破滅を宿した寂しがり屋   作:紫蒼慧悟

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部長の全裸が見れると思ったかい?
残念だったな、それはブラフだよ…


非公式

私は守られてきた…

だからあの人が守ってきたここを今度は私が…

ううん…

私達が守る!!

他の有象無象にこの場所を奪われてたまるもんですか!!

私達の想いに上層部の殆どは反対していた。

当主のいない土地を遊ばせておくわけには行かない?

ここは私達の土地よ?

それを渡すぐらいなら…私達全員で"はぐれ"になってでも守り抜くわ!!

これが私達のいなくなってしまったあの人に対しての忠誠。

我が主、アイリス・ヴァレフォール様…

我らは今でも貴方のご帰還を信じております。

 

 

 

 

 

 

ホスト崩れの白貴族、ライザー・フェニックスは真っ白だった体を自身の炎で包むことによって浄火した。

兵藤は口を開けたままライザーを見て固まっている。

ライザーは部室のソファーに座って寛いでいる。

リアス嬢の眷属にとってはこの上なくウザイんだろうけど、俺にとっては護衛の邪魔さえしなければ心底どうでもいい。

「いやー。リアスの『女王』が入れてくれたお茶は美味いな」

「痛み入りますわ」

朱乃の声が冷たい。

コイツどんだけ嫌われてんだ?

しかもそれに微塵も気づいてないとか…

『自称オリ主(笑)みたいね…』

いや、そうだけどさ…

俺もそう思ったけどさ…

「いいかげんにして頂戴、ライザー!!」

遂にリアス嬢がキレた。

まぁ、さっきからセクハラしまくりだったし仕方ないわな…

しかもこのホスト崩れ未だにニヤニヤしてやがる…

『ドMなのかしら?』

「以前にも言ったはずよ、ライザー!!私は貴方とだけは"絶対"に結婚なんてしないわ!!」

完璧に脈無しじゃねえか!!

少しだけこのホスト崩れが可哀想になってきた…

『夕牙は優しいわね…

 私はこんな屑に同情なんかしないわよ?』

リアス嬢とホスト崩れの口論はなおも続く…

話を聞いていると、古い家柄特有の柵やら、帰属特有の固定概念やら…

悪魔陣営は先の三つ巴の戦争によって爵位持ちの『七十二柱』と呼ばれていた家の

おおよそ半分が断絶しているので現在は『悪魔の駒』で転生悪魔になった者たちが

頭角を現してきているそうだ。

要はクソ戯けたプライドが引き起こしているということでいいんだろう…

しかも結婚しないって二回目をリアス嬢が大声で宣言しだした…

これにはさすがのホスト崩れも頭にきたのか、炎を撒き散らしながら怒り出す。

もう一回消火剤を撒き散らしてやろうと思ったけど、また同じことの繰り返しになるのはめんどくさい。

「俺は君の眷属を全て燃やし尽くしてでも君を冥界につれて帰るぞ!!」

流石に看過できないので俺は神器を使うことにした。

手に現れたのは何時もどおりの銀色に輝く大鎌。

炎程度ならまだ『秘技・消火剤召喚』でどうとでも出来るんだが、

殺気まで混ぜられると洒落にならん。

手にした大鎌を一閃する。

それによってホストから撒き散らされていた炎が消える。

ホストは兵藤達に向けられていた殺気が俺に集中するが、この程度なら涼しいものだな。

まだそこで「だから喧嘩すんなよ、コラ!!」って顔してるグレイフィアの方が怖いからなぁ…

『睨まれてるわよ?』

なんでだよ?

「はぁ。やはりこうなりましたか…

 これ以上続けるようでしたら、我が主、サーゼクス様の名誉のためにも遠慮はしません」

人妻メイドがやっと動いたか…

「最強の『女王』と称されるあなたにそんなことを言われたら、俺も流石に怖いよ。

 サーゼクス様の眷属とは絶対にやりあいたくないのでね…」

え?

俺、グレイフィアに勝ったことあるんだけどこれ言ったら怒られるかな?

というよりもグレイフィア程度だったらどうにかなるわ。

流石に本気は出すし、『禁手化(バランス・ブレイク)』するけどな…

「こうなることは、旦那様もサーゼクス様もフェニックス家の面々も重々承知の上です。

 これが最後の話し合いだったのですが、仕方ありません。

 最終手段と行きましょう。」

「最終手段?」

「お嬢様。ご自身の我が儘を貫き通されたいのならば、ライザー様と『レーティングゲーム』にて勝利なさってください」

「――ッ!?」

やっぱりか……

だが、ホスト崩れはともかくリアス嬢はまだ未経験のはずだ…

結果は火を見るよりも明らかだな…

兵藤とアーシアはなんのことだかわからないという顔をしていたが、木場が小声で補足説明している。

「いいわ。決着をつけましょう――ライザー」

リアス嬢は一も二もなく返答する。

勝機があるのか?

どうもそう見えないんだが…

「承知しました。では両家の立会人として私がこのゲームの指揮をとらせていただきます」

最終確認としてグレイフィアが今一度両者に確認を取る。

「ええ」

「ああ」

両者の確認が取れたことによって、非公式ではあるもののレーティングゲームが行われることとなった。

「それでリアス。まさか、ここにいる面子が君の下僕なのか?」

「俺は違うぞ」

ホストの問いに答えたのはリアス嬢ではなく俺だ。

俺までカウントされたら非常にめんどくさい。

俺の返答に続いてリアス嬢が俺以外の面子で全てだという。

リアス嬢の返答にホストが笑い出す。

見た目からして頭が可哀想だから仕方ないか…

『そうね。激しく同意するわ』

なんか今日のティア冷たいんだが…

ホストが自分の眷属を魔法陣から呼び出す。

その数15名。

つまりは質より量の精神なのか?

それともただハーレムを作りたいのか?

なんか、兵藤が発狂しそうだな…

兵藤の方を見ると…泣いていた。

『予想通り過ぎて詰まらないわね…』

「お、おい…リアス。君の下僕が俺のことを見て号泣してるんだが…」

さすがの白貴族も困惑しているな…

リアス嬢は額に手を当てて呆れ果てている。

「その子の夢なのよ。きっと貴方の眷属を見て感動したんだと思うわ」

リアス嬢の言葉が正解です!というように兵藤が泣きながら首を縦に振る。

「きもーい」

「ライザーさまー、この人気持ちワルーイ」

「ホント、まじ死ねよ」

白貴族の眷属に混じって俺の気持ちも吐露しておく。

「お前まで!?」

兵藤のツッコミが来るがぶっちゃけ送り返したい。

「夕牙!!お前も男ならハーレムに興味ぐらいあるだろ!?

 それでも男かよ!!!」

兵藤がなんか今までに見たこともないようなぐらい気合を入れている。

正直ウザイ。

知り合いの情報屋の『水銀の蛇』ぐらいにウザイ。

まあ、あいつは宇宙一のウザさだから兵藤の方が未だ遥かにマシだが…

「あんなブス共に興味はねえ」

俺の一言に部屋の空気が凍った。

「ちょっ…おまっ!?」

兵藤が慌てふためいているがどうしたんだ?

兵藤は俺の後ろを指差していたので振り返るとそこには仮面の女がいた。

「イザベラ、構わん好きにやれ」

白ホストはニヤニヤしながら仮面の女に命令する。

どうせ、おれが無様にやられるのを期待しているのと、さっきの消化器の恨みか?

仮面の女は主の命令に従い俺に自身の拳で襲いかかる。

だが、正直言って遅い。

武器も魔力も使わないところを見ると、『戦車』か『兵士』だな。

そういえば…

冥界の芸人で拳で冥界最強の人がいるという噂があったな…

あれって確か…『マッキー☆大嶽』だったけ?

あの人に一度だけ依頼を受けたな…

確か3年前のことだったな…

『一人で回想しながら避け続けないの』

この程度なら余裕。

「す…すげえ」

兵藤の驚きの声が部室内にいる奴らの思いを代弁していた。

仮面の女は俺に攻撃を当てられないことに歯噛みしていた。

「流石にめんどくさいなぁ…」

めんどくなったので…もとい、飽きたから終わらせる。

『全然言い直せてないわよ?』

大丈夫だって、問題無い。

既にこの部屋の中は俺の()()()で満ちている。

俺の魔力で反応する仕掛けなのでこいつらにはバレても問題ないな…

という訳で仕掛けの一つを作動させる。

俺の目の前から仮面の女が消えて、白ホストの真後ろに現れる。

それは一瞬のことだった。

いつまでも当てられないことに業を煮やしたのか、彼女にとっての最大威力を大ぶりで振りかぶろうとしたその姿のまま彼女の主の真後ろに現れた。

振りかざした拳は突然には止められない。

そして、次の瞬間…

ゴガン!!!

してはならない音が白貴族の頭から聞こえた。

仮面の女の拳が白貴族の頭にクリティカルヒットしたのだ。




取り敢えず前回に引き続き、焼き鳥にはお仕置きです。

因みに冒頭のとある貴族は伏線です。
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