バクマン。~未来へ向かって~   作:舞翼

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お久しぶりです。


アニメ化と完結

REVERSI(リバーシ)ぶっちぎりの一位かぁ。凄ぇーな」

 

 俺は自宅のリビングに備え付けられているソファに座りながら、今週発売された少年ジャックに掲載されているREVERSI(リバーシ)のページを見ながら呟く。

 特に最終話の見開きは凄まじい書き込みで、力の入れ込みようを察することができる。簡単に言えば、普段の絵より詳細さが増しているといった所だろう。

 

「私的には、翔太君はこれ以上の気もするんだけど。漫画界の歴史に刻まれることをやってのけたんだもん」

 

 そう言ったのは、俺の隣に座る柏木加奈だ。

 しかし、歴史に刻まれるは言い過ぎじゃないか?まあ確かに、前代未聞なことは複数回実現させることは出来たが。

 

「そういえば、ダブルダンクもそろそろ最終章だっけ?」

 

「おう。ライバル(インターハイ)決戦で完結だな」

 

 国際大会など大きな大会も書いたが、高校生3年生のスポーツの締めはインターハイだろう。

 ともあれ、連載の年数も、約7年と言った所だろうか。

 

「連載が完結したら、少しだけ休みが欲しいな。……吉田さんが許してくれるか怪しいが」

 

 この休み期間を加奈の休みと被せ、2泊3日の温泉旅行にでも行きたい。

 今までほぼ休み無しで走って来たので、休息が欲しいってことである。

 

「私もお休みの申請をお願いして見ようかな。ね、翔太君。もしお休みが貰えたら、その期間で旅行に行かない?」

 

 俺は苦笑する。

 まさか、同じ事を考えてたとは。

 

「休みが貰えたらそうすっか」

 

「うんっ」

 

 ――その時、テーブルの上に置いた俺のスマートフォンに着信が入る。ディスプレイに表示された名前は、遊英社だ。おそらく、担当の吉田さんからだろう。

 ともあれ、俺は右手でスマートフォンを取り、着信をタップし右耳に当てる。

 

「もしもし、こんな時間にどうしました」

 

『柏木君に報告したいことがあって連絡させてもらったんだ』

 

 吉田さんの声は上擦っている。

 何か良いことでもあったのだろうか?

 

「報告、ですか?」

 

『ああ、重大な報告だ。――柏木君が描いた漫画の部数が、累計5億部に達成したんだ』

 

 なるほど、吉田さんが興奮するのも頷ける。

 そう。累計5億部は、漫画界の累計部数1位なのだ。それを担当作家が出したとなれば、担当編集として鼻が高くなるのは当然なのかも知れん。

 

「累計5億ですか。あんまり実感ないです」

 

『う、うむ。柏木君はいつもの感じで平静だな』

 

 いや、内心ではかなり動揺してますよ、吉田さん。

 でもまあ、そうなると“ダブルダンク”は名作となったと見ていいだろう。となれば、アニメ化もオファーも近い内に受けてもいいかも知れない。

 

「あ、吉田さん。明日時間ありますか?」

 

『ん、ああ。明日なら大丈夫だが、どうかしたのか?』

 

「はい。ダブルダンクが最終章に入り、完結が近くなってきたのでその相談をしたくて」

 

『なるほど。最近の内容から察していたが、もうそこまできていたのか』

 

 電話の向こうでは、メモ帳を走らせる音が俺の耳に届く。

 

『よし、明日の17時でどうだろうか?』

 

「わかりました。明日の17時ですね」

 

 そう言ってから俺は通話を終了しスマートフォンテーブルの上に置くと、先程の会話を聞いていた加奈が首を傾げる。

 

「打ち合わせの電話?」

 

「それもあるが、ダブルダンクの累計発行部数が5億部を超えたらしいな」

 

 目を丸くする加奈。

 まあ確かに、今の話で驚くのも無理はないだろう。

 

「あと明日、ダブルダンクの最終章に関して17時に打ち合わせだな」

 

 また明日の打ち合わせでは、アニメの話も挙がるだろう。

 加奈にアニメのことを話すと、加奈は「そっか」と頷き、

 

「ヒロイン役は、絶対にわたしが演技するねっ。約束」

 

「おう。まあ、加奈の実力なら問題ないだろ」

 

「でも油断は禁物だよ。最近、負けたばっかりだもん」

 

 加奈はそう言うが、あの話題性の中であれだけの得票数を獲得するのは並大抵な実力じゃ無理だろう。

 身内贔屓になるかも知れないが、素の実力だけを見るなら、加奈は声優界トップレベルの実力の持ち主だと思う。

 

「それはそうと、美保ちゃんと真城君も結婚かぁ。何かお祝い考えないとね」

 

「そうだな。真城君も結婚となれば、亜城木夢叶はどっちも結婚してることになるんだな」

 

 確か、真城君と高木君は20代だったはずなので、世間から見れば早い結婚だろう。……まあ、俺と加奈は10代後半だったので、亜城木君たちよりも早い結婚になるんだが。

 

「ね、翔太君。REVERSI(リバーシ)のアニメ、一緒に見ようね」

 

「ああ。夢が叶う瞬間、だな」

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~翌日~

 

 現在、翔太と吉田は対面のソファに座り打ち合わせを行っていた。

 

「なるほどな。インターハイを最後に完結か」

 

「はい。俺個人の我儘に見えるかも知れませんが、この先からは描きたくないんです」

 

 読者の目線から見ると、波木歩夢にインターハイ後の後日談も描いて欲しいだろうが、翔太はここから先は描きたくないのだ。まあ、そういう設定で描いてたのもあるが、この先から筆を取るのは何だか違う気もするのだ。

 それにきっと、翔太は絶対に考えは変えないだろう。翔太は、第三者の意見は取り入れることはするが、最終的な決定は翔太が決めるのだ。裏を返せば、翔太がどれだけダブルダンクを大切にしているかが見て取れるだろう。

 一度この事柄で揉めた経験がある担当の吉田は、それを身を持って知っていたりもするんだが。

 

「うむ、わかった。――柏木君が想うように書いて、柏木君が終わらせたいように書いて構わない。責任は僕が持とう」

 

 それにダブルダンクという作品は、波木歩夢に全てを委ねた方が最良だろう。今までの作品もそうであったように、結果は後からついてきたのだから。

 

「それと吉田さん、アニメ化の話があれば受けたいと思ってるんですが、ダブルダンクのアニメ化の話とかってきてますか?」

 

「ああ。昨日なんだが、アーク株式会社からアニメのオファーがきてるな」

 

 ちなみに、アニメ化の件に関しては編集長も翔太の意見に一任すると言っているので、翔太が了承するだけでアニメのオファーが受けられる段取りとなっている。

 このような事柄は特別扱いなのだが、三年以上もアニメ化に首を縦に振らない現状を考えれば、当然の措置だったのかも知れない。

 それに、アーク株式会社はCROWのアニメを制作した、有名なアニメ会社だ。

 

「なら吉田さん。そこの会社で、ダブルダンクをアニメ化する方向でお願いしても良いでしょうか?」

 

 吉田は目を丸くし、

 

「おお、そうか!遊英社に戻ったら、早速手続きを始めよう」 

 

「はい。よろしくお願いします」

 

 このようにして、ダブルダンク完結まで道筋を確認する打ち合わせになったのだった。




アニメ会社の名前は適当につけました。
ダブルダンク、ついにアニメ化しましたね。……あと数話で完結の予定ですが、話は思い付いているのに文章にできるか不安です。
では、また。
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