お久しぶりのガハマさんです!
ぶっちゃけ13巻のガハマさん(本物)があまりにも魅力的すぎて(いろはすの次にだけど☆)、こちらのガハマさん(偽物)を書く気力が湧きませんでした(・ω・)
やはり私はメインヒロインSS向きじゃないなぁ…
「〜〜〜♪」
部屋いっぱいに響く楽しげなハミング。鏡に映る見慣れた女の子の顔は、いつもよりずっと楽しそう。
これから大嫌いな勉強をしにいく為の支度中だというのに、軽快な鼻歌も弛んだ口元もとてもそうは見えなさすぎて、思わずたははと苦笑いがこぼれてしまう。
なにがそんなに楽しいの? って、試しに鏡の中の女の子に訊ねてみようと思ったけど、そんなのわざわざ聞くまでもないよね。だって、あたしはこれから大好きな男の子と二人で勉強会するんだもん。
──あたしはヒッキーが好き。そんなの今更だけど。
ヒッキーのこと意識したのは、最初はミーハー? でいいのかな、こういうのって。よくわかんないや。でも、そんなノリだったんだと思う。
入学式の朝、身体を張ってまでサブレを助けてくれた男の子。そしてその人は自分と同い年で同じ学校の同級生だった。そんな運命的な関係性に恋しちゃっただけなんだと思う。
お礼を兼ねてお見舞いに行ったけど、ヒッキーがちょうど寝てて会えなくて、それじゃあ学校でと思ってたけど会えなくて。
んーん? 会えないのとは違うよね。会えないんじゃなくて、会いに行かなかったんだ、あたしは。
あれは確か……千葉村のトキだっけ。ゆきのんに言ったセリフ。
『やっぱ周りの人が誰も話し掛けないのに話し掛けるのってかなり勇気いるんだよね』
──そう。あたしは勇気を出せなかった。勝手に運命を感じていた人がぼっちだったから。
当時のあたしは、今みたいに社交的じゃなかった。新しい生活、新しい学校、それもあたしの学力には見合わないような進学校だったこともあって、中学の頃よりずっと周りの目を気にして、ずっと周りの空気ばかり読んでた。入学当初は地味だったし、自分だけがみんなに置いてかれないように、必死にみんなに馴染もうと無理してた。
そんなあたしに別クラの異性、しかもいつも一人ぼっちだった男の子に話し掛ける勇気なんてあるはずもなく、毎日のようにヒッキーのクラスを覗きに行っては、今日は無理そうだし明日にしよう、今日も無理だったからまた今度って、ただただ先延ばしにする毎日。
ある程度時間が過ぎて、新しい生活、新しい学校、新しい友達にも少しずつ慣れてきて、ほんの少しの勇気を絞り出せそうになった頃には、もう声を掛けるタイミングを失ってた。
あたしとヒッキーの始まりは事故。その始まりは、話し掛ける為のきっかけでもあった。
だからこそ、そのきっかけを失ってしまえば、あの頃のあたしとヒッキーの間には何一つなかった。何一つなかったから、声をかけるきっかけは無くなっていた。んーん? きっかけを自分から無くしていたんだ。
ずっとずっと後悔を抱えたまま、気付けば二年生へと進級していたあたし。
でもそこですっごい奇跡が起きた。新しい教室に行ってみたら、なんとあのヒッキーが同じ空間に居たんだもん。もう声をかけるのは無理なんだろうって諦めかけていたあたしに舞い降りた新たなきっかけ、新たな奇跡。
だからあたしは、今度こそ! って、頑張ろうと思った。一年も経っちゃったから、もし今更お礼が言えたとしても呆れられちゃうかもしれない。なにを今更って怒られちゃうかもしれない。拒絶されちゃうかもしれない。
それはすっごい恐かった。ぶっちゃけ、一年の頃に別クラでぼっちの異性に話し掛ける恐怖よりもずっとずっと恐かった。だって、その頃にはヒッキーはあたしの中で勝手にヒーローになってたから。超優しくて、超かっこよくて、超強いヒーローになってたから。
だから恐かった。そんな片想いの相手に拒絶されてしまうのが。
勝手に憧れて、勝手に好きになって、でも自分勝手な臆病さで直接お礼さえ言えなかった片想いの男の子に拒絶されるかもって思ったら、怖くて恐くて手とか超震えてた。
でも今度こそそのきっかけを逃したら、あたしはきっと一生ヒッキーに声をかける事が出来ないって思ったら、そっちの方がずっと恐いことなんだって分かって、だからあたしは頑張って声をかける事にした。当初想定していた展開とは全然違う、とてもとても変な展開になっちゃったけどね。
それでもようやく声をかける事に成功したあたし。
それからはホント色んな事があった。奉仕部に入ったり校内一の有名人と親友になったりと、今までのあたしの人生には思いもよらないような変な事が超いっぱいあった。
そんなたくさんの変な事を経験してくうちに、あたしはヒッキーの事が好きになった。
──なに言ってんの? 今までだってずっと好きだったじゃん。
ヒッキーを好きなんだと自覚していく度に、何度もそう問い掛けられた自問。
確かにそうだ。あたしはヒッキーが好きだったからこそずっと声を掛けたいって思ってたし、声を掛けられない自分の弱さに嘆いたり、拒絶される事を恐がったりしてたんだ。
なのに声を掛けてから……ちょっとずつ仲良くなっていってから『好きになった』って、どう考えたっておかしいよね。
でも、そんな自問に対する自答は決まってた。認めるのが悔しくて、なかなか認められなかったけど。
奉仕部に入ってから色んな変な事を経験するまでのあたしは、ホントは別にヒッキーの事が好きなわけではなかったんだ。ただ、あたしの中で勝手に作られた強くて優しくてかっこいいヒーローが好き、という、恋に恋してただけなんだって気付いた。
だって、本当のヒッキーはヒーローでもなんでもなかったから。超かっこわるくて超性格悪くて、超捻くれてる変な男の子だったんだ、ヒッキーって。
たまに簡単に自分を投げ出してしまうヒッキーは嫌いだし、呼吸が出来なくなるくらい苦しくなるから、そういう時のヒッキーからは目を逸らしたくなるし……
でも、そうやって本当のヒッキーを知れば知るほど、あたしはどんどんヒッキーに惹かれていった。かっこわるいけど、性格悪いけど、捻くれてるけど、でも、変なトコで真面目だったり優しかったり、たまーに見せる笑顔がちょっとキモいけどなんか可愛かったり。
だからこそ、ホントのヒッキーを知ってゆく度に、今までの自分の気持ちは本当じゃなかったんだって分かっていった。今までのはヒーローに恋してる自分の姿に恋してただけ。今の気持ちこそがヒッキーへの本当の恋なんだって。
それが、あたしがあたしに問い掛けていた事への自答。
こうして本当の恋を知る事が出来たあたしだけど、いつまでたっても声を掛けられなかったあのトキと同じように、未だに気持ちを伝えられずにいる。
うー……、ホント情けないよね、あたし。一年の頃とおんなじ。全然成長できてないや。
でもでも、あたしなりに何度か気持ち伝えようと思った事はあるの。
花火の帰りとか、文化祭の最中とか。てか「待っててもどうしようもない人は待たない。待たないで、……こっちから行くの」って、どう考えても思いっきり気持ち伝えてるよね?
花火んトキだってそう。ヒッキーが途中で遮ったりしなければ、あの時あたしはちゃんと告白できてたと思う。……ヒッキーが遮ってくれなければ、あたし達の関係はあの時点で終わってたかもしれないけど…………。でも、間違いなく想いは伝えられていた、はず。
うん。あたしはちゃんと想いを伝えてた。だから未だあたしの気持ちが伝わってないのはヒッキーが全部悪い!
……と、想いが伝わってないのをバカヒッキーの責任にしたからって、あたしの気持ちが伝わってないのは事実なわけで。
結局、好きって二文字をきちんと口にする勇気がない、意気地なしなあたしのせい。
こっちから行くのとか偉そうに胸張ったくせに、あたしはやっぱりあの時のまんま。恐くて先延ばしにして後悔し続けていたあの時と同じ、弱くてズルい女の子のまんま。
でも……、このままなにも変わらないまま二年が終わっちゃうのかなぁ、クラスメイトとして一緒に居られる時間が終わっちゃうのかなぁ、なんて弱気になっていた時、またしても奇跡が起きた。それもとびっきりのミラクルが。
──そう。あの日あの時、臆病なあたしに舞い降りたすっごい奇跡の瞬間、あたしは誓ったんだ。今度こそ、って。
× × ×
短い春休みも終わり、今日から新学期。
新たなクラス新たな友達新たな生活。何度経験したかも分からないこのワクワクな新しい新年度も、正直なところ今のあたしの心にはあんまり響いてこない。……だって、昨年度までクラスメイトだった好きな男の子と、違うクラスになってしまうだろうから。
そりゃ当然期待が無いわけではない。もしかしたらがあるかもしれない。
でも、あたしだって馬鹿じゃない。九クラスもある学年で好きな人とまた同じクラスになれる確率なんて、ほんの微々たるものだってよく分かってる。
今ならあの時の優美子の気持ちがちょっと分かるよ。同じクラスだった好きな人と違うクラスになっちゃうのって、めちゃ凹むんだね。クラスが分かれても、部室に行けば毎日会えるからなんの問題もない、っていう理由に紛れて、ことの重大さに気付いてなかったよ、あたし。
これからは授業中も休み時間も、教室のどこを向いてもヒッキーのクセッ毛は見付からないんだ。ヒッキーの猫背は見付からないんだ。……うー、思ってたよりずっと凹む。
あ〜あ、またヒッキーと同じクラスにならないかなぁ……。もし、もしもヒッキーとまたおんなじクラスになれたら、その時はたくさんお喋りしたいなぁ……
──あたしは二年のトキ、クラスであまりヒッキーと話さなかった。だって、あんまり仲良くしてて噂になったら超ハズいし……
それは、別に相手がヒッキーだから恥ずかしいとか、そういうんじゃないんだ。相手が誰であろうと、好きな人を周りに知られるのが超恥ずかしい。
だって、今までカレシとか出来たことないし、それどころかちゃんと好きになった事さえ無い……んだと思う。ヒッキーの事がホントに好きなんだって理解したとき、あ、じゃあ小学校とか中学で好きになった男の子達の事って、ホントはそんなに好きだったわけじゃなかったんだ、って気付いたから。
だから、本当に好きになった男の子の事を……好きになった気持ちを誰かに知られるのが超ハズい。冷やかされたりした時、どんな顔すればいいのかとか全然分かんないし。
でもあたしがヒッキーにあまり話し掛けなかったのはそれだけが理由じゃない。一番の理由は、ヒッキーを困らせたくなかったから。ヒッキーに嫌な思いをさせたくなかったから。
目立つのをすっごく嫌がるヒッキーが、あたしに教室で話し掛けられるのをよしとしないのは、最初からなんとなく分かってた。なにせあたしは隼人くんと優美子のグループの一員なんだもん。そんな目立つグループの中の子が、ぼっちのヒッキーにちょくちょく話し掛けてたりしたら、ただでさえ悪目立ちしてるヒッキーが余計悪目立ちしちゃうもん。そりゃ嫌がるハズだよね。
だからあたしはヒッキーの為に……、んー、ヒッキーの為とか偉そうに言うのはなんか違う。お、おこまがしい? ってヤツだよね。ヒッキーの為じゃなくて、……うん、あたしの為だ。あたしがヒッキーにウザイって思われたくないから、だからあたしはヒッキーに話し掛けるのをずっと躊躇ってた。
……でも、あたしはもうそういうのからも脱却したいって思ってる。ヒッキーの為だとかあたしの為だとか色々と理由をつけて、周りの目とか周りの空気ばかりを気にする自分から、ずっと脱却したいって思ってた。
優美子と正面から向き合う事で友達関係でのそういうのからはようやく抜け出せたけど、恋愛関係でのそういうのはまだ全然抜け出せてない。だって、そーゆーの全然慣れてないから、やっぱ超ハズいんだもん……!
だから、もしまた同じクラスになる事ができたら、その時はヒッキーとたくさんお喋りしたい。昨日観たテレビの話とか、あのコンビニで売ってるあのお菓子が超美味しいんだよとか、そういうどうでもいい事を、同じ教室でいっぱいお喋りしてみたいな。
「あ、優美子と姫菜だ、おはよー!」
「はよぉ」
「はろはろー」
そんな九割の諦めと一割の希望を胸に秘め、ようやく辿り着いた二週間ぶりの学校。バスから降りたあたしは、新クラス表が貼りだされている掲示板前へ急ぎ足で歩いてきた。すると、そこにはすでに掲示板を食い入るように見つめる優美子と、優美子に付き添う姫菜の姿が。
どうやら優美子、新しいクラスが気になって仕方なかったみたい。いつもはこんなに早く登校してきてないのに。
「新しいクラスどんなカンジ?」
すでに身内のクラスは把握しているであろう優美子にそう訊ねてみる。ホントは自分でチェックしたいトコだけど、この様子だと、なんかこっちから聞かなくてもあたしのクラス言われちゃいそうだしね。
「あー、それが残念なんだけどさぁ、結衣、あーしとクラス分かれちゃった」
うー、マジかぁ……。それは残念……なんだけど、なんか優美子ってば、ちょっと口元弛んでるんだよねー。
「あ、そのカンジだと、もしかして隼人くんと同じクラスになれた、みたいな?」
「う、うーん、ま、まぁ、んな感じ……?」
あはは、優美子ってば超嬉しそう。なんでもないような顔しようとしてるけど、頬っぺたとか桃色に染まっちゃってるし、口元とかすっごいひくひくしてるんだもん。
「優美子、さっきから何度も自分のクラスチェックしてるんだよー。プリントミスとかじゃないよね!? とか同姓同名の別人じゃないよね!? とか」
「ちょ、え、海老名、余計なこと言うなし……っ!」
「だってさっきから何度も何度もしつこくて困ってたんだもーん。だから仕返し的なアレ?」
「ぐっ……」
「あはは、それ超大変そー。姫菜おつかれー」
「結衣も酷くない!?」
新学期早々、二人とも朝から元気でなによりです。でもクラス変わっちゃうのはちょっと寂しいなぁ。
……それにしても、優美子は今年も好きな人と同じクラスになれたんだね。超羨ましい。
でもあれだけ同じクラスになりたいって言ってたんだもん。おめでとね、優美子。
「あ、ところで姫菜は?」
「うーん、私も別クラになっちゃったんだよー」
「……そっかぁ。三人ともバラバラなんだぁ」
「うん。ちょっと寂しくなっちゃうよね。ま、私のクラスには一年の時からのホモ仲間が何人か居るから、新生活は毎日が薔薇色(意味深)に染まりそうだよー! ……ぐ腐」
「……そ、そっか」
し、新学期になっても姫菜は相変わらずだなぁ、たはは……
すると、朝イチからのBL? パワーに押され気味なあたしと噴水のように鼻血を噴き上げている姫菜に向かって、頬を膨らませた優美子が不機嫌そうにこう言うのだった。
「二人ともなに言ってんの? 別にあーしら、クラスが変わったってなんも変わんなくない? ただ教室が違くなったっつーだけで、あーしらが友達のままなんは変わんないじゃん。休み時間とか放課後とか休みとか、今までと変わらず遊ぶわけじゃん? したら全然寂しくなんてないし」
「…………ぷっ」「…………ぷっ」
不機嫌そうに、でもちょっと照れ臭そうに、自慢の巻き髪を人差し指でくるくるしながらそう言う優美子に、あたしと姫菜はお互い顔を見合わせてつい笑ってしまった。
……優美子ってば勝手だなぁ。隼人くんと同じクラスになれるかどうかはあんなに心悩ませてたのに、あたし達はクラスが変わったってなにも変わらないって、今までと同じようにずっと遊ぶんだからねって、あたし達の意見も聞かないで一人で勝手に決めちゃうんだもん。あたし達と隼人くん、差がありすぎだし!
でも、隼人くんとはクラスが違っちゃったら不安になっちゃう仲だけど、あたし達とはクラスが違ったくらいでどうにかなるような仲ではないと胸を張って宣言するのだ、三浦優美子という女の子は。そりゃあたしも姫菜もほっこりしちゃうよ。
「ちょっ!? な、なに二人して笑ってっし!」
「あはは、なんでもないよー。うん、そだね、クラス違っちゃったけど、これからもよろしくね! 優美子、姫菜!」
「……ん。よろしく」
「よろしくねー、二人とも!」
一年のトキと……さがみんのトキとおんなじ。まだ周りの目ばかり気にしてキョロキョロしてたあたしが、長いものには巻かれろ的弱気思考でいつの間にか仲間に入れられていたこのグループ。
まさか、それがこんなにも大好きな友達になっちゃうなんて、あの頃のあたしには想像できてなかった。
「えへへ」
そんな二人の笑顔を、二人とそう変わらないであろうだらしない笑顔で見つめるあたし。
──この素敵な友人達との仲がこれからもずっと続きますようにと神様にお願いしつつ、ほんわかと胸がぽかぽか温かくなるあたしなのでした♪
……と、それはそれとしてぇ、……優美子ばっかじゃなくて、あたしにだって新しいクラスに気になる事があるんだよ!
そんなわけで、後れ馳せながらあたしも掲示板に貼りだされた新しいクラス表の中から、自分の名前が書かれたクラスを探す事に……
「あ、結衣はD組だったよー」
未だ照れている優美子と、そんな優美子をにまにま見つめている姫菜を尻目にいそいそと掲示板に目をやり出すと、姫菜がそう声を掛けてくれた。
「……あたしDなんだ? あんがとー!」
ふむふむ、なるほどD組なんだ。それじゃD組のクラス表を探してみよう。……クラスを教えてくれた時の姫菜の意味深……っていうのかな、とにかく変な笑顔がちょっと気になったけど……
そしてあたしは自分の名前が書いてあるであろうクラス表をじっくりとじっとりと眺める。別に自分の名前なんかは確認したりしない。あたしが確認したいのは、新しいクラスメイトの中に一番あって欲しいあの名前。
……しかし、あたしはそのクラス表から彼の名前を見つけだす事が出来なかった。なぜなら──
「……結衣、おめでと」
「……へ?」
なぜなら、新しいクラス表に食い入る前に、優美子に耳元でそう囁かれたから。
え、おめでとってどゆこと? びくっとして振り向いたら、なんか優美子にまにましてるし……
ってかこの表情、さっきあたしのクラス教えてくれたトキの姫菜と一緒じゃん!
「え、えと、なにが?」
「なにがって、そんなの決まってんじゃん」
そう言う優美子は、どこか優しげで、でもどこか不満げで。
「……結衣には悪いけど、あーしにはアレの良さとかあんま分かんないんだけどさ、でも、結衣があーしを応援してくれてるように、あーしも結衣応援してっから。……だからま、せいぜい頑張るし」
「……ふぇ?」
「ほら」
ピッと。優美子は綺麗に塗りあげられた艶々のネイルをある一点に真っ直ぐ向ける。そこは、あたしが所属する予定のクラス表のとある一点。
その優美子の隣では、姫菜もニヤニヤと愉しげに微笑んでいる。
わけもわからず、つられるように優美子の指が指す場所へと目を向けたあたしの目に飛び込んできたその名前。
「……あ」
そこには、あたしがずっと恋い焦がれてる人。あたしがずっと求め続けている人。
ヒッキーの名前が、そこにはあったんだ。
続く
というわけでありがとうございました!
久しぶりのガハマさんSSはガハマさん視点となりましたが、楽しんでいただけましたでしょうか??
ホントは『回顧とガハマさん』は、『となりの相模さん』第4話の『回顧と相模さん』同様1話に纏めるつもりだったのですが、思ってたよりも長くなりそうだったので筆が止まってしまう前にキリのいいここまでで1話とさせていただきましたm(__)m
てなわけで次回もガハマさん視点となりますが、よろしければまたお会いいたしましょう!ノシ