むしろ好きだからこそです。
基本的にドSなので…
駆王学園2年生のある教室は静まり返っていた。
別に怖い担当教師の授業中という訳でも誰かがギャグで滑ったというわけでもない。
いつも騒いでいる俺を含めた男子でさえも黙っているこの状況は呑気に「珍しいなー」とも思っていたりもする。
静まり返っている理由は簡単だ。
転校生だ。しかも二人。
一人は授業前にオカルト研究部で歓迎パーティーをした俺の友達のアーシアだ。
やっぱり可愛いなぁ…金髪美少女最高!!
だが、部長に朱乃さんのお胸様も最高だし、子猫ちゃんのロリおっぱいも最高だ!!
だが、落ち着け。落ち着くんだ、兵藤一誠!!
俺はそんなことを考えているとまた女子共に「気持ち悪い!!」「ケダモノ!!」とか言われかねん!!
あ、遅かった…
既にクラス中の女子が俺に非難の視線を向けていた。
クッソー!!!俺が何をしたってんだ!?
俺だけに向けずに松田と元浜にも向けろよ!!
そして、忘れてたわけじゃないけどもう一人の転校生。
昨日会ったばかりでよく知らないが…良い奴だといいな。
名前は…神下夕牙だったっけ?
部長の護衛らしいけど…よくわからねえなー
護衛ってことは部長より強いってことか?
あの部長より強いってちょっと想像できねえな…
でもレイナーレも恐れていたよな?
ってことは俺よりも強いのは確かか…
う~ん…俺ってもしかして弱いのか?
いやそんなはずはねえ!!
そうだ。部長とも約束したんだ!!
最強の
なら、これから強くなろう!!いや…強くなるんだ!!
大事なものを守れるくらいに…強く!!
アーシアが自己紹介しようとした途端赤龍帝…じゃなかった。
兵藤がいきなり右手を天に振り上げるようにして立ち上がった。
何やってんだ?
クラスの全員がポカ~ンとして兵藤を見ている。
それに気づいたのか、兵藤が顔を赤くして謝りながら席に座る。
クラスの連中はいつものことのようにスルーした。
アーシアは兵藤を見て、クスクスと笑っている。
俺?
取り敢えず鼻で笑ってやったよ。
案の定兵藤は怒ったような顔をしていたが…
『それで?自己紹介の方は決まった?』
なんとかなりそうだ。
具体的にはアーシアの真似をするなんだが…
担任が改めてアーシアに自己紹介するように促すが、アーシアはモジモジしている。
時折、兵藤の方を見ては顔を伏せ俺の顔を見ては「本当にやらなきゃダメですか?」的な視線を向けてくる。
仕方ないのでアーシアの耳元で「普通にやれ」と言うと、決心したように胸の前で握りこぶしを作り、自己紹介を始める。
「はじめまして。私はアーシア・アルジェントと申します。
日本には来たばかりで慣れないことも多いですが、皆さんよろしくお願いします。」
普通に終わった。エロいポーズも何もなしだ。
期待してたら済まない。だが、認めろ。これが現実だ。
男子共はアーシアの自己紹介にお祭り騒ぎのように燥いでいる。
担任が落ち着くように指示をしても止まらないので、仕方なく俺が行動する。
こいつらを止める方法は簡単なことだ。
アーシアガあることを言えばそれで済む。
取り敢えずアーシアにそのことをいうように誘導する。
「私は今兵藤一誠さんの家にホームステイしています。」
教室内の動きが止まった。
兵藤は苦笑いしながら涙を流していた。
何故泣いているのかは俺にはわからん。
本人に聞いてみてくれ。
男子共は目から血の涙を流しながら兵藤を睨みつけている。
担任に俺の番と言われたので、「パスしていいか?」と聞いたところ…
案の定却下され、アーシアからも怒られた。
仕方ない自己紹介だ。
「神下夕牙だ。子供の頃から海外で生活していたから、こっちの生活は少々不慣れだ。
仲良くはしなくていいから静かにしてくれれば助かる。
ああ。俺は兵藤の家にはホームステイしていないからな」
最後の一文をいったところで、数人の女子から舌打ちが聞こえた。
あぶねえ…
こっちに実害があるならとことん潰す。
ないならどうでもいい。放置だ。
『名前だけじゃないからいいけど…
後で愚痴るからね?』
なんでだ!?
取り敢えず自己紹介は終わりだ。
男子女子ともに騒いでいる。というよりはざわついている。
まあ、俺の発言が原因なんだろう…
その証拠かはわからんがアーシアが俺のことを寂しそうな目で見ている。
「どうしてそんな悲しいことを言うんですか?」
そう視線が言っている。
兵藤も似たような視線をこちらに向けてきている。
残りのクラスメートは怪訝な視線をこちらに向けている。
HRの時間がなくなるので席に着くように支持を受け、クラスのみんなの声も静まる。
アーシアは兵藤の後ろ。俺は兵藤の左隣だ。
なんでももともとこの席は坊主頭の男子の席だったのだが、強制的に移動させたとかなんとか…
アーシアは兵藤といつも一緒にいるから問題ないが、他のリアス嬢の眷属はそうでもないため学園の中を探索している。
生徒会室に悪魔の気配がしたが、ここにはセラフォルーの妹の眷属がいるらしいのでソレだろう。
休み時間になるたびに学園の至る場所に魔力で危険感知の印を刻む。
初めて"母さん"に教えてもらった魔力の使用方法だ。
ヴァレフォール家だからこそ出来ることらしいが詳しいことはわからない。
刻んだ印は危険を感じると刻んだ本人に教えるような感じだ。
しかも刻んだ本人にしか見えないため、印が消される心配もない。
現在は屋上で昼食だ。
まあ、自分で作ったものを食べるという簡単な作業だ。
そして、今現在一人の女子生徒に絡まれている。
眼鏡っ子でスレンダー体型で上級生だ。
「アー、オベントウオイシイナー」
「馬鹿にしているんですか?」
あ、いかん。つい無視してしまった。
かれこれ10分ほど…
「で・す・か・ら!!学園内に張り巡らしてある魔力はなんですかと聞いているんです!!」
無視。
「聞いているんですか!?」
無視だ。
てか、早く教室に帰ってくれないかなぁ…
『話してあげれば?』
最初の態度でイラッ☆ってきたからヤダ。
「少し貴方に話があります。ああ、拒否権はありませんので」とか言われたからだ。
俺は上から目線が嫌いなわけではない。
仕事の関係上そう言う奴は腐る程いた。
いちいち気にするのも面倒なので、基本的に無視するという癖がついた。
これはそのためだ。
さて、どうしよう…
『セラフォルーに連絡したら?』
やだよ。あいつもめんどいもん…
『まあ、会うたびに結婚迫られてるもんね?』
どうしてああなったんだっけ?
『覚えてないの?』
全く。
pipipipipipipipipi
電話だ。
「もしもし?」
『あ!ユーたん?』
「……なんのようだ、セラフォルー」
噂をすればなんとやらだ。しかもメガネっ娘の動きも止まった。
『ユーたんが駆王学園にいったってサーゼクスちゃんに聞いたから連絡したんだよ?
どう、学校は?』
「今、お前の妹にカツアゲされてる」
俺の発言にメガネっ娘が「ちょっ!?」とか言ってるが無視だ。
ギャグ要員は全部無視だ。
『そんな!!ソーたんが不良になっちゃうなんて…
待ってて!!今からそっちに行くから!!』
「来るのはいいけど仕事終わってからにしろ。後で何を言われるかわかったもんじゃねえから」
セラフォルーが来るという言葉に反応したのかメガネっ娘が冷や汗を流しながら後ずさりする。
「くるんなら連絡ぐらいしろよ?」
『うん。わかったわ。』
電話が切れたのと同時に予鈴が鳴ったので教室に戻る。
メガネっ娘?
さあな。俺はあいつの名誉のために何も言わないでおこう。
なんか全然進んでないな…
よし!!
次回は使い魔の森だ!!
夕牙の使い魔も出てくるよ!!