原作を未読であったので、現在4巻まで
読み終えているところです。
ナルトは全巻読み終えているので
振り返って読んでいます。
では、始めていきます。
まだ日も出ていない早朝に、
オビトは目を覚ました。
生前の幼少期、彼は死ぬ瀬戸際に
"ある男"によって柱間細胞を
移植された事により、命を救われている。
それ以来、その治癒力のお陰で
睡眠は短時間で済み、大抵の怪我なら
直ぐに治る体になっていた。
......そういえば洗濯を頼まれていたな。
自分に下着などを投げつけられた事を
思い出した。
......最後にしたのはいつだろうか。
幼い頃、彼自身の両親は
既に他界しており、
祖母と二人暮らしだったので
身の回りの事は自分でやっていた。
洗濯も勿論その一つである。
とは言っても、洗濯機を使ってだが。
チラリと横を見てみると、
ルイズはまだ熟睡している。
何か寝言を言っているようだ。
(この学校の構造も知りたい、
少し寄り道しながら行くか。)
部屋の隅に置かれていたカゴに
ルイズの服を詰め、大きな音を立てない
ようにそっと歩き、ドアを開ける。
開け閉めの時に軋む音が出ていないのは、
やはり良い素材だからなのだろうか。
さて、部屋から廊下へ出たのは良いが、
何処で洗えば良いのかわからない。
ルイズを起こして聞く訳にもいかず、
自力で探す事になる。
オビトは寮の入り口からルイズの部屋
までの道のりを思い出しながら、
階段を降りていった。
「寒いな......。」
階段を降り切って外に出たが、
今は早朝である。気温も低く、
もし冬だったならその場に
いられなかっただろう。
しかし、オビトにそんな事は関係ない。
すぐに体内で火遁のチャクラを練り、
身体中に網羅させた。
こうする事で半裸でも寒さに
苦しめられる事は無いのだ。
周りを見渡すと、そこには多くの
建物があった。
どれも神殿のような彫刻をされており
中心には巨大な塔が見える。
その周りは壁に囲まれていて、
それと一体化している形で
五つの塔が取り囲んでいた。
(来た時も思ったが、凄い建築物だ。
道に迷いそうだな。)
周りを見物しながら歩いていると
井戸を見つけた。
そこには沢山の洗濯物が入った
カゴを抱えた黒い髪の少女もいる。
なるほど、どうやらここで
洗うらしい。
「おい、そこで洗えば良いのか?」
「 ひゃっ、
あ、あ、貴方は誰ですか.....?」
いきなり声を掛けられて驚いたのか、
少し動揺した様子で
その少女は振り向いた。
それどころか、半裸の男にいきなり
声を掛けられたらもっと驚くのが
当たり前である。
オビトを見た途端、少女は
固まってしまった。
顔を見ると、少しそばかすが見え、
目鼻も整っている。その服装からして、
メイジではなさそうだ。
しばらく硬直状態が続くと、
「あれ......? その白い髪、 顔の皺.....
もしかして、ミス・ヴァリエールの
使い魔さんじゃないですか⁈」
少女は合点がいって嬉しいのか、
少しはしゃいでいる。
何故自分の事を知っているのだろう。
「ミス・ヴァリエール......主人の事か、
誰か俺の事を話していたのか?」
「ええ、ミス・ヴァリエールが平民を
使い魔になされたって、色んな所で噂に
なっていましたよ! なんでも白い髪と、
顔に奇妙な皺があると
聞いていましたので
もしかしたらと......。」
こんなに噂になっているとすると、
人間が召喚されるのは
よほど珍しい事なのかもしれない。
ここまで騒ぎになられるのは困るな。
「そういえば、お名前は
何と言われるのでしょうか?」
「オビト、 うちはオビトだ。君は?」
「私はシエスタと申します。この学校で
メイドとしてご奉仕させて
いただいています。これから宜しく
お願いしますね。」
「そうか、宜しく シエスタ。
ところで、洗濯物は
この井戸で洗えば良いのか?
主人に頼まれたのだが。」
「そうですよ。
私も丁度する所だったので、
もしよろしければ一緒にしませんか?」
「ああ、それと俺はあまり自分で洗濯を
した事がなくてね、教えてくれないか。」
手揉みどころか、女物の服や下着を
洗う事自体前代未聞だ。
「あら、そうなんですか。では、
恐れながらも指南させていただきますね!」
そう言って、オビトとシエスタは談笑を
しながら洗濯を始めた。
........
......
「さきほどから思っていたのですが、
その格好......寒く無いんですか?」
「召喚された時、この格好だったから
服が無かった。 だが このくらいの
寒さだったらなんて事は無い。」
「それは災難でしたね......。服も用意させて
貰えて無いなんて......。」
そもそもこんな格好で召喚される
など誰も予測出来る訳がない
「あと、オビトさんの顔の皺って
生まれつきの物なんですか? ......
あっっ すみません.....私...
デリケートな事質問してしまって.....。」
やはりこの顔は気になるのだろうか。
「いや、別に気にしてはいない。
昔、君より少し幼い歳の時に
大怪我をしてしまってな。
一命は取り留めたんだが、こんな風に
治ってしまった。」
「そうだったんですか......。
そんな過去をお持ちに
なられていたとは......。」
「俺には他人に語れるような過去はない。
それよりも、今は主人の使い魔として
出来る最善のことをやれたら
良いと思っている。昔の事を振り返っても
しょうがない。」
「 誠実なんですね......。あっっ
オビトさん! 下着は強く擦った
ダメですよ!! 生地が傷んでしまいます!」
「何ッ、 そうなのか。 すまないな......。」
他の服と同じような要領で下着も洗濯版
で擦っていたら、早速注意されてしまった。
やはり力加減も分けないといけないらしい。
「もし切れ目でも入ったら、
とんでもない事になりますよ⁈」
切れ目が入ったら、
下着がずり落ちて飛んだ赤っ恥を
かくだろう。そんな事を想像すると、
可笑しくなってしまいオビトは
思わず笑ってしまった。
「もう! 笑い事じゃないんですよ⁈
貴族を怒らせてしまったら
大変なんですから!」
その言葉に対し、オビトは
ある質問を投げかけた。
「貴族とは......
そこまで地位が高い存在なのか。」
召喚されてから
貴族が自分に対して取っていた
態度に薄々感じてはいたが、
再度聞きたかったのである。
彼女もおそらく平民である。
何か貴族に対して
後ろめたい気持ちを
抱いているのだろうか。
「......ええ、 常識ですが、 メイジは
血統が由緒正しい貴族でしかなれません。
平民がいくら努力しても魔法を使える
ようにはなれませんし......。
それ故に、貴族は力もプライドも
持っています。 私達のような平民は
ひれ伏すしかありませんもの......。」
......忍は血統に関係せず、努力を
すれば誰でも目指せる事は出来る。
チャクラは誰にでもあるからだ。
しかし、忍の能力の優劣は
努力だけでは決まらず、血統が大いに
関わる。 そこはメイジも同じだろう。
だが、それだけ力を持つ者には
大きな責任が付きまとう。
力なき者を助けることが出来れば
民に英雄として崇められ、
出来なければ、見殺しにしたと
して罵られる。
メイジも力を
人を助ける為に使えてこそ、
平民に信頼と名声を得られるものでは
ないのだろうか。
(俺が言えた事では無いがな。)
「オビトさんは......怖く無いんですか、
貴族の事。」
「 俺は恥ずかしながら
貴族もその事情についても
よく知らない。
だが、それだけ大きな
力があるからといって貴族が偉ぶる
のは少し違うと俺は思う。
メイジでなくても、
それぞれの人間にしか
出来ない事や役割があり
そのおかげで社会が回る事が出来る。
誰が一番偉くて、何が優れているか
なんて、一概に決められる
ものではないさ。」
「 そうですか ......凄いです。
オビトさんはしっかりとした考えを
お持ちになられていて......私なんか
まだまだ子供ですね。」
なんだか変な空気になってしまった。
こんな自分が人に説教じみた事
を言える立場か。
そうこうしている内に洗濯物は終わり、
日も少し地平線から出てきた。
「 オビトさんの洗濯物も干して
おきますよ。乾いたら畳んで
ミス・ヴァリエールの部屋に
置いておきます!」
メイドという職であるとはいえ、
ここまでしてもらうのはなんだか
申し訳無く感じる。
その優しさと笑顔にオビトは
どことなくリンを思い浮かべていた。
「色々とありがとう、じゃあ、
主人をそろそろ起こしに行って
来る。」
シエスタに御礼を言い、ルイズを
起こしに行こうとしたその時、
「あっ、ちょっと待ってください!
まだ学校の登校時刻まで時間はあります。
少し私に付いてきてください!」
よく分からないままシエスタの後を
付いていくと、倉庫にたどり着いた。
「ここは......。」
「ここには貴族や従業者のいらなくなった
日用品が置かれているんです。
確か服も置いてあったはず......。」
シエスタはそう言うと、何やらガサゴソ
と奥の方に積まれていた古着を探り始めた。
「え〜と......。 あっ、これならオビトさんの
背丈に合うはずです! 色合いも似合いそう
ですし......。あとこれと、これと......これ!」
手に持っていたのは、黒の長い
タートルネックのTシャツに見える物、
首元がV字になっている明るい灰色のコート
のような服、同じ色の長いズボン
黒い革靴であった。
オビトはこう言う服や靴を
殆ど着た事が無いが、物は試しである。
物陰に隠れ、着替える。
「わぁっ! 格好いいです!!
似合ってますよ!」
オビトは目の前にあった
鏡に映る自分を見る。
...... なんだかむず痒い感じがするが、
こうしてみると満更でもない。
(昨日服を用意すると言っていた
ルイズには悪いな......
まぁ、金を使うのに渋っていた
様子だったからこれでいいか。)
「わざわざ服まで探してくれて
すまないな、今日は色々と
お世話になってしまった。」
「いえいえ! とんでもないです。
では、また別の仕事があるので
そろそろ行きますね。
帰り道も案内しましょうか?」
「来た道を覚えているから大丈夫だ。
記憶力には自信がある。」
そう言ってオビトは今度こそ
シエスタに別れを告げ、
ルイズの部屋がある寮まで
戻っていった。
自分の拙い文章では伝わらない
と思ったので、下手ですが
挿絵を入れてみました。
オビトの服の元ネタは
チョハというポーランドの民族衣装です。
(元ネタと言うよりはほぼパクリ......。)
ネットで検索すれば出てきます。
自分のファッションセンスなど無に等しいので、
だせえ! と思ったら申し訳ありません。
ご意見等ありましたらコメント欄にて
お願いします。
次回もよろしくお願いします。