gold・Brigade ー黄金の旅ー   作:放浪者キカイマン

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気分屋、鍛冶屋。其ノ一

〜1〜

 

「ようこそ…って…」

 

彼女、クローヌは俺の入国歓迎(仮)の台詞に困惑していた。

俺は周囲に倒れているゴロツキに目を向ける。

あーうー呻き声をあげているそれら。

クローヌはそれらに心配の目を向けた。

 

「…彼らは大丈夫なの?」

 

聞いてくるクローヌを無視し

俺はカウンターの方に居る雇用所のマスターに声を掛けた。

 

「マスター、裏道開けてくれや」

 

カウンターに居た半分白髪の黒髪でタキシード姿の老人が答えた。

相変わらずこいつは自分の店で暴れられても妨害の一切を仕掛けて来ない。

 

「…またですか、ワイズ」

 

また、というのは俺がここで騒ぎを起こす度に、彼に御用になっているからである。

 

「また、だなぁ。やり取りは聞いてたんだろ?これで最後になりそうだ」

 

「それなら有難い限りです、どうぞ」

 

そう言ってマスターはカウンターの横を開けた。

クローヌがまだ心配そうに倒した彼等の様子を見ていたので声を掛けた。

 

「おいアンタ、ここから出るから着いてこいよ…」

「…」

「あぁ…?」

 

クローヌからは返事が無い、彼等を見つめたまま動かなかった。

 

「おい!」

「…あ、ごめん。どうしたの?」

 

(さっきからだがコイツ…考え事が多いなぁ?)

 

「…あいつらのお仲間が来るからぁょ、ここ離れんぞ」

 

既に外から聞こえる声は大きくなっている

それに気圧されたか、クローヌは素早く俺の後ろに移動し、着いてくる形になった。

カウンターの中に入り、マスターの背後にある床の隠し扉を開ける。

俺は小さく呟いた。

 

「…ここも最後になるか…?」

 

少し名残があるように感じた。

まぁ、まだここを離れるとは決まっていないが。

一方、隠し扉に驚いているクローヌ。

 

「離れるって言ってたけど…何処に行くの?」

 

その様子を尻目に俺は隠し扉に入った。

 

(こいつ放浪人だよな…?)

 

「まぁ…俺の家でいいだろ…」      

「考えてなかったのね…」

 

扉を抜け石造りの通路に出る。

一本道なのであとはまっすぐ進むだけでいい。

俺達はしばらく歩いた。

 

「ねぇ…」

「あ?」

 

突然

 

「あの人達は大丈夫なの?」

 

そんなことを聞くもんだから。

彼女が気になるであろう所を察し。

 

「…殺してねぇよ?」

「…」

 

答えたところで、少し考えた。

 

(目が見えない…か。シルエットが見えてるんなら十分じゃねぇか…)

 

 

~2~

 

やがて

通路に光が差してきた。

 

「あっ!」

「…出口だな」

 

クローヌがたまらず俺の前に出、走り出した

 

(…やっぱこいつどう見ても女だよなぁ)

 

こいつがどうやってここまで来たのかがますます分からなくなる。

信念の眼は大層良かったが。

意思だけではどうにもならん事もある。

 

「っ…」

 

と、彼女の足は止まった。

俺は一瞬足を止め、クローヌが足を止めた理由を理解した。

 

俺は構わず足を進めた。

 

「え…ちょっと」

「ばれちまってたのかぁ」

 

出口には人影が、波のように並列していた。

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