FAIRY TAIL 毒龍の滅竜魔導士   作:大枝豆もやし

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第30話

 前世の俺はアニメと漫画が趣味だった。

 いわゆるオタクという奴だ。ラノベ原作のアニメは避けているが、漫画が原作のアニメは普通に好きであった。raveに七つの大罪に魔法先生ネギまに生徒会役員共に。色んなアニメを見ていた。

 そして、そんなオタクである俺が出会ったのがこの映画ラクリマだ。

 

 

 この世界には映画ラクリマと呼ばれているモノがある。簡単に言えば映画が見られる、DVDのようなものだ。

 スクリーンが飛び出して映し出されるので、前世の時よりもハイテクな感じがする。これを見ることがマイブームだ。

 

 最近親しくなった友人もよく映画を一緒に見たりする。

 その友人というのが……。

 

 

「よう、エバ。相変わらず妖精関連の本を読んでるのか」

「えぇ、当たり前でしょ?」

 

 妖艶に微笑みながら俺の隣に来るエバーグリーン。彼女は足を組んで俺の座っている席の隣に座った。

 

「それで?その映画の内容は?」

「愛する女のために同族を裏切った妖精が戦う話だ」

「な、なんか随分暗そうな内容ね。ソレ本当に妖精?」

 

 エバーグリーンは妖精が異常なほど好きで、それだけで妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入ったほどだ。

 

 エバと知り合ったときはたまたま俺がギルドで妖精の物語の本を読んでいたとき声を掛けられた。

 妖精好きというのはその時知ったのだが、前世の妖精が出てくる童話など彼女に話しているうちに仲が深まった。

 俺以外とはまだギルドに仲間と言える人は居ないらしく、よく彼女が一人で居る所を見かける。そのため、依頼などにも一緒に行くようにもなった。

 

 エバは俺の巨悪殺しという二つ名をあまりお気に召さないらしく、何かと新たな二つ名を俺に付けようとする。

 何でも巨悪は悪魔を彷彿させるので好かないのだとか。一度それでエバとミラが言い争っていたことがあったな。

 まあ、ミラには悪いが俺も悪という字はあまり好かない。ゼレフの悪魔たちを思い浮かばせるからな。

 

「それじゃあ行くか」

 

 俺たちはエバーグリーンの自宅へ向かった。

 

 ギルド内で見てもいいが、ここは映画を見るには雑音が多すぎる。ゆっくり映画を見る派の俺たちには騒がしすぎるのだ。

 ちなみに俺の家はダメだ。いつの間にかエルザたちに占拠されて自由がきかなくなっている。

 

 エバの部屋は綺麗に整頓されている。

 妖精のぬいぐるみや小物、妖精に関連する物に溢れているものの、整理整頓はキッチリとされて散らかっているという印象はない。

 まったく、俺の部屋とは大違いだ。……頻繁にエルザ達が掃除してくれるのですぐ綺麗にはなるが。

 

「それじゃあ見ましょ」

「ああ」

 

 俺たちはソファに座った。

 

 実はこのソファーは最初から存在してあった物ではない。俺とエバが一緒に映画を見たり、本を読んだりするために一緒に買った物だ。

 

 ケチって買ったせいか、少し窮屈だ。なので二人で座ろうとすると身体が密着する。で、俺の左肩にエバがもたれるのがいつもの映画を見るスタイルだ。

 今でもドキドキするのだが、勿論顔には出さない。こんな目の腐ったヤサオがそんなことしても、気持ち悪いだけだ。

 

 そんな思考をしている間に映画はどんどん進展を見せている。

 この映画の内容は『お前本当に妖精か?』というぐらい主人公の妖精が残虐ファイトをしているのだが、エバは食い入るように見入っている。コイツ、本当に妖精だったらなんでもいいんじゃねのか?

 

「(けど、そこが可愛いんだよな……)」

 

 俺は映画を熱心に見ているエバに魅入ってしまった。

 キリッとした眼つきに眼鏡が良く合い、整った顔立ちをしている。長い美脚には網タイツを履いており、見れば見るほど子供には見えない。これは見た目だけの問題ではなく中身も落ち着いていることが原因だと思う。

 

「……ふぅ、中々良い映画だったわね」

「あ、あぁそうだな」

 

 ほとんど内容を覚えてない。あとで家で見返すとするか。

 最近ろくに休んでなかったせいか、急に睡魔が襲ってくる。自然と頭がエバのほうへと寄りかかり夢の中へと誘われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 このギルドに入った理由は妖精と名が付いていたから。そんな単純な理由で入ったこのギルドは名ばかりと言って良いほど妖精の名からは遠かった。

 正直私には合わなかった。だから私はギルドの人達との交流を避け、拒絶した。

 

 そんな時、眼つきが悪くて目の腐っている男が私が目に入った。

 イクマン・ヤハタ。年の割には、いやこのギルドの魔導士にしては落ち着いている魔導士だ。

 魔法の知識とセンスにあふれている魔導士で、よくほかのギルドメンバー達からも頼りにされている。この間も新人に何か指導していた。

 

 けど、だからって話しかけようとは思わない。

 

 この男がいかに優れた魔導士だろうが私には関係のない話だ。妖精に関係してない時点で私が興味を抱くことはない。

 その場を立ち去って寮に戻るとする。その時、ふと男が読んでいる本のタイトルに目がいった。

 

 その本は私も大好きな妖精の物語。意外と顔に似合わず良い本を読んでいる。

 もしかしたら彼も妖精が好きなのかもしれないと思い、珍しく私は悪魔みたいな顔つきの男に話しかけた。すると彼は物語が好きで、いろいろな本を読んでいるのだという。

 

 その男は……イクマンは妖精について詳しい男だった。

 妖精が登場する話を多く知っていた。今まで聞いたことがないような物語が彼の口から語られ、私はどんどんのめり込んでいった。

 気がつけば、彼との会話が何よりの楽しみになっていた。彼の口から語られる物語も好きだが、それ以上にただ何気ない会話が私には楽しく感じた。

 

 

 そんなギルドで唯一親しい彼の二つ名を聞いたとき、微妙な気分になった。

 

 巨悪殺し。これが彼の二つ名だという。

 なんでも昔デリオラというすさまじい悪魔を倒したことからついたあだ名らしいが、悪という文字が入っている時点であの悪魔……ミラジェーンを彷彿させる。

 これが原因でミラジェーンという女の子と喧嘩したこともあった。どうやら彼女は魔人と呼ばれ、巨悪殺しと呼ばれている彼と似通っている二つ名だから気に入っているらしい。

 冗談ではない。あの女がそれを誇らしげにしていることがムカつく。特に「私はすでに巨悪殺しにヤられちまった」とかほざいた時が頭に血が上りすぎて噴火するかと思った。

 

 

 それから月日は流れ、お互いイクマンとエバと呼び合うようになった。

 

 イクマンを手に入れるために色々とやってみた。

 イクマンの趣味を調べ上げ、ソレに合わせてきた。

 最近の私を見るイクマンの視線を見てるとその努力が実ったのを実感している。

 努力が実るのは結構嬉しいものね。その他の男からのそんな視線は気持ち悪いけど。

 

 二人きりで映画を見るためにソファを買いに行った。腕を組みながら歩く町並みはいつもと違って見えた。

 

「ふふっ。寝顔はかわいいわね」

 

 私は気持ち良さそうに寝ているイクマンの頬に口付けをした。




もうわかってるとは思いますが、主人公の好きなアニメが全部マガジン系なのも、フェアリーテイルを飛ばしたのはわざとです。
何故かは後ほどに

滅竜魔導士を全員女体化したいんですけどいいですかね~?

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