アレは次回だ…
という訳で、直前ということと、伏線貼りです。
やっと出てきた!!
みなさんの大好きなコズミック変質者!!
魔方陣から現れたクルゼレイ様はこちらを見るなり苦虫を噛み潰した表情で後退る。
「人の顔を見るなりその行動とは…褒められたことではありませんね…」
私の放った言葉にクルゼレイ様は更に顔を歪めて後退る。
その歩数分踏み込む。
私が踏み込むとカテレア様が変な声を上げるが、そんなものは無視だ無視。
新しい玩具が来たのだから…
「フフフフフフフフフフフフフフ…」
「「ひっ!?」」
二人共酷いですね…
ただ、この後のクレゼレイ様から聞き出す工程を考えていただけじゃないですか…
「迎えに来てみれば、大物連れてるじゃねえか…姐さん」
「喜んでる場合じゃないだろ、ランディ…」
クルゼレイ様の更に後ろから転移で現れたのは私の眷属だ。
「アイリス・ヴァレフォールが眷属…
「同じく戦車、ロイド・バニングス」
クルゼレイ様とカテレア様の二人から焦りの感情が見え始める。
「くっ…!?」
クルゼレイ様…劣勢になるのわかっててきたんですか?
相変わらずオツムの足りない方ですね…
ちゃんと状況把握に務めるように何度も何度も耳にタコができるぐらい言っておきましたのに…
「姐さん、囲まれてるわ」
ランディの言葉に周囲の状況を瞬時に把握する。
はぁ…
「たった5千ですか?
その程度で私たちを止められるとでも?」
「やってみなければ…わからんだろうが!!!」
クルゼレイ様の声と共に四方八方から攻撃が迫ってくる。
「っは!!舐められたもんだな…」
「俺がいる時点で攻撃は通らない」
最速にして最硬の矛、ランディ。
最硬にして絶対の楯、ロイド。
この二人が来た時点で彼らの命運は決まっているというのに…
地獄というには生温すぎる修行を終えてから数日が経った現在。
駆王学園、旧校舎内のオカルト研究部の部室内では俺とグレモリー眷属が各々に待機していた。
レーティングゲームが始まるまであと少し…
兵藤とアーシアはカチコチに緊張で固まっていたが、リアス嬢と朱乃は優雅にティータイムと洒落込んでいる。
まあ、十中八九緊張を誤魔化しているんだろうが…
木場は壁に凭れながら瞑想中で、子猫はオープンフィンガーグローブを嵌めて気合マックス状態。
俺?
緊張するわけがない。
『結構な修羅場くぐってきたしねー』
修羅場というより地獄だよ。
あの白髪コンビがあちこちの戦場に無理矢理連れ回すせいだ。
まあ、片方は後で姉に怒られていたから少しすっきりしたが…
もう片方が厄介すぎる。
『まあ仮にも大隊長だしね、あの子…』
まあ、珍しく赤騎士が怒ってたから良しとしよう。
『それよりも夕牙、いいの?』
何がだ?
『定期連絡』
………あ、やべ…
ヤバイかな?
『確実にアウトね』
やべえ…
誰が来るんだ?
問題はそこだ…
大隊長がここで動くわけはない。
水銀と黄金も動かないのは確定していい。
ベイ?リザ?ヘルガ?年の差54歳カップル?
蓮と司狼は嫌です。
『確実にその二人でしょ?』
まじかー…
『そういえば大隊長の最後の一人って誰なのかしらね?』
ああ、黒騎士か…
俺が来る前に旅に出たとかなんとかでいないんだよなぁ…
司狼に聞くと不機嫌になって苛められるからもうどうでも良くなった。
あ、そんなことより連絡しないと…
「皆様、準備はお済みでしょうか?開始十分前です。」
携帯を取り出そうとしたら、魔方陣からグレイフィアが現れた。
なんかもうダメかもしれない…
ゲーム後に急いで確認しよう。というか速攻でゲームを終わらせよう。
『フラグね』
勝手にフラグにすんな
「時間になりましたらこの魔方陣より異空間に用意された使い捨ての戦闘フィールドへと転送されます。
くれぐれも魔方陣の外へ出ないようにしてください。特に夕牙様。」
あー、窓から綺麗な月が見えるなー
『ほら、図星を突かれたからって目を逸らして現実逃避しないの』
「わかったよ、大人しくしてるって…」
「ええ、お願い致します。それと、異空間内では予定通り夕牙様の魔力をはじめとする全ての力が百分の一になります。」
グレイフィアは僅かに申し訳なさそうにしているが、そんなのはどうでもいい。
最初から決まっていたことだしな。
というより、俺限定でステータス低下の術式組み込むの大変だったろうに…
「神器を出現させた場合は強制失格とみなしこちらから待機室へ強制転移します。」
「あいあい、了解」
グレイフィアの方は見ずに手をヒラヒラと振って軽く返事をしておく。
「そういえば、もう一人の『僧侶』は参加しないんですか?」
俺とグレイフィアのお話が終わったのを見計らって兵藤がリアス嬢に質問する。
「残念だけどあの子は参加できないの。それに関しては近いうちに話すわ。」
ん?一階の開かずの間っぽいところに閉じ込められている金髪ヒッキーのことか?
時間停止の神器だったな。
蓮で慣れてたから速攻で無効化したけど…
『アレは時間停止じゃなくて相手の時間を遅くして自分を加速してるって能力だった気がするんだけど…』
蓮はチートだから…
「……それと夕牙様は3人までしか相手にできません。」
「上層部か…」
グレイフィアは言葉を発さず頷くことで肯定する。
「な、なんでだよ!?」
兵藤が声を荒げて慌てるように立ち上がるが、そんなもの当然だろうに…
「相変わらずお前はアホだな。今回のメインはお前らだろうが…
俺はあのフェニックスの我が儘とはいえ、紛れ込んでるだけだ。
それとも何だ?俺に全員倒して欲しかったのか?」
俺の発言にグレモリー眷属が全員押し黙る。
確かにこいつらは強い。
だが、成人してレーティングゲームを経験している相手には部が悪い。
こいつらはレーティングゲームのルールを知っていても、実際に経験したことがないからだ。
経験は貴重だ。
ある物事を経験した者とそうでない者では圧倒的に経験者の方が有利だ。
向こうは数回の経験があるし、情報によれば二回負けてるがそれは接待プレイらしい。
つまり実質は全勝だ。
その相手に未経験で未成人のこいつら…
勝率は一割あるかどうかってところだろうな…
『夕牙がいる時点で向こうの勝率は一割切ってるけどね』
いや、これで負けたのがバレたらレアさんに殺される。精神的な意味で。
『赤騎士も来そうね…』
マジで怖いんですが…
俺が内心レーティングゲームとは別のことで縮こまっているとグレイフィアが未だに伝えていなかったことをグレモリー眷属に伝えていた。
サーゼクスが観戦すること。何故かセラフォルーも観戦していること。
上級悪魔達がこぞって観戦しながら賭けをしていること等等…
まぁ…グレイフィアはサーゼクスのことしか伝えていないが…
「お兄様が?…そう、やっぱり直接見ているのね…」
まあ、俺の参加を認めたんだから色々とあるんだろう。
主に大人の事情とか、上層部の老害とかのご機嫌取りとかそこらへんだろう。
「え?…あの、今魔王様がお兄様って…え?」
兵藤は混乱したようで、声が震えている。
「なんだ、知らなかったのか?お前もこの前見ただろう、あの紅髪の馬鹿だよ。」
俺のバカ発言にリアス嬢が声を荒げようとするが、グレイフィアの行動の方が早かった。
「うちのバカが本当にすみません」
「グレイフィア!?」
グレイフィアの謝罪にグレモリー眷属は口をポカンと開けている。
唯一発言できたのは付き合いの一番長いリアス嬢だけだった。
木場も朱乃も小猫も口を開けて目を見開いて驚いていた。
「あ、あの…てんグレイフィア…?」
「お嬢様…忘れないでください。アレは魔王である前にただの馬鹿です。大馬鹿野郎です。」
動揺しているリアス嬢の肩に手を置いて力説するグレイフィア。
ゲーム前に動揺されると困るんですが…
『原因が言わないの…』
「グレイフィア!?お兄様は貴方の夫でもあるのよ!?」
「ええ。結婚して分かりました。軽く後悔もしています。」
「ちょっ!?」
取り敢えずお取り込み中の二人は置いといて未だに魔王のことで混乱している兵藤に説明してやる。
「いいか、簡潔に説明してやる。
三つ巴の大戦で、魔王は死んでいるから現魔王は全魔王の名を継いだ普通の悪魔なんだよ。」
「じゃあ、部長のお兄さんが魔王に選ばれたのか?」
「そういうことだ。ま、現悪魔陣営では一番強いからな。」
俺の説明に兵藤は疑問を次々とぶつけてくる。
「あれ?でも、夕牙は部長のお兄さん相手に引き分けになったんだよな?
お前ってどれだけ強いんだ?」
「さあ?少し前にグレートレッドに挑みに次元の狭間に言ったら土下座で戦闘拒否された。」
「何をしているんですか!!」
俺が兵藤に説明して、兵藤の質問に答えていると、グレイフィアが突然俺に掴みかからん勢いで近づいてきて叫ぶ。
「最終手段使えば勝てるし」
「"アレ"を使えば今度こそ貴方は死にますよ?」
「俺の命に価値なんてねえよ」
俺とグレイフィアの遣り取りにグレモリー眷属は再び止まったように動かなくなった。
「時間だぜ、グレイフィア…」
「……ええ。お気を付けて。
ゲーム終了まで転移は不可能になっておりますので」
時間の止まったグレモリー眷属と共に床に展開されていた魔方陣の形が変わり戦闘用のフィールドへと飛ばされる。
照明が落とされ最低限の光しか灯されていない空間に多くの人影があった。
部屋の入口が開き新たな人影が空間内に入ってくる。
既に空間内にて談笑していた人影達は新たに入ってきた人影の正体に驚き、戸惑い困惑していた。
「アンナ・マレウス!?」
「嘘だろ…!?」
「ヴァレフォール家の残骸か…」
驚きの声の中には憎しみの入っている声なども混ざっていたが、アンナは聞こえていないように振る舞い部屋の中央にいる二人の魔王の元へ歩みを進める。
「………」
アンナの後ろに付き従うようにいるのはアッシュブロンドの青年。
腰にぶら下げるように差している剣の鞘に手を添える。
「やめなさい」
青年の目を堂々と歩くアンナの指示に従い、青年は鞘から手を離し睨むだけに留める。
部屋の中央には二つの玉座のような豪奢な椅子があり、どちらも空いておらず、その二人がこの空間内において一番位が高いことを言外に示していた。
「「お久しぶりです、サーゼクス・ルシファー様、セラフォルー・レヴィアタン様」」
アンナと青年の声にサーゼクスとセラフォルーは投影された様に浮かび上がる画面から目を離し二人を見る。
「マレウス卿は以前より聞き及んでおりましたが、まさか"剣帝"まで来るとは…」
「ご無沙汰しております」
サーゼクスの言葉に青年は頭を下げて応える。
「さてと、建前はここまでにしておきましょうか、二人共?」
アンナの言葉に頭を下げたのは魔王二人だった。
「「お久しぶりです、先生」」
アンナは二人の椅子から割と近い席に腰を下ろす。
剣帝と呼ばれた青年は、アンナの横に控えるように立っている。
サーゼクスとセラフォルーも元々座っていた椅子に座る。
「おお、マレウス卿!お久しぶりですな!!」
アンナの元に大仰な声で向かってきたのはグレモリー家の現当主だ。
「おや、グレモリー卿そちらもマレウス卿にご用事ですかな?」
今度は別方向からグレモリーと同じようなセリフを吐いて近づいてくる者がいた。
フェニックス家の現当主だ。
「あら、二人とも何しに来たの?"アノ事"ならここで言う気はないわよ、私はね…」
「「…………」」
アンナのからかうような言葉に冷や汗を流して押し黙る両家の当主。
アンナは押し黙ってしまい、すごすごと両家用に用意されたスペースに戻っていった二人を視線だけで見送り、目の前に展開されている画面に目を向ける。
「おやおや、相変わらずの辛辣な物言い。昔と変わらず安心しましたよ、マレウス卿」
その男は何時の間にかそこにいた。
部屋の入口が開いた様子もなく、転移の反応もなかった。
「相変わらずウザイわね、メルクリウス?」
ボロボロのローブを纏った長身の男がそこにいた。
「いつからいたのよ?というか珍しいわね、貴方がこんな遊びに興味を持つなんて」
アンナの旧知の間柄であるため剣帝は動かなかった。否、動けなかった。
今の今まで気づくことすらできなかったのだ。
「いや何、少し知り合いがいてな…」
メルクリウスの視線の先には画面に映った白髪の少年がいた
次回からフェニックス戦(確実)
という訳で焼き鳥のフルボッコはまだ先です。
艦これもイベントが開始されたので執筆時間が取れるか微妙なところ。
誤字脱字はいつもどおり。
ではまた、次回