姉がアイドルになるらしい   作:Clear2世

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果穂ちゃんのてぇいやぁ~!ってアピールめっちゃすこ。
なーちゃんのダメージボイスがエロくて、めっちゃすこ。
めぐるちゃんのパーフェクトぉ~!が元気よくてめっちゃすこ
mmmのダメージボイスが無気力でめっちゃすこ。
tnkちゃんのBADアピールがなさけなかわいくてめっちゃすこ。
チョコ先輩のアピールボイスのありゃ?がかわいくてめっちゃすこ。

※190819 修正
果穂の明らかにおかしいセリフのとこを今さら修正しました。
投稿してから一年近く経ってから気が付きました。
こんなんじゃ俺、執筆する気がなくなっちまうよ……でも、これくらい他の作者だってあるよね。俺にだってあるしね。
けじめ案件として10連してきます。


俺と小学生と客と

やる時はやる。やらなくても良い時はバレない程度に手を抜く。

くっちゃべりながらも手は休まずに動かす。それが俺のポリシー。

一番初めにアルバイトについて、偉そうに語ってた奴が何を抜かしてやがるんだと思われるだろうが、魔が差す時くらいは誰にだってあるさ。俺にだってあるしね。

と言っても、そこまで露骨に出すわけでもないけど。

 

特に一階の雑貨売り場では、どんなに客が少ない時間帯があっても、何時何処で見られているかわかったもんじゃない。裏方で商品の整理をしてる時は、時たまスタミナ消費をしたりしてるけど、レジに入ってる時や売り場では……ねぇ?

バレない自信はあるっちゃあるけども、エリーちゃんと姉さんにバレた後の事を考えると、どう考えてもメリットよりリスクが高い。

 

数年前、俺の他に如何にもチャラそうな男がバイトにいたのだが……態度はよろしくない、遅刻は当たり前。仕事の覚えは悪い。まぁ、何処にだっているやることないからバイトでもするかーな大学生がいたわけですよ。働きに来たのではなく、ナンパをしに来たんじゃないのかコイツ。と思わんばかりの行動をしまくってたからな……バイト仲間はもちろん。客だろうが構わず、声かけまくってたしな。

あろうことか、姉さんにまで手を出そうとしてやがったからな!いやもう、あの時は本気で手を出しそうになりましたね。

普段から野郎に対しては上から目線の最悪な態度で接して来やがる奴だし、日頃の鬱憤を爆発させるには持ってこい!なタイミングでしたけどね……さすがに抑えました。

こっちから手を出したら完全に負けだし、姉さんがいた手前、そんな姿見せられないし。

姉さんがいれば、俺だって自重しますよ!

 

まったく、ナンパするなら勤務外でやれってんだ。あの時、休憩中に二階の休憩ルームに入ったら、野郎が姉さんに迫ってやがったからな。いや、勤務外でもあんなDQNが姉さんに手を出そうとしてたら許さんけど。

……思い返してきたら、腹が立ってきたな。今はもういなけど。

 

最終的には、バイトやパートの女性陣からの不満が募り始めた頃、俺と店長でどうにかしたわけですが。

……いや、俺は案を提案しただけだったか。結果的には採用されなかったが。

ちなみにその案はというと、一番忙しいしピークの時間帯に売り場……もとい、レジに奴だけを配置し他の人たちは出払うなりしてもらうということ。

要はまともに業務をこなせないことを逆手にとり、トラブルが起きようが全て一人で対応させるということだ。

如何に奴が遊び感覚で働いていようが、お客さんからしたら一人の店員である。使えようが使えないだろうがしったこっちゃない。

頼る人はいない、自分でなんとかするしかない。精神的ダメージを追わせた所で、俺が出ていき、慌てふためく奴を尻目に対応していき……その後「こんな簡単な事もできないんですか?女の尻を追っかける前に仕事をしっかりやってもらいたいとこですね」なーんて精神的ダメージを追わせて、居心地を悪くさせ、向こうから吹っ掛けて越させるように仕向け、やめさせようとしたんだけど。

結局はエリーちゃんが

 

「アタシに任せなさい❤️」

 

良い笑顔でそういい残し、俺に背を向けたのだった。

……翌日。奴自ら退職届けを出してきたのだった。

何があったのかはサッパリわからなかったが、その時のエリーちゃんはやたら顔がツヤツヤしており。『たまにはああいう反抗的な子もイイわぁ~』と言っていたのだが、俺にはなんのことかわからない。尻がキュッと締まったが、ぼくにはなんのことかわからない!

 

「……暇だ」

 

あまりにもすることがないと、思い返したくもないことを思い出しちゃう時ってあるよね?

そんなわけで、学校終わりの平日ある日。絶賛バイト中ですがすることがありません。

今日は雑貨のシフトではなく、二階の喫茶店メインの持ち回りなんだけど……マジで人こねぇ。

かれこれ一時間はカウンターに立って、銀食器手入れなんかをしてたわけだけど……磨きすぎてピッカピカやぞ。

ピッカピカすぎて、シルバー某王様も大喜びじゃないかな?

もっと腕にシルバー☆巻くとかさ☆

 

「…………はやく帰りてぇなぁ」

 

思わず本音すら漏れてしまう。

普段だったら、姉さんが時々様子を見に来てくれたりするけど、今日は非番で姉さんは休み。

我輩、退屈である。

その代わり、今日は姉さんが夕食作ってくれてるからなぁ。

何作ってるんだろなぁ。lineで聞いてみっかな?姉さんなら、勤務中にスマホで連絡しても、ほどほどにね?って言われるくらいだしなぁ。

 

つか、ホンットに暇だわ。わかってはいたが、二階にはマジで客こねぇ。

雑貨の方には客は結構来るのに、喫茶店にはほとんどこないっていう。以前姉さんと一緒に、客の統計を取ってみたことがあるが、喫茶店の客の入り具合は雑貨屋の一割にすら満たなかった。

これやっぱ場所が悪いにも程があるだろ。

この二階に上がる階段の配置だが、入り口とは反対の奥で、真ん中にあるレジとは大分離れており、付近にはバックヤードの扉に、階段の周辺には余りに売れ行きの良くない商品が置かれていたりと、謎の徹底っぷり。

姉さんになぜこんな配置をしたのか、聞いたことがあるが、姉さんもわからないようだった。

いくら趣味で経営してるとはいえ、いいのかこんなんで。

エリーちゃんが大物なのか、考えなしなのか、疑問に思い始めた時だった。

 

 

 

 

 

「こんにちはー!ハル先輩いますかー?」

 

部屋全体に響き渡る、明るく大きな声。挨拶が聞こえた瞬間、だらけードから、接客モード切り替えたが、聞き覚えのある声に、俺の事を名指しで呼ぶ人物。

客として対応しなくていいとわかり、だらけモードと接客モードの中間。何時もの俺に戻る。

 

「果穂か。こんにちはっと。学校帰りか?」

 

「はい!あたし、どうしてもハル先輩にホーコクしたいことがあって来ちゃいましたっ」

 

目を爛々と輝かせ、背負ったランドセルから中を探り始める長身の少女。

小宮果穂。パッと見、高校生に見えなくない容姿とスタイルを持つが、歴とした小学生である。

初対面の人は誰もが驚くであろう。俺だって話をするまでは同年代だと思っていたし。

コヤツ、姉さんとほぼ同じ身長なんだぜ……?さすがの俺でも見抜けんわ、そんなの。

 

「ジャーン。見てください!今日のさんすうのテストで百点をとっちゃいましたっ!」

 

両手に持って突き出して来たのは、全てが赤丸で囲まれたテスト問題だった。答案用紙を受け取り、目の前のカウンター席に座るように促す。

どうやら、テストの点数が良かった事を喋りたかったらしい。

にしても算数か……小学生まではそう呼ぶんだったよな。

中学から数学と名称が変わり、そこからさらに難度が跳ね上がる。

 

「もしかしてこの間言ってたやつのことか。やったじゃないか」

 

「えへへっ、これもハル先輩が勉強を教えてくれたおかげです!」

 

いくら何年の前に教わったとはいえ、算数ともなれば、中高の土台になるわけだしな。

それに俺が教えたことなんて、テストに出そうなとこや、覚えておいた方が後々楽になる箇所だし。

 

「俺は手助けをしただけさ。果穂が頑張りがちゃんと成果に出たんだ」

 

「でもでも、ハル先輩がここゼッタイ出るぞーって言ってたところが全部出ましたっ。あたし一人の力じゃ、つかめなかったです!」

 

「そっか。なら、ヒーロー果穂と仲間Aの絆パワーで得た勝利ってとこか」

 

この少女、特撮戦隊物やヒーロー物が大好きなのである。

良くヒーロー変身ポーズをとったり、決め台詞を活用したりしてる。

俺自身はそこまで詳しい訳ではないが、果穂がヒーローごっこといった、少年心をくすぶる遊びが好きみたいで、たまに一緒にやったりしている。

ヒーロー絆って単語にやや興奮気味の果穂であったが、急に大人しくなり

 

「はい!……でもあたしにとって、ハル先輩はヒーローなんです。知らないこといっぱい教えてくれますし、一緒に遊んでくれますし。やさしくて、カッコよくて、頼りになるレッドなんです!」

 

お兄ちゃんより、お兄ちゃんみたいです!と最後に付け足す。

……なんだろうか、果穂の年頃だと異性との距離感を計りだし、羞恥心や恥ずかしさが大きく出てくる子が増えてくるだろう。

だが、果穂の場合まだそれが来ていないと思われる。なので同学年の男子ならば、勘違いさせそうなこの発言も、自分では気付いてないんだろうな。

 

「俺も果穂は妹みたいに思ってるよ。……よし、テストで満点を取って頑張った妹にはご褒美をやらなきゃな。好きなのを選んでいいぞ」

 

「で、でもあたしお金持ってないのに……」

 

「小学生の妹から、金なんて巻き上げるとか鬼の所業か。奢ってあげるから、遠慮すんな」

 

小学生だってのに、遠慮なんてしないでいいんだがな。

見た目だけでなく、中身も果穂は大人びてるんだよな。こういう所は。配慮とか遠慮といったその心遣い。そこら辺の中学生よりも人間性が出来つつある気がする。

果穂の頭に手を起き、気にすんなと伝わるように優し見つめる。

る。

昔、俺が姉さんや家族に遠慮していた時、姉さんは何時だって優しく微笑んでくれていた。

姉さんのように出来るかはわからないが、年下の子が安心出来るよう、今度は俺が行う番だ。

 

「えへへ、やっぱりハル先輩は優しいです。それじゃあ……どれにしようかな……いろいろあって、迷っちゃいますっ」

 

「存分に時間をかけていいぞ。果穂以外に客もいないし。好きなだけ悩んで、好きなだけ注文しな」

 

ここからメニューの下までお願いします!とか言われたら、色んな意味でダメだが、果穂がんなこと言うとは思えんし。

 

「えっ、一つだけじゃなくて、二つでもいいんですか?」

 

「ご褒美だからな。飲み物とデザートでもいいし。デザートにデザートを頼んでもいいし、食べたいだけ選びな。……その後の夕飯に差し支えがなけりゃな」

 

「あうっ……あんまり食べ過ぎちゃうとお母さんに怒られちゃいます……食べたいのいっぱいあるけど、がまんです!」

 

「ま、そこんとこは俺が果穂のお母さんに口添えしとくよ。だから、今日くらいは大丈夫じゃないか?」

 

実は果穂だけじゃなく、親御さんとも面識がある。

高校生と小学生。いったいどうやって、バイト先に遊びに来るまでの仲になったというのか?

家が近所ってわけでもなく、従兄弟とか血縁関係でもなけりゃ、こっちから仲良くしようぜと声をかけたわけでもない。

い。

というか、今のご時世、んなことしたら捕まりかねん。

ではどんな邂逅をしたというのか。あれは今から3年前……いや12年前だったか。まぁ、いい。俺にとってはつい昨日の……やめた。エルシャダイごっこは長くなりそうだし。

簡潔に言うと、果穂迷子、俺、バイトの買出し中、親御さん見つけるの手伝う。さらにまとめると、迷子の小学生を親御さん届けた。

うん、そんだけよ。小説やアニメみたいに、ドラマチックな出来事期待した?残念、現実はそんなに上手く出来てないのよ。

 

「決めました!このあまーいみつのかかったパンケーキと、混ぜて美味しいミックスジュースにします!」

 

「そんなオーダーで大丈夫か?」

 

「えっ?な、なにかいけなかったですか……?」

 

いかん。つい反射的に答えてしまった。果穂が困惑してしまった。遠慮すんなといった矢先だもんな。

これが明久とか甜花ならネタとして通じるんだが、純粋ムックな果穂には通じない模様。

むしろ、「大丈夫です。問題ありませんっ」なんて喜々として答える女子小学生もどうか思うが。

……それはそれで、将来が楽しみだな。今から知識を教え込んで、染めていくのも悪くはないかもしれない。

とは言っても、ほどほどしないと果穂の両親がブチ切れかねない。母親の方は割と好印象を持ってくれてるみたいだけど、父親さんからはそうでもないみたいだからな。

向こうからしたら、突如現れた、可愛い娘を奪いかねない得体の知れない男って感じか。何処の世界も自分の娘ってのは手元に置いておきたいものなんだな。

 

「なに、独り言さ。気にすんな。パンケーキにミックスオレですね。ご注文は以上でよろしいですか?」

 

「わぁ……っ、ハル先輩、ホンモノの店員さんみたいです!はい、大丈夫ですっ」

 

いや、本物の店員なんだけどね。余りにも喫茶店の客の入りが悪いせいで、俺が他の客の接客している所を見てないんだろうけど。

……もしかして、ここに来る客の俺の印象って、仕事をサボってるアルバイト君だと思われているのだろうか。

だとしたら、心外ですね!下で働いている時は力仕事はもちろん、レジ対応だって違算出さず、返品対応だって余裕のよっちゃんだし、接客だって商品の案内や道案内だってパーフェクトにお客様の目的地案内できる!

自分で言うのもアレだけど、結構仕事は出来る人なんですよ、えっへん。

ま、姉さんには敵わんが。

 

「ではでは、クッキングスタート」

 

材料の準備は既に用意してある。ミックスジュースの材料もちゃんと苺のヘタやらバナナの皮むきも終えている。

何時やったかだって?もちのロン、果穂がメニューを決めている時からだ。

果穂のメニューに向ける視線を観察し、果穂が注文しそうなものを想定する。そんだけだ。

そんなわけで、ミックスジュースからやってくか。

では、このブレンダー……もとい、ミキサー君出番ですな。

家にあるミキサーよりも、明らかに金が掛かってそうな、エリーちゃん印のミキサー。

ほいじゃ、材料をぶちこんでーーーーん?

 

「ミキサー……あたし、初めて見ました」

 

身を乗り出しそうな勢いで、こっちを興味津々に見る瞳が2つ。といっても、誰がかって、果穂しかいないんだけど。

 

「そうなのか?家庭科の授業……ではあんま使わないか。家にはないのか」

 

「ありませんっ、どういったモノなのかはテレビで見たことがあります!」

 

▼小宮果穂がミキサーに触れたそうにこちらを見ている!

 

▼ミキサーを触らせますか?

 

●いいえ。

 

って、鬼か。目の前に餌をチラつかせておいて、そのまま自分が食べやがるくらいの所業だよ。

世間一般のマニュアル的には正しいのかもしれんけど。

客に金を払わせておいて、後はセルフサービスでございます。なんて言えるわきゃない。言ったら首が飛ぶ。

 

「……やってみるか?」

 

が、そんなことは知らん。手順通りの作業なんて、誰でも出来る。

しゃかいではね、当たり前のことが出来る人より、要求されてること以上の事が出来る人を求めているのさ。

まだ社会人じゃないけどね、俺。

 

「っ、いいんですか!?」

 

「本当はあんま客に機材を触らせるのは良くないんだけどな。果穂だけには特別だ」

 

「とくべつ……あたしだけですか?」

 

「あぁ。果穂にだけ。オンリーワン。ユーだけのとっておきのサービスね」

 

そもそも客がいねーじゃんってツッコミはノーセンキュー。

言ったやつはハイドラでボコるわ。

エ○ライドって神ゲーだよね。今でもたまに姉さんとやるわ。

姉さんの使うワゴンマジ、ピンクの悪魔。

 

「うれしいですっ、先生にテストをほめられた時よりも、ぜんぜんうれしいです!」

 

嬉しいことを言ってくれるじゃねぇの。

いいのかい?そんなホイホイと喜んじゃって。俺は年下の小学生でも構わずーーーーやめとこう。ネタでも冗談でもこれ以上はヤバイ気がする。

 

「そいじゃ、こっちに来な。春兄さんが手とり足取り、ほんの数分で、果穂をミキサーマスターと呼ばれるくらいに教えてやるよ」

 

「みきさーますたー……はいっ、がんばります!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ついさっきまで、滅茶苦茶指導しました。

指導って何のかだって?そんなのミキサーの使い方に決まってるじゃないか!いい加減にしろ!!

まったく、ここはR−18版じゃないんだから、何を期待してるんですかねぇ……見た目は大人びてるとはいえ、果穂は小学生なんだから……

俺だって、恋愛対象の相手はちゃんと見極めてますよ!

 

……さーて、またまた暇になったな。

良い時間になったから、果穂は家に帰らせた。果穂の家は遠くはないとはいえ、小学生を暗い時間帯に一人で帰らすのは抵抗があったが、まだバイト中だからな。

いくら、クソ暇だとはいえ持ち場を離れるわけにはいかない。ま、年の為果穂には『痴漢者撃退用催涙スプレー』に『変態撲滅用30万ボルトスタンガン』とか持たせてるし、大丈夫か。

 

うん、果穂の奴楽しんでくれたかねぇ。

容れる材料の順番は決まってるだとか、このスイッチはだとか、果穂に教えたが、それは建前。

メインディッシュは果穂の最近起きた出来事。学校であった楽しいことやら、友達と何をして遊んだとか、そういった身近な出来事を聞いたりとかね。

あの年頃は些細な事でも話したがるもんだからな。

楽しそうに色々と喋ってくれてたし……考えるまでもないかな。

 

「さてっと、客もいなくなっちまったことだし……仕事でもするか」

 

「いるよ!さっきからずっといるから!あなたの大切なお客さん、智代子ですよ!」

 

「……」

 

「えっ、なにその目っ。私歓迎されてなかったり?」

 

「イエイエ、ソンナコトアリマセンヨ。ワレ、オキャクサマキテ、ウレシイ。……………………………多分」

 

「棒読みっ!それに、聞こえないように言ったつもりなのかもだけど、聞こえてるからっ」

 

「お客様の為にと、取っておいたスペシャルな物を用意しておきました。……貴方だけの特別サービスですよ?」

 

「わ、私だけの?……そっかそっか!なんだかんだ言って、私が来るのを待ってくれてたんだねっ。しょうがないな〜。私の為に用意してくれたんだもんね〜。なら、受け取って上げないと、春彦君に悪いしーーーー」

 

「お客様の為にと……洗い残しの皿を残して置きました」

 

「それ君の仕事!!かえしてっ、数秒前の私の気持ちの昂ぶりをかえしてっ!」

 

「全部ピッカピカに磨き終えたら、報酬として、なんでも好きなデザートを1つ作ってやるけど」

 

「ほんと!?やるやる!私、お皿洗い、頑張ります!」

 

「その言い方はマズいからやめておけ」

 

そんなわけで、入れ替わりにカウンターへと立ち、腕まくりをして気合を入れるちんまい少女。

チョコレートに関して右に出るものはいない(自称)

イジられやすさに関しては右に出るものはいない(他称)

背は低くても、出るとこ出て、同級生の中でもすっげぇ(小並感)スタイルの持ち主。

その名はーーーー

 

「……あれ?これって単にアルバイトなんじゃ」

 

あ、バレた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

園田智代子。名前から取って、あだ名はチョコ。

去年辺りから、放課後や休日にこの喫茶店モドキに足を運びにくる現役女子高生。学校は違えど、俺とは同い年。

初めてチョコがここに来た時はマジかと、ビックリしたわ。

思わず、操作ミスってフルコン逃しちまったし。

花の女子高生が、こんな閑古鳥が鳴いてる場所にピンポイントで来るなんて、そうそうないもの。

 

一階の雑貨屋知名度高いのに、なぜか二階喫茶店は無名も良いとこ。明らかに日中に客が入ってなさそうな、個人経営喫茶店よりも知名度は薄いだろうな。

外から見ても、二階喫茶店だってわかんないわけだし。

 

とまぁ、色々長ったらしくなったけど、チョコこと智代子と俺の関係は気心しれたアルバイトと客……ってとこだろうか。

持ち前の明るい性格と親しみやすさで、こっちとしても話しやすいし、からかい甲斐があって、見ていて飽きないしな。

本人からしたら、納得しないんだろうけど。

 

「まったくもう!いくら、普段温厚な私でも、怒るときは怒るんだからね」

 

ぷりぷりと不満を口にするチョコであったが、まったくもって怒気が感じられない。

むしろ、頬のニヤケの方が目立つ。

からかったお詫びとして、ギガンティックチョコレートパフェ(税込み1875円)を奢ったが、こうかはばつぐんであった。

俺の懐にも大きなダメージを負ったが、些細な犠牲だろう。

 

「はーっ……おーいしっ。やっぱりここのパフェは絶品だね。今まで食べた中でも、一番美味しいかなぁ」

 

本人に言ったら、調子に乗るからぜってー言わないが、チョコが食ってる所を見てるのって、ほっこりするんだよな……作り手側となるとそれがさらに増す。

これもチョコ自身が持つ個性ってやつなのかね。

だが、しかし。チョコを幸せな気分に浸らすだけで、終わらすわけがない!ここで弄らなきゃ、野口さん二人を生贄に捧げた意味がない!

 

「タダだからって、飯前にそんだけ食って……いいのか?」

 

「ふえっ!?え、えーっと……なんのことか、わ、わからないなぁ〜」

 

目に見えて動揺するチョコ。

やだ、この子わかりやすい。

 

「……そうか。知らなくても良いことって世の中にはあるしな」

 

「ど、ど、どうしてそんな目で私を見るのかなっ!?……ま、まさかっ、春彦君から見てもお腹周りが……!」

 

「まったく……若いうちから、そんな甘ったるいもんばっか食ってると糖尿病になるぞ」

 

「えっ?あ、そ、そっち?しんぱいご無用!あまーいチョコは別腹だから!」

 

「……糖の代わりに脂肪となるんですね、わかります」

 

「うぇっ!?い、今なんて……」

 

「ん?糖の代わりにエネルギーとなるんだなって」

 

「そ、そっか……私の聞き間違いかな」

 

「……」

 

「……」

 

「…………」

 

「…………はむっ」

 

引き続き食べ続けるチョコ。チョコ弄りはこの辺までにしておくか。

やりすぎるとへそを曲げかねないので、止め時を見極めるのが大事。一回、やりすぎて1週間くらいご機嫌ナナメになったことがある。

それでなのに、ここに足を運びに来るから不思議である。

 

「ごちそうさまでしたー。いやぁ、今日1日の疲れがとれた気がするなぁ」

 

「んなこと言って、別段疲れるような事してないんじゃないのか?」

 

「そんなことないってば。ダンスなんて、生まれて初めてだよ。おかげで、脹脛がパンパン」

 

チョコの食ったパフェを片付けつつ、話を聞いていく。

なぜ急にダンスをし始めたのか知らないが、チョコは張った足を見せようと隣のイスに片足を乗っけ、こちらに見せつけてくる。

うん、素晴らしい太ももだ。本人曰く、ちょっとムッチリしすぎてるのが悩みらしいが、俺的にはちょうど良いくらいだと思うんだがな。

ほらー、パンパンだよー、見てみてーなんて、クッソ呑気にのたまうチョコだけど……なんだろうか、やけにガードが緩い気がする。

角度を変えて見れば、純白の生地が見えそうだと言うのに、本人は気付いてない様子。

よっぽど疲れているのかね。

 

「ダンスねぇ……なんでまた急に。たしか、運動そこまで得意じゃないって言ってなかったか?」

 

強引に軌道修正をする。

本音を言うと、気付いてないうちに見える位置にズレていきたいが、さすがに罪悪感が……

太ももはごちそうさまです。

 

「え゛っ……えーっと、それはー……」

 

その小さい体の何処から発したのか、問いたくなる様な声を発する。足ももとの位置に戻し、見るからに狼狽えている。

なんだ?言い難いことなのか、知られたくない事でもあるのか。

ダイエット……はねーか。さっきまでムシャムシャバクバクとパフェを食ってたもんな。

……まぁ、言いたくないことなら、無闇に詮索するのは野暮ってもんか。チョコの様子からして、なんか隠したがってる気がしなくでもないし。

 

「そんで?いったい全体、何の用だ?まさか、ただ飯喰らいに来たわけじゃあるまいし」

 

「……私、そんなに食い意地張ってるように見える?」

 

「え?だってお前、初めて会った時、好きなことは美味しい物をたくさん食べる事って、自ら言ってたじゃん」

 

「……」

 

『そういえばそんなこと言ってったっけ』と、頬に人差し指を当て、思い返したご様子。

特技をたくさん食べる事って常日頃から得意気に言ってるくらいだ。去年の出来事だとはいえ、心当たりがありまくるんだろう。

 

「今日はちょっと、相談したい事があって……」

 

相談って……俺はお悩み相談室を開いた覚えはないんだが。

でも、他に客来ないし、こういったお客様の心の声を聞いたりするのも、サービスの一環だよねきっと!

 

「相談?なんだ。キャラとしての個性が薄すぎて、なんとかしたいとかか?」

 

からかい半分を込めて言ってみる。

そんなしょーもないことで、悩んだりするキャラじゃないとは思うし、既にキャラとしてめっちゃ濃いしな。

ただツッコミをすることしか取り柄がない、眼鏡侍よりインパクトあると思う。

あのメガネ掛け機俺好きだけどさ。

 

「……………」

 

あれ、智代子さん?汗をダラダラかいてどうしたんですか?

そんな、キャラの個性で悩んだりするわけ…………

 

「良い知恵を下さい!」

 

えぇー……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ということがあったんだ」

 

「個性かぁ……確かに、個性って大事だもんね」

 

それから、チョコ以外に客は来ることもなく、バイトは終了。

姉さんと一緒に、自宅おでんを食ってる最中です。

ちくわうまー。

 

「それで、春君はなんて言ってあげたの?」

 

「ん〜まぁ、今持ってる個性を強めたら?とは言った」

 

名前と良い、お菓子が好きなんだし、スイーツキャラみたいでやってみれば?と言った内容だ。

最初は反応がイマイチだったのだが、少しした後、色々自分で思い至ったようでーーーー

 

『チョコ……智代子……チョコアイドル!そうだっ、これならいけそう!他の子被ったりもしないだろうし、第一印象として強く持ってもらえそうだし。ありがとうねっ、春彦君!』

 

ダンスで溜まった疲れなんて微塵も感じさせない程、軽快な足取りで帰って行ったのだった。

アイドルって口走ってたけど、今からアイドルになるのかね、チョコの奴。

チョコがアイドルか……普通に可愛いし、アイドルになってもなんら不思議ではないな。

ていうか、可愛いというのも十分に個性じゃないかと思うんだが。

かわいいは正義って言うし。

あ、類義語である※ただしイケメンに限る。はダメ。イケメン死すべし。慈悲はない。

 

「ね、春君はお姉ちゃんの個性ってなんだと思う?」

 

俺の皿中が空になったのを見て、幾つもおでんが入った鍋から、盛ってくれる。

姉さん個性?それはーーーー

 

「姉さんの個性なんて、語っても語りきれないけど、強いて言うなら、笑顔かな。あ、笑顔って言ってもこの笑顔は、見ている人が笑顔になるって意味だから。つっても、姉さんの笑顔にも当然効果はあるけどね。姉さんの笑顔を見るとさ、どんなにクソみたいな嫌な気分でいても、霧のように消え去っていくんだよね。うん、姉さんの笑顔でも俺もニッコニコにーになってしまうんだ。それに姉さんって誰に対しても優しいし、初対面の人相手でも笑顔で接してるよね。こないだのことだけどさ、雑貨の商品の場所が解らなくて、困ってたっぽい客がいたじゃない?話しかけようと思ったけどさ、それよりも早く姉さんは気付いて、笑顔で対応してたよね。いやさ、やっぱ姉さんすげぇよ。改めて思ったね。あんな自然な笑顔で。見ている第三者が笑顔になるくらいだったわ。実際、姉さんを見ていた怪しいおっさんもニヤついてたし。あ、ソイツは目線が嫌らしかったし、視姦の常習犯だったみたいだから、エリーちゃんに突き出した後、豚箱行ってもらったから。で、俺も接客で笑顔はできるけど、八割型作り笑顔だから。女神だよ、女神。姉さんが実は現世に舞い降りた女神だって言われても俺は納得するよ。うん、姉さんの笑顔を見るだけで俺はーーーー」

 

「まって!わかったからっ。春君の想いは十分伝わったから!」

 

「そう?まだまだ俺のターンは続いてたんだけど……顔真っ赤だけど、大丈夫?」

 

「春君のせいだよぉ……」

 

そんな恥ずかしがること言ったかね。俺は真実を口にしたに過ぎないのに。

 

 

めっきりと口数が少なくなってしまった姉さんだったけど、俺は語れて満足だった。

ダイコンうまー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ナンパの人 元同僚。エリーちゃんに喰われていらい、掘られる事に悦びを得れるようになった。今後登場することはない。

エリーちゃん 相手がノンけだろうが関係なく食す、雑食家。
店に不審者や不届者といった輩がいれば、秘密の部屋に連行される。対象がイイ男であれば、何時いかなる時でも部屋の様子を見ることは許されない。
特に自分が男であるならば。
かなりのテクニシャンであり、経験のない相手ならば、エリーちゃんの手にかかれば、以降、後ろの花園でしか感じられなくなり、帰ってこれなくなるらしい。

シルバー ATM。この世界に青龍はいっぱいある。

小学生なお客さん 小宮果穂。小学生にして、現環境においてプロデュース、サポート共に最高クラスの実力を持つ、最強小学生。
283プロ唯一の小学生は格が違った……
好きなものは特撮物。好きなヒーローはジャスティスレッド。
pSRのtnkちゃんの一枚絵で、ジャスティスVのポスターがあったので、tnkちゃんと話が合いそう。公式、はよ直接的な絡みを(意味深)
休日の日は公園で、主人公とヒーローごっこをしている所を、主婦の方々に良く目撃されている。
小学生と戯れている高校生男児。このご時世ならば、即座に通報一本だが、見た目は中学生……高校生にも見えるので、現状は主人公が警察の厄介になったことはない。
色々と新しい事や面白い事を教えてくれる主人公に対し、本当のお兄ちゃんより、お兄ちゃんに見えるらしい。
お兄ちゃんぇ……

チョコ好きなお客さん みんな大好き、最強のpバフを持つJK園田智代子。pのみならず、sのバフもSR、SSR共に強く、扱いやすい。上位ランカー陣の隣がほぼ固定位置になりつつある。
何処か良いスイーツの店がないかと、探していたところ、友人から1つの噂を耳にする。その噂を頼りにし、探し当てたのがエリーちゃんの雑貨屋兼喫茶店である。
味、値段、速度。どれも一級品だと睨み、主人公の話やすさもあり、すっかり常連客となった。
主人公以外の店員とも楽しそうに話していたり、本人の人柄の良さが窺える。
とはいえ、主人公が喫茶店にいる時の方が来店率が高いのはご愛嬌。
主人公は知らないが、どうやって彼女が主人公のシフトを把握してるのかというと、エリーちゃんから情報を横流しされているからである。
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