バクマン。~未来へ向かって~   作:舞翼

6 / 50
こ、更新です。


連載会議

 1週間後。――連載会議。出席者は班長(キャップ)以上、この会議で、新連載と終わる作品が決まり、会議の結果はすぐに編集者全員に知らされ、連載される作品、連載終了(打ち切り)作品は、担当編集によって作家に伝えられる。

 始まる、もしくは終わるかも知れない作家は、連絡があるまで落ち着かない日になるのだ。……まあ、ある作家だけは対象から外れているのだが。

 ともあれ、連載会議では連載候補ネームのコピーが配られる。

 

「では、私矢作の進行で進めて行きたいと思います」

 

 進行の担当が、手に持った書類の1ページ目を開く。

 

「まずは、折原さんの『タンクトップ』」

 

 話し合われる作品は順番ではなく、コピーを刷った順で行われる。

 

「うちの班の内田が担当です」

 

 それから、作品の担当がいる班長(キャップ)から、作者の狙いや状況を簡単に説明する。

 ちなみに、会議に掛けられた作品は4つの結果に分けられる。1つ、連載になる作品。2つ、練り直して再び会議に出す。3つ、読み切りで試す。4つ、やり直しのボツ。

 

「連載できると思いますが、無理に始めて打ち切りよりも、皆さんが評価したように慎重を記するべきかと」

 

 評価とは、1週間前に班長(キャップ)全員、副編集長から連載用ネームの茶封筒に書かれた感想の事である。

 

「確かに。質を高くしてから、再び会議に望んだ方がいいと思います」

 

「なしだな」

 

 連載会議では、編集長の《あり》と《なし》に分けられ、《あり》の中の2~4本が新連載、《あり》の本数が多い場合は、またその中から更に話し合われ、新連載を決定する。

 

「次は、新井先生の『君といる』」

 

「これも、うちの班の柳田が担当しています。新井は、前回は見送りになりましたが、今回はそこを修正し期待できるかと」

 

 班長たちはネームを見ていく。

 

「確かに、前回の指摘点を修正している」

 

「ですが、学園ものはジャックでは有り触れたジャンルかと。友情の、『絆』の上に行くのは厳しいと思いますが」

 

「ですが、新井先生の話作りは問題ないかと思います」

 

 ネームのコピーを見ながら、意見を交わす班長たち。

 そして、編集長は頷き、

 

「ありでいいだろう」

 

「どうも」

 

 それからは、このように意見が交わされ、新連載や打ち切りの作品が決まっていった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「次は、波木歩夢の『ダブルダンク』」

 

「はい。これは僕、吉田が担当しています。波木先生は、ジャックにはない作品を生み出しています。今回もそうと言ってもいいでしょう」

 

 ネームを見る班長たち。

 

「確かに、『絆』の時より質を上げてきてるようにも見える」

 

「スポーツ、友情、熱血。ですからね」

 

「だが、彼はまだ高校生だろ?前回は何とかなったと思うが、今回は巧くやれるのか?」

 

 やはり、『高校生』という話題が上がるのは必然だったようだ。

 だが、担当の吉田は切り札を持っている。

 

「いえ、心配はありません。彼は高校3年生であり、自由登校も来年から始まります。ちなみに、勉学を懸念しているなら、そこでは彼を支えている者もいるので問題ないかと思います」

 

 これ以上は、プライバシーに関わるので黙秘しますが。と、吉田は付け加える。

 

「それに、このネームは彼が2日で書き上げた物、それも3話もです。普通なら直す点が出てくる筈ですが、彼の場合は直す点が見当たりません。――彼は天才です」

 

「波木君は、新妻君とは違った意味で天才ですね。本人は否定すると思いますが」

 

「だが、前回の作品とのスパンが短すぎる。前回の勢いに乗っただけでは。という懸念も」

 

「いや、彼の場合は引き出しが多いのは証明済みだろう。――友情物語、これはやるべきだ」

 

「確かに、前回の作品と比べても、これは根負けしてないと思います。いや、こちらの方が若干強い気も。次話への引きも上手い」

 

 班長、副編集長が編集長の判断を待つ。

 

「――――ありだな」

 

「ありがとうございます」

 

 このようにして、連載会議は進んで行った。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~仕事場~

 

 ソファに座りながら、俺はコーヒーを飲んでいた。

 

「やっぱ、家より仕事場の方が落ち着く。いや何、俺って既に社蓄だったりする?」

 

「ど、どうだろう。でも、仕事場に居ると、私も漫画を書いてる気分になるから楽しいけど」

 

「し、仕事場が楽しいのか」

 

 対面のソファに座る加奈は、満面の笑みを浮かべた。

 

「もちろん!翔太君の力にもなれるしね」

 

「お、おう。てか、いつも助かってます」

 

「いえいえ、いつでも力になりますよ。波木歩夢先生」

 

「その名前、お前がつけてくれたんだよな。結構気に入ってる」

 

 その時、テーブルに置いているスマートフォンが震えた。ディスプレイ画面には、吉田さんの文字。おそらく、会議の結果報告だろう。

 ともあれ、俺は通話ボタンをタップし、通話口を右耳に当てる。

 

「もしもし、柏木です」

 

『――おめでとう!連載決定だ!』

 

 お、おう。テンション高いな、吉田さん。

 

「了解っす。会議の感触としては、どんな感じでした?」

 

『か、軽いな。まあいつもの君って感じだが。で、会議はほぼ断トツだ。――やはり、君は天才だよ』

 

「いや、天才は止めて下さい。連載ってことは、契約諸々ってことですよね?」

 

『その辺りは、また追々だな。今は、連載に喜んでくれ』

 

「そうします。電話ありがとうございます。では、失礼します」

 

 俺はそう言ってから通話を切り、拳を握りガッツポーズ。

 

「よしゃ、連載だってよ」

 

「今日はお祝いだね。ここでする?」

 

「いや、何処でもいいよ。でも丁度いいし、2人で祝いますか」

 

「りょうかいしました♪」

 

 こうして俺は、高校生にして2度目の連載が決まったのだった。




翔太君、チートすぎだね(笑)
ご都合主義が満載だが、許してっちょ(-_-;)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。