今回無駄に長いです。今回から新章だったり。前回までは今回までの繋ぎ、前菜だったのだよ!
↓以下前書きコメより、シャニマスストーリーの若干ネタバレ含みます。
感謝祭シナリオ追加されましたね。
WING違って、個々というよりユニットメインのシナリオなんですね。
取りあえずアルストロメリアだけは速攻でクリアしました。
なーちゃん→アニマス風味の匂いを感じた。
甜花ちゃん→なんだかんだで成長はしてる……が、やっぱ甜花ちゃんは甜花ちゃん。
千雪さん→Pとイチャイチャしてた。
まだイルミネとアルストロ、放課クラだけしかやってませんが、全体的にシリアス風な感じがした。放課クラはほのぼのとして、ほっこりした。
最後のユニットの掛け声めっちゃすこ……
甜花ちゃん√の甜花ちゃんにだけゲロアマで知能指数が若干下がるPめっちゃすこ……
1週目withアルストロメリア
283プロダクション、事務所にて
「前に話したと思うけど、今日は――――」
「わかってるって。ユニットとしての顔合わせでしょ?甘奈こう見えてもスケジュール管理だってちゃんとしてるんだよ」
「そっか。甘奈はしっかり者なんだな」
「ありがと☆アルストロメリアだっけ?こう、アイドルだってすぐにわかるかわいい名前だよね。甜花ちゃんもそう思うでしょ?」
「………………」
「甜花ちゃん?」
「ひゃいっ!て、てんか、おおしゃき甜花16歳でしゅ!よろしくおねがいしましゅっ!!」
「て、甜花ちゃん!自己紹介はまだ早いよっ!?」
「おおぅ……お手本のような噛み噛みっぷりだな」
あうぅ……自己紹介をどうやるかずっと頭の中で考えていたけど……なーちゃんに声かけられて、そのまま口に出ちゃった……もうむり、なーちゃん、ひーくん、たすけて……
「ほらっ、甜花ちゃんリラックス、リラックス!成長してる甜花ちゃんなら出来るよっ。ファイトッ」
!!そ、そうだ。このくらいで怖気づいたら、今までのダメな甜花と同じっ、ひーくんに認めてもらわ、なきゃっ。
て、甜花だってやればできるって……!
「はぁー…………プリン」
「大丈夫?」
「うん。落ち着いた……かな。ありがとう、なーちゃん」
ふうぅぅ……ひーくんに教えてもらった勇気が出る魔法おかげ。これがなければ、甜花、そ、そくしだった……!
「(プリン?お腹でも空いているのか?)約束の時間までもうちょっと時間あるし……プリンでも食べるか?」
「えっ、いいの?やった☆ゴチになりまーす。プリンだって、甜花ちゃん。一緒に食べよ」
「う、うん。甜花、プリンだいすき……!」
勇気が出るだけじゃなくて、本当にプリンが食べれるだなんて……ひーくん、やっぱすごい!
「ぶぁっくしょいっ!!」
「あらあらん。豪快なくしゃみねぇん。誰かが弟君の事を話しているんじゃないかしら」
「あー……良く言いますよねそれ。ま、一回だけみたいだし噂されようがされなかろうが、なんだっていいですけど」
一回だといい噂。二回だと悪い噂。三回だと惚れられている等など回数によって意味合いが違うだとか。
と言っても、普通の生理現象で起こっただけですが。
現在はJewel Pioneer。世間は社畜や現実世界に疲れた方々唯一のオアシス、日曜日だというのに俺は業務室と言う名の密閉空間で、エリーちゃんと二人で作業をしていた。
やたら漢臭い光景なのだが、エリーちゃん周辺は薔薇の香りがしたりする。
ドギツイ匂いではなく、程よい感じなのが無駄に乙女力高いというかなんというか。
「……あら?おかしいわね。印刷ができないわ。プリンターから変な音が鳴って……大変!壊れちゃったわ!」
「いやいや、そんな簡単に壊れませんから」
「だって、なんか赤く光っているのよ!壊れたに違いないわっ!!」
後ろのデスクで作業していたエリーちゃんが、プリンターの所まで行って騒ぎ始めていた。
確かにエラー音が鳴ってエラーランプが赤く点滅しているが……
「んー、どれどれ。……用紙切れか?いや、用紙は入ってるな」
「そうなのよ。ちゃんと紙もセットしているはずなのに」
「……あ、もしかして………やっぱり」
「なになに?やっぱり壊れたの!?買い換えなきゃならないの!?これすっごく高かったのにぃ!」
プリンター側が原因じゃないのかと思って、エリーちゃんが使っていたパソコンを確認していたら、案の定だった。
俺が一人で納得していると、エリーちゃんが後ろから俺の尻を撫でつつ、騒ぎ立てる。
俺はエリーちゃんの手首を捻り上げながら、画面の一点を指して説明する。
「印刷の設定が手差しになってます。指定しているトレイに用紙が入ってませんから、そりゃ出力されるわきゃないですって」
「あらん……?そうなの?全然印刷できないから、色々といじくりはしたんだけど」
「ていうか、色々設定がめちゃくちゃになってるんですが……なんでカラー印刷になってんだ……この書類ってモノクロじゃなきゃダメじゃありませんでしたっけ」
「そ、そうね。後で提出しなきゃならないから」
カチカチとマウスをクリックしていき、正しい設定へと戻していく。
今俺が見ているファイルは店の売上を管理しているリストだったりする。その他にも顧客リストやら、店の在庫管理だとか一介のバイト君は見ちゃいけない物を俺は閲覧してたりする。
……いくら姉さんの紹介だからといって、信用しすぎじゃありませんかねぇ。
「これでよし。印刷しましたよ」
「おぉ!さっすが弟くんねん♡もう鮮やかすぎて出ちゃう!抱いて!」
「これくらいなんてことないですから。目の前でズボン脱ごうとすんな削ぎ落とすぞ」
プリントアウトした書類を持って悦楽の笑みを浮かべて舞うエリーちゃんは放っておき、俺はパソコンの前へと戻り、途中だった作業を再開する。
「ところで、弟くんはナニをしているの?」
「エリーちゃんのアカウントでキ○ハⅢ注文してる」
「ちょっとぉ!?ナニしようとしてるのぉん!って、ホントにアタシのアカウントじゃない!!」
エリーちゃんよ、いくらなんでも自分のPCだからって、画面開きっぱで放置しとくのはあかんぜよ。休憩中とはいえ、電源落とすなり画面ロックするなりしたほうがいいかと思う。
俺みたいなkzがいつどこで見てるかわからんのだから。
「……ナニモ買ってないわよね?」
俺からマウスを奪い去り購入履歴を確認し、こちらを野獣の瞳で見てくる。
「さすがに人の金で買おうとはしませんって」
「そ、そうよね。弟くんはそんな悪い子じゃないものね!」
「当然です。俺ほど善良で真面目な優等生はいませんよ。……ところで、エリーちゃん。俺、最近新しい洋菓子を食べたいな〜って思うんですが」
「あぁんもう!何が食べたいのよ!」
「あー、なんかフィナンシェとかマドレーヌとかが食べたいな〜……量が無駄に多くて、作業範疇外の事もやってるから、結構頭使うんですよねぇ」
「ゔっ!そ、それについては大変感謝してるわよ?弟くんが色々やってくれたおかげで、アタシもみんなも今までより楽になったわけだし……」
いやぁ、エリーちゃんが下の者を労う気持ちを持っている方で良かったな〜(棒)
正直、俺がここでバイトするまで……というより、ここのPCのフォルダやらファイルやらを見るまでは、個人営業だからとはいえ、情報管理面がかなりやばかったからな。
今時データ入力を手打ち計算ってあかんでしょ。フォルダ管理もめちゃくちゃな名前でくっそわかりにくい上に、重要そうなファイルにもパスワード管理してないって……
俺よか先に入った姉さんも、こういったPC関連関わってくる作業は得意じゃないしな。作業をしていても、違和感を覚えなかったのも……いや、そんなことはないな。
以前姉さんが、個人情報が記載されたファイルを他の人に見れなくする方法がないかって聞いてきたし。
エリーちゃんといい、姉さん以外の社員の人はこういった情報系の作業が苦手……というよか、致命的に知識が不足していた。
未成年の俺ですら、危機感を覚えるくらいだったので、最低限の情報系の参考書やら資料を渡して、覚えてもらった。
とりあえず、最低限のオフィスソフトの使用方法はわかってくれたみたいだった。
「……そうよね。弟くんもすっごいがんばってくれてるし、これくらいは――――」
「あ、○△□☓(高給ブランド)以外注文し直させますから。もちろん姉さんの分も頼まなきゃ現地まで買いに行ってもらいますからね」
「鬼!悪魔!弟くん!その千雪ちゃんに対する優しさをアタシに振ってくれてもいいじゃない!!」
全国の兄姉崇拝してる弟たちに謝れ。
しょっちゅうセクハラをしてくるオカマにやる優しさなんてない(無慈悲)
自分で言うのもなんだけど、それなりに業務改善に貢献してるんだし、これくらいええやん。
そして、なんだかんだで注文してくれるエリーちゃんマジパねーッス。
「あむっ……ふむ、初めて食ったけど、美味いっすねコレ」
「そうなの?それはねんカヌレっていうフランスの洋が――――待って。知らないで食べてるって事は……それ、アタシの?」
「さぁ?冷蔵庫にたまたま置いてあったから、持ってきた。」
「冷蔵庫置いてあったってそれアタシのおおぉぉぉお!!!何食わぬ顔で何言ってるのこの子!!」
「ふーん、カヌレってこういう味なんだ。まぁ……悪くないかな」
「悪いのはアナタよ!弟くん、勝手にアタシのお菓子食べないでって、いつも言っているでしょっ?!」
「あ、エリーちゃん。冷蔵庫にカヌレ放置されてたからいただいてまーす」
「言うの遅いし見ればわかるし放っておいたわけでもないわよっ!!」
んなこと言っても、他の人たちも冷蔵庫にお菓子が入ってたら、気にせず食う人ばっかな気がするが。
勝手に食わない人って姉さんだけじゃないか?
毎度こんなこと言っているエリーちゃんだけど、いつも色んなお菓子を冷蔵庫やら休憩室に置いてたりするし、差し入れ的な意味合いが強いと、思ってる。
それが遅かれ早かれ、みんなの胃袋に行くだけであって。
ま?名前とか書いてたらさすがに手を出さんけど。手をつけちゃいけないやつに関しては事前にエリーちゃんが言ってくるし。
「んー……ダージリンなんかと合いそうだな。姉さんに出すときはセットで食べてもらうか」
「……はぁー。ホント変なとこで好き放題やる子よねぇ……これでいて、みんなの信頼も厚いし仕事も出来るのが不思議よねぇ」
「やる事はやる。求められている事以上の事をやる主義なので」
「頼りにはしてるわよん。それで、弟くんは今はナニをしておるの?」
「年間のやらなきゃいけない作業をリストアップ&チェック表みたいなもんを作ってました」
カチカチと作りかけ途中のファイルを見せる。
デイリー、ウィークリー、マンスリーと毎日毎週毎月分のは以前作っておいたが、イヤリー作業としてはまだ作ってなかったので、今回を機に作ろうと思っていたのだった。
「内容、開始日付、終了日付、〆切期日、担当者……後は終了チェックも入れとくか。こんなもんでいいですかね」
「おぉ……相変わらず凄いわね。うん、いいんじゃないかしら。やる事もだいたいそんな感じだし」
ならよかった。
年間の作業は思いつく限りの事を突っ込んだだけだからな。
「なら他の作業管理リストと同じフォルダにイヤリーとして置いときますね」
「ありがとん♡さっすがアタシの弟くん。今月給料は色をつけてあ・げ・る」
(投げキッスはいら)ないです。
さーて、後は見栄えをカッコよくしておけばいいかな。
「これで、誰かが忘れたり、辞めたりしてもだいz」
「弟くんやめるの!?!?!?」
「うわっ!」
すげぇでかい声を出されてビビった。
今の声客に聞かれてないだろうな……あんだけでかい声だされたら、売り場に聞こえかねないぞ。
「千雪ちゃんに辞められ兼ねないってのに、弟くんまで辞めちゃうの!?」
「や、別に姉さんはまだ辞めると決めたわけじゃ」
「今はネ!でもアイドルって人気が出たら忙しくなるんでしょ!そしたらお店辞めちゃうでしょぉ!?」
「まぁ……そうかもしれませんね?」
「そ、れ、に!千雪ちゃんが辞めたら……弟くんだって辞めるんでしょう!?」
「そりゃ続ける理由なくなるし」
「いやああああああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
あ、発狂しだした。壁に体をこすりつけて、白目向きながら叫ぶ光景は見る者のSAN値を削るのではなかろうか。
俺?見慣れてる上に、セクハラされる方が気が滅入る。
今エリーちゃんが言った通り、なんやかんやで姉さんはアイドルになった。
結局俺は姉さんに本心を告げることなく、姉さんの思うがままにすれば良いと思う的なことを言い、アイドルになったわけですが……まさか、店も続けながらの二足のわらじスタイルとはなぁ。
俺見たく頑丈にできてるわけじゃないんだし、そのうち疲労が溜まって倒れたりしたら危ないから、店は辞めても良かったのに。それで姉さんが引け目を感じなくてもいいのになぁ。
エリーちゃんにはあんな事言ったが、さすがの俺も姉さんが辞めてすぐには店から去る事はしない。色々と後釜探しやら、引き継ぎやらしておかにゃならんし。
ま、最終的には辞めるけど。
……断固として店は続けるって言うんだもんなぁ。取りあえずはエリーちゃんと相談し、姉さんの要望も考慮しつつ話合った結果、前よりも勤務日数を減らし、俺と同じシフトに入る数を増やす……で落ち着いたらしい。
うん、結果的に総勤務時間は減っているんだろうけど……姉さんとしては俺と働くというのが重要なのだろう。
「ごめん春彦君ちょっといい!?今お客さんから商品の取り寄せについて――――って、エリーちゃん?どうしたの?」
何やら慌てた様子で池田さんが入ってきた。
壁に向かってヘッドバンギングしているエリーちゃんに何があったのかと聞いてくる。
「いつもの発作ですよ」
「そっか!最近良い男がいないらしいもんね!」
この店の最高権力者の奇行がそれで済まされるのか……てか、最近セクハラが激しいと思ったら、欲求不満だったのか……
なんだろう。色々とこの店に貢献しているのがバカらしくなってきたんだけど。
「そんなことより!休憩中ゴメンね。私だけじゃ、どうしてもわかんなくてさ……」
「気にしなくていいですよ。今日社員さんいるのエリーちゃんだけですもんね」
「そうなんだよ〜。売り場にいるパートさんもわかんないって言うし、千雪さんも今日はアイドル活動でいないじゃん?もう頼れるのは春彦君だけでさ」
「姉さんがいない分は俺が倍働きゃいいだけですから。お客様を待たすわけにも行きますし、状況は向かいながら聞きますよ」
「ほーんと、春彦君が優秀すぎて頼もしいわぁ!私の方が働いてる年数長いはずなのになぁ……」
ちょっとトラブルが起きてるみたいなので、ちゃんPCのロックをかけ、池田さんの後に続く。
「んじゃ、ちょいと様子見てきますわ」
そうエリーちゃんに言い残し、俺は売り場にと向かうのだった。
「ああああぁぁぁ゛゛゛゛゛まだ一度も弟くんを味わってなにのにいぃぃぃぃぃい゛い゛い゛い゛」
もう辞めたほうがいいかなぁ。
私がアイドルを始めてからニ週間が経った。
初めて経験することばかりで、不安に感じたり慣れない事が続いたけれど、帰宅した私を暖かく出迎えてくれる弟がいてくれた。
それだけで、その日の疲れなんて吹っ飛んじゃうくらいに私の心の支えとなっていた。
レッスンもお仕事も順風満帆と言った日が続き、今日は新ユニットのメンバーと顔合わせの日。
プロデューサーさんからは双子の姉妹だって聞いたけれど……どんな子たちなんだろう?
「おはようございます、プロデューサーさん。少し遅かったでしょうか?」
「おはよう、千雪。遅いどころか早いくらいだよ。他の二人ももう来てるとはいえ、約束の時間まで20分はあるし」
事務所前の呼び鈴を押すと、プロデューサーさんが笑顔で迎え入れてくれました。
あら……私が最後だったのね。あまり早すぎても遅すぎてもいけないと思って来たのが裏目に出ちゃったかしら。
私は283プロダクションのアイドルの中で一番の年長者。
みんなを引っ張っていけるように、春君にも誇れるアイドルになる為に頑張らないと!
「あの、プロデューサーさん。これよろしければ……来る途中にドーナツを買って来たんですけど」
「おっ、わざわざ悪いな。……もしかして、ユニットメンバー分買ってきてくれたのか?」
「プロデューサーさんの分も、ですよ?一緒にお茶でもしながら話せれば、打ち解けやすいかと思ったんですけれど……余計なお世話だったでしょうか?」
「いやいや、そんなことないって!それどころか、良く気が回るなぁと関心したくらいだよ」
「ふふっ、それなら良かったです」
うん、喜んでもらえたみたい。
……本当は一歩間違えたら、買えなくなる所だったけれど、それは内緒にしときましょう。
家を出る時、春君がお店の営業時間を教えてくれなかったら、手ぶらで行くことになってたのよね。姉さんが行こうとしてる店はまだ開店してないから、ここら辺のお店がいいんじゃないかって。
「……っ!(やっぱりいい笑顔だ。この笑顔をたくさんのファンに届けられるように頑張っていかなきゃな!)」
「……?プロデューサーさん?どうかしましたか?」
急に立ち止まって、私の顔を見てるみたい。
見てるというよりかはボーッとしてるような……?
「や!すまん。なんでもない。二人が待ってるし、行こうか」
プロデューサーさんが先に行き、私はその後ろをついて行く。
283プロの同じアイドルかぁ……私含めて、16人所属しているみたいだけれど、まだ誰も会ったことがない。
なので内心すごく楽しみにしていたりする。
仲良くなれるといいなぁ……
「二人は烏龍茶で……千雪は紅茶で良かったか?」
「うんっありがと、プロデューサーさん☆」
「ありがとうございます。いただきますね」
千雪さんって言うんだぁ。なんか、雰囲気とすっごいマッチしてる感じがする!
最初入って来た時は思わず驚嘆の声が漏れちゃったけど、それくらいに綺麗な人だなぁって思ったんだもん。
このドーナツも買ってきてくれたみたいだし、こういった優しげな人が本物のアイドルになれるのかなぁ……?
「…………」
「甜花?」
「えっ!?な、なに……?」
「飲み物、甜花ちゃんも烏龍茶でだいじょうぶかなって」
「だ、だい、じょうぶっ。甜花、ウーロン茶でも、コーラでも、サイダーでも、かたかなの飲み物なら、ぜんぜんっ、大丈夫!」
「いや、甜花。ウーロン茶はジュースじゃないし、元は中国語だからな……?」
あちゃー……甜花ちゃん緊張しすぎて、混乱してるっぽい。
目がぐるぐるー!って回っちゃってるし、隣に座ってる甘奈まで、甜花ちゃんの震えが伝わってくる。
うーん……最近は春彦君のお陰で、少しは甜花ちゃんの人見知りが良くなって来たと思ったんだけど……まだ甜花ちゃんには早かったかな。
「……甜花ちゃん大丈夫?どうしても無理なら、また日を改めても」
「し、心配しないでなーちゃん……!甜花なら、出来る……から!」
耳元で聞いてみたけど、甜花ちゃんはやる気満々みたい!
勢いよく立ち上がって、正面に座っている千雪さん?に視線を定めた。
……あ、口元にドーナツのくずがついてる。
……撮りたい!今の甜花ちゃんをパシャパシャと脇芽も振らずに撮りたい!撮って保存して観賞して自慢したい!具体的には春彦君にlineで送りつけて甜花ちゃんのかわいさを文字にした後通話をかけて甜花ちゃんの素晴らしさを語りたい!最近はアイドルも初めて頑張ってる姿がサイコーにかわいいとこも話したい!あ、でも甘奈たちがアイドルやってることはまだ秘密なんだった!うー、撮りたいのと話したい衝動が内から込みあげて来るけど初対面の人の前だから我慢我慢☆
「お、大崎甜花、16歳……ですっ。なーちゃんのお姉ちゃん……で、好きな事はげ、げーむとおひるねすることと、あとアニメも、見たりして、ごろごろとおひるねすることも、すきっ。誕生日、は12月の24日で……しゅ、趣味はげーむとおひるね……あっ、す、好きなこと、二回……言っちゃった…………とくぎは……ないです」
「……」
「……まぁ」
一気にまくし立てるように自己紹介を行った甜花ちゃん。
所々つっかえながらも、同じ事を
プロデューサーさんも千雪さん?も目を点にしてたけど、甘奈は……甘奈は……!
「てっんかちゃ〜ん!」
「ひゃぁっ!?な、なーちゃん……!?」
もう無理!甘奈のお姉ちゃん、かわいすぎっ!
自己紹介を終えて、一息ついていた所を不意打ち気味に跳びかかる。
「やったね甜花ちゃん!甜花ちゃん一人の力で自己紹介できたよ!甘奈、感動しちゃった!」
あの場面を録画出来なかったのは甘奈、一生の不覚!
……でーもっ、甘奈の心のメモリーにはちゃんと刻んだからねっ☆この事を後世に伝える為にも、甘奈絶対忘れないから……!
「にへへ……甜花、やれば、できた……!」
「うんうん!これも甜花ちゃんの勇気が成せた結果だね☆」
「う、うん。……でもね、なーちゃん」
甘奈に頬ずりされてるせいで、ちょっと言いにくそうだったので、名残惜しかったけど一瞬だけ止める。
あ、抱きつきはやめないけれど☆
「甜花一人だけの力じゃ……なくて、なーちゃんが側にいてくれたし、ひーくんにもいろいろ、教えてくれたし……だから、だから、みんなの……おかげ」
「(思考停止)」
「……なーちゃん?」
「きいたきいた!?甜花ちゃん尊すぎ!!もうマジ卍!今の甜花ちゃんの微笑みで甘奈意識失いかけちゃったよ!プロデューサーさんも千雪さん?も落ちそうになったでしょ?!あ、甘奈の自己紹介まだだったね!大崎甘奈同じく16歳!最強にかわいい甜花ちゃんの双子の妹です☆趣味はネイルとかショッピングで、好きなものは当然甜花ちゃん!…………よろしくっ☆」
やっば。完全にやっちゃった。
余りにも甜花ちゃんがキュートすぎて、自分を抑えきれなくなっちゃった。最後の最後で、冷静になって頭の中で増え続ける甜花ちゃんをいったん置いて、〆のピースを決めてみたんだけど……ち、沈黙がイタイ。
プロデューサーさんはちょっと呆れてるみたいだし、甜花ちゃんは……「さっすが、なーちゃん……!」って言わんばかりに見てくるし……す、滑っちゃったよね?
千雪さん(仮)ドン引きされちゃったかな……
「ふふっ、二人はとっても仲が良いのね」
って、あれ?引かれてるかと思ったんだけど……引くどころか、微笑ましいものを見るような目で見てる気が……もしかして、好印象だったり?
「私は桑山千雪。雑貨屋に勤めています。アイドルとは掛け持ちさせてもらっているんだけど……色々とかわいい小物とか、日常生活で役に立つのもあるから、良かったらお店に遊びに来てね。えーっと……二人の事は甜花ちゃん、甘奈ちゃんって呼んでもいいかな?」
「え、あ、うん。甘奈はいいけど……甜花ちゃんは?」
「…………」
「甜花ちゃん?」
「ふぁっ?う、うん。て、甜花も甜花で、いい……です」
「ありがとう。私の事も千雪って、名前で呼んでいいからね」
「それじゃあ、千雪さん。……その、一つ聞いてもいいかな?」
「うん。なんでもどうぞ」
まだ少ししか話してないけれど、なんだろう。一緒にいると安心する……のかな?甜花ちゃんはもう緊張なんて空の彼方に飛んだのか、ドーナツを食べるスピードが早くなってるし。
「甘奈の事、ヘンって思わない?」
「え?」
「だって、姉妹だからってこんなに甜花ちゃんが好きなんだよ?その……重いーとか、シスコンだとか……思わない?」
質問の意図がよくわからないといった顔をする千雪さん。
甜花ちゃんのお世話するのが大好きな甘奈だけど、世間一般ではそれはちょっとおかしいみたいで、よく学校の友達にも異常すぎって言われたりする。
あ、別に友達と仲が悪いとかそういうわけじゃないんだけどね?冗談混じりで言ってくるくらいだから。
甘奈が一通り話し終えると、甜花ちゃんは「そ、そんなことないよ……!なーちゃんが、いつもいっしょで、甜花、安心するもん……」そう言ってくれて、プロデューサーさんは「そんなことはない。そういった姉妹仲も甘奈の魅力だ」なんて、二人して気を使ってくれる。
当の千雪さんは最初はキョトンとしていたけど、真剣な表情でこう言ってくれた。
「そう?姉妹の仲が良いのはとっても素敵な事じゃないかしら。周りの人がどう思っていても、二人は二人、でしょう?」
「――――」
去年。初めて出会った男の子との事を思い出した。
外見はまったく似ていないのに、雰囲気が似ているのか、彼の面影を感じた。
彼との出会いはお世辞にも良いとは言えず、むしろ甘奈の黒歴史と言ってもいい程。
純粋な甜花ちゃんを誑かそうと、甘奈から甜花ちゃんを奪おうとする男。それ彼に対する第一印象。
甘奈の甜花ちゃんに対する想いを彼にぶつけ、その時甘奈に彼が放った言葉が――――
『いいんじゃね?愛が重かろうが依存しすぎだろうが。甘やかしすぎるのはどうかと思うが……他人がどう思っていようと、二人は二人、じゃねーの?』
何気なく言った事なのかもしれない。彼からしたら対した事じゃないかもしれない。
それでも……甘奈からしたら、肯定してくれた初めての人だから……一言一句覚えている。
桑山……もしかして、もしかすると……この人は。
「私にもねちょっと年の離れた弟がいるの。二人と同じ高校生……同い年かな?姉弟仲はすっごい良いはずなんだけど、周りの人はベタベタしすぎだとか、仲良すぎだって言われてたから……甘奈ちゃんの気持ちわかるの」
!!や、やっぱり!間違いない。
彼からお姉さんがいるって話は聞いたことないけど……甜花ちゃんの方を見ると、行き着いた答えは同じだったみたいで、甘奈たちはお互いに頷く。
「あの……千雪……さん?その弟さんの名前って――――」
右手で才能開花させる為に周回し、左手は科学の課題を終わらせようとペンを走らせる。
二刀流スタイルである。
下の雑貨階での本日の仕事は終了。残りの勤務時間は上の喫茶店で時間をつb――――仕事をして終了。
そして本日の来店数はたったの一人。最近会ったばかりの俺の事を師匠ッス!と言って付き纏ってくる後輩がやってきた。
今日は何を教えてくれるッスか!とちっこい体をいっぱいに使って、期待を抑えきれてない事をアッピルしてくる後輩に無駄な知識を今日も教えたのだった。
その内容とはアイスについて。アイスとかアイスクリームってみんな一括して言う事多いけど、パッケージのところをよーく見ると名称が違うんだよな。
氷菓子とかラクトアイスとかアイスミルクってね。アレって乳固形分っていう成分の度合いの違いなんだよね。
そこら辺の知らなくても良いような
『また次の休みも来るッス〜』と言い残して。
……友達と遊んだりしないんだろうか。俺の無駄知識聞いても楽しくもなんともないと思うんだけど……てか、なんで次の休みも俺がシフト入ってること知ってんだ……
「……ん?こんな時間に来客か?」
階段を駆け上って来る音が聞こえてきた。
複数の足音な上に、なんか急いでこっちに向かってるって事は一見さんの客ではないだろう。
取りあえず、スマホとノートをカウンターの荷物置き台にへと隠す。
さぁ、誰なんだ?無粋にも俺のしゅうk―――かだ――――仕事の邪魔をする輩は。
「春彦君!お姉ちゃんがいたの!?」
「ひ、ひーくん!お、弟……だったの……!?」
「お前らかよ」
予想だにしない奴らがやってきた。まさかの大崎姉妹とは……大穴すぎる。
確かに、俺がバイトしてる事を話した事があるが、バイト先まで教えた覚えはない。しかも、甜花に至っては極度のインドア女子なので、基本外出すること自体が珍しい。
……そんな俺のバイト先を知らないはずの二人が。それも一般客すら中々
「驚いちゃった。甜花ちゃんと甘奈ちゃんが春君の同級生だったなんて」
「姉さん」
二人より遅れてやってきたのは案の定姉さんだった。
俺を知ってて、なお且つ
この姉妹と一切繋がりがなかった姉さんが二人を連れて来たのは明白だ。そして、姉さんは今日283プロダクションの方に顔を出していたはずだから……
「二人が姉さんと同じユニットメンバーなわけね」
「えぇっ、甘奈たちがアイドルだって知ってたの?」
「や、知ったのは今」
こんだけヒントがありゃ、すぐにわかる。
少なくともアイドルなのは間違いないだろう。
ユニットに関しては、ユニットメンバーの顔合わせだってのを朝聞いたしな。
そこらの事を軽く話して、三人をカウンター席にへと促す。
「さて、お二人初回サービスだ。好きなのを一品奢ってやろうやろう」
「えっ、そんな悪いよ」
「なんでも……なんでもって言った?」
「なんでもとは言ってない。あまりに高い物を頼んだら、一緒に狩りに行く時、背後に気をつけるんだな」
「…………甜花、コーヒー、1杯にする」
そこまで遠慮せんでいい。
つーか、お前コーヒーなんて飲めないだろ。
「んーっと、ならご馳走になっちゃうね。千雪さんはどうすr」
「もちろん、姉さんは全部が100%オフ。なんでも好きなもん頼んでよし」
当然の事なんだよなぁ。姉さんが望むなら、メニューの端から全部注文したってやってやりますがな。
「は、春君?嬉しいんだけれど、お金はちゃんと払うから……」
「大丈夫大丈夫。領収書はエリーちゃん宛にしとくから」
「ダメダメッ!それなら尚の事払うから!」
エリーちゃんなら気にしないと思うんだけどなぁ。
むしろ、喜んでポケットマネーを差し出してきそうだし。
なーんて姉さんと何時ものようにじゃれ合っていると、姉妹二人からの視線が突き刺さった。
「……なーんか、甘奈たちと対応の差が違くない?」
「えこ、ひいき……ずるい」
わっかりやすく頬を膨らませてる妹に、口元をメニューで隠し不満を口にする姉。
はっ、初見だとはいえ姉さんと待遇が同じなわきゃないだろ。
「当然だ。俺の中のプライオリティーは姉さん>家族>越えられない壁>>>>>>猫>犬>友達>鳥>ハムスター>小動物>その他動物>その他有象無象。だからな」
「鳥以上犬以下なの!?甘奈たち!」
実際には姉さん>越えられない壁なのだが、公にそれ言うほどkzではない。
ていうか、君達俺の事を友達だとは思ってくれてるのね。
「んなことはどうでもいい。重要じゃない。はよ頼まないと二君ら二人のメニューはセンブリ茶な」
「甘奈決めたよ!このイチゴチョコレートパフェで!」
たまたま視界に入ったメニューに決めるほど嫌かいな。
別に飲めない程ではないだろ。美味しいと聞かれたら不味いと答えるが。
「……?せん、ぶり……?」
「ほほぅ、甜花は知らないのか。ならば教えてやろう。センブリ茶とは健康や美容効果に優れる飲み物でな(味はおいといて)スウェルチアニンとスウェルチアノリンも含まれていて、血行促進にも良いんだ(味は度外視して)巷でも人気なお茶(一部で)なんだぞ」
「そ、そうなんだ……ひーくんがそんなに言うなら、飲んでみようかな……」
「て、甜花ちゃん!?騙されちゃダメだよっ。春彦君それっぽく言ってるけど、一番大事な事言ってないから!」
騙すとは心外ザマス。
俺は本当の事しか言ってないんだよなぁ。
「もう、春君ってば……甜花ちゃん?センブリ茶はね、確かに春君の言う通り健康にはとっても良いんだけれど、その分ちょっと苦くてね」
「えっ……に、苦い……の?」
姉さんの言葉に困惑したようにこっちを見る甜花。
「そうでもないぞ。俺は特段と苦く思わんし」
「春君基準なら……でしょ?」
ずっと一緒に過ごしてきた姉さんには見通されていた。
「姉さんネタバラシ早すぎ。もうちょっと引っ張ってくれなきゃ」
「そんなこと言って、どうせ最後まで言わないつもりだったでしょう?」
「いやいや、ちゃんと言うって。…………飲んだ後にネ」
「……女の子にあんまりイジワルしちゃダメよ?」
「善処します。で、姉さんは何にする?」
「そうねぇ……マスターさんの本日のオススメは?」
「アールグレイ、アッサム、キーマン……リプ○ンあたりはいかがでしょう」
「ならアールグレイにしようかな」
「かしこまり」
オーダーを承りましたっと。オススメで俺が紅茶をピックアップした理由はこの後家で夕食を取るからである。
どうでもいいが、キーマンとは歴とした紅茶の一種である。断じてヒゲパーティーゲームに出てくるアイテムとは関係がない。
「……いつものひーくんと違う」
「甜花ちゃんもそう思う?春彦君ってお姉ちゃんっ娘だったんだね☆」
「なんで嬉しそうなんだお前」
「べっつに~?いつも甘奈のことシスコンとか言ってる割には春彦君もだったなんてね~」
「俺はお前みたいに、着替えさせたいとか、歯磨きしてあげたいとか、食べさせたいだとか、お世話願望なんてないぞ」
むしろ、あったほうが問題だ。
俺はこの姉妹と違って、同性同士ではなく姉弟とはいえ異性なのだから。
だと言うのに、甘奈の奴口を猫みたいににんまりとし、にやにやとしてやがる。
「てーれーなーいのっ。そっかそっかぁ。春彦くんも甘奈とおんなじなんだぁ……」
「……で、甜花はどうすんだ?」
「えっと、えっと……ど、どーしよ……」
……結局、甜花はメニューが決まらず、甘奈が頼んだパフェを二人で食べることにしたのだった。
「それにしても、春彦くんにお姉さんがいて、そのお姉さんがアイドルだなんてねー。甘奈驚いたよー」
「私も。春君の同級生で、一人はクラスメイトの女の子がアイドルだったなんて………」
サクッとオーダー通り作って出し、各々が頼んだメニューに手を出しつつ、今日の出来事を話す本日の客たち。
どうやら、姉さんと大崎姉妹で、アルストロメリアというユニットで活動してくらしい。
会って一日しか経ってないはずなのに、姉さんも甘奈も打ち解けるのが早いこって。
……で、会話よりも食べる事に専念してるのが約一名。
「はぐはむっ……にへへ、ひーくんが作ったパフェ……おいしい」
なんともまぁ、幸せそうな顔をしちゃって。
「もー、春彦君ってばなんでお姉さんがいることを教えてくれなかったのさー」
「だって聞かれてなかったし」
「たしかにそうだけど~……でも、今までの会話の流れで教えてくれてもよかったんじゃ……」
「ん~……まぁ、機会はあったかもな」
甘奈に言われて気がついたら、俺に姉さんがいるってこと知ってる人ってあんまいないかもな。
自ら俺って姉いるんだぜ!って言い触らすのも何か変だし、他の人みたいに姉弟の悪口を言うことなんてあるわきゃないし。
「それよか、二人がアイドルになってた方が驚きなんだが」
お姉ちゃんはアイドル!に続き、今度は双子の同級生はアイドルですか。ラノベのタイトルにできそう。
甘奈はなんとなく納得出来るとこがあるが、甜花が……?
極度のコミュ障で、妹に甲斐甲斐しく世話され、要介護レベルはいくつだと問いたくなる程の甜花がアイドル……だと?
「黙っていたわけじゃないんだよ?もうちょっと有名になった後で話そうかなーって考えていたし。ほら、アイドルになったのはいいけど、それで全然売れなかったら格好つかないし」
まぁ、言いたい事はわかる。
大口叩いたのは良いものの、散々な結果を出したり、失敗するのと同じもんだろう。
「なんでまたアイドルを?」
最大の疑問である。
普段からの言動を考えれば、自ら進んで甜花がアイドルをやるとは思えん。
するとその質問を待ってましたと言わんばかりに、隣の甜花に抱き付きながらピースを向けてきた。
あ、今の衝撃で、パフェを食べていた甜花の頬に思いっきりクリームがついた。
「よくぞ聞いてくれました☆それはもちろん、甜花ちゃんのかわいさを世の中に知らしめるためだからです!」
わぁーっと合いの手を叩く姉さん。楽しそうですね。
そういや、こいつが俺に甜花の秘蔵アルバム(お昼寝甜花ちゃん、ゲームに集中する横顔甜花ちゃん等など)を見せつけて来る時があるが、決まって甘奈は色んな人に甜花ちゃんの魅力を伝えたいなんて言ってたな。
行動に移してアイドルになるとは思わなんだ。
「アイドルも今しかできないことだろうし、甜花ちゃんと一緒に輝きたいなーって思ってさ☆」
「……で、甜花は拒否れなかったわけと」
「あうぅ……まさか、甜花が合格するなんて……似合わない、かな?」
「いや、その逆じゃないか?二人共普通に可愛いわけだし、アイドルって言っても違和感ないけど」
杉崎や齊藤君(クラスに一人はいるエロい奴)が大崎姉妹ってレベルたけーよなぁってこの間、ツレションしてる時話してたし。
今後、二人がどうなるかは知らんが少なくとも、事前審査かオーディションで他の候補生を蹴落として、アイドルをもぎ取ったんだ。なんだかんだで、アイドル素質ってのが備わってるんじゃないかね。
「……」
「……」
なんか黙っちゃったよ。二人共顔を赤くし俯いて、こっちを見ようとしない。
「……春くーん?お姉ちゃん、女の子を自然と口説くような悪い子に育てた覚えないんだけどなー?」
「や、口説いた気なんてないんですが……」
姉さんに咎められるように言われるが、思い当たる原因がわからん。
……えーっと、さっき「二人共普通に可愛いわけだし、アイドルって言っても違和感ないけど」って言ったけど…………まさかコレ?可愛いって言っただけじゃん。
え、これで口説いた事に適用されんの?
「俺は思った事をそのまま言っただけど」
「女の子はね、気になる人好きな人にかわいいって言ってもらいたくて、いっぱい努力をしているの。春君だって、いつも頑張ってる事を褒められたら嬉しいでしょう?それと同じ事なの」
そ、そうなのか……よもや、俺がラノベ主人公みたく言葉で異性を照れさせるなんて思わなかったが……ああいう主人公たちって、言ってて恥ずかしくないんですか?と問いたいくらいに歯の浮くようなセリフ言うし、それと比べりゃかわいいもんだと思ってたんだけど。
「……はむっ」
甘奈よりも回復するのが早かった甜花は目に前のパフェ消化を再開する。
……頬にクリームがついたままで。
「小学生かっての……ほれ、顔に生クリームついてっぞ」
「……えっと、と、とれた?」
「そっちじゃなくて反対側……拭ってやるから動くな」
「……ふぇえっ!?」
舌で舐め取ろうとするが、付着しているのは左頬。
しかも、それで舐めきれない量がこびりついているので、手を伸ばしハンカチで拭う。
「取れたぞ。もうちょっとゆっくり食いなんし」
急がなくっても、誰もお前のパフェを狙ってる輩なんていないんだし。
甘奈も喋るメインでそんなに食べるわけじゃないしな。
拭ったハンカチを洗っていると、甘奈と姉さんからこんなやり取りが聞こえた。
「……甘奈ちゃん。春君って学校でもあんな感じなの?」
「かなぁ。甘奈も不意打ち気味で食らった事あるし。……無自覚なのかな」
「あう、あう……」
その後、微妙な空気が続き、3人にタラし扱いされた。
俺は悪くねぇ!
甜花ちゃん 原作同様、オーディション組でアイドルに。
プリンの下りは棒鍵会社のリスペクト。ほぼ条件反射で弟を疑わないくらいには信頼しきっていたりする。
千雪さんに対する警戒心度合いは二人っきりだと会話が途切れるレベル。
エリーちゃん 機械音痴。機会弄りよりも男弄りが得意。
千雪さんからアイドルになる話を聞いた時、すごいわねぇん!とめっちゃ喜んでくれたり。社員が辞めようとしてるのにも関わらず、笑顔で送り出す上司の鏡。
なお、弟を逃がす気はない模様。
池田さん バイトの中では一番の古株。意外と後輩や下の人から慕われていたりする。
エリーちゃんのお菓子に手を出す人ランキングでぶっちぎりのトップ。
千雪さん 原作同様、店と掛け持ちスタイル。
姉属性だけでなく、妹属性も最近付与された。レッスントレーナー(はづきさん)から、体力結構あるんですね~と言われたらしい。これも弟とのランニングの成果であり、褒められた時ずっとニコニコしてたという。
プロデューサー 原作では最近アイドルになったり、新しいアイドルをプロデュースしたり、相変わらず忙しい人。アイドルの素質、プロデューサーの素質を両方備えたスーパー超人。
このSSでは逆に千雪さんに魅了されつつある。
なーちゃん 原作同様、甜花ちゃん大好き。アイドル始めた理由も同じ。
やや、暗い何かを併せ持っているのも原作と同じ。
今回の話で、弟の好感度と共感度が上がったらしい。
好奇心旺盛な後輩 いったい、何沢あさひなんだ……?
弟君 高性能バイト君。はづきさんほどではないが、スペック高。
年上の人には基本、猫被って良い印象を与えるのだが、付き合う期間が長けりゃ長いと化けの皮が剥がれ、本性を出していく。実際、エリーちゃんの時はお前誰?と今の彼を知る人が見たら、全員口を揃えて言う程別人。
アルストロメリア回&店長回でした。外伝とか言いながら、話の流れが外伝のIF展開とかもう意味わかんねえな。
原作ではイルミネとアンティーカしか、ユニット同士の初邂逅シーンが描かれてなかったので、今回それっぽく書いたり。
次回からは序章で登場しなかったアイドルたちとも絡ませたいなーと願望があります(やるとは言ってない)
感想、評価、誤字報告等、みなさんありがとうございます。
感謝祭やら、SSR2倍ラッシュやら、ストレイライトやらで、ごっつ忙しいですが、書きたいときに書いて、更新してきましゅ!