FAIRY TAIL 毒龍の滅竜魔導士   作:大枝豆もやし

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第25話

 魔導士活動が解禁されて数週間後、S級試験を受けることになった。

 

 S級魔導士に必要な要素は何も戦闘力だけではない。観察力や経験、その場の状況判断能力など必要な要素は多岐にわたる。

 本来ならば経験不足ということで十五歳まで試験を受けることが出来ないのだが、俺はあのデリオラを倒したということで特別にOKされた。というか今の俺って何歳だ?

 

 どうやら俺のような子供がS級になるのは異例中の異例らしく、マスターは呆れを通り越した様な顔をしていた。

 他のギルメンも同じなのだが、イクマンなら仕方ないという感じで終わった。

 

 

 そんなS級の仕事はそれなりにやりがいがあった。

 敵は強いしクエストもいい感じの難易度だ。言い方は悪いがまるでやりこんだゲームの隠しステージをやってるかのようだった。

 

 あ、そういえばデジャヴを感じるんだよな。前世でやっていたゲームや漫画の影響か?

 

 

 

 クエストだけではない。他にも色んなことがあった。

 

 巨人たちの村を襲ってきたデリオラを名乗る滅悪魔導士と戦ったり、親から虐待に近い特訓を受けていた少女の父親をぶっ飛ばしてギルドを乗っ取ったり、闇ギルドに襲われている金髪の少女を助けたり等、様々なトラブルに巻き込まれた。

 楽園の塔の同期のシモンとも会ったな。エンジェルやミッドナイト達にも会ったし、エルザの友達であるミリアーナ達にも会った。まったく、これならこっそりエルザも呼べばよかった。

 あ、そうそう。自分の星霊をいじめる星霊魔導士を懲らしめもしたな。あの後鍵をもらったけど、闇ギルドに襲われてた金髪美少女にあげちまったぜ!

 

 とまあ、こんな感じで俺はその日その日を過ごしている。

 

 

 

 

 

 

『る……る、る…………』

 

 そして俺は今、SS級の討伐クエストを受けている。

 

 討伐対象はゼレフの悪魔の一体、スペースだ。

 空間を操る悪魔であり、その能力の凶暴性や応用性はゼレフの悪魔たちの中でもかなりヤバい。

 最強の矛、最強の盾、瞬間移動、千里眼。奴の能力を以ってすれば全て再現可能だ。

 

 しかし、奴にはそんな頭はない。ただ徒に自分の能力を使うだけでソレを伸ばそうとする意気込みはゼロだ。

 

 だからワンパターンな行動しか出ない。

 いくらSS級でも能力を知られたら弱点も知られ、対抗策を考えられる。それを潰すために自分の能力を研究し、対抗策の先をいく必要があるのだ。

 コイツはそれを怠った。だから俺に負けたのだ。

 

『ま…てルイ、ン……』

 

 そしてコイツは現在、怠けの代償を払わされることになった。

 すでに胴体は破壊され頭部のみの状態になっている。どうやら本体(本)は頭にあるようだ。

 

「とどめだ。行け、ニーズヘッグ」

『shineeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!』

 

 掌に展開された魔法陣からニーズヘッグが顕れる。

 小さな龍だ。4~5mほどの龍は顎を開いてかみ砕き、ごっくんと飲み込んだ。

 満足したのかニーズヘッグはニヤリと笑って門の中に戻ってゆく。

 

「これで終了か」

 

 楽ではなかったが、なんとか大したダメージを受けることなく敵を倒すことが出来た。これで今回は良しとしよう。

 ギルドから任された任務は達成した。暴走しているエーテリアスを始末した。良いこと尽くしではないか。

 

 それでは次の任務へ移ろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「相変わらず凄まじい奴じゃのう」

 

 帰ってきた途端、マスター開口一番にそんな発言をした。解せぬ。

 

「どのクエストでも周辺の被害は一切なし。討伐対象のみを撃破。中には町での戦闘もあるのというのに」

「当たり前だろそんなもの」

 

 討伐クエストの存在理由は、討伐対象を排除することでこれ以上の被害を防ぐことだ。被害を出したら何のための討伐クエストだ。

 

「狩猟クエストや採取クエストも同様じゃ。獲物をほぼ無傷で回収しておる」

「当たり前だろそんなもの」

 

 狩りの目的は獲物を殺すことではない。仕留めることで毛皮や肉を回収することだ。戦いで毛皮や肉が傷ついてしまったら何のために戦ってるか分からなくなる。

 

「では次のクエストを受けてもらおうかの」

「え?もう?今帰ってきたとこなのに?」

 

 なんということだ。いつからフェアリーテイルはブラック企業ならぬブラックギルドになったというのか。

 

「実はおぬしに十件近くも指名クエストが来ているんじゃ」

「…………マジか」

 

 指名クエスト。その名の通り魔導士を指名して依頼するクエストのことだ。

 指名されるということは名が売れたという証拠。優秀でるという証明だ。故に魔導士にとっては光栄なことだ。

 

 でも俺は御免だね! これ以上忙しくなるとエルザ達と遊べなくなるじゃん!

 

「というわけで行ってくれるかの?」

「やだ」

「行ってくれんかの?」

「嫌だ」

「行ってくれんかの!?」

「い・や・だ!」

 

 冗談じゃない。断固として断る!

 大体俺はそんなしょっちゅう働くほど勤労な奴じゃないのだ。

 どちらかというとサボるほうだ。ダラダラする方だ。誰がかきたくもない汗水垂らしてくそ真面目に仕事するかよ。

 

「この間『ギルメンたるもの、一度受けた任務は必ず遂行する』って言っとったじゃろうが!」

「受けた仕事はな! 受ける気ない仕事はしねえよ!」

 

 受けた仕事はちゃんとする。出来ない仕事は最初から受けない。

 十の仕事のうち、一の仕事を100%こなすことで、残り九の仕事をしなくて済むからな。

 

「ゼレフの悪魔の依頼でもか?」

「!!?」

 

 しかし、その言葉を聞いた途端に俺の怠け癖は一度鳴りを潜めた。

 

「……依頼の中にはゼレフの悪魔に関する物もある」

「……気づいていたのですか」

 

 流石はマスターだ。俺がゼレフの悪魔に関するクエストを積極的に受け、プライベートでも追ってるのに気づいてたとは。

 

「おぬしにどんな理由や事情があるのかは知らぬ。詮索もしない。……じゃが、無理だけはするな」

「………ああ」

 

 クエストの紙を受け取って中を見る。そこには『ゼレフの悪魔の討伐』の依頼があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とある山奥、そこにエーテリアスが存在しているという情報があった。

 今回のクエストはその調査。そのはずなのだが……。

 

「いたかあの魔導士は!?」

「いや、ここにはいねえぞ!」

「早くあの羽虫の羽を引きちぎってやれ!」

 

 俺はこうして魔導士たちに追われている。

 辺境の地である山奥のはずなのだが、何故かちらほらと人の気配を感じた。

 怪しいと思って引いてみるも既に遅い。こうして敵のアジトにまで追い込まれてしまった。

 

 まあ。これきしのことじゃあピンチじゃないんだけどな。

 

「「「ぎゃあああああああああああ!!!」」」

 

 毒竜の咆哮を吐く。すると毒息は何倍も大きくなって建物内全域に拡がった。

 

 実を言うと、この屋敷内に侵入したときから仕掛けておいたのだ。

 こんな山奥、しかも辺境の地に建物があること自体不自然。敵のアジトか何かと想像するのは当然のことだ。

 

 逃げたり隠している間に準備しておいた。麻痺毒や眠り薬を撒いていくらか仕掛けておいた。建物内部も柱や壁を腐食させて潰しておいた。

 

 通常なら仕掛けた罠で自分にダメージが食らわないようにするが、俺たち滅竜魔導士は自身の属性の魔法を食らってもダメージを受けない。

 この体質はこういう時便利だ。自分の属性の魔法で爆撃や罠を仕掛けても、ソレを自分が食らう心配を一切しなくて良い。

 まあ、チームとかで動くのなら話は別だが。

 

 既にここは俺のリングと化している。

 音魔法の反響を利用して地図を描いたし、どこにどの罠があって、どの道が使えないのか、そして敵は今どんな風に動いてるのかもリアルタイムで把握している。

 

「殺しはしないが再起不能にはなってもらうぞ」

 

 ここは狩場。俺を追い込んだつもりが逆に追い込まれてるんだよ!




 スペース
ゼレフの悪魔の一体。空間接続、空間断絶、空間障壁、瞬間移動、千里眼など、空間を自在に操る。
また空間の位相をずらすなどの高度な使い方もできるが、そこまでの知能がないため能力は一切使いこなせてない。
闇ギルドによって復活したが暴走。イクマンに討伐クエストとしてニーズヘッグを食らった。

滅竜魔導士を全員女体化したいんですけどいいですかね~?

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