FAIRY TAIL 毒龍の滅竜魔導士   作:大枝豆もやし

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第24話

 なんとか今日から魔法を使ってよいと許可が出た。

 

 本来なら俺は魔法が使えない状態であり、ドクターストップが言い渡されている。だから本来なら俺は魔法を使用してはならないのだ。

 だというのに使えるのは俺が特別だから。この状態に慣れているからその対抗策があるのだ。

 だから俺が魔法を使っていたことはバレてはならない。もしバレたらギルマスやエルザから怒られる上に評議会がなぜ俺が医者の予想以上に回復したか調査する可能性があるからだ。

 

 ナツにはなんとか黙ってもらうことにしてもらった。一応二つ返事でOKしてくれたが、何かひきつった顔をしていた。アレは何だったんだ。

 

 

 

「よし、出来た」

 

 そして、魔法を堂々と使える俺は今、魔導具を作っている。

 

 

 

 魔導具。魔法を使うために必要な道具、或いは物そのものに魔力があって魔法を使えない人にも魔法が使える道具である。

 コレを作る職人がこの世界に存在しており、彼らはソレで生計を立てている。

 だから、俺みたいに魔導士でありながら魔導具を作るのは本来異端であろう。剣士のくせに刀鍛冶も兼業してるようなものだ。

 

「何を作っているんだイクマン?」

「ああエルザか。見ての通り魔剣を作ってる」

「魔剣を作るだと?」

「ああ、剣に魔法や特性を付与することで魔導具にしているんだ」

「なにそれほしい!」

 

 グイっと顔を近づけるエルザ。少しでも動けば顔が当たる距離だ。

 

「あ…ああ。欲しけりゃくれてやる。何ならリクエストがあるならソレも作ろう」

「本当か!?」

 

 こうして、俺はエルザの注文する魔導具をせっせと作ることになった。

 また、エルザに魔導具を渡したことで他の女性ギルメンにも渡す羽目になった。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「困ったものじゃのう……」

 

 そこでマカロフは特大のため息をついた。

 

 彼の悩みは問題児ついて……ではない。

 先日退院したばかりの優等生、イクマンのことである。

 

 

 彼はギルメンの中でも優等生である。つけようがないほどの理想的なギルメンだ。

 普段はめんどくさがってあまり仕事は受けないが、一度受けたクエストは完璧に完了させる。

 フェアリーテイル所属にしては建造物、器物破損など少ない。あったとしても事情を聴けばやむを得ない事ばかりである。

 また、クエストの達成度も高い。難易度が高く複雑なクエストでも完璧にこなし、情報に不足や間違い等があっても完遂する。

 彼はよく言っている、「たとえ何かしらの不備やトラブルがあっても完遂してこそ一流の魔導士だ」と。

 もし万が一クエストが達成不可能になったり等しても情報を持ち帰って報告してくれる。

 

 まさしく魔導士の鑑だ。

 他のギルメン達にも見習ってほしい。爪の垢を煎じて飲ませてやりたいほどである。

 

 

 面倒見もいい。彼は魔法の知識に精通しており、よく他のギルメン達の魔法を見てくれる。

 彼自身魔法の知識や経験が豊富だ。それらを駆使することによって的確なアドバイスが出来る。

 

 更に観察眼があり指導力も高い。

 魔導士たちの特性や弱点を見切り、それぞれの個性を伸ばす訓練法を立案。

 元より魔法の知識もあるため、初対面でもどんな魔法を使うかですぐに大方把握。すぐに教育方針を考えられる。

 

 そして何よりも、本人自身が素晴らしい魔導士である。

 自身の魔法を理解し、完璧に使いこなしている。

 まるで自分の体のように滅竜魔法を操るその有様は魔法そのものが生きているかのようだ。

 

 完璧な仕事、完璧な指導、そして完璧な魔法。この三拍子が揃ってる彼は、まさしく理想の魔導士といったところだ。

 

 

 

 そう、あまりにも完成度が高すぎる。

 

 

 通常ならありえない。あんな年で一つでも難しい要素を完璧にこなしている。そんなものは成人した魔導士でも難しい。

 だというのにイクマンは備えている。まるでそれが当たり前かのように。

 

 おかしい。妙だ。一体どんな風に生きればあんな小僧がここまで完璧になれる。

 あれならベテラン魔導士が小さくなってるか、別の誰かが幼子の中に入ってると言われる方がまだ信じられる。

 

「考えても仕方ないの」

 

 しかし現実はああなのだ。目の前のことを受け止めるしかない。

 

 いいことではないか。あの年ですでに完成された魔導士となっているのだ。なら何を文句言う必要がある。

 そう、ただそれだけなら問題はない。……それだけならば。

 

 

 

 

「……奴には闇がある。途轍もなく大きな闇が」

 

 

 

 

 マカロフは気づいていた、イクマンに大きな闇があることに。

 

 普段は欠片もソレを見せない。むしろ少し抜けたような雰囲気だ

 しかし無意識なのか時折顕すのだ。年不相応に深い闇を。

 

 彼の過去は知っている。ずっと暗闇の中、拘束されて監禁されていたのだ。その闇は決して浅くないであろう。

 しかしそれを考慮しても彼の闇は大きい。

 

 そもそも闇の種類が違うのだ。

 彼の闇は純粋な黒。まるで闇ギルドのベテラン魔導士たちが纏うかのような、洗練された闇だ。

 少なくともあんな子供が持つべきものではない。もしかすれば、息子のソレを超えるのではないだろうか……。

 

 

 そして何よりも、彼は自身の魔法に秘密を持っている。

 

 たしかにイクマンは強い。おそらくS級に届くであろう。しかしデリオラを倒せるほどではない。

 デリオラはおそらく100年クエスト級の化け物だ。聖十大魔導士レベルはあるウルでさえ歯が立たなかったのがその証だ。

 そんな化け物をウルと共に倒した。………考えられない。

 イクマンにはデリオラを倒すような力などない。ないはずなのだ。……そのはずなのにイクマンはデリオラを倒した。

 

 おそらく彼は何かしらの手段があるのだろう。自身の力を超える力を扱う手段が。

 そして、その反動で彼は重体に陥った。

 

 自分の知らない魔法をイクマンは知っている。それも高いリスクを代償にデリオラをも倒す危険な魔法を。

 

 

 怪しい、やばい、危ないの三拍子が揃っている。

 片や優秀な魔導士、片や何かを秘める危険分子。……本当に扱いに困る。

 

「どうしようかの……」

 

 マカロフは扱いの難しい魔導士に本気で頭を痛めた。




問題はまだ問題として捉えられてないものの、何か問題点の匂いを感じ取って心配してくれるマカロフじいちゃん。
彼は人生経験も魔導士経験も長いので主人公の異常性にハッキリといち早く気づきました。
異端ではあるし問題は抱えているものの、まだ問題として取り上げられてはないのでとりあえず放置です。
でも既にやらかしてるんだよな、まだ誰にもバレてないけど……。

滅竜魔導士を全員女体化したいんですけどいいですかね~?

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