FAIRY TAIL 毒龍の滅竜魔導士   作:大枝豆もやし

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第31話

 今日もまた俺は仕事に向かった。

 今回の仕事は魔獣の討伐。辺境の地で大量の魔物が無秩序に増殖、無差別破壊を繰り返しているため討伐してほしいという依頼だ。

 それでどんな化け物が出るかと思いきや……。

 

「よりによってお前かよ」

 

 ソイツは巨大な触手の悪魔―――ゼレフの悪魔の一体だった。

 

 コイツの名前はテクタス。触手の悪魔だ。

 推定100メートルの巨木で触手は一万を超えており、様々な形態を取っている。

 攻撃方法は太い触手を使った叩きおろしたり、触手の先から液体を飛ばしたり、クラゲのような触手で相手を切り裂くなど、触手系が多い。ただその種類がハンパない。

 というのも、コイツの触手は食った生物の数だけ増えるのだ。

 

 切除した触手を植えるとソメヨシノ風に増え、死体や生物に寄生するとその遺伝子を読み取って新種の触手が生える。

 その触手は宿主を操って本体へ戻り、本体は宿主ごと新種の触手のDNAを取り込んで新しい触手とその能力を得るのだ。

 そうやって勝手に進化して、勝手に繁殖しやがる。

 

 

 本当にこの脳なしは迷惑な奴だった。

 飼い主だろうが世話係だろうがお構いなしに襲い掛かり、生物ならその場にいる時点で無差別に食い殺してくる。

 自分以外はみんな食い物。成長し繁殖するための道具。……本当にはた迷惑な生物だ。

 

「そんじゃあ切除するか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 仕事は楽に終わった。

 

 たしかにテクタスは強い。あの巨体にそれぞれ能力の違う何万本もの触手を相手取るのはこの俺でも骨が折れる。

 しかし、長所と短所は表裏一体。相手の強みを見れば弱みも同時に予想出来る。

 

 奴は触手を徒に増やしてきたせいで触手を使いこなせてないのだ。

 テクタスには脳みそが存在しない。虫のような神経細胞の塊が触手ごとに存在しているだけで、その情報処理は実に原始的だ。

 故にワンパターン。注意深く観察すれば習性なんてすぐに理解出来る。

 

 そして奴の触手はそれぞれDNA情報が微妙に違う。故に違う遺伝子間で齟齬が起こりやすいのだ。

 ならばその齟齬を誘発する毒を流し込んでやればいい。

 

 結果テクタスの触手は暴走を起こしてお互いを食い合って爆発。後は本の部分目掛けてニーズヘッグを食らわせてやった。

 

 本当に楽な仕事だったぜ。これだけで何百万も入るからな。

 さて、この金でパァーと花街にでも遊びに行くかね。それとも超高級風俗でも行っちゃう?

 異世界生活マジ楽勝! 異世界生活マジちょろい! 最高すぎるぜチーレム!

 そんな馬鹿なことを考えながら俺はレンタルした魔導二輪を走らせていた。

 

「……あん?」

 

 ふと違和感を覚えて、ふと空を見上げると巨大な渦が存在していた。

 

「あれは……アニマか?」

 

 

 アニマ。確かエドラスがアースランドの魔力を搾取するための超亜空間魔法だったか。

 あまりに効果が限定的なので詳しいことは知らん。

 

 てか誰だ? 誰が誰がこんな限定的で効果も微妙なくせにクッソ面倒な魔法を使ってる?

 そんなことを考えてると、アニマが徐々に閉じていった。よく見るとその何もない場所に一人の人間が空に杖を向け立っていた。

 俺はそこ目掛けて魔導二輪を走らせた。

 

「異世界の魔力を徒に流すのは感心しないな、ミストガン」

「…………イクマン・ヤハタか?」

 

 相変わらず女の癖に寡黙な奴だ。

 厚手のコートに包帯のようなもので顔を巻いてるが俺には分かる。匂いで分かる。……なんか変態っぽいな。

 

「それでアニマなんか使って何してる?」

「!? 何故その名前を知っている!?」

 

 珍しく動揺するミストガン。

 一瞬にして緊迫した空気がその場を支配するも。彼女はポツポツと話してくれた。

 並行世界の事、その世界の政治事情、そして自分がその国の姫であること……。

 そして俺の出した感想は……。

 

「……お前、意外と短絡的だな」

「なッ!?」

 

 コイツが意外と脳筋だということだ。

 

「魔法がなくなれば争いがなくなる?……んなわけないだろ。むしろ魔法というクッソ便利な資源がなくなった結果、資源の苛烈な取り合い戦争が起こるぞ」

「な…何を言っている!? 魔法という争いの道具がなければ誰も戦おうなんて思わないはずだ!」

「……」

 

 俺は無言で懐からC4爆弾を出し、近くの岩を爆破した。

 爆薬は岩を破壊。それをミストガンは目を見開いて凝視していた。

 

「……なッ!?」

「これは爆弾だ。人を殺すためだけに使われる殺人道具。魔法なんて生易しいモンじゃないぜ」

 

 それから俺は前世の話をした。

 銃、戦車、生物兵器、そして核兵器……俺は自部の知っている限り戦争の醜い話をした。

 

 これは俺の感想なのだが、この世界の魔法は元の世界の戦闘道具と比べると大変優しいものだと思う。

 一般人でも銃さえあれば4,5人は軽く殺せるのにその逆は大変だ。おそらくプロでも人を助けるのは至難の技であろう。某黒男の医者の漫画でも言ってた。

 

 ではこの世界はどうか。

 たしかに魔法は強力な兵器であり、個人が使うにしては大きすぎる力だ。

 しかし、何も兵器だけが使い道というわけではない。現在、大半の魔法が生活のために使われてる現状を見れば分かるだろう。

 少なくとも銃みたいな人を殺すためだけの道具と比べたら優しい力だと俺は思う。

 

「魔法は兵器である以前に国を支える大事な資源だ。これをなくすということは市民の生活を脅かすのと同意義だ」

「……だが、少なくとも魔法による被害はなくなる!」

「そうだ。しかし同時に魔法で救える命も消える」

「……!」

 

 

 

「兵器があろうがなかろうが関係ない。たとえ魔法がなくなろうが代価の武器を必ず見つける。この銃器のようなモノをな」

 

「新しい力を見つけたものは他者から搾取する。持つモノと持たざる者の区別がハッキリつくだろう」

 

「魔法という自衛手段を失った者たちは抵抗できず力ある者の奴隷になるだろうな。なにせ戦う力がないんだから」

 

 

 

「…………だったら、私のやってきたことは無意味だっていうの!?」

 

 突然怒鳴りだしたミストガン。

 珍しいな、あのミストガンが感情を露わにして怒鳴るなんて。

 まあ当然か。そんなに知らない相手にいきなり説教されたら誰だってキレたくなる。

 だから責任は取らないとな。

 

 

 

「簡単だ、人心掌握術とさじゅ……話術とかを覚えろ。それだけで大分いい方向へと変わる」

 

「人は争いの心を捨てられない。だが、眠らせることは出来る。だから眠らせ方を学べ。争いを収める術を身につけろ」

 

「そのために様々な人と出会え。世界中の争いやその解決法をみろ。蓄積された思い出や経験はお前の力になる」

 

 争いを止めるのは至難の技だ。

 前世でも力で争いを止めようとして苛烈化した国があった。

 そもそも、安易な方法に頼る時点で間違いなのだ。近道したつもりが行き止まりだったなんてことはよくある。俺もよく経験したし。

 

 ありきたりな話だが、いい結果を出すには地道に進むしかないのだ。

 俺も地道な努力は嫌いだが、後のしっぺ返しを考えて嫌々ながら努力したものだ。……まあ、時には倍返しを覚悟してギャンブルも必要だが。

 

「………」

 

 彼女は何も言わずにその場から立ち去ろうとする。

 

「どこに行くだ?」

「……遠い地へ。そこなら私の知らない方法があるかもしれない」

 

 顔は隠しているが、そこから見える眼に偽りはないと判断し、俺はその場を後にする。

 大丈夫だろう。あのマスターがが判断して入れた人物だ。それを信用すればいい。

 こうして俺は長く続いた依頼を終えて疲れた身体を癒すためギルドへと帰った。

 




何故主人公がアニマや並行世界を知ってるのかは後程出します。……まあ、大分先だと思いますが。

滅竜魔導士を全員女体化したいんですけどいいですかね~?

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