てか、本チャンの上位票とか解らないので、その辺はほぼ勘で描いてます。
~隣接、コンビニ~
翔太は昼休憩も兼ねてコンビニに足を向けると、コンビニ内に入った翔太の耳にとある声が聞こえてくる。
声が聞こえる方向は、少年ジャックが本棚に並んでる場所だ。
「今週のダブダンやばすぎだろ。マジ興奮が治まらないだけど」
そう言ったのは、興奮した面持ちでジャックのページを捲る中学生だ。
それから、隣でダブルダンクのページを開いてる友達にそう聞いた。
「確かに。幼馴染登場から国際大会のコンボはやばすぎる。てか、バスケ部に入ってるオレからすると、この展開は熱すぎ」
そう言って、手汗を握りながらページを捲る。
そして、今週の投票はダブルダンクに入れるということ。でも確かに、部活動に所属しているなら尚更だろう。
「うーん。でもオレは、CROWの戦闘の爽快感の方が好きかなぁ。オレは、今週はCROWかなぁ」
「オレもCROWかな。なんつっても戦闘の描写、気合い入りすぎだろ。このリアル感ハンパないわ」
「つーか、波木歩夢と新妻エイジって、少年ジャックの二強だよなぁ」
「だよなぁ」の同意する少年たち。
この場の盛り上がりを見るだけで、ダブルダンク、CROWは、中高生に受けがかなり良いことが窺える。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
~波木歩夢、仕事場~
「ただいまぁ~」
「お帰りなさい」
翔太がコンビニで買い物を済ませると、
翔太は玄関から上がり、袋の中からブラックコーヒーを取り出し、作業机の椅子に座る。
「悪いな。休みの日に掃除に来てもらっちゃって」
「気にしないで、家に居ても台本の復習をする位しかないし」
加奈は掃除用具を元の位置に戻しソファに座ると、机の上にあるジャックの本誌を手に取り、ダブルダンクのページを捲る。
「今週の投票でCROWが1位だった場合、新妻さんの連載は終了なんだっけ?」
「もし、ダブルダンクと同票で1位だった場合もだな」
「前の話、同票で1位だったみたいだし」と、翔太は付け加える。
ちなみにこの記録は、ジャック創立初の偉業である。
「それに、世間的にも五分五分らしい」
翔太が弱気になるのも無理はない。
今週のCROWの作画は、新妻エイジが出し得る力を以って描き上げたであろう描写なのだ。
「でも、見本誌の時点では、翔太君の作画も負けてなかった気がするよ。それに私たちの楽屋では、ダブルダンクの評価の方が上だったし」
「妻として、鼻が高いですっ」と、胸を張る加奈。
でも確かに、翔太自身は気づいていないかも知れないが、ダブルダンクの画力は凄まじい。
そして心情のリアル感で、どれだけの読者を引き込めるかが勝利の鍵になるだろう。特に、CROWを推している読者を取り込めたら最高なんだが。
だが、後の結果は、読者に委ねるだけである。
加奈は本誌を置き、「はい!」と言ってから両手を叩く。
「この話は、ここで終わり!ご飯にしよっか!」
加奈の言う通り、このまま考えていても仕方ない。
数日後には結果が出るのだ。
「そうだな。そうすっか」
そう言ってから、翔太たちは備え付けられている小さな居間へ向かうのだった。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
~少年ジャック、編集部~
そして、PCの液晶画面に映し出されている結果は――、
「ダブルダンク2156票。2位、ですか」
「CROWは2159票。1位か」
「この勝負は、3票差で新妻君の勝ちか」
「ですが、票数で2000なんて聞いたことありませんよ」
そう言ったのは、編集部に入ったばかりである小杉だ。
そして、それに同意するように編集部から声が上がる。
「前代未聞の投票数だしな。この回は」
「しかも2作品もなんて凄いですね。でもこれで、CROWは連載終了ですか」
そしてこの結果は、吉田と雄二郎の手によって作家たちに伝えられることになる。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
~新妻エイジ、仕事場~
雄二郎はエイジの仕事場に到着し、エイジの後方に立つと、エイジは座っている椅子を雄二郎の方向に向けてから座る。
「新妻君、先程出た
雄二郎の言葉に、エイジは緊張に包まれた。
そう。この結果でCROWの今後が決定するのだから。
「ダブルダンク2156票。――CROW2159票。3票差で、CROWが1位だ」
エイジは「シュピーン!!」と椅子の上に立ち上がる。
3票差とはいえ、ダブルダンクに勝てたのが凄まじく嬉しいのだろう。
「――とっても嬉しいです。これで悔いはありません、CROWは次の回で完全に終了です」
そして雄二郎は「本当にお疲れ様でしたっ!」と頭を下げるのだった。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
~波木歩夢、仕事場~
同時刻、翔太の仕事場では、翔太と担当の吉田が向かい合わせでソファに座っていた。
「……2位で負けましたか」
「ああ。たったの3票差だった」
翔太は「そうですか」と頷いた。
「それで吉田さん。票数の詳細って解りますか?一応気になるので」
吉田は「ああ」と頷く。
「投票数は、ダブルダンク2156票。CROW2159票。3票差でCROWの方が多かった」
「……きっと最後は、漫画を描き始めた年数の差が出たんですね」
「……そうかも知れんな。だが柏木君は、そこもカバー出来る力量を持っていると、僕は信じている!」
「ありがとうございます。今回は負けましたが、次回は勝ちますよ」
平静な言葉で言う翔太だが、内心はかなり悔しいだろう。
きっと今晩は、加奈の胸の中で涙を流すだろう。
「ああ、その意気だ。僕も、最大限のサポートをする」
「はい。今後もよろしくお願いします」
こうして、CROWは次週を最後に連載終了することに決まったのだった――。
3票差で、CROWの勝利に終わりました。そして結果が伝えられた晩、翔太君は加奈ちゃんの胸の中で涙を流しました。相当悔しかったんでしょう。
追記。
加奈ちゃんもダブルダンクの漫画では関係者なので、打ち合わせの時間と掃除等が重なった場合、見本誌を見ることが出来ています。