バクマン。~未来へ向かって~   作:舞翼

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今回は、砂糖を意識して書いて見ました。


指輪とデート

 今日は午前中で仕事を終わらせ、俺は黒いV ネックに、シャツの上に黒いジャケット、紺色のスラックスにレザーシューズといった恰好でショッピングモールの入り口付近で、加奈の到着を待っていた。

 俺が空を見上げていると、とたとたと足音を立てながら、加奈が到着した。

 加奈は、白シャツにお洒落なセーター、白を基調にしたフレアスカートに身を包み、肩からはブラウンのショルダーバックを下げた恰好で笑みを浮かべていた。

 

「お待たせ」

 

「いや、そんな待ってないぞ」

 

 家を出たのはほぼ同じだったので「一緒に行けばいいんじゃね」と提案した所、「デートは待ち合わせからっ」という事らしい。……乙女心は難しい、と改めて思った俺である。

 ともあれ、俺たちは手を繋ぎ、ショッピングモールの二重自動ドアを潜り内部へ入った。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ショッピングモールの案内板には、本屋やレディース服店や、メンズ服店。ショッピングセンターやゲームセンターなどがあり、とても魅力的である。

 

「……それにしても、同じ店がありすぎだろ」

 

「服とかは、メーカーさんが沢山あるからしょうがないよ」

 

 なら、回る店は厳選しなければかなりの時間を要してしまう。だが、最初に回る店は決まっているんだが。

 

「んじゃ、他の店は追々回るとして、目的の店に行こう」

 

 目的の店とは、3階に点在する指輪店だ。

 

「りょうかい。楽しみだよ」

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 3階に到着し指輪店を発見した。表に出ていた看板には、指輪を銀色のチェーンに通してネックレスできて、取り外しも可能だそうだ。

 

「んじゃ、行きますか」

 

「う、うん。わ、私たち場違いじゃないよね」

 

「客なんだし、問題ないだろ」

 

 といっても、俺たちはまだ未成年なんだけど。

 俺は加奈の右手を引いて店のドアを開けると、扉のベルが、カランカラン、と店内に響いた。店内は、20~30才代の客がばかりだ。10代は俺たちくらいだろう。

 店内を見回ると、高い指輪が100万円台、安くて3万円台だ。ちなみに、俺の今の手持ち金は、300万と少しである。カードでもよかったが、使えない場合を考慮して現金にした。という事である。

 と、その時、加奈があるショーケースの前で止まった。

 

「これが気にいった感じか?」

 

「う、うん。でも――」

 

 加奈が言い淀んだ原因は、値札の事だろう。――値段が150万だったからだと思う。

 

「いや、構わないぞ」

 

 加奈は目を丸くする。

 

「い、いいの?」

 

「いいぞ」

 

 俺の貯金からすれば微々たる値段である。確か、最後に見た通帳は億単位だった気がする。

 指輪が決まった所で、俺は「すいません」と言って近場の店員を呼び、シルバーリングを欲しいと伝える。店員は「え、君に払えるの?」的な視線を送ってきたが、俺は苦笑して「大丈夫です」と返す。

 店員さんの話によると、指輪の裏側にイニシャルを刻む事が可能だそうだ。なので、『S、K』『K、K』と、彫り込んでもらう事にした。

 案内された椅子に座り、店の奥から出てきた店員さんが、指輪が乗ったジュエリートレイを俺たちの目の前のテーブルの上に置いた。

 

「イニシャルを刻んだので 、確認をお願いします」

 

 俺たちは指輪を手に持ち、裏面を確認する。

 

「問題ありません」

 

「はい。これで大丈夫です」

 

 「畏まりました」と店員さんが言った所で、俺は細い銀色のチェーンを追加注文した。

 ともあれ、店員さんは対面の椅子に座り、料金の提示をする。

 

「指輪が2点で300万円、付属品が3万で、合計303万円です」

 

「解りました」

 

 そう言って俺は、懐に仕舞ってある茶封筒から303万円を抜き取り、テーブルの上に置いた。

 店員は「失礼します」と言って金を取り、専用の機械に入れて金額を確認する。

 

「確かに、丁度受け取りました」

 

 俺たちは店員さんから、紫色の小箱に入れられた指輪を受け取り、「ありがとうございます」と言ってから、席を立つ。

 俺たちは、店員さんの「またのご来店をお待ちしています」と言う声を背に店を出たのだった。 

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 俺たちは休憩室に入り、先程購入した小箱から指輪を取り出し、交換するように左手薬指に嵌めた。

 

「わあ、綺麗」

 

 加奈は、指輪を見ながら呟く。

 

「翔太君。一生大切にするね」

 

「ああ。てか、もっとムードがある所で渡せればよかったんだけどな」

 

 加奈は苦笑し、

 

「でも、この方が私たちらしいよ」

 

 俺は「だな」と頷いた。

 確かに、俺たちには高級店で食事をしながら、夜景を見ながら臭いセリフを、って言うのは似合わないのかも知れない。

 

「そうだ。翔太君、プリクラ撮ろうよ」

 

「ん、まあいいけど」

 

 俺たちは休憩所を後にし、エレベーターに乗り込み1階にゲームセンターへ向かった。

 ゲームセンターに入った俺たちは、『プリクラコーナー』と記載されている垂れ幕を潜り向けると、様々なプリクラの機械が目に入った。

 

「な、なあ加奈。どれがいいのか、俺にはさっぱり解らないんだけど」

 

「そこは任せて」

 

 加奈は俺の右手を引き、選択したプリクラ機械の垂れ幕を潜り中に入る。

 そして、金を入れ背景などを選択し、写真撮影になる。

 

「えいっ」

 

「うおっ」

 

 加奈は俺の左腕に抱きつき、顔を俺の肩に預けるようにする。

 

「ち、近くね」

 

「ち、近づかないと、フレームに入らないから」

 

「そ、そうか。なら仕方ないな」

 

 撮影が開始され、3、2、1、0とカウントダウンされた後のシャッターが切られ、できた画像には、ハートマークで囲んでから『ずっと大好き』『ずっと一緒』『愛してます』などの文字を、加奈が書いていた。

 

「一緒にスマホに貼ろうね」

 

「ま、マジで」

 

「うん、マジで」

 

 俺は溜息を吐きながら、ポケットからスマホを取り出し、見えない位置に切り取ったプリクラを貼った。加奈も、俺と同様である。

 俺たちはスマホを仕舞いながら、

 

「プリクラを撮るのは、結構恥ずかしいもんなんだな」

 

「そうかも。ほぼ密閉空間だからね」

 

 ゲームセンターを出た俺たちは、手を繋いでショッピングモールを後にし、俺たちを照らすように、夕焼けの空が顔を出していた。

 そして、今日の吉田さんとの打ち合わせの時の報告で“KIYOSI騎士(ナイト)”“hideout door(ハイドアウトドア)”が連載と報告を受けた。あれだ、新妻君の所でアシスタントをしていた全員が連載したという事になるのだ。「今後のジャックは、今まで以上に盛り上がるだろうな」と、俺は内心で思っていたのだった。




100万円台の指輪は、店の奥に保管してある感じです。並べられているのは、レプリカですね。
基本は、結婚指輪を左手薬指に嵌めている感じですが、何かしらがある時は、ネックレスとして首からかけてる感じです。てか、ラブラブな2人やね(^◇^)


追記。
翔太君の貯金は、2億はありますね。
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