陰陽師になりました。   作:ラリー

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7話

「ほう……。夜光の転生者と思われる子供の周囲を見ておったら懐かしい顔をした男と式神が

おる。あ奴に渡す式に手を加えて、夜光のついでに巻き込むか?」

 

薄暗い一室に居る老人。

彼は、水晶を覗き込み薄気味悪い笑顔を浮かべ、一瞬だけ水晶に映った青年によくにた人物を思い出す。

 

 

☆☆

 

「!?」

 

「どうした?晴明」

 

「いや…なんか寒気が……」

 

春虎を男子寮に案内した後、十二神将達と窮屈であるが結界の張ってある自室でくつろいで居ると

突然、悪寒のようなものをゾクリと感じた。

悪寒を感じ、体を震わせた俺が気になったのか、近くに居た十二神将の一人で

ある六合(りくごう)が俺に話しかけて来たので正直に答えた。

隙間風か?それとも風邪でも引いてしまったのだろうか?

そう思ってチラリと窓を見てみるが、窓はきちんと閉まっている。

ただ、単純に風邪か?

 

「風邪でしょうか?でしたら私が治療をしましょうか?」

 

「いや、別にたいした事はないから別にいいよ」

 

「ダメよ晴明!大事な体なんだから治療は受けるべきよ!!」

 

「そうだな。万が一、風邪が酷くなったら大変だ」

 

「それに明日、風邪で欠席なさると皆勤賞を逃してしまいますよ」

 

風邪と思った天一が治療を申し出たが、たいした事もないので治療を断ると

それを聞いていた太陰(たいいん)、勾陣(こうじん)、天后(てんこう)の三人が俺に治療を受けるように

話しかけてきた。

確かに彼女達の言っている事は間違っていない。

しかし、こんな事でいちいち頼るのも情けない気する……。

チラリと十二神将の男組を見るが……。

 

「さて、俺達は散歩でもしてくるか」

 

「そうだな。たまにはいいだろう騰蛇(とうだ)お前も来い」

 

「?別にいいが……」

 

俺が奴等を見た瞬間、急に散歩をすると言い出し、隠形をして男組は全員俺の目の前から

姿を消した。

待てやコラ!逃げやがったな、あの裏切り者共め!!

 

「では、治療をするので動かないでください」

 

「わかった」

 

まあいい。

別に問題はないんだ。

大人しく治療を受けよう。

 

☆☆☆

 

「寮の周辺にはいないな……」

 

「まさか簡単な物とはいえ、天空の結界を抜けてくるとは……

晴明が震えた時は呪術を受けたのではないのかと肝を冷やしたぞ」

 

男子寮周辺に術者を即策する俺、六合と十二神将。

周辺を捜索している清龍と玄武の会話を聞いてさっきの事を思い出す…。

結界の一部が破られると同時に身震いをした晴明。

何かの呪術を受けたのではないかと心配をしたが何も無かった。

天空の結界が相手の術を相殺したのか?それともこちらの様子もしくは戦力を一瞬でもいいから

確認したかったのか…?

 

「例の婆さんが仕掛けてきたか……」

 

「いや、あの小娘程度では我が結界を抜けることは不可能」

 

「あの老婆よりも高位の術者となるが……そんな人間は今のところ知らないな。

騰蛇(とうだ)、陰陽塾であの老婆よりも強力な術者は居るか?もしくは塾内に侵入者は居たか?」

 

周辺を捜索し終わった俺達は自分達の考えを述べる。

騰蛇(とうだ)は塾長を勤めている老婆を怪しんでいるが、それはない。

天空の言っているようにあの程度の人間に一部でも破られるような代物ではない。

しかし、そうなると天空の結界を破るような人間に心当たりがない。

晴明に陰陽塾にだけ連れ出される騰蛇(とうだ)に塾内で老婆以外の高位の術者に心当たりを聞いてみるが……。

 

「いや…見ていない」

 

「そうか……」

 

しかたがない。

敵が動くまで待つとしよう。

 

「それにしても晴明は、用心深いのかそうでないのか分からんな」

 

「身内にも厳しい発言をしながら、結局は甘いからな……晴明は」

 

これ以上議論をしてもしょうがないと思ったのか玄武(げんぶ)、朱雀(すざく)が晴明

について話し出す。

 

「まあ、今回はよいではないか。術の効果で盗み聞きをされては適わん。

確か、テレビでやっていたアイコンタクトと言うやつだったな」

 

「ああ、チラリと我等を見たあの訴え掛けるような目は、

術者に悟られないように周囲を探って来いという意味だったのだろう」

 

そして、白虎(びゃっこ)と玄武(げんぶ)も続くように喋り始めた。

騰蛇以外は陰陽塾に行けなくなった。

やることがない俺達はテレビを見るのが趣味の一つとなった為、晴明のアイコンタクトにも対応が出来た。

晴明本人は伝わればいい、程度に思っていたかもしれないが俺は久しぶりの主の命を全う出来た事に

満足していた。

テレビには感謝だな。

 

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