不遇な少女達の魔王道   作:那由多 ユラ

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第3話

獣人の村目掛けてル○ラ(物理)で移動中の私と琴音は今後について話し合っていた。

 

「おねーちゃん、村に着いたらどうする?」

 

「んー、とりあえず獣耳っ娘を思いっきりモフりたい」

 

「あーうん。

…忘れてたけど私達学校の制服だからスカートだよね。パンツがっつり見えてると思うけど」

 

「あーそうだった。とりあえず服を買おっか」

 

「お金、どうするの?」

 

「あっ……」

 

「まぁなんだかんだお金に困ることは無かったからね」

 

「と、とりあえずそれはモフった後で考えよっか」

 

「予定は未定っと~

っあ、おねーちゃん!もう着くよ!」

 

「え!?早くない!?どうやって止まんの!?」

 

「えぇ!?

 

おねーちゃんのばかー!!」

 

 

 

その後私達は何とか村から2キロほど離れたところに着地し、村の入り口と思われる門のようなものの前に着いた。

 

村は柵に囲まれていて、住宅は10人ほど住めそうな木造の大きめの家が四つ、少々年季の入った小さな家が一つある。

他に畑があり、犬や猫、兎の耳を生やした中年男性がくわで耕している。

 

 

「ほんとに小さい村みたいだね。子供はどこにいるのかな」

 

確かに、子供が見当たらない。私達の世界では、日本ではあまりなかったけども、海外の貧しい人達は子供も働いているらしいけど……あっ

 

「琴音!あっちに何人かいた!」

 

「えっ?あ、ほんとだ」

 

遠く、私達いる場所の向かい側、村の端の所に家の影で隠れながらも子供が数名いるのがわかった。

私達はとりあえず目的を果たすためにそっちへ向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「気持ち悪いんだよ!」

「死ね死ね!死んじゃえ!」

「真っ白お化け!」

「消えろ親無し!」

 

 

 

 

 

 

私達が子供達の近くに来ると私達も言われ慣れた、聞き慣れてしまったような台詞が聞こえてきた。

人間には優しくないが同類には優しい私達は彼らの元へ駆けつけた。

 

「こら!何してるの!」

「いじめはだめ!」

 

彼らは四人で一人の女の子を蹴ったり殴ったり、石を投げつけたりと私達もされたことのある攻撃をしていた。

 

「あ?うっせ……あ、あぁ、人間だ!逃げろ!!」

 

私達に気づいた一人は人間である私達に怯えるように逃げ、もう三人も一人を追いかけるように逃げていった。

私はいじめにあっていたと思われる白髪で猫耳の生えた少女に声をかける。

 

「あの、大丈夫?」

 

「うぅ……ヒャっ!?に、ににに人間さん!?こ、ここ殺してください!」

 

「い、いやそんなこと……あれ?」

殺さないで、を間違えちゃったのかな?

 

「ねぇおねーちゃん、この子、いま殺してくださいって言ってなかった?」

 

「ねぇ、言い間違えたとかじゃないよね?」

私は極力彼女を威圧しないように聞く。

 

「…もう、いやなの。…叩かれたくない。…嫌われたくない。…パパとママの所に行きたい。…寂しいよぉ」

 

 

なるほど。きっと、私も琴音と会わなかったらこうなっていたかもしれない。それは琴音もきっとそうだし、この子は…

 

 

「ね、もしよかったらだけどさ、私とおねーちゃんと一緒に来ない?」

琴音がうずくまる彼女を抱きしめ、頭を撫でながらそう聞く。

 

「ふぇ?」

 

「私達も、君と一緒だからさ。おねーちゃんは両親が居ないし、私の両親は、その、とても怖い人達で私は逃げちゃったから」

琴音は、とても辛そうな表情で話す。きっと理解者の力と琴音自身の感受性で、彼女のことをどの程度かは分からないが理解したのだろう。

 

「…おねーさん達、も?」

彼女は顔をこっちに向けて尋ね、私は答える。

 

「うん。私は両親がいなかったしずっといじめられてた。琴音は両親にいじめられて、学校でもいじめられてたの」

 

「…おねーさんたちは、その、死にたくならなかったの?」

 

「もちろんなったよ。死ぬ気で耐えて死ぬ気で逃げて、おねーちゃんに会ってからはそんなことは無くなったけど…」

 

「私も。琴音と会ってからは死にたいと思ったことはないかな」

ただし、隠していた本棚を琴音に見られたときを除くのを忘れない。

 

「…いいなぁ。…ねぇ、私もそんなふうになれるかな」

私達の関係性を羨む少女に、夢見る少女に、私は現実をつきつける。

 

「それは君次第だよ。

もし今ここで死んじゃったらそうは絶対になれないし、私達と来たとしても、そうなれるかは君次第だし。…これは私の好きな小説の受け売りなんだけど、

 

人は一人勝手に助かるだけだよ。

 

私達はもちろん全力で応援するし協力もするけど。ね、琴音」

 

「もちろん!」

 

彼女は涙で濡れた目を服の袖で拭い、私に尋ねる。

 

「おねーさん達は、どうしてそこまでしてくれるの?」

 

「君が私に、私達に似てるから、かな?」

 

「そう、かな。…フフっ」

私はここで初めて笑みを見せた彼女の目を見て気づく。彼女の目の色は赤味のある水色に見える。これは色素欠乏症、アルビノの猫の特徴だ。彼らの言っていた『真っ白お化け』とはアルビノの事だったのか。

 

「ねぇ、君ってアルビノなの?」

琴音も気づいたようだ。というか猫のアルビノの情報は先月くらいに琴音が猫を飼いたいと言い出したときに琴音から聞いた情報だった。

 

「そうだけど、なんで知ってるの?」

 

「目、見れば分かるよ。

…日傘とかはいいの?」

 

「…うん。どうせすぐ壊されちゃったし。それに私、職業〈光術士〉だから光を操れる。日傘がなくても平気」

 

なんともまぁアルビノの人にもってこいのものだった。

あ、割と大事なことを聞いてなかった。

 

「そういえば名前、なんて言うの?

私は希依、こっちは琴音ね」

 

「…私はリリア。16歳。

きー、ことね、これからよろしく」

 

なんと、同い歳だったか…

面白そうだから黙っとこ♪

 

 

 

ちなみに身長は私が148cm、琴音が146cm、リリアが約140cmくらい、かな

 

 

 

 

旅の仲間を一人増やした私達三人は改めて魔王のいる国、ヘルムートへと飛び立つ

……あ、忘れてた。

 

ここで私はこの村に来た本来の目的、可愛い子をモフるのを思い出し、リリアに抱きつき撫で回す。

 

「ヒャッ、ちょっ、きー?…ヒゥ、ンァ…」

 

…モフモフ…スリスリ

 

 

 

 

 

 

 

 

~数分後~

 

「さ、行こっか」

 

「はぁ、はぁ」

 

「リリアちゃん、大丈夫?」

 

「…大丈夫。…きー、てくにしゃん」

 

「あはは~おねーちゃんのナデナデは天下一品だからね」

 

「そんなになの!?…琴音、後で私にもやって」

 

「え?まぁいいけど」

 

「…私も殺る」

 

「リリアちゃん、文字が違うんじゃない?」

 

「……気の所為」

 

 

…気の所為であることを願おう。

 

 

 

 

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