バクマン。~未来へ向かって~   作:舞翼

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この話で、原作の16巻が終わりました。
17巻の七峰君の回はどうしよっかなぁ。もしかしたら、流す程度終わるかもですが、ご了承くださいm(__)m


挨拶とこれから

 ~波木歩夢、仕事場~

 

「あー、負けた負けた。新妻君凄ぇや」

 

 俺はペンを持ち、ネームの清書をしながら呟く。

 そう。新妻エイジ作のCROWは、10周連続1位という偉業を成し遂げたのだ。

 

「でも、翔太君も凄いと思うよ。新妻さんを3票差まで追い詰めたんだもん」

 

 そう言ったのは、向かいのソファに座り、台本を捲っている柏木加奈である。

 

「そうかも知れんが、負けは負けだしなぁ」

 

 まあうん。俺もここまで負けを引き摺るなんて予想外である。

 その時、インターフォンが鳴り響き、加奈に出迎えられ上がって来たのは、今話題になっていた人物――新妻エイジだ。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「波木先生!こんにちはです!」

 

 俺は椅子から立ち上がり、

 

「あ、はい。こんにちは」

 

 と、口を開くのだった。

 そして、新妻君が開いたページは、ジャックの最後のページに描かれたCROWへのお祝いの挨拶である。

 

「波木先生の『ありがとうございました。お疲れ様でした』と言う言葉、僕からも言わせて下さい」

 

 新妻君は言葉を続ける。

 

「僕の方こそ、ありがとうございました。――僕が漫画を描いていて、あそこまで燃えて描けたのは初めてだったです」

 

 新妻君は「感謝しています」と言ってから、ペコリと頭を下げた。

 

「いえ、こちらこそ貴重な経験をさせて貰いました。また勝負したいですね」

 

 新妻君は頭を上げ、二ヤッ、と笑った。

 

「そうですか、勝負ですか。僕は、いつでも受けて立ちまス」

 

 ……うーむ。ノータイムで挑発が返されるとは。

 

「といっても、新妻君の作品がないと意味がありませんけど」

 

「――大丈夫です。次回作ならもう考えてあります」

 

 ……はい?作品が終わったすぐなのにもう考えてるの?え、マジで。予想外すぎる。

 そして、新妻君からも俺に、挑発?されることになる。

 

「波木先生。僕からの希望なんですが、僕の作品がダブルダンクと肩を並べるまで、 前代未聞(・・・・)なことをお願いしたいデス」

 

 ……新妻君との勝負も、前代未聞と言われてるんですが。てか、これと同等のことをやれと……。

 

「……前代未聞、ですか」

 

「はい。前代未聞です」

 

 新妻君は、じっと俺の目を見つめる。

 その目は『波木先生なら、できるデス』という意味も込められているだろう。

 

「――わかりました。近日中に始めます」

 

「――そうですか。楽しみに待ってます」

 

 この言葉の後に、俺と新妻君は握手を交わす。

 それから新妻君は「雄二郎さんが外で待っていますので、スゥイユウアゲインです!」と言ってから、仕事場を後にしたのだった。

 新妻君が帰った所で、加奈が仕事場に入って来る。きっと加奈は、話の邪魔にならないように仕事場の様子を窺っていたのだろう。

 

「翔太君翔太君。新妻さんと凄い約束してたけど、大丈夫なの?」

 

「ああ大丈夫だ。国際大会を終えたら、○○編を始めるよ」

 

 これは、CROWを本当の勝負の日で抜き差したら、差を開かせる為に考えていた話だ。

 だが、CROWに負けたことによってお蔵入りになっていたが、ここで表舞台に出すとしよう。

 

「ふふっ、そういうことか。私も楽しみっ」

 

 どうやら、加奈は俺の意図を読んだらしい。

 まあ確かに、ダブルダンクは加奈も関わっている作品なので、どういう意図なのかが、すぐに解ったのだろう。

 

「まあ頑張るよ。楽しみにしててくれ」

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~少年ジャック編集部~

 

「今週もダブルダンクが1位、ですか。もう5周連続で1位ですよ」

 

「なんていうか、CROWの再現を見てる気分だな、これ」

 

 服部と雄二郎は、椅子に座りPCの液晶を見ながら呟く。

 そう。翔太が現在実行しているのは――――CROWの記録の塗り替え(・・・・・・・・・・・)である。

 

「……次週の読切枠どうすっかなぁ。ダブルダンクと比べると、パッとしない作品ばっかなんだよなぁ」

 

 雄二郎は溜息混じりで呟いた。

 それを聞いていた服部は、

 

「……さすがに、ダブルダンクと比べるのは酷じゃありませんか?あの作品の上なんて、現状じゃCROW以外にはないと思いますよ」

 

「それも、たったの3票差だもんなぁ」

 

 雄二郎は再び溜息。

 そう。CROWの連載が終了した為、用意されている読切枠は3本だが、全ての作品はダブルダンクと比べると霞んで見えるのだ。

 

「ホント天才だよな、新妻君と波木君」

 

「そうですね」

 

 雄二郎の言葉に同意する服部。

 

「もうこうなったら、超新星に期待するしかないのかねぇ」

 

 ほぼ投げやりな雄二郎である。

 まあでも、気持ちは解らなくもない服部である。

 

「そうですね。新人で連載を立ち上げても、3週程度で打ち切りになるのは目に見えてますからね」

 

 特に学園もので連載になった場合、読者はダブルダンクと比べると思うので、1週で打ち切りになる可能性も否めない。

 

「だよなぁ。それに、中堅の漫画もしっかりしてるしな」

 

「ますます新人枠が厳しくなりますね……」

 

 そしてこれから、翔太の独壇場が始まるのは、少年ジャック編集部は知る由もないのだった――。




CROWの最終回はダブルダンクとは違う号だったので、CROWは完全に他作品を抑えた事になります。

追記。
まああれですね。翔太君はCROWとの勝負が終わったのでのんびりやろうとしていましたが、エイジの提案でCROWとの勝負で出すはずだった、反省(修行)+必殺技の習得編を出す事にしました。

追々記。
CROWとダブルダンク、他作品の最初の頃は、1、2、3位の奪還戦でしたが、今後を賭けた勝負が残り10週になったので、そこからは全力勝負でした。
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