バクマン。~未来へ向かって~   作:舞翼

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話の流れからして、七峰君回は飛ばしてしまいました、ごめんなさい(>_<)


繋がり

 ~亜城木夢叶、仕事場~

 

「服部さん、その話は本当ですか!?」

 

 亜城木夢叶の作画担当である真城は、服部の話を聞き、座っていたソファから立ち上がる。

 

「ああ。波木君の1位独占は、新妻君がお願いした答え、らしいな」

 

 服部が今日編集部で聞いた話は衝撃的であった。

 まさか、波木歩夢の1位独占は、天才たちの約束だなんて予想外にも程があった。

 

「……エイジもそうですが、波木さんも天才ですね。普通ならこんなこと出来ませんよ」

 

 高木は疲れたように、右掌を額に当てる。

 それに服部は「そうだな」と同意の言葉を発する。

 

「彼らは、話の構成、コマ割りの使い方、背景やキャラクターへの描写、表現方や想像力。挙げたら切りがないが、それらのものをセンス(感覚)だけで出来る漫画家だしな」

 

 服部のこの言葉を聞いて、「……ですね」と溜息を吐く高木と真城。

 

「あと新妻君だが、41号に読切を掲載することが決まった」

 

「エイジが読切ですか!」

 

「予想外の展開ですね」

 

 真城と高木の予想では、新妻エイジは読切を試すこと無く、連載ネームを会議かけるだけだと思っていたが、そうではないらしい。

 

「ああ。読切は雄二郎さんの提案だそうだが、僕が思うに、新妻君には何かの意図もあると思ってる」

 

 服部が考えるエイジの意図とは、新妻エイジがこの読切でぶっちぎりの1位を獲得し、間接的に波木歩夢にメッセージを送ろうとしているのだと。――『僕のこの漫画なら、貴方の漫画と戦えますよ』というメッセージをだ。

 服部がこの考えを真城たちに話すと、真城たちは困惑気味に頷く。

 

「……サイコー。なんかもう、漫画界が新妻エイジと波木歩夢に振り回されてる感じだよな」

 

「……でも僕たちは、いつも通りPCPを丁寧に書いていこう」

 

「そうだな。周りに流されたら、本末転倒、だしな」

 

 真城たちがそう言った所で、服部が「じゃあ、再開するか」と言って、打ち合わせが再開されるのだった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~少年ジャック、編集部~

 

 新妻エイジの読切が載る前日、この日編集部では鳥嶋専務が編集部に訪れ、役職の繰り上げや部署移動に関しての事柄が行われていた。

 ぬっ、と扉から顔を出した鳥嶋は、

 

「おい、佐々木。ちょっと、来―い」

 

「はい」

 

 少年ジャックの編集長である佐々木は、席を立ち役員室や向かう。

 

「中野。お前も来―い」

 

「あ、はいッ」

 

 表情を強張らせ返事をする中野は、緊張の面持ちで席を立ち上がり役員室へ向かう。

 

「編集長と中野班長が役員室へ呼ばれた……」

 

「じゃあ、編集長は変わり、中野さんが飛び級で編集長に?」

 

「いや、班長が編集長に繰り上げはまずないだろ。……でもそしたら、何で編集長たちは呼ばれたんだ?」

 

「これから必勝ジャックが始動するから、その引き抜きかも知れんな」

 

 その後に、瓶子、相田班長、雄二郎、が役員室に呼ばれ、今後の役職を言い渡された。

 結果として、佐々木と中野班長が必勝ジャックに異動、瓶子が編集長、相田班長が副編集長、雄二郎が班長に繰り上げが決まった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 異動等が言い渡された数時間後、編集長の佐々木は、吉田の元へ向かい、

 

「吉田、ちょっといいか?」

 

 作業していた吉田は振り向き、佐々木の言葉に頷く。

 

「はい、どうかしましたか?」

 

「明日、波木君と顔を合わせられる時間とれるか?今回の報告も兼ねて、挨拶をしておきたい」

 

「わかりました」

 

 吉田は頷く。

 このようにして、翌日に佐々木編集長と翔太の顔合わせが決まったのだった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~翌日。波木歩夢、仕事場~

 

 この日、俺は編集長と吉田さんが座るソファ対面になるように向かいのソファに座っている。

 

「私は今月末で、必勝ジャックに異動が決まった」

 

 話によれば、佐々木編集長は引き抜きという形で、必勝ジャックの編集長に就任するらしい。

 俺は頭を下げ、

 

「今までありがとうございました」

 

「いや、こちらこそ感謝している。波木君の作品で、ジャックを盛り上げて貰っているからな」

 

 編集長は俺の目を見つめる。

 

「波木君、1つ聞いていいか」

 

「はい」

 

「編集部で聞いたんだが、波木君が1位を取り続けているのは、新妻君との約束なのか?」

 

 やはり1位独占の結果は、編集部で噂になっているらしい。まあ、こんなことをすれば必然なのかも知れんが。

 

「似たようなものです。なので、新妻君が連載に戻るまで、誰にも1位を譲る気はありませんね」

 

 といっても、○○編の後に()をつく必要があるだろう。なので、○○編が終了すれば順位が落ちる可能性も出てくるので、何か対策を考えなければいけない。

 

「ふっ、そうか」

 

 編集長は、ニヤリと笑う。

 

「はい。誰にも負けないつもりです」

 

「ああ。波木君の活躍にはこれからも期待してる。……ああそう言えば、新妻君の読切の掲載が決定したらしい」

 

 編集長は、再びニヤリと笑い「では、これで失礼する」と言って、仕事場を後にした。

 ちなみに、俺も立ち上がり「お疲れ様」と挨拶をしたました。

 

「(……そうか。新妻、本格的に動くのか)」

 

 再びソファに座った俺は、内心でそう呟くのであった――。




編集長との挨拶が終わった後に、翔太は吉田さんとちゃんと打ち合わせをしてます。
ちなみに、ダブダンは編が進むことにつれ、独占1位は若干きつくなってますね。
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