STRIKEWITCHES 3 ~Universal Century~ 作:アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将
フェデリカ・N・ドッリオ
地球連邦空軍少将。クルピンスキー中将の部下。統合技術本部次長。書類仕事を上司に押し付け、現場で新技術の実験運用を忙しく行う日々を過ごしている。宇宙軍への転属・昇進の話も出ているが、「自由にやるにはこれ以上の地位は要らない。」と蹴り続けている。
雁淵孝美
地球連邦海軍少将。海軍参謀総長たる新藤美枝大将の主席補佐官。次の昇進と共に横須賀に司令部を置く連邦海軍第7艦隊司令官への就任が予定されている。
菅野直枝
地球連邦海軍大佐。新藤大将の次席補佐官。次の異動で第7艦隊参謀長への就任が予定されている。
迫水ハルカ
地球連邦海軍大将。地球連邦海軍太平洋艦隊司令官。
エイラーニャ
地球連邦宇宙軍 宇宙要塞 『ルナ2』所属。サーニャは要塞総司令官兼要塞防御指揮官の少将を務め、エイラは要塞副司令官兼ルナ2直衛艦隊司令官の准将を務める。相変わらず仲が良い。
ライーサ・ペットゲン
地球連邦宇宙軍少将。宇宙要塞『5th ルナ』司令官。
若本徹子
地球連邦宇宙軍少将。月面基地 地球連邦宇宙軍実戦部隊総司令部“リヒトホーフェン”司令兼総司令部直衛艦隊司令官。
統合高級士官育成過程
地球連邦軍軍大学の過程の一つであり、通称《上級将官昇進確実過程》。これを受けられるのはごく一部で、それ故に原則中将以上になれるのでそう呼ばれている。陸海空宇どこででも戦える上どこででも指揮官にもなれる高級将校を育成する。
地球連邦軍統合参謀本部 各国に割り当てられた最高幹部のポスト
統合参謀本部議長→特に定まっていない
統合参謀本部副議長→特に定まっていない
海軍参謀総長→原則扶桑orリベリオンorブリタニアを一期ごとに交代で割り当て
空軍参謀総長→原則カールスラントorブリタニアor扶桑を一期ごとに交代で割り当て
陸軍参謀総長→原則リベリオンorオラーシャor扶桑を一期ごとに交代で割り当て
宇宙軍統帥本部総長→扶桑のみ固定ポスト
地球連邦宇宙軍の艦名について
地球連邦宇宙軍の艦艇は、原則各国海軍に存在する(或いは存在した)艦の名前の後ろに『Ⅱ』を付けて混乱を防ぐと同時に名前不足に陥らないよう配慮が為されている(一部例外あり)。
例をあげると
第4艦隊旗艦(バルクホルン中将座乗) ラー・カイラム級「ティルピッツⅡ(ツヴァイ)」
第1哨戒艦隊旗艦(ハルトマン准将座乗) ラー・カイラム級「マッケンゼンⅡ(ツヴァイ)」
教育艦隊旗艦(イェーガー准将座乗) 練習用ラー・カイラム級「ノースカロライナⅡ(ツー)」
地球連邦宇宙軍内部の派閥
雁淵派→過激派。ネウロイのみならず地球連邦に害なす輩(悪)に対する容赦ない果敢なる戦いぶりが特徴。幹部は雁淵ひかり、ゲルトルート・バルクホルン。
竹宮派→穏健派。(ネウロイを除く)地球連邦の敵を頭ごなしに否定・潰すのではなく、ひとまず相手の考えを理解すべきというハト派。雁淵派から弱腰と非難されている。幹部は竹井醇子、宮藤芳佳、ジェニファー・J・デ・ブランク。
ララサーバル派→官僚派。雁淵派と竹宮派の間を取り持つ中立派である。官僚系の者はほぼ全員この派閥に属している。幹部はアンジェラ・サラス・ララサーバル、ヨハンナ・ヴィーゼ、ナージャ・ポポワ、ヘルマ・レンナルツ。
「杏佳は芳佳・・・宮藤大将の・・・最強のニュータイプの後継者、それが杏佳自身に与えられた役割だ。第一世代ニュータイプ達の意思は彼女が継ぐ。間違っても私の後継者だなどと言ってはならない。だが私の愚かな理想を・・・私一代で消えるべき意思を継ごうとする大馬鹿者がいたとはな・・・君の事だよ。自覚してるとは思うがね。」
「・・・。」
「人の意思の統一、貧しさからの解放。私の理想は絶対に叶わない。地球連邦政府が樹立されても、地球連邦宇宙軍がいくら富を地球にもたらそうとも、それは叶わない。だが人は弱くて、不完全で・・・だからこそ託すのだ。君達と第二世代ニュータイプ達に。託された意思を君は捨てるつもりか?君の母君の面子は?君の可能性に満ちた未来はどうするつもりだ? 今からでも遅くはない。やめることを勧める。」
「・・・しかし父上、このまま父上の理想を終わらせる訳にはまいりません。それに地球連邦加盟国が確実に一つに結束するにはやはりまだネウロイ以外の敵が必要です。」
「その若さで現実を視れるか。中々に素晴らしい。わかった。委細は任せるやってみたまえ。」
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地球と宇宙に住む全ての皆さん、こんにちは。
私は地球連邦政府首相ラウ・ル・クルーゼです。
間もなく西暦が終わり、我々は宇宙世紀という未知の世界に踏み出そうとしています。
この記念すべき瞬間に、地球連邦政府初代首相として皆さんに語りかけることができる幸福にまずは感謝を捧げたいと思います。
私が子供の頃、首相や大統領が語りかけるのは自国の国民と決まっていました。
国家とは国民と領土の統治機構であり究極的には自国の安全保障の為にのみ存在するものでした。
今人類の宿願であった統一政権を現実のものとした我々は旧来の定義における国家の過ちを指摘することができます。
人間が一人では生きていけないように、国家もそれ単独では機能し得ないことを知っています。
地球の危機という課題に対して、旧来の国家は何ら有効な解決策を示せませんでした。
19世紀末葉から指摘され始めた資源の枯渇、環境破壊による熱汚染。
今や、後戻りの許されないこれらの問題を解決するには我々一人一人の意識改革が不可欠だったのです 。
一国家一民族に帰属する我ではなく人類という種に帰属する我。
この観点に立たない限り我々は今日という日を迎えられなかったでしょう。
前身機関の設立から13年あまり。
人類宇宙移民計画と共に歩んできた地球連邦政府の歴史は決して平坦なものではありませんでした 。
国家民族宗教これらの壁を取り払い人類が本当に一つになるためにはまだまだ多くの試練を乗り越えなければならないことも事実です。
しかし今我々は月という新しい生活の場を手に入れました。
まもなく始まる宇宙世紀と共に移民と宇宙開拓も本格化し多くの人が宇宙で暮らすことを当たり前とする時代が来るでしょう。
これは人の重さに押しつぶされそうな地球を救うべく人類が一丸となったことの輝かしい成果です。
西暦と呼ばれた時間が人類が人類たるアイデンティティを確立した揺籃期とするなら宇宙世紀はその次を目指す時間となることでしょう。
我々はネウロイの脅威が去った後、人同士で殺し合うこと止めニューフロンティアを開拓する道を選びました 。小さくなったゆりかごから這い出した赤子は成長をしなければなりません。
我々は宇宙移民計画を実現する過程で共通の目的のためなら一つに結束できると世界に証明しました。
ではその次は?
宇宙世紀。
ユニバーサルセンチュリー。
字義通りに訳せば普遍的世紀ということになります。
宇宙時代の世紀であるならユニバースセンチュリーとするべきでしたが我々はあえて用法違いと思われるユニバーサルを選び新しい世紀の名前としました。
私は扶桑皇国で生まれ欧州を転々としながら子供時代を過ごしました。
学生時代はリベリオンで暮らしました。
私の両親も似たようなもので祖先を振り返ると実に10以上の国の血が混じり合い今の私が形作られていることがわかります。
あらゆる色の肌あらゆる民族の血が私の中で息づいているのです。
その普遍的な出自から地球連邦政府初代首相の栄誉を授かることにもなったのですがこのような背景を持つ方は他にも大勢おられるでしょう。
5年前から本格的に始まった通信技術の発達、相互依存経済による世界の並列化が血と肌の混合を推し進めたのです。
連邦政府の樹立による国境の無力化と世界標準語の制定によってこの傾向は今後ますます加速することと思います。
それはもう何等特殊なことではありません。
宇宙で人が暮らすということ、そのために全人類が一丸となって移民計画を推進してきたこともまた然りです。この奇跡を特殊な事例にしてはならない。
人類はひとつになれるという事実を普遍化し、互いを拒絶することなく憎しみ争うことなく一個の種として広大な宇宙と向き合っていく。
ユニバーサルセンチュリーという言葉にはそんな我々の祈りが込められています。
私はどのような宗教にも属していませんが無神論者ではありません。
高みを目指すため自らの戒めとするため己の中により高次の存在を設定するのは人の健康な精神活動の表れと信じています。
西暦の時代それは神の言葉として様々に語られてきました。
人はどのように生きるべきかいかにして世界と向き合うべきか。
それらに対する教えはあらゆる宗教に伝えられています。
人間の言葉ではなく人と神の契約の説話として。
今、神の世紀に別れを告げる我々は契約更新の時を迎えようとしています。
今度は超越者としての神ではなく我々のうちに存在する神、より高みに近づこうとする心との会話によって。
宇宙世紀の契約の箱は人類がその総意から生み出したものであるべきでしょう。
この首相官邸の名前、ラプラスの語源についてはご存知の方も多いでしょう。
18世紀のガリアに生まれた物理学者の名前です。
ラプラスは過去の事象を細大漏らさず原子一個の動きにいたるまで分析することで未来は完全に予測できると考えました。
この考えは後に量子力学の発達によって否定され今では未来を完全に予測する術はないことが証明されています。
我々はその経緯を逆説として受け取りこの首相官邸にラプラスの名を冠しました。
未来にはあらゆる可能性があるという意味を込めてのことです。
ご承知の通り地球軌道上のステーションに首相官邸を置く事については様々な議論がありました。
交通の利便性や警備上の観点からすると確かに望ましい選択とは言えません。
しかし我々は宇宙世紀に踏み出そうとしているのです。この宇宙こそが人類の新たな生活の場となるのです。
その途上に立つものとして地球と宇宙の狭間に身を置かねばわからぬこともあると思い私は首相権限でこれを押し通しました。
西暦の最後の日、改暦セレモニーと共に宇宙世紀憲章を発表するのであればその舞台はここをおいて他にないとも考えました。
今日ここには地球連邦政府を構成する100カ国余りの代表が集い吟味に吟味を重ねた宇宙世紀憲章にサインをしました。
間もなく発表されるそれは後にラプラス憲章と呼ばれ、人と社会の新たな契約の箱として機能することになるでしょう。
地球連邦政府の総意の下、そこに神の名はありません。
人類の原罪についても言及されていません。
これから先もし最後の審判が訪れるとしたらそれは我々自身の心がもたらした破局となるでしょう。
全ては我々が決めることなのです。
今、我々の目の前には広大無辺な宇宙があります。
あらゆる可能性を秘め、絶え間なく揺れ動く未来があります。
どのような経緯でその戸口に立ったにせよ、新しい世界に過去の宿業を持ち込むべきではありません。
我々はスタート地点にいるのです。
他人の書いた筋書きに惑わされることなく内なる神の目でこれから始まる未来を見据えてください。
現在、グリニッジ標準時23時59分。
間もなくです。
この放送をお聴きの皆さん。
もしその余裕があるなら、 私と一緒に黙祷してください。
去り行く西暦、誰もがその一部である人類の歴史に思いを馳せそして祈りを捧げてください。
宇宙に出た人類の先行きが安らかであることを。
宇宙世紀が実りある時代になることを。
我々の中に眠る可能性という名の・・・神を信じて・・・