新しい世界で共に   作:お芋ちゃん

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連載予定の小説では初めまして。
お芋ちゃんです

前作の「よにんぐらし」はどうでしたか?
至らぬ点が多々あると思いますが、楽しんでいただけていたら幸いです


さて今回は、主人公と別視点のお話になっています。
この【1】出発 は前編後編で、転生した豆腐に会う前のお話となっています。

宜しければ軽く目を通していただけたら幸いです

それではどうぞ


【1】出発 前編

「ヴ~~ん………頭痛い…」

 

朝、今日はいつもより外が暗い気がする

私は少し痛む頭を抑えながら片手でカーテンを少し開ける

 

雨だ。

今日は雨が降っている

…今日は外に行くのはやめよう

 

こんな雨の日には家で“魔法”の勉強をしていた方がいい

 

「…あれ?今日って何日だ…?」

 

急いで布団から出て、カレンダーを確認する

……よかったまだ“今日”ではない

 

 

私は着替えて自分の武器が入っている棚を開ける

 

『暇だから』

 

という理由で、私は武器の手入れをする事にした

 

「そういえば昨日大剣は手入れしたっけ」

 

汚れていない綺麗な刃に触りながら私は呟いた

確か昨日は帰ってきて、あまりにも剣が汚れていたので手入れをした記憶があった

 

なので今日はよく使う短剣の方を手入れすることにした

汚れてはいないがもうだいぶ刃がボロボロである

 

 

…明日は私の誕生日

そうこの世界で私は前世の最後と同じ年齢になるのだ

[15歳]

この世界では15歳から魔法を使えるようになる

 

まぁ今は魔法を封じられてるだけ、なのだが…

 

この世界では皆が魔法を使える。

使えるが15歳までは“制御が出来ず暴走する可能性”があるので封印されているそうだ

 

私は前世…“ただの人間”だった頃の憧れだったので明日が楽しみでしょうがない

 

 

「そう言えば皆転生してるのかなぁ…」

 

 

『皆』

 

私は前世の記憶がある

私の前世は普通の地球人、人間だ

魔法も武器も使えずただ勉強やバイトをして過ごす平凡な人間だったのだ

 

でも突然私に“死”が訪れた

 

 

 

 

 

 

 

 

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私には仲の良いたった4人の友達がいた

 

『その日』は4人で隣町に遊びに行ったのだ

 

 

私と唐揚げのバイトが休みで油揚げと豆腐の部活が無く皆予定がなかったため、久しぶりに遊びに行くことにしたのだ

 

皆でお昼を食べたり、ショッピングをしたり、ただ雑談をしたり…

 

楽しかった

 

だけど、

 

 

 

 

 

“それ”

 

 

 

は帰り道で起こってしまった

 

 

交通事故…

 

私達の乗っていたバスが事故にあったのだ

たまたま乗っていたバスの運転手がフラフラと運転をしていたのだが、直後に壁の方へ

 

…ブレーキもせずに壁に、激突したのだ

 

なぜそうなってしまったのか私にはわからない

 

目が覚めたら私はこの世界にいた

この世界で新しい命で転生したのだ

 

 

最初はなぜ記憶が残っているのかもわからなかったがそんな事よりも“自分が死んでしまった”という事実と向き合えなかった

 

 

楽しく遊んで

 

「また時間があれば映画なんかも行きたいねー!」

 

なんて話していたのに、

私は死んでしまった

 

他の人は?生きているか死んでいるかすら私にはわからない

 

もしかしたら、私だけが死んでしまって…

向こうの世界では皆生きていてもう私のことを忘れているのでは?

と悲しいことを考えてしまう。

 

 

 

 

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「うん、綺麗になった」

 

前世の記憶を思い出しながら短剣の手入れをしていたのだが、半分意識がどこかへ飛んでいたためいつの間にか2時間が経過していた

 

「ご飯食べてないや………忘れてたわ…」

 

短剣を元の場所に箱に入れて、私は1階のリビングへ向かった

 

 

 

 

 

母「おはよう、朝からずっと部屋に篭もってたけど何をしてたの?」

 

 

 

 

 

 

1階へ降りるとお母さんが私に声をかける

 

 

私は「武器の手入れしてただけだよ!」といって席に着いた

今日のお昼ご飯はオムライスだ

 

なんでだろうか、いつものめんどくさがり屋のお母さんならインスタントラーメンや

簡単なうどんとか…なのに今日はめんどくさいオムライスだ

気分がよかったのかな…

 

なんて思いながら私は「いただきます」といってご飯を食べ始めた

 

 

 

 

私はごはんを食べ終わり、部屋へ戻ると棚から魔導書を取り出してベットに座った

明日から魔法が使えるのだ

少しは勉強しないともし何かあったときに困るかもしれないからだ

 

 

でも集中力が低い私は15ページ目で本を棚に戻した

あとは夜になるまでベットでごろごろしていたのだろう

 

きづいたら夜になっていた

 

母「ごはん食べないの~?」

 

お母さんの声が聞こえる

雨の音は聞こえない、明日は晴れるだろう

 

「いまいくよー!」

 

大きな声で返事をして私は一階のリビングへと降りる

 

リビングへ来ると私は少し周りを見渡す

……やはりお父さんはいない

いつもお父さんは家にいない、仕事熱心なのだ。

 

私はお父さんのことをしらない

今どんな仕事をしているのか、どんな生活をしているのか、好きなものはどんなものか

 

本当になにも知らないのだ

 

でも私はお父さんのことも大好きだ

家族のために仕事をがんばってくれて、家にはいないけど毎年私の誕生日を祝ってくれている

 

でも私は今日でこの家にいるのは最後なのだ

 

私の町では15歳…魔法を使えるようになったら20歳になるまで一人で旅立たないといけない

理由は私もよくわからないが決まりは決まり、なので私は明日教会にいったあとに旅の準備をするのだ

 

「ねぇお母さん、私強い魔法使いになることが夢なんだ」

 

ぽつり、とつぶやく

お母さんは少し驚いた顔をした後に、ニッコリ笑って

 

「大丈夫よ、私とお父さんの娘なんだから」

 

といって頭に手を置いた

 

 

 

 

 

 

私は部屋に戻り明日の支度を最後まで終わらせることにした




遂に明日は、15歳のお芋です

はい。皆さん豆腐は記憶が全くないのですがお芋視点では前世の記憶を“全て”持っている状態からスタートです

記憶が残ったままと、残っていないのは
どちらの方が辛いのでしょうか?


今回は別視点投稿、という形で投稿しているので少々投稿が遅くなることもあると思いますが
そこの所は許してやってください、僕は悪くない

次回に続きます

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