金未来杯が開始され、37・38号に掲載された、福田さんの『KIYOSI
内容は、暴力的な表現や過激な描写が多々あるが、所々ギャグを取り込んでおり、画力はお世辞にも巧いとは言えないが、所々に斜線を用いて荒々しさを引き出している。俺的に一言で纏めると、『現代版男塾』である。
39号に掲載された『亜城木夢叶、疑探偵TRAP』。
内容は、推理を中心とした物語であり、詐欺師であり、探偵である主人公が犯人を罠に嵌めて証拠を提出させる。そして、亜城木夢叶のコンビを生かし、アイディアが練られた作品だった。
40号に掲載された『蒼樹紅、中井巧郎の
内容は、男の子が森で妖精に出会い、自分も妖精になろうとする物語だ。そこに中井さんの背景が合っており、想像を膨らませる作品になっている。
第41号に掲載された、
ともあれ、テーブルに置いてある4つの見本誌のページを見ながら、
「俺的には亜城木君が採ると思うんだが、加奈の予想は?」
ソファで、俺の隣に座る加奈に聞く。
「私は、蒼樹紅、中井巧郎の
加奈が言うには、「絵が詳細で綺麗だったから、引き込まれちゃった」という事らしい。
まあ確かに、点描で背景を書いたり、独自の世界観を創って読者を引き込むような絵だ。絵だけでアンケート採れるんじゃね。って感じだ。中井さん、蒼樹さんとの漫画に漫画人生を賭けてるとも言ったしなぁ。
「結果は10月25日発売の48号に載るから、それまでのお楽しみ。ってことだな」
「そっか。――エントリーした作家さんたちは、結果報告まで落ち着かない日々なんだ」
「いや、結果報告なら落ち着いていられるだろ。俺、本ちゃんだってそうだし」
加奈は、むー。と頬を膨らませる。
「それは、翔太君が例外なだけっ」
「そ、そうか。てか、加奈は今日ラジオだっけ?」
俺は一回も聞いていないんだが。いつも一緒に居るから、聞かなくてもいいんじゃね。って感じである。
ちなみに、ラジオの題名は『かなりんタイム』らしい。……爆笑してしまいそうになって、加奈に怒られたのは記憶に新しい。
「むぅ。話を逸らしたね、まあいいけどさ」
内心、助かった~。と思う俺。いや、何が助かったのかは解らんが。
あ、俺たちは仕事場近くに小さな一軒家を購入した。両親たちが言うには、『実家には偶に帰って来るだけで良いから、もう同棲しちゃいなさい。いつも一緒に居られる方がいいでしょ?』という事だ。んで、俺と加奈は同意したのだ。でも、俺たちはまだ未成年だからね、ココ重要。
「それにしても、もう加奈は人気声優だな」
アイドル路線も勧められているらしいが、加奈は自我を貫くそうだ。ラジオは仕事の幅を伸ばすのが有利になると思ったのでOKしたらしい。バライティとかCMは、NGらしいが。
「翔太君に比べたらまだまだだよ」
「そうか?でも、俺も頑張るよ。夢の為に」
「私も頑張るよ」
そう言ってから、俺たちは苦笑したのだった。ちなみに、俺たちは夢を作った。その夢とは、ジャックで名作に残る今の連載作品のヒロイン役を加奈が演じる、だ。
なので、今の連載を名作に昇華させ、誰の記憶にも残る作品、次世代の子に読まれる作品にする。まだ高校を卒業しただけの小僧が何を言ってるんだ、と思うが、俺はこれを実現させて見せる。夢は高く持つ方がいい、困難なもの程やりがいがあるって事だ。
加奈も、それを実現させる為には、今より力をつけていく必要があると語っていた。てか、加奈は将来『声優兼舞台女優』になるんじゃね。と思う俺である。ともあれ、これ以上の肩書き、実力があれば、コネでヒロインに抜擢した。という声もないだろう。という事なので、俺たちは道を歩み、夢を追いかけて行く。
「翔太君。金未来杯を採ったら、連載って決まるわけじゃないんだよね?」
「ん、そうだぞ。でも連載会議にかけられた時、その作品が金未来杯を採ったか?逃したのか?は大きな差が出ると思う。もし、連載会議にベテラン作家の作品があったならば、金未来杯の結果が大きく左右するだろうな。新人の連載枠は1、2本っていった所か」
「……そっか。漫画家って、過酷な仕事でもあるんだね」
「そうなんだろうな。でも、俺はそんな中でも道を歩き続ける。約束するよ」
「私も今まで以上に努力して、ヒロイン役に相応しい声優になる。私たちの名前に歩く夢――――波木歩夢だね」
「だな。亜城木君たちのペンネームも、そう意味が込められているらしい」
まあ、『亜』の意味は解らないままだが、『城』『木』『夢』『叶』は、ほぼ俺たちと同じだしな。
まずは1位に伸し上がる事からだな。ストーリは変えちゃ拙いから、絵で順位を上げるか。うん、今はそれが最善策だな。さて、加奈を送ってから絵の練習をしますか。
加奈ちゃんは、『聖ビジョ』をフェードアウトしていった感じです。ずっとそこに留まっていたら、完全にアイドル声優になちゃいますからね。んで、『――絆、永遠と共に』の葵ちゃん役で火がついた感じですね。
そして、2人の夢ができましたね。個人的には、亜城木夢叶より困難な夢だと思います、はい。
次世代に受け継がれる名作、『スラムダンク』みたいな感じです。んで、その名作のヒロイン役を加奈ちゃんが演じる。前提条件として、一流声優と、翔太君が名作漫画にしないといけないです。……うん、かなり難しい条件ですね。それからも、打ち合わせやオーディションもあるでしょうし。
ではでは、次回もよろしくですm(__)m