陰陽師になりました。   作:ラリー

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さきほどはどうも失礼しました。
あのような感じに投稿している人がいたので
別にいいのかと思ってやってみたのですが……。
今後は気おつけます。
本編を楽しみにしていた皆様。
混乱させてしまい、申し訳ありませんでした。


10話

「私は飛車丸だ!飛車丸なんだぞ!!なのに角行鬼が……」

 

呪練場から逃走した呪捜官の男は助けを求めるため、自分に生きる道を教えてくれたある『お方』

の元へと走っていた。

 

「ああ、クソ!!あの方になんと言えばいいんだ!!」

 

『お主の前世を教えてやろう』

 

「…落ち着け……ともかく今はあの方に指示を仰ぐしか………」

 

立ち止まり落ち着くためにゆっくりと深呼吸をする男。

 

「しばらく見んうちに、呪捜官の質もかなり落ちたな……」

 

「ひぃ!?だ、誰だ!?」

 

男が立ち止まり息を整えると彼の後ろから声が掛かる。

声を聞くと男だと判断が付くが、姿が見えない。

何所に居るのかキョロキョロと辺りを見渡す呪捜官の男。

 

「霊災が増加している悪影響で、優秀な人材が祓魔局に偏ってるいうことか……

どうにも不穏なことやで」

 

落ち着け、相手はまだ姿を現していない!すぐにここから離れれば……!?

男がその場を離れようとした時には既に遅かった。

なぜならもう……既に男の体は指一本、動かすことが出来なくなってしまっていたのだから……。

 

これは…不動金縛り……!?

くそ!どういうことだ!?真言も…気配すらもなかった……!!

この術者は何者なんだ!?

 

男が術者の正体について考えを巡らせ始めた時。

視線の先に術者の物と思われる杖と義足が目に入る。

 

 

そういえば聞いたことがある…凄腕の呪捜官の噂を………。

その呪捜官は『十二神将』の一人に数えられながら、職務の隠密性ゆえ名を表に出すことの

なかったという陰陽師……。

右足を失ってからは現役を退き、その後を知るものは上層部の数名のみという……。

まさか……こんな所で出会う事になろうとは……。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「全く…えらい時間外労働もあったもんやで…………」

 

倒れた夜光信者をみて思わずため息が出てしまう。

 

「しっかし、いまどき珍しい程のステレオタイプな雑魚やったなぁ…」

 

「おそらく深度の深い暗示を長期にわたってかけられていたのでしょう」

 

僕があまりにもな雑魚っぷりに感想を漏らしていると後ろから天敵の声が聞こえた。

ったく、このババァは……。

声のした方へ、振り向くと塾長の愛用の猫型の式が僕の後ろでお座りをしていた。

 

「塾長…見とったんですね?あのみっともないお遊戯を……」

 

「もちろんです。大事な生徒達なんですからね」

 

おそらくこのババアのことや、どうせ僕の監視込みなんやろうな………。

とんだ狸ババアや。

 

「なにか仰いましたか?」

 

「いいえ、塾長。僕なーんも言うてませんよ」

 

ぼくの心の声を読みよった。武君が倒した窮奇以上のバケモノやで……

 

「……あらためてご苦労様でした、大友先生。」

 

猫だけど呆れた表情で僕に労いの言葉を述べる塾長。

しかし言葉が終わると雰囲気が一変し少し重たいものとなる。

 

「ですが…今回は生徒を危険に晒しすぎたのではないのではありませんか?

あまり感心できません。

せめて彼が紛い物を出した時点でなんらかの介入をするべきでした。」

 

鋭い視線で僕の事を叱る塾長。

確かに、雑魚だけやったら塾長は正しい。

ただ、今回は……。

 

「無茶を言わんといて下さい。しょぼいストーカーならともかく、すぐ近くに超大物が

絡んどったんですよ?それに…また足を取られたら、今後の講師生活に差し支えますやん」

 

僕がそう言うとこのババアはなんとそれがどうしたとばかりの声で……。

 

「車椅子を押す式神なら私が創って差し上げますよ」

 

…と言いおった。

 

「わぁ、恐れ多い」

 

はよう死ねへんかな…このババア。

にこやかな表情を浮かべながら心の中で毒を吐く。

 

「何か?」

 

あ、ヤバイちょっと怒っとる……。

ちょっとシャレにならないと思った僕は話題をすり替える事にした。

 

「ま、まあ…それに塾長が気になっていた彼も居ましたから……」

 

「彼ですか……」

 

まさか僕等みたいな役職やのうて…本物の十二神将を拝む事になろうとは……。

どおりで塾長が直接しらべとったわけや。

伝説の復活……ヘタしたら夜光よりも問題になるな……。

 

「正直彼が、現れた時は別の人間と思ってましたよ」

 

「まあ、かなり強力な術みたいでしたから……あれは仕方がありません」

 

そう。

僕が狐の仮面を被った男をはじめ見たとき誰か気づかんかった。

おそらく、何らかの術で周りが彼と認識しないようにしとったんやろうけど

陰陽塾で実力があり、僕と塾長以外で助けにくる人物と言ったら

彼しかいない。

他に強力な陰陽師の講師がおれば…少しはそっちに僕や塾長の目は行ったかもしれへんけど

時間稼ぎにもならんな……。

まあ、春虎君達にはしっかりと術はきいてた見たいやけど……。

彼、十二神将を護衛に付けてたし、過保護見たいやから何時か正体ばれそうやな…。

しかし……

 

「塾長も危ない橋を渡ったんと違います?この阿呆が夜光信者やって、とっくに

わかっとったのに放置して……」

 

「…彼と『双角会』との繋がりは事前に判明していましたが……

それ以上のことはわかりませんでした。

今回は彼の事と同時に探る事の出来る良い機会だったのです」

 

なるほど…これで確信した。

やっぱり今回の事はこのババアのシナリオ通りやったと……。

 

「つまりアレですか?やっぱり生徒をダシに?それって『感心できません』のと

ちゃいます?」

 

「これくらいのことは『慣れて』くれないと困りますからね。

それに……ちゃんと当人たちにもあらかじめ注意していますよ」

 

ワイの皮肉をしれっと返しおった。

悪魔や生徒を地獄に落とす悪魔がおる……。

 

「何か?」

 

「いいえ、なんにも」

 

「では、後処理をよろしくお願いします。

私も陰陽庁に色々と連絡しておかねばなりませんので……」

 

面倒ごとを押し付けるだけ押し付けて、さっさと逃げようとするババアを呼び止めた後、

僕は今回の仕事について聞きたい事があったので、ババアに質問をした。

 

「あの……時間外手当とかつかんのでしょうかね?」

 

ぼくがそう言うとあのババアは……

 

「まあ?可愛い生徒のためですよ?お金なんて問題じゃないでしょう?ホホホ」

 

と、さわやかに僕の質問に答えた後、どこかに行ってしまった。

 

「…金やのうてセーイの問題やっちゅうねん……」

 

あーーーー!!ほんまにムカツクわーーーー!!

 

 

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