皆さんは連休でしたか?どこかでかけたりしました?
私は連休じゃありませんでしたし、自宅に引きこもりっぱでした!
「できましたっハル先輩、書けましたー」
「アタシも書けたぜ。ほら、こんなんでいいのか?」
新たな来店者二人と姉さんをラウンドテーブルの方に案内し、チョコの方もカウンター席からそっちに移ってもらった。
メニューを決めている間に、果穂から283プロのアイドルになったという事を聞かされた。めちゃくちゃ嬉しそうにしながら話していたし、報告したいこととはこのことだったんだろう。
果穂からしたら、アイドルになったのを俺が知らないと思っていたのだろうが、俺は姉さんがアイドルになったタイミングで283プロの公式サイトを見ていたからなぁ。
だからと言って、そんなことはもうしっているよ。なーんてバカ正直に言うわけにもいかない。
レッスン帰りだと言うのに、こんな辺鄙な場所に来てまで話してくれているんだ。KYな発言をして、気分を下げさせるつもりは毛頭ない。
この時期の小学生は敏感だからね。
そんなわけで、果穂にはデザート一品奢ってやったし、付き添いで来たらしい第一印象がちょっと無愛想なアイドル、西城樹里にも初回サービスで俺持ちにしたし、チョコにはもう一品チョコレートケーキを追加で作ってやった。姉さんは言わずもがな俺の奢り……なのだが、俺もこのメンバーと会話に加わる為に姉さんの頼んだアッサムを俺も飲んでいて、その分を姉さんが支払うという。
おいそこ、今同じ額を払っていて意味ないと思ったそこのお前!甘いな。甘い。たしかに結果だけ見たら変わらないだろう。けどな、過程がぜんっぜん違う。俺が姉さんに奢り、姉さんも俺に奢ってくれる。これが大事。
奢るタイミングはどうであれ、お互いが想い合っていることが重要なのだよ、うん。
……で、だ。今はアイドル3人にサインを書いてもらっていた。まだ有名ではないとはいえ、アイドルはアイドル。この新人アイドルたちと比較するのもおこがましい程無名な喫茶店に、彼女たちのサインを飾っておけば少しは集客のご利益でもあるかもしれないしな。
姉さんのサイン?いの一番に書いてもらい、俺の部屋に飾った後もう一度書いてもらって、店に飾りましたが?
今この店には姉さん、甘奈、甜花のアルストロメリアが書いた三枚の色紙が飾られていたりする。
何時も俺がいるカウンター席の頭上に三枚並べてある(エリーちゃん了承済み)
「おう、ありがとうな。……これが未来のトップアイドル直筆のサインか。…………売り時までは飾っとくか」
「おい今売るっつたか?さっき店の家宝にするだとか言ってなかったか?」
二人から色紙を受け取るが、西城には俺の心の欲望が聞こえてしまっていたようだった。
果穂には聞こえていなかったようで、変わらず汚れを知らない純粋な瞳でこちらを見ていた。
渡された二枚の色紙を見比べてみる。
果穂のはデフォルメチックに描かれた流れ星で、軌跡の中にこみやかほと可愛く描かれていた。
見ていて思わず、ほっこりとした気分になる。
もう片方は西城樹里と特に飾らない形で書かれていた。……が、頭文字の西の一の部分が一直線に伸びており、アイドルなんだから可愛らしさを追求した方が良いとは思ったが、やっぱり自分のキャラじゃないからこれくらいでいいか~みたいな、彼女の心の葛藤が形となって現れていた。
……なんてうだうだ言ってはいるが、実際のところはわからんけどね。だって彼女とは初対面だし。
まだお互い自己紹介したぐらいだもの。
……なんとなくだが、西城からは苦労人の気質が感じられる。
無愛想ながらも世話焼きというか、面倒味が良さそうっていうか。こっちを警戒してるよう見られているが、日も沈む頃合いな為に果穂の付き添いで来てるみたいだしな。
見た目よりも付き合いが良い人なのかもしれない。
「果穂のは流れ星か。果穂らしくカッコ良さとかわいさ両方兼ね備えた感じがするな」
「本当ですか!?ヒーローアイドルらしいでしょうかっ?」
手元の色紙に視線を向けながらサインのイメージを口にすると、キラキラと流れ星にも劣らず瞳を輝かせ果穂がこっちに寄って来た。
ヒーローアイドル……聞き慣れない言葉が出てきたが、ヒーローに憧れを持つ果穂のことだ。アイドルでもあり、ヒーローでもあるってことだろう。
うん、そのまんまだな。
「助けを求めるか弱き市民の前に、颯爽と流れ星の如くやってくるヒーロー。キラキラと輝かしい働きで人々を助け、カッコよく去っていく人々の希望……シューティグスター……いや、アイドル!まさにヒーローの象徴じゃないか!」
「しゅーてぃんぐすたー……!」
「そうだ!光り輝く正義の星。果穂お前はもうヒーローなんだ!」
段々とヒートアップしつつ、果穂を褒め称える。ゴリ押しな気がしなくもないが、果穂は嬉しそうにしているしいいだろう。
テンションが上がりすぎて、うずうずしていたが、いいだろう。
「へぇ……果穂スゴイ生き生きとしてるな」
「うん。私から見てもとても良い笑顔をしているわ。春くん結構面倒見がいいから、果穂ちゃんも接し安いのかも」
「そうなんですか。……えっと千雪、さん?」
「こうして落ち着いた中で話すのは初めてかな。桑山千雪です。千雪でもお姉さんでも好きに呼んでいいよ。敬語も無理に使おうとしなくてもいいし」
「……なら遠慮なくそうさせてもらうよ。あの二人って何時からの付き合いなんだ?果穂の話からすると結構経つ事はなんとなくわかるんだけどよ」
「私が知る限りだと……3年くらい前かな?果穂ちゃんがここに来るようになったのは」
あっちはあっちで話は出来ているみたいだ。まだ堅苦しさが抜けてない西城だが、それもすぐに無くなるだろう。
世代は違えど女性同士の仲が進展するのって早いなぁ。姉さんだからかもしれんが。
そんな二人が同じテーブルで談笑している中、約一名色紙に向かって手を動かしている者がいた。
「それでチョコアイドルさんは何時になったら出来上がるんだー?」
「あともうちょっと!もうちょっとで最高の一品が出来上がるからっ。もうちょこっとだけお慈悲を〜!」
〆切りが迫っ漫画家のように余裕のない表情で乞うチョコ。
何を書いているのか、後ろから覗こうとすると
「やぁっ、だめっまだ見ちゃ!」
このように手で隠されてしまう。
「サイン一枚にどんだけ時間かけてんだ……」
「そう急かさないでおいてやれよ。チョコの奴、まだサインは練習中なんだ」
「そう、そうなのっ。チョコアイドルとして最高の一枚を春彦君に――――じゃなかった。チョコアイドルイチオシのお店に寄贈するんだから!」
「そんな力まないでいいっての。誰も高クオリティのもんを望んでいるわけじゃないし。むしろ、駆け出しの頃に書いた不慣れなもんの方が良い。後々有名になった時に価値が上がるしな」
「売る気満々じゃねーか!?」
全く果穂を見習え。果穂なんて俺個人にサインをプレゼントしようと二枚目に突入しているんだぞ。ホント小学生とは思えないくらい出来た良い子だ。
……それにしても、俺は根っからのアイドルファンでもアイドルオタクでもなんでもないのに、こうも周りの連中が揃いも揃ってアイドルとはどういうことなのだろうか。
しかも同じプロダクション所属の。
ホントどんな確率だ。
たまたま道を訪ねてきたオタクをたまたま案内して上げたら、お礼として受け取ったのがたまたま一番くじで、その一番くじがたまたま2当当選したと同じくらいじゃなかろうか。
あれ?案外起こりそうだったり?
この喫茶店だけじゃなくて、俺個人としてもらったサインが自室にある。姉さんのは奮発して購入したお高めの額縁に入れて飾っているし、大崎姉妹のはちゃんと品質を保てるように保存させている。
姉さんのは俺が欲しいと言ったから書いてもらったが、あの二人には何も言ってない。けどこの前奢ってくれたお礼として渡された。もらえるもんは貰っておく主義なので、貰ったが。
何時あいつらが有名になって、こっちが家計難に陥った時なんかは有効活用させていただこう。あいつらもそれなら本望のはず。
姉さんのはたとえ俺の命に代えてでも死守する。姉さんの命に関わるなら速攻差し出すが。
「ハル先輩どうぞっ。ハル先輩にはいーっつもお世話になっていますから!」
「私も出来たよ!会心の出来だよ。見ているだけでよだれが垂れちゃうくらい!え?お店の分?……い、今からちゃんと書くよ?」
「ん、アタシのもやるよ。これからよろしくって意味でな。……別にいらなかったら捨ててもいいからな」
……これはそのうちコンプリートする日も遠くないのでは?
「春くんってば……モテモテねー♪」
みんなの後ろで、一人頬に手を当てて笑顔でそんなことを仰る姉さんが怖かった。
なんか樹里の千雪さんの呼び方がわからなかったからそれっぽく書きました。たしかはづきの事をはづきさんと呼んでいたはずなので、統一させただけという。
そろそろシャニマスのイベント話を書きたいけど、何時になったら出来るのだろう……海イベントの話とか書きたいなぁ。