FAIRY TAIL 毒龍の滅竜魔導士   作:大枝豆もやし

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第9話

 街から少し離れた森の中に隠れるように、ひっそりと建っている建物。そこが盗賊たちの本拠地だ。

 規模はうちのギルドよりも大きい。……けっこう羽振り良さそうじゃねえか。

 周囲からの侵入は簡単に許してはくれなさそうだ。さて、このまま堂々と正面から行くのもいいが、今はカナもいるしな……やめておこう。

 では急ごう。自棄になってガラス玉を割ってないといいんだが……。

 

「ねえ、あの人たちが尋問しても口を割らなかったのにどうやったの?」

「……知らない方がいい」

 

 こういうのは子供には早い。もう少し大きくなってから教えてやろう。……それでも動揺すると思うが。

 

「中々進入できそうな所ないわね。どうする?もう真正面から……」

「落ち着けカナ。真正面には見張りがいるだろ。さっきから焦りすぎだ」

「……」

「俺に任せろ」

 

 眠り粉を撒いて見張りを眠らせる。二人ともあっさりと眠ってくれた。

 

「……何したの?」

「眠り毒だ。すぐ起きるから早くするぞ」

 

 俺はカナと一緒に服を奪う。そのあと雁字搦めに縛って草むらに捨てた。

 

 中ではガラの悪そうな奴らがバカ騒ぎしており、フェアリーテイルとそれほど変わらないなと思ったが、聞こえてくる話の内容は胸糞悪くなるものばかりだった。

 耳を澄ませて情報を集める。どれもこれも下品なものだったが、2つ有用なものがあった。一つはガラス玉の在処。もう一つは……。

 

「盗賊の団体名はトリック。闇ギルドの連中らしい」

「え!?」

 

 カナは口を抑えて驚いた。

 闇ギルド。確か非公式のギルドのことをいうらしい。その名に恥じず、あくどい事をやっていると聞いた。

 

「……不味いな。これは予想外の展開だ。一旦引くか?」

「嫌よ! ここまで来たんだから最後まで…!」

 

 大声を出されると気付かれるので、カナの口を押えて黙らせる。

 眼の腐った男が美少女の口を押える。……なかなか犯罪チックな光景だ。ただ、カナの唇は触り心地がよかった。

 

「分かった分かった。じゃあ続けよう」

「え? いいの?」

「ああ、俺たちの仕事は依頼者の宝物の奪還。闇ギルドとの戦闘じゃない」

 

 そう、俺たちの仕事は戦闘ではないのだ。ならばいざこざを起こす前にとんずらすればいいのだ。

 

「じゃあ行こうか」

「うん!」

 

 部屋から出てガラス玉のある場所、ギルドマスターの部屋に向かった。中に誰も居ないのは耳で確認済み。そして意外にも目的の物はすぐに見つかった。

 

「あ、あれ! イクマンあれ見て!」

 

 カナが指を指した先には事前に見せてもらった宝石箱の写真と同じ物が鎮座していた。机の上に堂々と置くなよ。それにしても意外と小さいんだな。

 

「あぁ、まさかこんな堂々と置いてあるとはな。罠かと疑ったがそれはないみたいだぜ。まぁギルドの中まで進入者が入ってくるとは思わないか。ギルド自体要塞のように侵入しづらかったからな」

「それにギルド自体に魔法を使って侵入しようとすればバレる結界魔法が張られてたしね。しかもここギルドメンバー以外入れないはずなんだけど……」

「ちょっとした手品だ。仕事が終えたら教えてやる」

 

 嘘だ。実は見張りのギルドの証を剥がしてやったのだ。……こんなの可愛い幼女に言えるわけねえよ。

 

 そしてカナは笑顔を浮かべていた。とりあえずこれで脱出すれば無事依頼は解決だが……。

 

「誰だっ!」

 

 後ろを振り向けば、このギルドの一員であろうモヒカンが俺達を目撃し声をあげた。

 クソッ、目的の物があっさり手に入ったから油断しちまった。これも教訓か。カナもやっちゃたという感じのリアクションをしている。

 仲間を呼ぶ魔法を使ったのか、続々と登場する。……これはいざこざを避けられないな。

 

「…痺れ爪」

 

 両手の指に毒を浸し、縦横無尽に駆け巡りって敵を次々と爪で軽く切る。それだけで敵は痺れたかのように倒れた。

 カナも魔法の札(マジックカード)と呼ばれる特殊なカードを用いて俺を援護してくれる。遠距離タイプのカナとなら相性は抜群に良い。最後の敵一人はカナのマジックカードで敵を吹き飛ばし、俺がとどめの蹴りを喰らわせそいつごと壁を蹴り飛ばした。

 

「楽勝ねイクマン!」

「だな。カナのおかげだ」

 

 カナは宝石箱を掲げながら嬉しそうにしている。そんなカナを見つめながら良い報告ができそうだなと一息ついたとき、突然カナの背中から血が噴出した。

 

「カナッ!!」

 

 スローモーションのように倒れるように見えた俺はすぐにカナの元へ駆けつけようとしたが、カナの背後に現れた背の高い細身の男がカナの首筋にナイフを押し付けて俺の行動を阻止した。

 

「おっと、動いてもらっては困るよ。彼女の首を刎ねなくてはいけなくなるからね」

「……」

 

 男の言う通り止まる。この距離では向こうの方が早い。……完全に場の支配権を奪われた!

 クソが! さっき油断して失敗したのにまた同じ間違いすんのかマヌケが!! 自分で自分をぶん殴りたい気分だ!

 

「……何者だ?」

 

 だが、ここで怒っても仕方ない。今はカナの救出に専念しなくては。

 

「これは失礼しました。私の名はロー。このギルドのマスターです。以後お見知りおきを。……いえ、冥途の土産ですね」

「そんなこと言うなよ。ガキ相手に大人げないぜ?」

「……たしかに子供ですね。まったく、子供風情にこの様とは。とんだ役立たずですね。今後の課題は強者を集めることでしょうか」

「なら俺たちを雇うか?いい目だすぜ俺らは」

「お断りです。第一、襲撃してきた者を雇うわけがないでしょ」

「ごもっとも」

 

 フフッと笑てみる。ローは俺の笑みを不愉快そうに舌打ちしながら流した。

 

「まぁそれは後でいいとして君達を殺して検束の連中に報告しておけば綺麗に解決ですね」

「おいおい、検束は県連潔癖な組織だぜ? 悪党を見逃すわけねえだろ」

 

 検束魔導士。通称検束。評議院に属する魔道士で違法行為を犯した魔道士を検挙・拘束する権限を持っている警察や検察のようなものだ。もちろん闇ギルドを摘発するのも彼らの役目なのだが……。

 

「残念ながら私は検束に繋がりがあるのです。ですからもみ消すぐらい朝飯前なのですよ」

「バカな!?」

「クックック、検束一人買収するなんて意外と簡単なのですよ。評議院に報告する際に提出する資料など大して調べませんからね。評議院は検束の連中を疑うことはしませんから」

 

 

「検束さえ従えば評議院は動かない! 私は法の番人を欺けるのです! いや、私は全てを欺くトリックスター……ぐはッ!!」

 

 奴が目を離した瞬間、毒の針を飛ばしてマヒさせた。

 

「何を……何をしやがった!!?」

「毒の針だよ。お前がバカみたいに大声で話してる隙にやった」

 

 痺れる男からカナを奪い、すぐにカナの元へ駆け寄り、傷口を確認する。あまり深くはないがこのまま出血させたままでは危険だ。すぐに応急処置として粘液状の傷薬を塗る。これをカナの傷口に付けて出血を防ぐ。

 

「て、テメエふざけ…「黙れ」…ぐはッ!」

 

 顔面を蹴り飛ばして黙らせる。少し強すぎたのか、ソイツは動かなくなった。

 殺しはしない。今はカナがいるからな。だが、他の奴らみたいに甘くはない。カナを傷つけた罰だ。

 

 服を脱がして検束との繋がりの証拠品を探す。それはあっさりと見つかってくれた。

 俺はすぐにそれを押収し、カナをおんぶしてギルドを出る。さっきので敵を全部倒したのか、ギルド内には既に誰もいなかった。

 

「よし、ついでに縛って木の上にでも吊るすか。……この状態で」

「……イクマンってかなり鬼畜なのね」

 

 うるさい、俺の物を勝手に傷つけやがった罰だ!

滅竜魔導士を全員女体化したいんですけどいいですかね~?

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