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テレビ前のソファに座りながら、俺たちは『――絆、永遠と共に』のアニメ開始待ちわびていた。アニメ開始時刻は午後6時だ。
この日の為にアシスタントは休みにした。てか、アシスタントの人たちは、俺と加奈が『夫婦』である事を知っている。といっても、これまでと何も変わって無い。というのが現状だ。
「で、加奈さんや。何で手を握ってるの?」
ちなみに、恋人繋ぎである。
うーん、夫婦になってから、こういう何気ない仕草が増えた気もする。まあ、全然嫌じゃないけど。寧ろ、嬉しく感じる俺である。恥ずかしいから言葉にはしないが。
「んー、何となく。夫婦なんだし、細かい事は気にしない気にしない」
「まあ、そうだけど。で、プロフィールに既婚って書かれたんだろ?」
「ん、一応ね。声優って、結婚が道へ進む壁になる見たい」
社長がそう言ってた。と言い、加奈は苦笑した。
でもまあ、ネットで少し騒がれたのも最近の事だ。
内容は、『マジか~、オレのアイドルが既婚者とか。』『旦那のアニメに出てるらしいぜ、コネじゃね?』『いやでも、ヒロイン役じゃなくて、ヒロインの親友役の葵ちゃん役だぜ。普通はヒロインに抜擢するだろうし、コネは無いだろ。』『だな。かなりんの実力なんじゃね。知り合いもそういう情報を入手したらしいし。』『幼馴染だし、漫画も声優も二人三脚、旦那のアニメに声を当てる為に努力したのは納得だろ。』等の、コメントが掲示板に書かれていたのが新しい。てか、情報社会って怖っ!何処から個人情報?的なことが洩れたん?相手が俺とか、普通は解らんだろ……。
まあでも、これだけなら問題ないだろ。人の噂も七十五日って言うし。
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~午後6時~
午後6時になり、テレビ画面からはオープニングが流れ始める。それにしても、このオープニング凄く良くできてる思う。作画とかもリアルだし、何と言っても、青春アニメ!って感じがする。
アニメが進み、ヒロインの親友の葵の声が流れると、加奈の目許に涙が浮かぶ。
「わ、私の声が、翔太君のアニメで流れたよ」
「そうだな。俺も始めて聞いたよ」
試写会で見る事もできたが、俺はそれを遠慮した。楽しみは本番まで取って置きたい。というやつである。
アニメ本編が終了し、エンディングロールの時に、『高城葵役~南波加奈~』の文字が流れた時、手を握る力が強くなったのは気のせいではないだろう。
ともあれ、アニメが終わり、テレビを消した所で漫画の話になったのは必然だった。テーブルに置いてあるジャック本誌を手にしてから開き、あるページには『金未来杯エントリー作品発表!』とページ一面に載っていた。またそこには、作者と作品名が書かれている。エントリーする漫画は4つ。『福田さんの、KIYOSI
ちなみに、掲載される順番は、37・38号で福田さんのKIYOSI
それにしても、『中井さんと蒼樹紅』での亜城木スタイルか。どんな漫画なのだろうか?蒼樹紅ってことは、女性だよな?ファンタジー系か?
「加奈は、どの漫画が気になる?」
「うーん……。蒼樹紅、中井巧郎の
「題名で選ぶのかよ……。まあ、想像を膨らませるのは良いと思うけど」
「じゃあ、翔太君はどれが気になる?」
「俺は亜城木君の、疑探偵TRAPだな。ジャックでトリックものは、新しいジャンルだろ?」
「でもトリックかぁ。連載になったらきつくないかな?途中からバトルになっちゃったりする、テコ入れの懸念があるんじゃないかな?」
確かに、加奈の意見は、TRAPを連載会議に回すなら話題になるだろう。
「いや、原作の高木君ならいけると思う。彼の引き出し、かなり有ると思うし。後は、担当編集の腕と、担当との噛み合いだと思う。……まあ、上から意見できる立場じゃないんだけどな」
俺的には、俺と吉田さんは相性が良いと思ってる。じゃなかったら、高校生で連載まで持っていく事ができなかったと思うし。てか、俺の長所を伸ばしてくれてるのは、吉田さんで間違いないだろう。
「自分の意見を持つのは良い事だと思うけど。――そっか。作家さんにも、担当さんとの相性があるんだ」
加奈は、ふふ。と笑みを浮かべる。
「じゃあ、翔太君は『当たり』だったんだね」
「まあそうだな。俺、吉田さんに拾ってもらって正解だったよ。俺が漫画家になれたのって、偶然が重なった結果だしな」
俺が漫画家になれたのは、ノートに興味本位で書いていた漫画を応募した事であり、それを担当吉田さんが見つけてくれて連載会議に回してもらい、吉田さんの手腕で連載になり、俺に才能があったのか解らないが連載が続いたからなのだ。――俺は偶然が重なり、漫画家になれたと言っていい。
「加奈は、明日声当てか?」
「うん。『絆』10話の声当てと取材かな。それが終わったら、仕事場に寄る予定だよ。明日は、翔太君も遅いの?」
「いや、急ぎのペン入れはないから18時頃には仕事が終わるだろうな。といっても、原稿の見直しをしてると思うけど」
「りょうかい。ご飯はどうしよっか?ここで食べる?」
腕を組んで、俺は悩む。
「どうすっかなぁ。……うーん、加奈の家にお邪魔しようかなぁ。詩織さんの飯を食いたいし」
なんつーか、夫婦になっても何も変わんない俺たちである。まあ、この方が俺たちらしいのかも知れんが。てか、『ダブルダンク』の3巻当たりのコミックスの売り上げ部数は、200万部を超えたらしい。今一実感がない俺だが。
ともあれ、仕事場を出て鍵を掛け、手を繋いで『南波家』に向かう俺たちだった。
ついに始まりましたね、金未来杯。
てか、世間に夫婦ってバレても余り炎上しませんでしたね。いや、ちょっとはしたのかな?何はともあれ、穏便?に済んで良かったです。にしても、加奈ちゃんも漫画に詳しくなってますねぇ。
次回は、金未来杯に入って行く感じですかね。では、次回もよろしくですm(__)m