甲高い声で、僕は目を覚ました。
思うように体が動かない。かなり、疲れているのだろうか。
そうではなかった。
体は椅子に鎖で縛りつけられていた。身動きは全くとれない状態だった。
僕は首を曲げて、周りに目をやった。
円形に椅子が内側をむいて並んでいて、その椅子ひとつひとつに人が縛り付けられている。
「ちょっと! なんなのこれ!」
先ほどの甲高い声の主だった。会社員のような女性が、叫んでいる。
その女性の叫び声で、周囲の人々も目を覚まし始めた。
そして、椅子や鎖を見るなり、騒ぎ始める。
「一体、ここは…?」
「どうなってるんだ、これは」
全員が起きた頃、突然、天井から声が発せられた。
まるで、ヘリウムを使ったような声だ。
「やぁ、諸君」
大部屋に声が響く。
「お前、俺たちをこんなところに集めて何しようってんだ?」
大柄な男が天井に向かって吠えた。
声の主は言う。
「今から、諸君には、デスゲームをしてもらう」
大部屋に沈黙が走る。
「ここに集っている十人の中に一人だけ、私が送り込んだ殺人鬼が紛れている。その殺人鬼は一日に一人ずつ、参加者を殺していく。残りの九人は全滅する前に、殺人鬼を見つけ出して、殺さないといけない」
そしてまたどよめきが起こる。
「まぁ、簡単なルール説明はこんなものだ。もちろん、逃げ出そうとした奴は…、どうなるかわかってるよな?」
声には、憎悪のようなものが込められている。僕を含めた、椅子に囚われた十人を威圧した。
「さて、ところでこの大部屋だが、あと五分で爆発するぞ?」
「何っ!?」
僕の頭の中は白くなる。
「では、デスゲームで待っている。もちろん、この試練で生き残ればの話だがな」
声はそこで途絶えた。
僕は必死に、力を入れるが鎖はビクともしない。
「一体、どうなってるの」
隣で、同い年くらいの女性が体を揺らしている。
その女性の横顔。僕にはなぜか見覚えがあった。
しかし、今は考えている暇はない。
鎖を外すことだけを考えるんだ。
ふと、自分の椅子の鎖がゆるんで、床に落ちた。
なぜかは分からなかったが、今は他の人たちを助けることが先決だ。
床に鍵が落ちている。そのカギを拾い上げると、隣の女性の座っている椅子の後ろを探した。
南京錠が見つかった。鍵穴に鍵を差し込んで回す。すると、鍵は外れ、鎖がゆるんだ。
「は、外れた!」
「どこか他にも鍵があるはず。これを使って、他の人たちの鍵を外してあげてください」
僕は持っていた鍵を女性に渡した。
「あ、はい!」
女性は隣の椅子の後ろへ行った。
僕は、大部屋の壁沿いを歩いて、鍵を探すことにした…。
生配信アプリを始めた、MOGIぴーです。
人狼ゲーム放置で、新しいデスゲームを始めてしまう作者←
今回はかなり長くなりそうです。
さて、主人公と九人はあの部屋から脱出することはできるのか。
そして、紛れ込んだ殺人鬼は誰なのか。
また、不定期に投稿しますので、よろしくです。