バクマン。~未来へ向かって~   作:舞翼

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つ、疲れたぁ……。


アニメ化と親友

 連載が決まった翌日、俺は仕事場を掃除していた。ちなみに、加奈は声優の仕事がある為この場には居ない。ともあれ、掃除をしてる内にインターホンが鳴り響く。

 「失礼する」と言って襖を開けたのは、吉田さんだ。その後ろには、見慣れたアシスタントたちもいる。

 

「柏木君。腕の良いアシスタントを、連絡通り2人確保してきた。といっても、見慣れた光景だと思うが」

 

「そうっすね。『絆』の時と同じ人ですから」

 

 てか、女子じゃなくて助かった。吉田さん、ここら辺は考慮してくれてるんだろうなぁ。

 

「それじゃあ、後は自分でできるよね」

 

「了解っす」

 

 そう言って、吉田さんは仕事場から出て行った。

 

「それじゃあ、作業机も前のようにしてあるので、伊藤さんは其方に席に、塚本さんは其方の席にお願いします」

 

 アシスタントたちは頷き、指定された席に座る。てか、『絆』と同じアシスタントという事もあって、作業が滞りなく進む。いや何、知ってる人と作業できるのは気が軽い。

 休憩時間に入った所で、

 

「波木先生、お久しぶりです。またご一緒できて嬉しいです」

 

「凄いですね。短期間で再び連載なんて」

 

「いや、偶然ですよ。俺だけの力で連載を勝ち取ったとは言えませんし」

 

 うん、幼馴染の力も大きいだろう。マジで感謝である。ともあれ、1話目の原稿を上げ、今日の作業は終了したのだった。今までの経験からか、筆の速度が格段に上がっている。うん、良い事だ。

 それにしても、今日のアニメの打ち合わせ面倒くさい……。はあ、何でOK出したんだろ、俺。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 作業が終わり数時間後、アニメ会社と吉田さんが仕事場にやって来た。取り敢えず、対面にアニメ会社の人と俺がソファに座り、吉田さんはキャスター付きの丸椅子に座る。

 

「監督の○○です」

 

「プロデューサーの○○です」

 

「脚本を手掛ける○○です」

 

 アニメ会社の人たちが、丁寧に俺に名刺を渡す。

 

「ご丁寧にどうも。原作者の、波木歩夢です。よろしくお願いします」

 

「では、早速ですが、アニメの進め方をご説明致します」

 

 監督たちの説明によると、アニメは原作に沿って進めて行くという事だ。あれだ、オリジナルには成るべくしないという方針である。

 ちなみに、声を当てる声優は、オーディションで決まるという事らしい。これについても問題は無い為、「大丈夫です」と頷いた。

 

「先生からご要望などはありますでしょうか?成るべく、その意見も取り入れたいと思いますが」

 

「いえ、要望については何もないです」

 

「わかりました。それでは、このように制作を進めたいと思います」

 

「はい。お願いします」

 

 と、このように、俺とアニメ制作会社との話し合いがあったのだった。

 ちなみに、アニメは半年後に放送するらしい。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~聖ビジュアル女子院高等学部、控室~

 

 私は控室の椅子に座り、隣に置いてあるバックからジャックを取り出しあるページを開く。そのページとは、波木歩夢先生の新連載が始まった『ダブルダンク』だ。

 

「うん。やっぱり面白い」

 

 何で私、上から目線で言ってるんだろ……。漫画に関してはほぼ初心者なのに。

 と、その時。隣に座っていた美保ちゃんが私に聞いてくる。

 

「南波さん。それはジャックですか?」

 

「ん、そうだよ。新連載を読んでるんだ」

 

「もしかして、幼馴染さんの?」

 

「うん♪波木歩夢先生って言うんだ。高校生で連載とか凄いよ。私、かなり置いて行かれた気分だよ……」

 

 い、いけないいけない。つい尻窄みになってしまった。

 

「美保ちゃんも、気になる作家さんとか居るの?」

 

「う、うん。亜城木夢叶先生っていう作家さんかな」

 

「『この世は金と知恵』を書いた作家さんかぁ」

 

 翔太君、言ってたなぁ。『亜城木は、ジャックでまた新しいジャンルを生んでいくかもな』って。

 確かに、絵もリアルで、話の密度も濃かった作品だった。

 

「し、知っているんですか?」

 

 目を丸くして驚く美保ちゃん。

 

「知ってるよ。ジャックに載った作家さんは、一通り目を通してるから。漫画界のことを勉強しておかないと、翔太君を支えられなくなっちゃうかもだから……あ」

 

 やば。波木歩夢先生の、本名を言っちゃった……。

 でも、翔太君が言うには、『本名を知られても問題はないだろ。本名で連載してる作家もいるんだし』って言ってたから大丈夫だよね?

 私のそんな姿を見た美保ちゃんが、

 

「他言はしないので大丈夫です。えっと、本誌に掲載してましたけど、波木先生の『――絆、永遠と共に』ってアニメ化するんですよね?」

 

「うん。高校生でアニメ化は前代未聞って担当さんが言ってたなぁ」

 

 確か、声優ってオーディションで決まるんだよね?私、挑戦してみようかなぁ。まあ、ヒロイン役は無理だと思うけど。親友の葵ちゃん役が限界だと思う。

 さて、今日もお仕事が終わったら仕事場に行こう。きっと翔太君、ペン入れしてるだろうし。

 

「(差し入れも持って行った方がいいかな。きっとお腹空かせてると思うしね)」

 

 今思えば、私と翔太君ってほぼ一緒に居るのかな?あんまり意識したことはないけど。って、そろそろ年末かぁ。翔太君、新年会はどうするんだろ?今年も『面倒だから行かない』なのかなぁ。まあ私は、新年を翔太君と迎えられればいっか。それから、スタッフさんに声をかけられるまで、私と美保ちゃんは気になる作家さんの事で話を盛り上げたのだった。




加奈ちゃんと美保ちゃんは、見吉ちゃんと同じく親友設定です。
あと、♦の後は日にちが僅かに飛んだ感じですね。
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