは可燃性なんだよ。だから火をつけたら一気に燃えて爆発する」
「なんて危ない真似すんのよ!?」
何言ってんだ? 普段から炎吹いてるヒトカゲがこの程度で何言ってんだ?
「俺はお前の魔法を有効に使ったんだ。普通に炎を吹くよりも大きなダメージを与えることが出来た。普通喜ぶとこじゃないのか?」
「いやそういう問題じゃ……ああもう! 前から思っていたけど、イクマンって俺らより危ない奴なんじゃない!?」
何を言ってる? 俺は備品を破壊なんてしたりしないぞ。
「アイツらは基地が火事になってるから今頃大慌てだ。ということで逃げるぞ」
こうして、俺たちは基地を脱出した。
「いいかナツ、俺たち滅竜魔法使いはこうして自分の属性の魔力を食らうことで自身の魔力に変えられる。これはただ吐き出した魔力を再回収することが出来る」
俺たち滅竜魔法の強みは自分の属性の魔法はダメージがないどころか取り込めることだ。
相手の攻撃を無効化して自分のエネルギーに変えるのが基本の使い方だが、用途はそれだけではない。
なんと、一度消費した魔力を再回収することが出来るのだ。
例えば、俺が一度毒竜の咆哮を使ったとしよう。普通なら一度吐いた魔力は回収出来ない。銃を撃ったら発射された弾は回収しても使い物にならないのと同じだ。
だが、俺たちの場合は残ってるならまた再回収して使うことが可能だ。
無論、普通は霧散して回収は不可能になる。だが、相手がよけるなり逸らすなりして攻撃が外れても、その魔力を回収することで本来なら十消費する魔力をいくらか節約することが出凝るのだ。
特にナツの場合はこのやり方は有効だ。
なにせ、炎は燃え移る。それを回収することで本来10の魔力を11、12にすることが出来るのだから。
例えば、今ナツが灯している指先の炎の魔力を一としよう。
それを藁やら何やらを燃やすことで一の炎を二にも三にも大きくなる。
それを回収すると、魔力を消費するどころか逆に増えてる状態に出来るのだ。
「俺の場合はウイルスだな。敵にウイルスを植え付けて増殖させ、それを食う。まあ、周囲は大惨事になるからあまり使わねえが」
「……イクマンって何で捕まってないの?」
失敬な事言うなこのヒトカゲは。
「とまあこんな感じで俺は色々と考えてるんだ。だからそのオルゴール貸してくれ。悪いようにはしない」
「……わかった」
しぶしぶといった様子でオルゴールを渡すナツ。
さっきから見せてくれと言ってるのだがなかなか見せてくれなかった。
なんでもこれは自分で受けた依頼だから最後まで自分でやると。ホントに頑固な奴だねえ。
「なるほど、どう見ても普通のオルゴールだ。……てい」
受け取ったオルゴールを二つに割った。
「……あ、ああああああああああああああああ!!!!」
「でかい声を出すなうっとうしい」
ナツを無視して中身を取り出す。……やはり思った通りだ。
「やはりあったぞ」
「な…何がだよ!? というか何してくれたんだ!? これじゃあ俺たちの依頼が…」
「依頼は中止だ。いや、最初から成立してなかった」
「この依頼者は嘘をついている。本当に贈りたいのはコレだ」
滅竜魔導士を全員女体化したいんですけどいいですかね~?
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yes
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no
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一部のみOK