俺の目の錯覚かな?
オーフィスが超可愛いんだが…
神下家ではオーフィスがテレビを見ていた。
「夕牙、遅い」
以前の…いや、今までの彼女を知っているものが見れば顔を驚愕の色に染め上げるかのような発言をリビングのソファーに座っているオーフィスが発していた。
最強の一角。
グレートレッドに負けてはいるが、その力は
つまりは、周りには誰もいないのだ。
そのままの意味ではない。
最強。それはつまり孤独ということだ。
最強が全て孤独と言われれば違うと言えるだろう…
現にオーフィスが負けたのはグレートレッドだけではない。
遥か昔…それこそ神がまだ生きていた時代では彼女は最強ではなかった。
グレートレッドとは互角だったし、二天龍に六大龍王は敵ではなかったがティアリスがいたからだ。
オーフィスやグレートレッドのように出鱈目な相手ではない。
無限…つまりは尽きることはない。故に殆ど無敵。
夢幻…つまりは夢を見るものがいる限り消えることはない。
この二人でさえ適わなかったのがティアリスだ。
ティアリス自体がすごいわけではない。
問題はティアリスの能力だ。
ドラゴンの中には希に特殊な力を持って生まれるものがいる。
代表的な例だと二天龍だ。
赤は増加に譲渡。
白は半減に吸収だ。
ティアリスは無効化に奪取だ。
つまり、オーフィスの尽きることのない力を息をするように無効化し攻撃してくるのだ。
それはすなわちグレートレッドの夢幻すら無効化してくるのだ。
彼女がいなくなるまで彼女以外のドラゴンは滅多なことでは争わなくなった。
だが、ある日突然彼女は消えた。
突然だった。
他のドラゴンは知らないが、オーフィスにとっては衝撃だった。
胸にポッカリと穴が空いたような感覚だった。
そして、再びティアリスと会ったのは夕牙の神器としてだった。
その時オーフィスの中にあった感情は嬉しさだった。
また、会えたという喜びだった。
だが、それ以上に怒りが占めていた。
自分でも敵わない相手を自分よりも弱いものが従えていた。
それが、気に入らなかった。
だから…初対面の相手に対して初めて怒りの感情をぶつけた。
だが、負けた。
いや、引き分けだった。
負けてはいなかった。夕牙は倒れてオーフィスが立っていたからだ。
だが、勝ってもいなかった。彼は最後まで諦めていなかった。
ティアリスが制止の声をかけてもその声に逆らい続けたからだ。
自分を含めたドラゴンはティアリスの言うことは聞いた。
逆らうことは絶対と言っていいほどしなかった。
だが、目の前の相手は違う。
自分が絶対にできないことを平然としている。
だから、自分の負け。そうオーフィスは思ったのだ。
その時からだろう…オーフィスの中に夕牙に対する興味が湧いたのは…
現在はその興味の度合いが問題になっている。
今までの彼女の最優先事項は故郷である次元の狭間に帰ることだった。
それはつまり、今現在あそこにいるグレートレッドを倒さなければいけない。
夕牙の力を借りればすぐにでも叶うだろう。
神器に封じられたといってもティアリスの力は絶大だ。
例えグレートレッドでもひとたまりもないだろう…
だが、オーフィスには夕牙に頼む気にはならなかった。
産まれて初めての感情だった。
「我、どうすればいい…?」
テレビを見ながら一人呟く。
答えてくれる相手はいない。
今はこの場に一人なのだから…
オーフィスの腕の中には二つのヌイグルミがある。
赤と白。
夕牙に買ってもらったヌイグルミだ。
優しく…潰れないように抱きしめる。
こうしてると落ち着く。
だが、それだけではない。
夕牙が傍に居てくれる気がするからだ。
「夕牙…」
オーフィスの寂しさは誰に気づかれることもなく募っていく。
夕牙が帰ってくればこの寂しさも癒えるのだろうか…
それはオーフィスにしかわからない……
駆王学園の旧校舎での喧嘩は沈静化していた。
というよりもグレイフィアを呼ぶことによって強制終了させた。
『やっぱりこうなったわね…』
仕方ないさ、俺は早く帰りたいんだから…
「申し訳ありません夕牙様。この二人にはよく言っておきますので…」
喧嘩両成敗。
その通りの結果になった。
リアス嬢とサーゼクスの頭にはたんこぶがあったからだ。
リアス嬢の眷属は苦笑いしながら壁際まで後退している。
「ああ。こっちもいきなり呼んで悪いな」
「いえ。これがご迷惑をおかけしました。」
グレイフィアが
「後、仕事の顔合わせが始まってもいないんだが、どうすればいい?」
「私が引き継ぎますのでご安心ください。」
ようやく始められる…
「それでは、お嬢様。こちらの方がこれからお嬢様とその眷属の護衛になる神下夕牙様です。
夕牙様にはこの学園に転入という形になります。」
「リアス・グレモリーよ」
グレイフィアの淡々とした紹介に、リアス嬢が両目に涙を貯めながら頭を抑えて挨拶してくる。
貴族の威厳とか有ってないようなものだ…
「改めて、神下夕牙だ。」
リアス嬢と俺とで握手をする。
『駆王学園に来て夕牙と握手?』
どんなヒーローショーだ!?
どちらかというと、『冥界に来てレヴィアたんと握手☆』ならありえそうだぞ?
『本当にありそうで怖いわ…』
「では次に眷属の紹介を…」
「あ、そっちは終わっているぞ?」
「はい?」
珍しくグレイフィアが驚愕してる。
「喧嘩が30分近く続いたから先に済ませた。」
俺の発言にグレイフィアが肩を震わせる。
「お嬢様?」
「ち、違うのよ!!だってお兄様が…」
「言い訳はあちらで聞きますね?」
そう言ってリアス嬢を隣の部屋に引っ張り込んでいく。
取り敢えず怖かったとだけ言っておく。
姫島に「今日は帰る」とだけ、伝言を頼み帰路につく。
急いで帰るとするか…
『オーフィスもう寝たのかしら?』
さあ?
ひとまず、家に向けての速度を上げた。
次回、アーシアの歓迎パーティー!!
のはず…