和「ツモ、2000 4000です」
優希「これでまた犬のトビだじぇ!」
京太郎「ぐわああああああ!」
咲「うーん、以前よりは上手くなってると思うんだけど」
和「その割に以前とあまり変わりませんね。というより、酷くなってるような……」
まこ「京太郎の能力向上よりおんしらの成長が上回ってるからのう」
京太郎「まだ強くなってんのかよお前ら!」
優希「ふふん、成長期だからな!ちなみに私はあと三回の変身を残している……」
咲「優希ちゃんは何になるつもりなの」
優希「のどちゃんのおっぱいもあと三回の変身を残している……」
和「優希っ!」
~帰り道~
久「うーん……」
まこ「久、どうした?」
久「いえ、須賀くんをどうしたら強くできるかなーと思って」
まこ「そがあこというても、経験を積む以外にないじゃろう」
久「そうなんだけどねぇ~……」
優希「犬も咲ちゃんの嶺上開花やのどちゃんの発情みたいに必殺技があればよかったのにな!相手は死ぬ!」
咲「必殺技ってわけでもないんだけど……」
和「優希、変な言い方しないでください」
久「……!!」ピコーン
~次の日~
久「須賀くん、オカルトを身につけるのよ!」
京太郎「はい?」
まこ「まあた、変なことを……」
久「須賀くんは以前より力をつけたわ。でも、以前より部内での成績は落ちている」
京太郎「う……」
まこ「ただでさえ差があるんに、京太郎の成長を咲たちの成長が上回っとるからのう」
久「このままでは咲たちに追い付くには十年かかるわ!」
京太郎「そもそも追いつける気がしないんですが」
久「で"すが"? 須賀だけに?」
まこ「あんたはたまにアホじゃな」
まこ「しかし、言ってることは否定しにくいのがあれじゃな」
久「そこでオカルトよ! オカルトによっては、十年の経験値すらひっくり返すことが可能!」
まこ「いや、そもそもオカルトなんてそう身につくもんでもないじゃろう」
京太郎「そうですよ、一体どうやって……」
久「聞くのよ」
「「は?」」
久「教えてもらいなさい。コツでもなんでも、とりあえず打ち方について聞いてみる!」
久「オカルトについて聞けなくても、なにか為になるかもしれないじゃない?」
京太郎「……ということなんだが」
咲「ええと、呼び出された理由は分かったけど……」
咲「教えるって言っても、何を教えればいいんだろう……」
京太郎「うーん。そうだな……咲はほら、よく嶺上開花を上がるだろ?あれのコツとか……」
咲「あれは牌が見えないと無理じゃないかな……京ちゃんって普通に打っててもネット麻雀みたいに全然見えないんでしょ?」
京太郎「ぐっ……見えない方がおかしいみたいに言いやがって」
京太郎「そもそも咲はどうして見えるようになったんだよ」
咲「考えたことないなあ、家族麻雀の時にはもう見えてたし」
京太郎「いつもどんな風に見えてるんだ?」
咲「なんというか、ふぁあっと」
京太郎「ふぁあ?」
咲「それでガッときた時にスーッと嶺上牌も分かるから、」
京太郎「ガッ?スー?」
咲「グッてカンするとゴッてなる感じで──」
優希「なるほど、どうしたら私みたいに打てるかってことだな!」
京太郎「できれば説明は言葉の範囲内で頼む……」
優希「言葉以外に何かあるのか?」
優希「まあ、とにかくはじめるじぇ!まずはタコスを用意しろ!」
京太郎「……もう嫌な予感しかしないんだが、さっき作ったのでもいいのか?」
優希「十分だじぇ!犬の作ったタコスはタコス神も満足するレベルになってるからな!」
優希「私のように打ちたくばまずタコス教に入るしかない。そのタコスをこの神棚に置いて……」
京太郎「……え」
優希「いあ!いあ!たこす!」
京太郎「ちょ……」
優希「たこす!くふあやく!ぶるぐとむ!ぶぐとらぐるん!ぶるぐとむ──」
優希「──よし、これで後はキサマの生き血を……」
優希「……おろ?犬が消えたじぇ」
和「オカルトなんてものはあり得ませんが、打ち方を聞くのが勉強になるのは確かです」
和「私が気をつけているのは牌効率ですがこの時重要なのは……須賀くん、どうしたんですか」
京太郎「ぐすっ。いや、あまりにも和がまともで……」
和「とりあえず麻雀ソフトをしながら教えます。これはなかなか高度なAIが入っていて、効率を学ぶ入門としては最適です」
京太郎「おう!」
和「まずこの配牌だと、風牌が浮いてますが……」
京太郎「おぅっ……!?」
和「……ただしこちらでは期待値が……」
京太郎(……和は気づいてないが)
京太郎(俺の後ろからPCを覗きこむようにして寄りかかってきているおかげで──)
京太郎(──胸が……ッ、当たってる……ッ!!)
京太郎(ヤバイこの感触はヤバイなんだこのやわらかさ同じ人間か女の子ってこんなにやわらかいのかいや咲を背負った時はこんなのなかったいやあれは中学の時だしでも中学生と高校生だからってこんなに違うわけがしかもすげえいい匂いするし呼吸音がヤバイ和の髪が首筋に当たるしなんでこんなに吐息が甘ったるいんだよヤバイ俺は死ぬかももう一人の俺が覚醒しそうっておい俺和はまじめに教えようとしてくれてんのになんでこんなことでもこれはまじでヤバイ一生こうしてたいいやマジで失礼じゃないか恩を仇で返すようなでも死ぬいや俺今なら死んでもいいエトペンになりたいエトペンになりたかった京太郎って何言ってんだ和が俺は和が和は──)
和「……だからここで先に二筒を……どうしました?」
京太郎「……すまん和、ちょっとだけ席外して良いか?」
和「はい。あ、もしここまでで分からないところがあったら言ってください」
京太郎「おう」スタスタスタ ガチャ
バタン
京太郎「うおおおおおおおおおおおおおおお!!」ガンガンガンガン
和「!?」ビクッ
ギィィ……
京太郎「……悪い、続きをおねがいします」
和「……あの、頭から血が……」
まこ「……で、頭に包帯巻いとるわけか」
京太郎「はい……」
まこ「まあ自制できるだけマシじゃろうて」
まこ「しかしワシの打ち方は牌譜研究と経験が絶対じゃ、時間がかかり過ぎて今回の趣旨には合わないじゃろ」
京太郎「どちらも俺には全く足りてないものですね」
久「あら、あれ教えればいいじゃない」
京太郎「あれ?」
久「ほらあの、時間を吹き飛ばす……」
京太郎「なんすかその超能力。和じゃありませんが流石にそんなオカルトはありえ」
まこ「あれは生まれついてのもんじゃからのう……もしかしたら矢で得られるかもしれんが、どんな能力が発現するかはわからんし……」
京太郎「ないでしy──」
久「悪魔の手のひらはちょっと遠いか、壁の目は行けなくもないけど」
京太郎「──あれ、俺がおかしいのか?」
久「そして私の番か」
京太郎「先に言うのもなんですが俺が悪待ちしても上がれる気はしないんですが」
まこ「潜在能力高くても現状それ以外が最低じゃからのう、悪待ちで運とセンスが最低なのは致命的じゃ」
久「安心してちょうだい、そもそも大会なんかではその方が上がれそうな気がするってだけで私だってよく分かってないし。私が教えるのはこれ!」
ビッ
──バシンッ!!
久「私と同じツモり方ができるようにしてあげる!」
京太郎「……いや、牌が可哀想とか言われる打ち方はしたくないんすけど」
まこ「京太郎、教わってやりんしゃい」
京太郎「染谷先輩」
まこ「そのツモり方はワシの入る前の1年間、久が一人ぼっちだった間にがんばって練習して身につけたんじゃ」
まこ「そして身につけた後は後輩が入ってきたら同じツモり方ができるように教えるのがひとつの夢だったらしい」
久「まこっ、それは言わない約束でしょうっ!!」
まこ「久、顔が真っ赤じゃぞ」
京太郎「……それなら、染谷先輩に教えればよかったんじゃ」
まこ「ワシが断ったらさっき言ったことを語りはじめてのう。涙目じゃったしよほど教えたいんじゃろ」
久「まこっ」
京太郎「……そこまで分かってたのに教わらなかったんですか?」
まこ「交換条件にうちの雀荘で1週間バイトすることになったんじゃが、メイド服が恥ずかしゅうて1日で止めてのう」
久「まこ……いままでの諸々は謝るからもう許して……」
京太郎(部長のこんな顔初めて見た)