バクマン。~未来へ向かって~   作:舞翼

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少し原作改変、なのかな(たぶんなので、タグには追加しない)。
それで七峰君回ですが、話を飛ばすか、軽く流すことになりそうです。

今回は、翔太君の出番はありませんね。
ここから少し、福田組の様子?が描かれるかも。


1位と読切

 この日、本チャン(順位)の結果報告+原稿を預かりに来ていた雄二郎は、福田真太の仕事場の扉の前で、盛大に溜息を吐いていた。

 

「(今週も波木君がトップ(1位)って知ったら、福田君また荒れるんだろうな)」

 

 雄二郎は福田が、『また波木君が1位っすか!?』と荒れると予想しているのだ。……いやたぶん、雄二郎の予想は当たるだろう。

 

「……行くか」

 

 そう言ってから雄二郎は、仕事場の扉を開けるのだった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~福田真太、仕事場~

 

 仕事場に入り、作業机の椅子に座っている福田の前に立った雄二郎が口を開く。

 

「福田君。今週の本チャン(順位)、GIRIは2位だ」

 

 福田のアシスタントたちは「さすが先生!」「GIRI面白いっすからね!」と言葉を掛けるが、福田の顔は浮かない。

 福田は一拍置き、

 

「で、雄二郎さん。1位の作品はなんすか?」

 

 雄二郎は内心で「やっぱ聞くよなぁ」と呟く。

 

「――1位はダブルダンクだ」

 

 福田は、どんっと、片手で机を叩く。

 

「――ッ!?ちきしょ~!波木君、新妻師匠の連載終了から1位独占じゃないっスか!」

 

 雄二郎の予想通り、福田は荒れる。

 そして、落ち着きを取り戻した所で、再び口を開く。

 

「これでダブダン1位は6週目じゃないっすか!」

 

 福田は「ったく」と舌打ちをする。

 

「……なんつーか、編集部も天才たち(漫画家)の暴れっぷりに振り回されている感じなんスかね」

 

「そうだなぁ。編集部は、この話題でほぼ持ち切りだしなぁ」

 

 そう言ってから、盛大に溜息を吐く雄二郎。

 それから雄二郎は、福田から次週分の原稿を受け取り、仕事場を後にした。そしてもう一軒、雄二郎には向かう所があった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~新妻エイジ、仕事場~

 

 雄二郎が仕事場に到着すると、そこでは椅子に座り作業机の上でネームの下書きが描き終わった新妻エイジが映る。

 エイジは椅子を雄二郎の方向に向け、再び椅子に座る。

 

「雄二郎さん、わざわざ来てもらって申し訳ないデス。今まで練っていたネームが完成したデス」

 

「おお!できたか!」

 

 そして雄二郎は内心で、「編集長に成るべく早く次回作を、って言われてたけど、もうできたのか、凄いな」とも思っていた。

 

「はいです!この作品ならば、波木先生に並ぶことが出来まス。もちろん、亜城木先生たちにも」

 

 ネームを雄二郎に手渡すエイジ。

 雄二郎がエイジからどんな作品なのか聞いた所、物語の主人公は人間の心を残したダークヒーロー(ゾンビ)であり、その主人公が自分をゾンビにした奴らに復讐していくというストーリーだ。

 復讐、といっても、それは主人公の過程のようなものであり、本来の目的は、人の心を残した自分が人間に戻ることだ。

 そして、ヒロインである人間の女性との人間ドラマ。――人の心情と邪道を組み込んだ戦闘。これは、波木歩夢、亜城木夢叶に触発されて作り上げられた作品と言っても過言ではないだろう。

 

「そうか。じゃあ、見せてもらうよ」

 

 雄二郎は一枚一枚ネームを読んでいく。

 

「(……凄い。この迫力あるバトルシーン。わくわくして体が震える。それに人間の女の子に恋をするという人間ドラマ。――もしかしたら、CROW以上の出来じゃ……)」

 

 雄二郎がネームを読み終わった所で、

 

「凄いよ新妻君。CROWとは違い、女の子がゾンビに恋をする人間ドラマもあるし、話の設定は単純だが、その方が冴える作品(漫画)になってる。――このネームで、読切を試してみるか?」

 

「読切ですか!ぜひお願するデス!――それに、波木先生を待たせる訳にはいきませんし」

 

「ん?新妻君その発言、波木君が1位を取り続けているのと関係があるように聞こえるんだけど?」

 

 エイジは「おお!波木先生、今週も1位だったですか!」と、素直に喜ぶ。

 そしてエイジは、雄二郎の言葉に答える。

 

「波木先生が1位を取り続けている理由は、僕のお願いを実行してるからデスね」

 

 そう。翔太のダブルダンクは、国際大会からこの○○編まで、間を空ける(息をつく)ことなく走り続けているのだ。

 

「お願い?」

 

 雄二郎は首を傾げる。

 エイジは「はい。お願いです」と言ってから、

 

「僕は波木先生に、僕の作品が肩を並べるまで、前代未聞なことをお願い(希望)したです」

 

 雄二郎の頭の中は疑問符()だらけだ。

 

「じゃ、じゃあ。波木君が1位を取り続けてるのって――」

 

「はい。まず、CROW10週連続1位の記録の塗り替えでしょうネ」

 

 雄二郎は「やっぱりか」と言って、盛大に溜息を吐く。

 

「……新妻君、いつの間にそんな約束したんだ?」

 

「波木先生に挨拶に行った時にお願いしましたデス。波木先生もすぐに了承してくれました」

 

 雄二郎は、顔をぴくぴくとさせる。

 エイジのいう挨拶とは、連載終了時の挨拶のことだ。

 

「……あの時か」

 

 雄二郎は呟く。

 それに、普通なら無理なお願いになるだろうが、波木歩夢はそれを実現に出来てしまう天才なのだ。

 だが、○○編が終われば、若干失速してしまう感も否めないが。でもきっと、そこは翔太がアイデアを絞り出しカバーするだろう。

 

「てことは、新妻君が連載に戻るまで、波木君は誰にも1位は譲らないってことか?」

 

「そこまでは約束していませんが、おそらく、デス」

 

 新妻エイジがこう言っているのだ。

 きっと翔太は、エイジが連載に戻るまで1位を取り続けるだろう。

 

「(……マジかぁ。てか、このことを編集部が知れば、色々と荒れるかも知れんなぁ)」

 

 雄二郎はエイジの話を聞き、頭がパンクしそうである。

 そして暫く波木歩夢の独壇場が続くであろう現実に、雄二郎は福田たちになんて言えば良いか考えるのであった――。




バクマン。小説も完結まであと少しかもです。
着地点どうしよう……。まあ脳内では概ね決まっているんですが、文字で書けるかなぁ。
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