ヒトに恋した怪物たちへ   作:キョウさん。

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ニ話~空腹休息稲光~

 

 

「…バターにチーズを混ぜて、パン粉と砂糖をまぶして油で揚げた料理…。

 分析カロリー量800kcal……健康に際して害でしかない食べもの」

「こんなにおいしいのに…」

「でも空腹の身体にはとてもなじむ、エネルギー源としては魅力。

 レラ、いらないならもう一本アタシにちょうだい」

「こんなにギトギトなのに…」

 

 まっくら夜なのにちょっと人の多くなってきたくらい、そんなご飯を食べるヒトたちがあちこちのお店に入っては出ていく通りのベンチに腰掛けて、わたしはこのメディカルなんとかちゃんが揚げバターをあっというまにぺろりとしちゃうところを見ていた。

 わたしは一本で胸焼けしちゃったのに…三本も、しかも昼間に買ったものだったから冷え切ってたのをまるで飲み込むみたいにすぐ食べきっちゃうって…。でもあのままだとわたしは食べきれなかっただろうから、メディカルちゃんに食べてもらって正解だったかも。

 

 おじいちゃんの教えひとつ、食べものは無駄にしない!

 でもなんかこう、たまーにふらっと食べたい不思議な味してた、なんでだろ。

 

 

 メディカルなんとかちゃん……メディちゃんはあのあと、揚げバターを一本食べたらすぐに外に出ようとしたからあわてて止めたの。ヒトの世界で過ごすにはお洋服を着るのがルールだから、そのまま出したら怒られちゃう!

 でもわたし狼だから着替えなんてもってないし、そもそも背も高いからサイズもあわないし……って、そんなふうにあたふたしてたら、わたしを上から下まで、じっくり見ていたメディちゃんが急にぼうっと輝いた。

 

 これって。

 

「…こう?」

 

 わたしの白銀の光と違う、赤白い光、糸みたいに散って集まって組紐になる光。

 でもそうだ、この光はそうだ――― メディちゃんも、きっと。

 

「……傷の治療と同じでイメージするだけで定着する、本当に不思議。これでいいかな、あなたのとは違うみたいだけどアタシのいたところのヒトは白衣かこれを着てたから……コンバットスーツ、大抵は運ばれてくる傷病者としてだったけど」

「うん、うん…!だいじょぶ、だいじょうぶ!

 変わったお洋服だね、なんかすごいすべすべで!

 …メディちゃんも狼?」

「狼?…アタシはメディカルユニットALT-02、ここに…ここに配備されてた。

 …いまは、なんなのかわからない、少なくとも前のアタシはヒトじゃなかった。

 …メディちゃん」

「じゃあ仲間だ!わたしレラ!前はシルバーファングだった!

 わたしもなんでかヒトの姿になって、それでヒトの世界で生きてるの!

 メディカルなんとかちゃんだからメディちゃん!呼びやすいでしょ?」

 

 まだぜんぜん何も知らないんだけどね!

 で、でもこの様子だとわたしの方が長いはず、センパイにならなきゃ…。

 

 メディちゃんが着た服は、ほかのひとが着てるようなのをイメージしたわたしのよりだいぶすごい…こう、すべすべで身体のラインが出るようなものだった。髪の色と同じワインレッドを基調にしてところどころ黒やグレーのラインが引かれてて、そこかしこに硬そうな鎧部分がついてる、どことなく戦うための装備っていうかんじのはわかる。

 頭には幅の広いカチューシャみたいな道具をかぶってて、考えれば考える程使い方がわからない。

 

 不釣り合いにスカートだけとってつけたようなのがちょっとなんか女の子らしさだけど、こんばっとすーつ?っていうのかな、メディちゃんの知ってるお洋服のふぁっしょんなんだろう、そのうち聞かせてもらおう。

 

「メディ、メディ……うん、アタシが何者かわからないしユニットとしての形態を失っている以上、従来とかわり個体識別名は必要。メディでいい、ならメディ・オルト、それをアタシの名前にする、ALT(オルト)-02だからオルト、メディ・オルト」

「おるちゃん?めでぃちゃん?」

「好きな方で呼んで、とりあえずはその…食べもの、ありがとう…正直まだこの身体に慣れてなかったから、あなたがいてよかった。この病院施設にも非常食糧や薬品はあったはずだけどあの体力じゃあそこまで行けなかったと思う」

「びょーいん?」

 

 びょーいんってなんじゃろほい、食べものやお薬があるところなのかな。

 …おじいちゃんが言ってた診療所、みたいなもの?ここにもあるのかな。

 

 メディちゃんは振り返ると、庭園のまんなかにあった崩れたモニュメントに向かう。つかつかと、底の硬いブーツの足音があたりに響いた。

 

「……マップはここがアタシのいた病院施設だって指してる。

 衛星とは通信できないけど、形状やこれがあるからわかる。

 あのとき真っ白だった壁も、咲いてた紫陽花も、このモニュメントも、

 

 相当な年月が経って風化してる…アタシ、どれだけ寝てたんだろう」

「……ずっと寝てたの?こんなところで?」

「うん、でもこの姿じゃなくて。

 そこに転がってるの、アタシの同型機の残骸」

 

 身体を抱いたまま、顔だけで指す。

 わたしが目線を向けると、きっと花壇だっただろう場所に、花瓶に羽根と赤い目をつけてひっくりかえしたような何かの残骸が転がっていた。

 

「ただ壊れただけじゃこうはならない。

 …レラ、ここにヒトがいたって聞かない?」

「わたしも来たばかりだからわからないけど、けど。

 都の衛兵さんが来るまえはとーくつしゃ?しかいない廃墟だったって」

「そう……」

 

 崩れた建物を見て、憂いげに寂しそうな顔をするメディちゃん。

 声をかけたかったけど、わたしはメディちゃんが何を悲しんでいたのかわからなかったから、何も声をかけられなかった。メディちゃんもモンスターだったんだ、でもわたし達とは似ても似つかない…ずっとそこにあったのに、腐ってなかったり。

 

「ありがとうレラ、アタシ何すればいいのかよくわかんないや。

 …でもせめて、ここを知ってるアタシにできることなら…」

 

 そのときだった、つかつかと、また別の足音がわずかな灯りといっしょに廊下のほうから響いてきた。

 

「おおい!誰かいるのか!近所のガキ共かおーいっ!

 ここは立入禁止だって何度言ったら…」

 

「め、メディちゃんこっちきて!」

「えっ、えっ?うん…」

 

 そうしてこっそりその”びょーいん”を抜け出して、わたしとメディちゃんはごはんを食べてたんだった。

 

 わたしはお昼にいっぱい食べ過ぎたから、まだおなかが減ってない、っていうか揚げバターがすごい、これだけで明日までもちそうで胸焼けしてとても何かを入れる気になれなかったの。メディちゃんはよくこんなものをいっぱい食べられるなあ。

 

「究極的に食事とはカロリーと最低限必要な栄養素をとれればいい、けれどメディカルユニットとしてはできる限り健康を推したい。具体的には腹八分目でビタミン等もしっかりと摂取し適度な運動、休養を…」

「あわわ、あわわ」

 

 なにをいってるのかわからないぞっ。

 なんだかわからないけど、メディちゃんがすごい物知りだっていうのはわかった。

 お水を飲んでお口をすっきりさせると、メディちゃんははぁ、と息を吐く。

 

「……血糖値が上がっていくのを感じる。アタシ、本当にヒトの身体になってる」

「けっとーち。メディちゃんはどうしてあんなところにいたの?」

「わからない、けど最後の記録だと…大規模な破壊の影響、何かの襲撃。

 強力な衝撃に対し、機能維持の目的でスリープモードに入ったみたい」

 

 なにかに襲われて、気を失って寝てたってことかな。

 

「…レラの方は、どうしてここに?」

「えっとね、わたしはね、これがね」

 

 メディちゃんに聞かれて、わたしはリュックに差し込んである”傘”を見せる。いろんなヒトに見せて聞くものだからすぐに出せるようにしてあるんって、渡したメディちゃんがびーむさーべる…とか言いながら傘を見るかたわら、わたしは説明した。

 

「わたしを助けてくれたヒトのものなの、だからなにかできないかなって思って、それでせめてこの傘だけでも返しにいきたいの。その途中でいろんなヒトにも出会って、ヒトのことを勉強して、わたしもヒトと同じように…ヒトになりたいなって」

「ふーん…なるほどね、ちゃんと目的があるんだ」

 

 メディちゃんは壁を背もたれにすると、月を見る。

 それでさびしそうな目をした、月の光を写して青い目だ。

 

「アタシはよくわかんない…、ヒトの身体もココロも、ついさっき自覚したものだし。

 こうして喋れてるのも、痛みや空腹を感じているのもはじめての感覚なのに、はじめてじゃない気がしてなんかよくわからない……昔のことも覚えてるけど、なんか自分がなんなのかわかんなくなってる、あなたも最初こうだったの?」

「わたしはシルバーファングだったから痛みやおなかの空きはあったからそこは…でもヒトの世界の常識とかは、わたしはおじいちゃん達に教わったよ!」

「すぐに助けてくれるヒトに出会えたんだ…レラは運がいい」

 

 悪いヒトもいっぱいいるから、ってメディちゃんはため息混じりに言う。

 メディちゃんはヒトの”びょーいん”ってとこにいたみたいだから、わたしよりいろんなヒトに出会ってるんだろうな。でも建物があんなになっちゃうくらいずーっと昔のヒトなんだ……メディちゃん、いくつだろ?

 

「レラ」

「ふぁい!」

「ケガしてる」

「あっ、これは」

 

 ぼんやり考えてたら、メディちゃんに呼びかけられてびくっとしちゃう。

 ふりむいたらメディちゃんがすごい近いところにいて、わたしの顔をのぞきこんでた、うわぁ……近くで見るとすっごくお肌きれい、まるでつくりものみたい。お目々もすごいぱっちりしてて、透き通る水みたいに青い…わわ、手をとられた。

 

「手と頬、ケガ」

「あははー…ここにくる前にちょっといろいろあって、でも大丈夫!これくらいそのうちなおるから!」

「アタシならすぐに治せるから、動かないで…リカバリーバイザー起動」

 

 さっきまでの儚そうなメディちゃんとは変わって、急にぐいっと手をつかまれる、まるで逃しませんよって言ってるみたいに。そうしてメディちゃんが一言つぶやいたとたん、メディちゃんの頭のカチューシャみたいなのがカシャッと目に降りてきた。

 

「こっちのアームの使い方はわかるけど、初めてだからじっとしてね」

 

 変わったメガネだったんだ。

 そしたらいくつもの角ばった腕が宙に浮きながらわたしの手と頬にいきなり迫ってくるものだから、わたしは耳をぴんっとさせて固まって、その一瞬のあいだに傷口をいくつも青白い光が走る、針だ!ナイフだ!こわい、こわいこわい!!

 

 なにこれなにこれ!

 

「ひゃん、ひんっ!」

「はいこれでよし…お大事に、よかったら身体もケガしてそうだから見せてほしいんだけど…」

「おわったの…?あ、お、おじいちゃん達がお外じゃお洋服脱いじゃダメっていうからまたあとで!」

「そう?それならどこかに移動しましょ」

 

 すごいぐいぐいくる、もしかしてケガしてるのを見ると人が変わるのかな。

 すぐに立ち上がって腕を胸の前で組んで、あたりを見回しだすからわたしもリュックのフタをしめて立ち上がる。そのついでにふと、ケガのあったところを軽く手で触れてみたら……すごい、何もなかったみたいになってた。

 

「なおってる」

「治した」

「メディちゃんすごい!わたしにはできない!メディちゃんはケガをなおせる子なんだね!?」

「医療用ユニットだから……ほかにもいろいろ機能があるケド」

 

 あんまり使いたくはない、って言う。

 ケガをなおすメディちゃんが使いたくないって、なんだろう?

 

 首をかしげて、尻尾も耳も一緒になって曲がるものだからおとととバランスを崩しそうになって、メディちゃんに支えられる。手をつないだときとかさっきとか、なんとなく力はわたしのほうが強いんだろうなって感じがするんだけどこう、体格がおっきいと気持ちのほうで圧されちゃうなあ。

 

 そうしてたら、誰かが何人か、近寄ってくるのを感じて耳が動いた。

 道のまんなかにいたら迷惑だもんねごめんなさい、すぐどきますから。

 

 でもぺこりとお辞儀をして去ろうとすると、いやいやいや、ってその中の体格のいい男の人が呼び止めてきた。頭に髪がない、おじいちゃんは歳をとりすぎたからって言ってたけど、じゃあこのヒトも若そうに見えてすごい歳をとってるのかな。

 

「君達に用があるんだよ、見たところ旅人で…”商売”、してるんだろ?

 そんな格好じゃあ黙っててもひと目でわかったよ、田舎から出てきたのかい」

「わたしは旅人だけど、商売はしてないです!」

「アタシは医療用メディカルユニット…あー……医者の、助手」

「そう言うなって、路銀は必要だろう?このへんの店の者なんだが、君らみたいなべっぴんさんがいい値段で働けるところで…よかったらしばらくどうだい?そっちの変わった格好の娘なんかは特に需要ありそうだが」

 

「メディちゃん、なんかわたしイヤな感じする」

「データベースを照合、対象の心拍からして”何か隠してる”と断定」

 

 男のヒトたちが、わたし達を囲むように動こうとする。

 わからないけどわたしはちょっと怖くなってきて、メディちゃんの後ろに隠れかけた。

 

 でもだめだ、わたしがメディちゃんを守らなきゃ!

 

「いいだろ、いいだろ?少しくらい……慣れればこんなに割の良いものは」

「あの、わたし、やることいっぱいで」

「こっちもやることならいっぱいあるぜ?」

「お金はまだあるから大丈夫ですっ!手をつかまないでっ!」

 

「まどろっこしい、ちょっと一発打てばすぐに堕…」

「はなしてッ!!」

 

 坊主のヒトがこわい顔をしたとたん、わたしの本能がぞぞぞってイヤなものを感じたものだから、わたしはつい身体に力を入れちゃう。

 

 手を引き剥がそうとして離してくれなかったから、思いっきり引っ張ったら――― 偶然、わたしの身体を軸にするようにして坊主のヒトを投げ飛ばしちゃった。綺麗な放物線を空で描いて、坊主さんは気がつけば、そのあたりにあったゴミ捨て場に投げ出されていた。

 

 目を回して、気を失ってるみたいで。

 ―――あっ、やっちゃった…?

 

 あたりがしんと静まり返って、わたしは耳をぴんと立てて棒立ちになっちゃう。

 おじいちゃんの教えひとつ、むやみに暴力をふるってはいけない! 

 …でもこの場合はいいよね、いいよね?そうしていたら、また騒がしさが戻ってくる、他の男のヒトたちまでもが怖い顔をして、武器を抜いたからだ。

 

「お前」

「わぅ」

「そこの犬っぽいお前!この人が誰かわかって投げたのかよ!オメルタ商会の用心棒の一人だぞ!この街で商会に逆らったらどうなるかわかってお前ってやつは……ただで帰したら俺らのメンツも立たねえ、だから」

「“今”の世界がどうだか知らないけど、これが警備兵なら女の子一人にゲートを突破されるわね」

「風呂の底でもっかい言えるといいな!」

 

 あわわメディちゃん、剣とかナイフとか抜いてすごいアブなさろうなヒトたちを逆なでるように、腕を組んだまま言っちゃう。

 

 …わたしのパワーなら負けないかもしれないけど、わたし手加減がまだできない、あの”光の爪”もヒト相手に使ったらどうなっちゃうかわからないしなにより、5人も相手するとひとりひとりに気を配れない。

 わたしはヒトと戦うことに関してはまったくの素人なのです、逃げてもいいけど、メディちゃんが逃げ切れる足があるかわからないから逃げることもできなかった。

 

「メディちゃん、逃げる?」

「アタシ足は遅い…というか、まだヒトの身体に慣れてない」

「うう…じゃあわたしがなんとか止めてみるからメディちゃんは逃げ」

 

「必要ない、大丈夫」

 

 えっえっ、メディちゃんのその自信はどこから来るんだろう。

 

 わたしよりパワーは弱いし…もしかしてケガを治しながら闘い続けるとか、でもそんなのさせられない、治っても痛いものは痛いもん、メディちゃんにそんなことさせたくないしわたしが気が気でられなくなっちゃいそう。

 

 メディちゃん、一緒に戦おう!

 

「ううん、レラ、ちょっと離れてて」

「えっ」

「いいから、危ない」

 

 唐突な”せんりょくがいせんげん”っていうやつなのかな、あわわとしつつも後ろに下がると、メディちゃんは5人のヒトたちと対峙した。

 

「感動的だよな、自分だけ犠牲になって逃がそうってか?」

「この上玉、仕上げるのは自分にさせて下さいよ先輩!」

「バッカ俺も混ぜろ混ぜろ!」

 

 きっとあの大きな坊主のヒトを投げ飛ばしたわたしが逃げて、女の子一人だけが相手になることがわかったからか、5人のヒトはかなり気を抜いた構え方に変わる。食べるわけでもないのに知らないヒトが別の知らないヒトを襲うなんて、ヒトの世界の戦いってものもまた、なんだか理不尽でヒトも大変なんだなって。

 

 そうじゃなくて。

 

「メディちゃん!」

「…メディカルユニットALT-02型は、前型が盗難被害によく遭ってたから自己防御機能があって、バッテリーを消耗するからそんなに連射は効かないんだけど緊急時にはためらわず使えってプログラムがされてて」

「なんだぁ?何言ってるかさっぱり」

「だからこれがあんまり、使いたくない機能」

 

 その時、メディちゃんのブーツが”変形”する。

 側面が開いて、地面に針が刺さったかと思うと稲光が一瞬走った。

 

「ショックアブゾーバー」

 

 瞬間、メディちゃんの足下がピカッと光り、すごい音が鳴る。

 まちがいない、雷と同じ色だ、おじいちゃんは電気って言ってたもので、さわるとバチバチするらしい。

 

 それがわたしの手前くらいまできて消えたものだから、わたしもびっくりして尻尾と耳をぴんっと立てて安堵のため息が地面を這う。短い白い煙がのぼって、夜の街に音が響いて消えていった。

 

 ―――これ、本当に受けなくてよかった。

 

「……死なない程度のショックだから、放っとけば動けるようになる。

 二度と近寄らないで、アタシにはもう所属があるから」

 

 まともに受けただろう、5人のヒトたちはその場に倒れてて、ショックで起き上がることもできない感じだった。目はなんとか動いてるからちゃんと生きてるんだ……よかった、でも喋れないみたいで、口をぱくぱくさせてはメディちゃんに冷ややかに見られてる。

 

 ひとりはすごい形相で目つきで、メディちゃんと睨み合ってた。

 

「…覚、え……‥…」

「アンタ達が覚えてて何度も来るなら何度だってこうしてあげる、でも被虐趣味や加虐趣味は病棟のベッドが無駄に使われるからほどほどにしてね。20分もすれば満足に動けるようになると思うから地面とキスしてなさい」

「め、めでぃちゃん」

 

 振り返って、メディちゃんは微笑むとわたしに手を振った。

 …すごい音だったから、ヒトがどんどん集まってきてる。

 

 あわわ、逃げたほうがいいのかなごめんなさいかな。

 そうしてあわあわしてると、メディちゃんが近寄ってきてわたしの手をつかんだ、なんで?

 あっ逃げるんだね、わかったメディちゃんが言うなら!

 

「じゃあレラ、治療の続き、しにいこ」

「えっ今から!?あっ、えっ、そっちはヒトが多いとこで…めだつーっ!!」

 

 メディちゃんは優しくてお世話焼きなところがあるけど。

 怒らせたくないなあ、ってぴょんぴょん歩きながらそう思った。

 

 

 

 

 





https://img1.mitemin.net/bp/b2/fenvkw008eidihpf5zj52y221mmz_4uv_go_b4_qki.jpg.580.jpg

メディちゃんの原型ユニットのざっくばらんなイメージ

(´・ω・`)ほとんどオートメちゃんがモデル
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