FAIRY TAIL 毒龍の滅竜魔導士   作:大枝豆もやし

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第26話

「……まさかこうなるなんてな」

 

 研究所でしばし暴れた後、俺は小さな女の子を救助した。

 どうやら彼女も俺同様罠に引っかかったらしく、牢屋に入れられてしまった。で、そこを俺が助けて今にあたる。

 

「それで、君の名は?」

「うぇ…ウェンディです……」

 

 それから話を聞いた。どうやら彼女は俺やナツと同じ滅竜魔導士らしく、大気を食らい全てを癒す天の滅竜魔導士らしい。

 すごい能力だ。回復魔法という失われた魔法だけでも破格の能力だというのに、大気を操る素質も持つという。まさしくチートだ。

 

「それで私たち……どうなるのでしょうか?」

 

 不安そうに聞くウェンディ。

 

「大丈夫だ。この施設にいる奴らは全員再起不能にした」

「……え?」

 

 俺は説明した。どうやって奴らを倒したのか、いつ罠に気づいたのか。そしてどうやって奴らをぶちのめしたのか。

 それらを説明する度にウェンディの顔が青くなる。なんか俺は変なこと言ったかな?

 

「それじゃあ行くか」

「は……はい」

 

 少し怯えた様子でついてくるウェンディ。一体俺の何が怖いんだよ。

 

 そんなことを思ってると、突然サイレンのようなものが鳴り響いた。

 

『警告警告。この研究所は10分後に爆発します』

「なんだと!?」

 

 

 くそが、そうだった。

 俺たちはまだ敵の陣地内にいる。ならさっさとこの子を連れて外に出るべきだった。最近はこういったタイプの危険がないせいで忘れていた。

 けど普通ここまでするか? たかが魔導士二人が暴れただけで、基地を丸ごと爆破なんてするか?

 

 いや、今はそんなことを考えてる場合じゃない。さっさと逃げねば。

 

「行くぞウェンディ!」

「待ってください! 友達がまだ捕まってるんです!」

 

 マジかよ!!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「風やガスなどの大気を使う魔法は繊細だ。だからちょっとしたことで崩れてしまう」

 

 研究所を破壊された後、俺たちは偶然見つけた洞窟に避難し、そこで救助を待っている。

 それで今は暇つぶしとして魔法の話をしている。

 

「へえ~、あんた魔法について詳しいのね」

「まあな、俺は毒ガスとかも使うし」

 

 白猫ことシャルルは興味深そうに言った。

 最近滅竜魔導士の間に猫を飼うのが流行ってるのか? そういえばナツもハーピーなんて青い猫飼ってるし。

 

「そうなんですね、私は……やっぱり役立たずなんですね……」

「……ん?」

 

 いきなりネガティブなこと言うウェンディ。俺地雷ふんじゃった?

 

「……私、いつも守られてばかりなんです。戦う力がないから。それで……」

 

 それからしばらく彼女の話を聞いた。

 どうやら彼女は自分に戦闘力がないのを気にしてるらしい。

 戦う力がないからいつも誰かに守ってもらっていると。何も出来ない自分が嫌だと。

 それはなんとまあ……。

 

「ズレた悩みだよなぁ」

「え!?」

「魔導士だからって戦う力が必要とは限らねえぞ。多くの者が勘違いしてるが、魔導士は魔法を使う者であって戦士でも兵士でもない。攻撃力ばかり求めるのは間違いだ」

 

 そう、どいつもこいつも勘違いしてるが、俺たち魔導士の仕事は戦闘でも喧嘩でもない。依頼を完遂することだ。

 そして戦闘力を必須とする依頼なんて全体の一部。大半は戦闘とは無関係の奴ばかりだ。

 クエストには様々な種類がある。採取クエスト、調査クエスト、捕獲クエスト、探索クエスト……そういや中には犬を探してくれとかいうクエストもあったな、

 とまあ、こんな感じに戦闘系の依頼は全体から見ると意外と少ないのだ。

 

 たしかに自衛の手段は持っておくのが望ましいが、だからといって戦闘ばかりに気を取られる必要はない。むしろ、戦闘にばかり拘ってる方が問題だ。

 

 うちのギルドを見てほしい。

 魔導士とは普通後ろで戦ったり研究所に籠り切ってるのが一般なのだが、どいつもこいつも前に出たがって戦う戦闘民族ばかりだ。

 そのせいかウチのクエストボードの割合は討伐系などの戦闘クエストが多い。これでは非戦闘魔導士が仕事出来ないではないか。

 

 もう一度言うが戦闘系のクエストなど全体のごく一部。大半はそんな物騒なものばかりではないのだ。

 

「だからお前みたいに非戦闘魔法を使える魔導士は必要なんだ。むしろウチに来てほしい」

「そ、そんな……私なんかが来てもご迷惑じゃ……」

「そんなこといはない。お前のギルドを買収してでも勧誘したいぐらいだ」

「そ、そんなに褒めても何も出ませんよ……」

 

 口ではそういうも、先ほどよりも否定が弱い。どうやら満更ではないようだ。

 

「じゃあ、暇つぶしがてらにお前の魔法の有効活用方法でも一緒に考えるか」

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雨宿りのため洞窟の中にいること数時間。暇つぶしがてらにウェンディに魔法を教えていた。

 だが、それも必要なかった。何故なら……。

 

「(コイツの魔法……クソ便利じゃねえか!)」

 

 ウェンディの魔法は俺が教えるまでもなく完璧だったからだ。

 

 天空の滅竜魔導士。まさかここまで強力だとは予想すらしていなかった。

 正直な話、毒竜の力の上位互換みたいなものだ。回復に援護にパブにエンチャント……コイツ一人でなんでも出来るんじゃねえの?

 あとは壁役、贅沢を言えばアタッカーが2人ほどいれば完璧だ。奴隷三匹を働かせてふんぞり返っていればいい。後は適宜援護してやればいいんだからな。

 

「なあ、本気でウチに来てくれないか? 十分な報酬は払うから」

「うぇ!? で、ですから私はもうギルドに所属してるので……」

「君の能力が……いや君自身が必要なんだ!!」

 

 頼む! コッチに来てくれ! お前がいれば俺に回る仕事が半減するから!

 

「そんな……でも……でも私のこと必要としてくれるし……」

 

 よし、否定がなくなって『ちょっといいかな?』って顔になったぞ。一気に畳みかければ……!

 

「ちょっと何ウチの子を誘惑してるのよ!?」

 

 しかし、途中で邪魔が入ってしまった。

 

「すまんすまん。あまりに素晴らしい魔法だったので」

「まったく、ウェンディは押しに弱いのよ。その場の空気で流そうとしないでちょうだい」

「ああ、コチラに移った際の条件は後でゆっくり考えよう。それと、そちらのマスターにも掛け合ってみる」

「……やめる気はないのね」

 

 当たり前だろ。こんないい条件の魔導士見てほっとけるか!

 

「そろそろ雨も止むころ……あん?」

 

 耳を澄ませて外の音を拾う。するとコチラに近づこうとする足音が聞こえた。

 数は百、どれも成人男性の物であり、興奮している様子だ。

 

「追手だ。逃げるぞ」

「え!? お…追っ手ですか!?」

「なんですって!? もう来たっていうの!?」

「これだけ派手に暴れたんだ。そりゃ外部から応援来てもおかしくないだろ。早く逃げるぞ」

 

 追手に遭遇しないよう回り道しながら、洞窟から出て町に向かう。だが、またしても問題が見つかった。

 

「……ウェンディ、少し下がってろ」

「え? どうしてです?」

「そうよ、なんでよ。追手が来るんでしょ?」

「敵が来てる。どうやら回り道されたらしい」

「「え!?」」

 

 驚きながらも隠れる二人。

 

 それがいい。俺の攻撃に巻き込まれるからな。

 

「そんじゃあ派手に暴れるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

滅竜魔導士を全員女体化したいんですけどいいですかね~?

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