古龍を描く狩人   作:ムラムリ

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モンハンの資料集を買い、
ポケモンエロ小説コンテストに作品投げて、
この頃残業塗れになり、
SEKIROを買ってハマり(初フロム)、
今日までで多分中盤くらいまでクリアした。
そんなこんなで投稿が遅れますた。

投稿頻度はこれからもちょっと落ちると思う。
SEKIROはリズムゲーです。


キリン 5

 高台に体を乗り出して目の前を見ると、レイギエナがそくささと尻尾を撒いて逃げていくのが見えた。

 足跡はしっかりと残っている。ネルギガンテがどうしてここにやってきたかは分からないし、どういう生態をしているのかも見聞きしただけで実際に目にして知った物事は無いのだが、古龍を喰らう古龍にもし追われたとしたらレイギエナが助かる術はほぼほぼ無いような気がした。

 カシワはすぐに、狭い穴の先にあるキャンプ地に逃げようとして、数瞬戸惑った。

 そのネルギガンテという古龍には炎や風、雷といったような強烈な自然の力を我が物として操る事は無いと言う。その代わりにあるのは、それらの力を操る古龍を力づくで屠ってしまう程の膂力とそれらの力を簡単に耐え得る程の再生力。

 そして、目につくものを全て破壊するほどの凶暴性。

 自分の足跡や臭いを追って、この穴の先に居ると分かられたら、どうなるだろう?

 もっと遠くへ、見つかったとしても逃げる先を選べる場所を選んだ方が良いのではないのだろうか?

 考えている暇は余り無かった。

 ……。

 カシワは、レイギエナが逃げた方向とは別の方向へ、キャンプ地を無視して四つ足で走った。

 

 台地の入り組んだ地形に入る場所の直前で、ネルギガンテがどう動くかを見る事にした。

 黒と白の点だったそれはもうかなり大きくなっており、飛ぶ速さも相当なものだという事が窺えた。そして、ネルギガンテは高台の方にまでは来ず、低地の方へと足を降ろした。

 ラフィノスがばたばたと四方へと飛んで逃げていく。

 どん! と音が鳴ったかと思えばべきべきと陸珊瑚が折れて、ずずん……と煙が立ち上る。

 そして、

「ぃぎゃぁぁぁぁ……」

 悲鳴が聞こえた。

 ……人の声だニャ。

 それは、断末魔だった。狩人のお供として長い間過ごして来た身としては聞きなれているそれは、一度鳴ったらもう、聞こえる事は無かった。

 そう時間が経たない内に、またネルギガンテが飛んだ。何があるかと物色するように色んな場所をぐるぐると周り、そして先に危険を察知していたのか、それとも偶然からか、今は気球を畳んでいる調査拠点を見つけた。

 浮かせていたならばきっと、即座に攻撃されて今度こそあの三期団の船は粉々になっていただろう。

 近付いていき、しかし幸いな事にそう興味を示す事は無かったようで遠ざかっていく。

 ほっとするも束の間、今度はこっちへと近付いてきた。

 物陰に身を寄せる。高鳴りそうになる心臓を呼吸をして抑え、近付いてくるネルギガンテの動向を見た。

 高台までやってくる。ずんっ、と体の頑強さに任せて乱暴に着地すると、早速レイギエナの足跡に気付き、臭いを嗅いだ。しかしそれを追おうとはせず、今度はカシワの足跡に気付いた。

 同時に体を完全に隠す。そして、落ち着こうとしていた体がまた震えだす。

 ぶるぶると、体の芯から冷めていく感覚だ。

 ……ただ、気付く。

 体の震えは、キリンの時と同じくらいだ。

 古龍を喰らう古龍なのに? キリンがそれ程に強いのか、ネルギガンテが言われている程でもないのか、どちらだろう?

 頭の隅で考え始めたと同時にぶわっ、と強い音が聞こえて我に戻る。どうして危険極まりない古龍が近くに居るのに考え始めてしまったのか、それにまた体を冷やしながらも、こちらに来る様子が無い事に気付くと、恐る恐る顔を出した。

 ネルギガンテは畳んでいた翼を大きく広げ、飛び立つ姿勢へと入っていた。カシワの足跡も追う気にはならなかったようで、目の先は大空へと向いていた。

 ぐ、と体に力を溜め、そこから飛び立つまでの数瞬、隠れていた赤黒い腹の部分が見えた。鱗や鎧に覆われていない、古龍を屠る程の純粋な筋力の塊がそこにあった。

 限りなく僅かな時間だった。しかしながらそれは目にはっきりと残り、またカシワは畏怖さえも覚えた。その畏怖は例えそれが狩人を屠った後であろうとも、狩らなければいけなくなるであろう対象であろうとも、尊敬に近い程のものだった。

 あの古龍が、クシャルダオラやテオ・テスカトルを屠る所を見てみたいと思わせる程に。爆炎も嵐も意に介せずに純粋な暴力で打ち勝つその様を見てみたいと。

 どこかへと、きっと住処である龍結晶の地へと飛んで行く様を、気付けば呆然と眺めていた。

 

*****

 

 十分も掛からない滞在だったが、臆病なカシワを疲れさせるには多過ぎる時間だった。

 今日はもう帰ろうかニャあ……。そんな事を思いながらぽてぽてと歩いていると、レイギエナの足音が聞こえてきて咄嗟に隠れる。

 先ほどと比べればゆっくりとした足音だ。姿が見えてくると、カシワと同様に疲れ気味の様子だったのが見て取れた。

 空を眺めて、そこに誰も居ない事を念入りに確認するとどこかへと飛んで行った。

 ネルギガンテとは違い、この縄張り意識が薄いレイギエナがどこへ行くのかはまだ、誰も知らなかった。

 飛んで行く最中、一度下を見たのが見えた。

 そしてカシワは誰かが犠牲になった事を思い出した。

 

 走ってそこまで行くと、もう既に数人が訪れていた。

 遺体らしきものには布が掛けられており、見ない方が良いと言われた。

 精悍な体つきの、名前は憶えていないが多分二期団とか三期団とかの古参な方の狩人が話しかけて来た。

「この人の胴の装備、クシャルダオラの装備だったんだ。誰かから貰ったとか言っていたけど、それだけばっくりと食べられてしまっていた」

「…………」

 濃い血の臭い。思いきり叩きつけられて吹き飛ばされたのだろう、その近くの陸珊瑚が折れていた。

 動けなくなったところに逃げられず、断末魔からして……生きたまま装備ごと腹を食われた。

「ネルギガンテは一個体のみではない。

 それは分かっていたけれどね、新大陸でしかまだ確認されていない古龍がまたすぐにここに現れるとは思わなかったなあ。

 ここは古龍が狩り易い場所だ、それがネルギガンテ()には分かっている事なのかなあ」

 ネルギガンテ()、というその言葉の響きだけでもカシワの体が震えるには十分だった。

「まあ、頭がしっかり残っているだけでもまだマシだな」

「……そうだニャ」

「あ、そうそう。あのネルギガンテをカシワも見たか?」

「見たニャ」

「何か特徴みたいのはあったか?」

「……、ボク、ネルギガンテを見るのはそもそも初めてだったニャ」

「あ、そうか……。まあ、そうだよな。前に居たネルギガンテだって、殆どこっちの方には姿を現さなかったし。

 何年もここに居る俺だって数えるほどしか見た事ないしなあ」

「……ただ、凄い筋肉だったニャ」

「まあ、な。凄い存在感だよな。あれをマハワは一人で倒したんだろう? 正直俺なんかの、精々リオレウスとタメ張れるくらいの狩人じゃ、対峙してもこうなるのがオチだな……」

 その後、俺が四人居ても同じだろうと付け加えていた。




モンハンの資料集を買って、
あれ、ちょっと待って、研究基地ってあれごと気球で飛んでいたのかよ……。そうだったんだっけ……。動画見てたら背景に浮かんでたし、会話とか吹っ飛ばして気付いていなかったのか。あれ、でも、研究基地への移動は、三期団の団長帰っていないっていうし、あの研究基地ごと移動はしてないんだよな。じゃあ飛竜か。レイギエナ討伐されたし。
そして某設定に関して、……こんな設定なの!? これじゃあ、自分の思い描いている展開と食い違うよ!
……うるせー! 知らねー!!!!
おしまい。

P.S.
ネルギガンテの筋肉に埋もれたい。

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