バクマン。~未来へ向かって~   作:舞翼

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翔太君と加奈ちゃんは、18歳設定ですね。



告白と夫婦

 連載が始まって約6ヶ月が経過し、今は6月前半である。

 高校を卒業した俺は、漫画家だけに絞り大学は行かなかった。加奈も声優業に力を入れていきたい。という事らしく、高卒である。

 俺は自宅で過ごす時間はほぼ無く、仕事場が家って感じである。昼食や夜食も、仕事場で摂っている感じだ。ともあれ、原稿にペン入が終わりペンを机に置いてから伸びをする。すると、作業机の椅子の背凭れが、くい、と動く。

 

「終わった。――悪いな、待たせて」

 

「うんん、大丈夫だよ」

 

 そう言って、ソファに座る加奈が、手に持っていた台本を閉じた。

 年末のオーディションから1週間後、結果が届いたそうだ。――結果は、激選を掻い潜り、加奈は『ヒロインの親友、葵役』を勝ち取ったのだ。ヒロイン役の方は、葵役の候補者(親友役参加者)の倍は居た。という事らしいが。声当ての方も、既に7話目まで完了してるらしい。

 

「放送開始まで、後2週間か。もうそろそろだな」

 

「うん、その時は一緒に見よう」

 

 了解。と頷く俺。

 仕事場には大き目のデジタルテレビもあるので、アニメは仕事場で見よう。という事だ。

 

「私、翔太君の作品に声を当てられるとは思ってもいなかったよ。……私、オーディション少しだけ弱気になってたんだ」

 

 あの時、励ましてくれたのにごめんね。と、加奈は表情を暗くする。まあ確かに、何かの結果報告は不安にもなる。結果報告待ちで、落ち着いていられる俺が想定外(イレギュラー)なのだろう。……いや、たぶん、知らんけど。

 

「気にすんな、終わり良ければ全て良しだ。世間体はそんなもんだしな」

 

 だが、途中までの努力は無駄にならないと思う。結果は、これまでの成果だと思うし。

 漫画家っていう才能?を掘り出してくれた加奈には、とても感謝している。てか、連載始めの時の波木歩夢は、編集部もかなり不安だったかもしれん。と、今は思う俺である。

 

「世間体かぁ。――私たちって、これからも一緒に居られるよね?ほら、漫画家と声優って、何かとネットに書き込まれたりするから。それに、最近私たちの中ではそんな話も持ち上がるし」

 

 加奈の言う通り、『○○と○○は付き合ってる!』『オレたちのアイドルが……』『マジか~』のように、掲示板のスレ(ネット上)で荒れる可能性もあるだろう。じゃあどうするか?聞かれる前(プライベートの露見前)に手を打てばいい話である。てか、人気声優と新人声優ってそんなに環境が違ってくるのね……。

 

「うーん。婚姻届出して、俺と籍を入れちゃえばいいんじゃね。事前に手を打っていれば問題ない」

 

 って、うわー。今のナルシスト発言じゃね……。

 加奈は、頬を朱色に染めた。

 

「しょ、翔太君。今のってプロポーズ、なの?」

 

 相手目線から見れば、プロポーズ、なんだろうなぁ……。つーか、何気ない告白だよね、今の。てか、俺の顔熱っつ。俺今、顔が赤いだろうなぁ。

 

「……そうだな。つか、まだ俺らの年齢じゃ、親の承認等が必要になるが」

 

「……そ、そっか」

 

 

 

 

 

 

 

 数分の沈黙の後。加奈が『丁重にお受けします』と、承諾してくれました。

 

「不束者ですが、これからよろしくね」

 

「これからもよろしくな。つっても、何も変わんない気がするけど」

 

 書類上では、加奈の苗字も『柏木』になると思うが、世間体として、旧名の『南波』で通した方が楽かも知れない。

 『籍』を入れており、『夫婦関係』になってる以上、取材陣(ネット民)も話を取り上げる事はないはず。いや、ちょっとは取り上げるかも知れないが、それくらいなら、程度だろう。

 

「ふふ、いつも一緒に居るしね」

 

「それが当たり前になってるしな」

 

 稼ぎ等も、今の連載があるし、『絆』の時に貯金した9000万程あるので問題ないだろう。てか、金を使う機会がないのが本音でもある。使うとしても、コンビニとスーパーの買い出し位だし。

 うーむ、仕事場に近くに家を買えば大金を使った事にはなるけど、今は実家でいいと思うし、家まで要らないよなぁ。

 

「夫婦かぁ。意外に早かったかも」

 

「世間一般で言えばかなり早いだろうなぁ。まあ、早くても問題ないと思うぞ」

 

「そっか、そうだね」

 

 加奈は、そういえば、と話題を変えた。

 

「そろそろ、金未来杯だっけ?」

 

「6月22日にエントリー決定だしな。そろそろだ」

 

 エントリー作は何本になるんだろうか?

 俺の予想では、福田さんと亜城木君たちはエントリーされるだろう。……本当は、俺もこういう工程を踏んでから、連載だったんだろうなぁ。

 俺を見つけてくれた吉田さんは募集の時に出した原稿と、3話までのネームの後付けを連載会議に出してくれて、それを通してくれたので、俺はこういう工程をする事なく連載できたのだ。俺って、本当に運がよかったんだなぁ、ってしみじみ思う。

 

「亜城木君たちと勝負になったら、今以上にアンケートの食い合いがあるな」

 

 今の所俺の作品は、連載開始から5位以内をキープしている。だが、アンケートの食い合いになれば、順位の低下の可能性が出てくるだろう。

 

「でも、焦ってストーリーの方向転換とか考えちゃダメだよ」

 

「大丈夫だ。俺の作品は、ストーリー重視だからな。それを崩したら本末転倒だし。――本当、お前の意見は色々と助かるよ」

 

 それもあってかは解らないが、吉田さんとの打ち合わせは、かなりスムーズに進むのだ。

 

「なら良かった」

 

 と言い、加奈は微笑んだ。

 それから仕事場で数分話し、俺たちは仕事場を後にしたのだった。ちなみに、翌日に市役所に行き、書類上では俺と加奈は夫婦になったのだった。まあ、今後も特に変わる事もないと思うが。




婚姻届とか戸籍とかは調べたましたが、違ってたらごめんなさい(^_^;)
まあ違ったら、こうなるように法律を捻じ曲げちゃいます(笑)
ちなみに、加奈ちゃんはまだ、翔太君との関係(美保ちゃんは除く)は聞かれてないです。
てか、独身とか既婚とかも声優プロフィールには書かれてない感じですね。なので、今露見しちゃえば、人妻声優って事です(笑)
ということは、ネットでもちょっとは話題にはなると思いますが、炎上?まではいかないはず。あれです、穏便に事は進むって感じですね。

追記。
最初の連載の原稿とネームは、所々修正してます。
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