バクマン。~未来へ向かって~   作:舞翼

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小説書くの難しい……。


連載ネーム

 1週間の休みを終えた3日後、俺は仕事場に備え付けられている椅子に座り、作業机の上でネームを書いていた。

 

「うし、これでいいだろ」

 

 俺がネームにした内容は、主人公は幼少期からバスケが好きだったが、途中で挫拙をしてしまいバスケを辞めてしまう。だが、小学生高学年である出会いを経験し、出会いを切っ掛けにまたバスケを始めると言った内容だ。

 

「んじゃ、加奈さん。確認してくれ」

 

 俺は、周りをモップ掛けをしていた加奈にネームを渡し、加奈はネームを1枚1枚読んでいく。ちなみに、加奈は声優の仕事が入っていない時の殆どは仕事場で掃除等を手伝ってくれている。

 

「うん、面白い。趣味を題材にしてるのもいいと思う。それにこの連載用のネームだけど、良い所で終わってる。やっぱり、翔太君は次話への引きが巧いよ」

 

「ある意味、編集部に喧嘩を吹っ掛けてるようにも取れるけどな。『続きが読みたいなら連載させろ』って感じで」

 

 加奈は「そうも取れるかもね」と苦笑した。

 

「そういえば、翔太君は金未来杯っていうのには参加しないの?」

 

「うーん、吉田さんからは参加しろとは言われてないしなぁ。つか、金未来杯にエントリーするなら、来年まで連載は持ち越しってなるからな」

 

 「なるほど」と加奈は頷いた。

 吉田さんに電話をし数分後、マンションのチャイムが鳴ってから玄関のドアが開き、バックを持った吉田さんが到着した。

 

「長居し過ぎたちゃったよ。今から打ち合わせだし、私は上がるね」

 

「いや、居ていいよ。吉田さんには俺から説明するから。前の『絆』もそうだけど、加奈の意見も参考になってるしな」

 

 俺は、対面のソファに座った吉田さんに加奈が居る経緯を説明すると、吉田さん「了解した」と頷いた。

 

「じゃあ、コーヒー淹れてくるね」

 

 そう言って、加奈はコーヒーを淹れに台所へ向かった。

 

「じゃあ、打ち合わせを始めようか。早速だが、ネームを見せてもらうよ」

 

「了解っす」

 

 俺はテーブルの上に置いてあるネームを吉田さんの前まで移動させ、吉田さんはネームを手に取り1枚1枚読んでいく。

 

「うむ、直す点はないよ。それにしてもこの切り方は、狙ってるのかい?」

 

「いや、書いていたらこうなっただけですよ。ほぼ無意識って所ですね」

 

 吉田さんは頷き、

 

「じゃあこれで連載会議に回す――で、柏木君に朗報なんだが、上が『絆』をアニメにしないか聞いてきてる。どうする?」

 

 2年分のストックもあるしな。と、付け加える吉田さん。

 

「……いや、俺はまだ高校3年生ですよ。てか、俺が頷いても、編集長がOKを出さないと思いますが」

 

「いや、編集長は、柏木君が承諾を出せばアニメ化すると言っていたよ」

 

「……アニメっすか」

 

 うーん。と悩む俺。

 てか、アニメ会社とかの打ち合わせとか面倒そう。面倒な事はしたくないし、アニメにする為に漫画を書いてるわけじゃないしなぁ。

 

「加奈はどう思う?アニメ化の話?」

 

 俺はテーブルの上に、2つのコーヒーを淹れたカップを置いた加奈に聞く。

 

「私は良い話だと思うけど。こういう話は滅多にないと思うし。ですよね、吉田さん?」

 

「うむ。南波君の言う通り、アニメ化の話は極一部の作家さんにしか掛からない。高校生でこの話が掛かるのは前代未聞と言っていいだろうな。それにアニメが始めれば、コミックスの売り上げも上がる」

 

 コミックスか。10巻出して、290万部位だっけ。新妻君は、3巻当たりで200万部を超えてるらしいけど。

 俺は息を吐き、

 

「わかりました、『絆』をアニメ化にするで話を通して大丈夫です」

 

「おおそうか!『絆』はかなりできた友情物語だ。期待できるアニメになると思うよ!」

 

「そうっすか。それじゃあ、声優はオーディションで決める感じですか?」

 

「うむ、そうだと思うぞ。何か要望があれば、原作者の意見を尊重して上に伝えるが、どうする?」

 

 俺は加奈を見ると、加奈は首を左右に振った。

 

「私のことは気にしないで。私はちゃんと実力をつけて役を勝ち取っていくよ」

 

 今の加奈の実力で見れば、ヒロインの親友役を勝ち取るのが精一杯だろう。さすがに、ヒロイン役までの実力はない。

 

「そうか。――吉田さん、俺から特に意見はありません」

 

 吉田さんは、連載用ネームを茶封筒に入れ、

 

「わかった。後は、上に任せる感じで進めるよ。――それじゃあ、このネームもらっていくよ」

 

「ええ、お願いします」

 

 吉田さんはソファから立ち上がり、仕事場から出て行った。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 俺は作業机の椅子に座りながら、呟く。

 

「アニメ化かぁ。何か、実感が湧かなねぇな」

 

 加奈もソファに座り、口を開く。

 

「私は近い内になるかなぁ。と思ってたりしたよ」

 

 そう言って、加奈は苦笑した。

 

「でも、ダブルダンク。連載になるかな?」

 

 加奈の言った『ダブルダンク』とは、俺の連載用ネームの題名である。

 

「どうだろうな。たぶん、今回の会議には新井先生の作品があるし、他の作品だって面白いものがあるかもしれない。連載の確率は良くて、20%位じゃないか」

 

「そっかなぁ。翔太君のダブルダンクは、新妻さんのCROWより面白かったよ?私は自信あるけどなぁ」

 

「まあ、加奈と作った作品っていっても過言じゃねぇしな。自信を持つことはいいことだ」

 

「いやいや、翔太君が自信を持たなくてどうすんのさ」

 

「だ、だよな。すまん」

 

 ともあれ、連載会議用のネームを提出した俺だった。




高校生でアニメ化とか、翔太君凄すぎでしょ(笑)
ちなみに、ダブルダンクは=スラムダンクみたいなものです。
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