陰陽師になりました。   作:ラリー

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13話

 

天馬視点

 

事情聴取を終えて、授業に復帰した僕達5人だったんだけど

春虎君の様子がおかしい。

いや、別に悪い事じゃないんだ。

授業も集中しているし、出来なかった簡易式の生成にも成功させている。

いい事なんだけど……。

 

覇気というかやる気?と言うものが一切、感じられないんだ。

常に冷静で…言葉に表すと明鏡止水っていうのかな?

 

ともかくおかしい。

冬児君やクラスのみんなもそれを感じ取っていて、いろいろと噂をされている。

 

曰く、頭のよくなる呪術を夏目くんに(自主規制)された

 

曰く、寮母さんの流している噂が本当で、新しい扉を開いてしまった。

 

曰く、授業の合間にトイレで保健体育の教科書を読んで賢者になっている。

 

などなど。

本当にどうしたんだろう?

 

冬児君は面白いからほっとけと言うけど……。

 

放課後、ちょっと先生に相談してみよう。

 

 

☆☆☆

 

放課後の職員室。

僕は担任講師である大友先生に向き合い例の相談事をしていた。

 

「ふ~ん。もしかしたらあの事件で変な呪力を浴びてああなったんかもしれんな」

 

「……それって大丈夫なんですか?」

 

ある意味、それは霊災なんではないだろうか?

 

「僕も何とかしようと思っとっただけどな……別に本人に害があるわけでも

ないし、ほおって置けば大丈夫やろ。それに……もし、危険な物やったら既に

あの狸少年がなんとかするやろうし」

 

「狸少年ですか?」

 

「そ、だから君は安心して授業に集中するとええよ」

 

そういって職員室を追い出される僕。

狸少年って一体だれの事だろうか?

疑問を抱えながら自宅に戻って、次の日を迎えた僕達の目の前には

授業に四苦八苦している春虎君が目の前に居た。

 

☆☆☆

 

ー数日前ー

 

春虎(呪)授業復帰初日の放課後。

 

大友視点

 

「最近、春虎君が優秀なんやけど……なんか知らん?

過保護の武君」

 

「知りませんよ。事件で変な呪力でも浴びた副作用なんじゃないですか?」

 

「ほほう。僕も知らんような術式をただの呪力と君は言うんか?」

 

春虎君の様子がおかしくなったのはあの事件の事情聴取が終わった

頃。

もしかしたら、事件の事で授業に集中できないのでは?と出鱈目な式に護衛させる

過保護な兄が何かをしたのではないかとカマ掛けてみたんやけど……。

 

「……ええ、そうですよ。それに本人にたいした影響はないようですから

数日で元に戻るでしょう」

 

「ほう、数日で……まあ、ええわ。家族が心配なのは分かるし、今回は目を瞑っとくし

追求はせんわ」

 

まったく、人使いの荒い妖怪ババアに過保護な狸少年。

僕の周りにはまともな人間はろくなのがおらんな。

 

☆☆

 

武視点

 

やべぇよ!!

俺の呪いが大友先生にばれちまったよ!!

 

まあ先生も「家族(性の乱れ)が心配なのは分かるし、今回は目を瞑っとくし

追求はせんわ」

 

と言ってくれたし、さっさと解呪解呪!!




オリジナル話の上、スランプ気味だったので更新が思った以上に遅れてしまった……。

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