陰陽師になりました。   作:ラリー

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12話

武視点

 

「……これでよし」

 

自室に戻り、落ち着きを取り戻した俺は自らの心の中で宣伝した

不能になる呪を部屋に居るであろう春虎に行使した。

発情期の犬や猫に実験で成功させたし、呪いが成功していれば

今晩にでもアイツは文字通り、役に立たなくなったリトルに戦慄する事だろう。

 

そう心の中で弟の不幸を喜んでいると……

 

「兄貴?今大丈夫か?」

 

「!?……ああ」

 

扉のノック音と共に俺が呪いを掛けた張本人がやって来た。

なんだ!?まさか、バレたのか!!?

驚きのあまり、出そうになった声を押し殺し、出来るだけ平常時の声を出して

扉の向こうに居るであろう弟に返事をする。

 

落ち着け……。

まだ、呪いの話とは決まったわけじゃない。

落ち着いて対応すれば何も問題はない…。

呼吸を整えゆっくりと玄関の扉に近づいて扉を開ける。

 

 

「どうした?」

 

 

 

☆☆☆

 

 

扉を開き、目の前の居る春虎に声を掛ける。

 

「実はさ……兄貴に会わせたい奴が居て…」

 

愚弟はそれだけを言うと後ろに視線を投げかける。

すると愚弟の後ろから………。

 

きょぬー美少女が現れた!!

 

 

「…お久しぶりです武さん。」

 

「君は………」

 

彼女のメロン様に夢中になっている中、突然喋りかけてきたのそれっぽい返事を

思わず返してしまった俺。

やべ……お久しぶりってなんぞ?

俺、全く覚えてねえや……。

でも、俺が覚えていたと思って凄く嬉しそうな顔をしているし……。

覚えてないなんて今更いえねー……。

 

「あの時は失礼な態度を取って本当にすみませんでした。

そして、リボンを探すのを手伝ってくれて本当にありがとうございました」

 

「気にしなくていい。」

 

リボン…?

ダメだ!思い出しそうだけど思い出せねーーー!!

もっとだ、もっと情報をくれ!!

そしたら思い出せそうだから!!!

もっと情報をプリーズ!!

 

「あの……これから夏目君の引越し祝いのパーティーをしようと思うのですが…。

武さんは…お時間大丈夫でしょうか?」

 

「大丈夫だ。問題ない」

 

うん!君のような美少女のためなら火の中、水の中!!

でも、君の事を思い出したいから、もうちょっと情報が欲しいかな!!!

 

「では、行きましょうか……」

 

 

 

春虎視点

 

 

 

夏目の引越し祝いに男子寮に訪れた天馬と京子。

あの事件に巻き込まれたメンバーが揃い、あの事件について話をしていると

突然、エロ本を使った後に訪れるすっきりとした感覚が襲ってきた。

何故、突然あの感覚が襲ってきたのか分からないが、物事を考えるのに今の状態は

歓迎だ。

 

「あの謎の陰陽師は結局誰だったんだろうね……」

 

謎の陰陽師。

確かに謎だ……。

あの陰陽師は何故、あのタイミングで現れた?

何故、仮面で正体を隠す必要があったんだ?

一つ、一つ、整理していこう……。

 

まずはタイミングの良さ……。

 

可能性は低いが偶然か、もしくは俺達を監視していたのだろう。

 

そして正体を隠す理由。

俺達に正体を隠したいのか?それとも敵に正体を隠したいのかの二つだ。

それとも両方なのか……。

 

「ところで春虎……武さんの件についてなんだけど………」

 

謎の陰陽師について考えていると京子が、話しかけてきた。

兄貴の件について?……ああ、京子を兄貴に紹介するって話か…。

 

「わかった。ついでにみんなの予定が大丈夫なら、夏目の引越し祝いって事にして

兄貴を誘うか?」

 

「お?珍しく春虎が頭をつかっているな……明日は台風か?」

 

「この時期に台風はありえないだろ……さあ、善は急げだ。」

 

 




お久しぶりです。
リアルが忙しすぎて執筆がなかなか進みませんでした。
今後も更新がかなり遅れると思いますのでご了承ください。

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