陰陽師になりました。   作:ラリー

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20話

ー武視点ー

 

木暮(こぐれ)禅次郎(ぜんじろう)。

一般人から、陰陽師を目指す人間まで誰もが知っている

もっとも有名な陰陽師で陰陽師の花形。

やばくね?

もし、偽メガネ君一号が捕まったら……。

 

俺…逮捕されるんじゃね?

 

……。

 

逃げろぉーーー!!!

全速力で逃げろぉーーーー!!!

いや、落ち着け!!相手は十二神将最強……逃げても、捕まるだけだ。

ならば、アレを使って……。

 

 

 

ー木暮 禅次郎視点ー

 

倒れる鏡が怪我をしていないか心配になった俺は

鏡に駆け寄り、体を調べる。

よかった…鏡は気絶しているだけだ。

しかし……。

この術式は……鏡の手の甲に刻まれた見覚えのあるバツ印。

これは鏡の額に施された封印術……いや、同じように見えて全くの別物だ。

術式は額のものよりも複雑化されたあげく、見たことのないような術式が

混じっている。

鏡は問題児だが、腕は確かだ。

鵺のような霊災がこんな複雑な術を使ったとは思えない。

だとしたら又角会か?

くそ!もう少し俺がはやく辿り着いていれば……。

……悔やんでもしょうがない。

今は鏡を倒した術者の情報を少しでも集めて本局に伝える方が先だ。

 

「すまない!鏡がいろいろやらかしたと思うが、現状を知る為に事情を説明してくれないか?」

 

「はっ!陰陽塾の実技試験の最中に『タイプ・キマイラ』鵺の襲撃を受け、鏡独立官と

我が塾生……かもしれない者が、鵺と戦闘しましたが第三者の介入により、鵺は逃走。

しかし……その後…鏡独立官と彼が……」

 

鏡が鵺を逃がした?

それに塾生かもしれない者?

状況がいまいち掴めない。

しかし、講師である彼の発言から分かったことは二つ。

鏡は鵺を逃がした。

そして……講師の視線の先に居る少年を見る。

彼が鏡にこの呪詛を仕掛けた?

頭のてっぺんからつま先まで見たが、普通の少年だ。

……もしかして彼が陣(じん)の言っていた土御門……。

なるほど……夜光の転生と言われるだけある。

納得した俺は、彼からどうして鏡と戦闘になったのか事情を聞く為に

彼に話しかけようとするが……。

 

「術式開放!!」

 

「なに!?」

 

彼は左腕に仕込んでいたと思われる呪詛を発動させ、一瞬で自分自身を焼いた。

突然の行動に驚いたが、彼が消失するさい一瞬だけ人型が見えた。

間違いない…アレは式神の形代だった。

つまり、式を操作していた人間が居て、証拠隠滅の為に焼いたという事になる。

そもそも、何故塾生に式を紛れ込ませた?

術者の目的は…一体なんなんだ?

 

さまざまな可能性や疑問に頭を悩ませる俺だったが、とりあえず

本局に俺が分かってる情報を通達した。

しかし……式だけで鏡を倒すとは………もしかして今回のテロは『D』が動いて

居るのか?

 

 

ー道満視点ー

 

「くかかかかか!愉快愉快!!実に愉快!!式であれほどの呪術戦を繰り広げる

とは……あいも変わらずバケモノ染みた奴よ!!」

 

「……例の彼?」

 

「ん?なんじゃ、鈴。お主も晴明に興味を持ったか?」

 

「十二神将のツインテール幼女は気になるけど…彼は幼女じゃないから興味ないわ」

 

「そ…そうか」

 

相変わらず変な奴よ。

安部晴明よりも幼女がいいとは……。

まぁよい。

今はそんなことよりも奴の観察じゃ。

今回はあの男の願いを聞きいれ、わしは手をだせんが……。

もうすぐじゃ…もうすぐ……主に会いに行くぞ、晴明。

黒いリムジンの中…わしは未来に起こるであろう宿敵との呪術比べに思いをはせる。

 

 

 




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ようやく更新できました。
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