東方白英録   作:六月(ろくがつ)

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 作者=作 アーサー=ア
 作「今日から令和らしっすよアーサー」
 ア「作者それ皆知ってる!」
 


第三章「超特異生物」

 「覚悟しろ、てめぇをここでバラバラにする」

 

 ビュッ、ジェイは一瞬で袋熊の懐に潜り込み、その渾身の一撃を叩き込む。

 

 「いいパンチクマ、でもそれじゃクマは倒せないクマ」 

 攻撃をくらい宙を舞うなんちゃってゆるキャラ、イカやタコを彷彿とさせる触手を伸ばし衝撃を受け流す。

 

 「次はこっちから行くクマ、天獣(てんじゅう)電撃魔鳥(サンダーバード)』」

 

 袋熊はその体からバチバチと黄色い雷を放ちこちらへ突進して来る。

 

 「そんな攻撃で沈むかよぉ!」

 

 放たれた一撃をまえに袋熊の進撃は終わるしかし

 

 「からの、海獣(かいじゅう)巨大軟体生物(クラーケン)』」

 

 先程と同じ触手が現れ部屋中に伸びる。 

 

 触手はジェイだけでなくこちらにも迫る、どうにか剣を縦にして受け流す。

 

 「ジェイ大丈夫か!」 

 

 辺りを見回し黒髪の青年の姿を探す、あの獣の様な荒々しく強い青年がこの程度の攻撃で致命傷を貰うとは思えない。

 

 「なっ!、ジェイ‥‥‥」   

 

 カラッン、目の当たりにした現状に動揺し、剣を握っていた手の力が抜け剣を地面に落とす。

 

 「んだよ、触手の一、ニ、三‥‥‥あぁ数えるの面倒くせぇ!、大丈夫だ坊主、死にゃしねぇ」

 

 ジェイの体を五本の触手が貫いていた、それも一本は心臓のある胸に突き刺さっていた。

 

 「クマクマ、ジェイさよならクマ、君もこっち側に付けば死なずにすんだのに、次はアーサークマ」

 

 ヌルりと首を動かしこちらを見つめるなんちゃってゆるキャラ、ジェイは戦うどころではない、これは俺がやるしかない!

 

 「しかしアーサー、君もジェイも物好きクマ、あんな妄想だけが取り柄の残念少女を守るために命をかるなんて」

 

 「俺はその『古明寺さとり』の事を知らないけど、その子がこの世界‥‥あんた達を作ったんだよな?」

 

 剣を構えながらヌルヌルとテカる触手がはみ出したし熊に質問する。

 

 「そうクマ、ここはさとりちゃんの能力で自分の中の妄想をそのまま形にした世界、勿論この世界の登場人物もさとりちゃんが作ったクマ」

 

 「なぁ、そのさとりちゃんはお前達に何か酷い事をしたのか?」

 

 「別にさとりちゃんはクマ達に酷いことはしてないクマよ、クマ達に命と名前を与えとても良好な関係だったクマ、でも‥‥つまらなかったクマ」

 

 短い手を口に当て可愛い仕草を見せる、しかし体から伸びた触手のせいで効果は半減だ。

 

 「つまらなかった?」

 

 「幸せな生活、幸せな関係、幸せな日々、でもそれはとても退屈クマ、とてもつまらなかったクマ、だからクマ達はさとりちゃんの心を殺してこの世界の支配してもっともっともーっと楽しい世界にするクマ、血と狂乱と欲望に溢れた世界を作るクマ」

 

 クマは誇らしげに事の経緯を語る、俺は話を聞きながら床に落とした剣を拾い上げる。

 

 「なるほど、他人の俺があまり口を挟まない方がいいらもしれないが、お前を倒す」

 

 床に落とした剣を両手で握り構え直す。

 

 「怒りと決意に満ちたとてもいい目をしてるクマ、だからこそ屈服させたいクマ」

 

 「円卓『十三の騎士(ナイツ・オブ・ラウンド )』」

 

 大きく踏み込み、その推進力で袋熊の間近まで迫り十三連撃のスペルを叩き込む。

 

 次々と切り刻まれていく袋熊、まるでプリンやゼリーの様に簡単に刃が通る。

 

 だがそう簡単には倒せなかった。

 

 バラバラになり宙を舞ってい体の破片が集合し袋熊の形に再生したのだ。

 

 「クマクマ、その程度の斬撃じゃクマは死なないクマ、今度はこっちクマ!天獣(てんじゅう)電撃魔鳥(サンダーバード )』」

 

 袋熊は体を沈ませ電気を纏いこちらに向かって突撃して来る。

 

 とっさに剣で防いだものも、電気事態はどうにも出来ず感電してしまう。 

 

 体中をチクチクと止めどなく刺されているような痛みに襲われる。

 

 どうにか直撃は避けたものの電撃は回避出来なかった。

 

 袋熊が触れたとき、体中に電流が走る、途切れてしまいそうな意識をどうにか繋ぎ止め、剣を支えに立ち上がる。

 

 「まだ頑張るクマ?、やめるクマ、君じゃクマを倒すことを出来ないクマ」

 

 心配する言葉とは裏腹に全力のパンチを腹部に叩き込んでくる。

 

 「うっ‥‥せぇ、俺はまでやられたらその子が死んじまうだろう‥が」

 

 そうだ、ジェイは触手に貫かれ戦闘不能、この状況で眠る少女‥‥‥さとりだったか、もし俺が負ければさとり(あの子)は確実に袋熊に殺される。

 

 「だから‥‥だから絶対に負けられない!」

 

 地面を強く踏み込みその推進力で袋熊目掛けて突進する。

 

 剣を横に大振りし袋熊を斜めに切り落とす、さらに息つく暇もなくその額に突きを叩き込むも‥‥‥

 

 「クマクマクマ、斬撃じゃクマは殺せない、少なからずその程度の剣じゃ無理クマ」

 

 バラバラになった体が一瞬でくっつき再生、反撃の一撃を貰い壁に衝突する。

 

 「まだだだ!」

 

 自分を鼓舞どうにか立ち上がる、そろそろ勝負を決めないと俺の体が持たない

 

 「クマクマ、これでオワリクマ!」

 

 

 「あぁ終りだともテメェが串刺しになってなぁ!」

 

 

 俺と袋熊の間に一つの人影が入り込むあのシルエットは‥‥‥

 

 「やっぱり生きていたクマかジェイ、でもそのボロボロの体でどうするクマ?」 

 

 「どうするも、こうするも、あるか、言っただろ?『テメェが串刺しになる』ってなあ!!髪剣(はっけん)豪毛剣山(ヘアーニードル)』」

 

 ジェイの黒髪が鋭く伸び、袋熊を串刺しにしその動きを封殺する。

 

 「界回(かいてん)粉砕爆進(ドリルパニッシャー)』」

 

 袋熊と反対の方向に走り勢いをつけ(みずか)の体を回転させ再度袋熊に突進する。 

 

 袋熊は腹部に大きな風穴を開けられ力なく倒れる、倒したのか?

 

 「坊主後だ!」

 

 ジェイに言われ後振り返ると風穴が開いた熊が立っていて次の瞬間俺はタコにもイカにも見える触手に束縛されていた。

 

 「ふぅー、危なかったクマ、このまま行くと負ける所だったクマ」

 

 抜け出そうとしても触手の粘液のせいで滑って抜け出せない。

 

 「テメェ人質とか卑怯だぞ!」

 

 「卑怯で構わないクマ、さぁジェイ両手を上げるクマ」

 袋熊に指示されたとうり両手を上げるジェイ、その両手に触手が絡みつく。

 

 「さてと反撃開始クマ」

 

 袋熊の体中に穴が空きそこか数千の触手が現れジェイを打ちのめす。 

 

 このままだと、何か打開策を考えなくては‥‥‥

 

 「さぁさぁさぁ!、もっと激しく打ちのめすクマ!」

 

 「このクソ怪物野郎‥‥‥」

 

 「何クマその反抗的な目は?、あっそうだ君を痛めつけるよりさとりちゃんを痛ぶった方が面白そうクマね〜」

 

 ドロドロと粘液を垂れ流す触手がいたいけな少女に迫る。

 

 「待って!、さとりに手だすんじゃねぇ!、やるなら俺をやれ!」 

 

 ジェイの悲痛な声が部屋中に反響する、まずいこのままだと本当あの少女の命が危ない。

 

 「さぁーて、まずはその綺麗な顔から潰すクマ」

 

 「やめろぉぉぉぉ!!!!」

 

 

 幼くも整った少女の美しい顔に届く前に触手は力なく地面に落ちた。

 

 

 後を振り返ると頭のないクマが立っていた。

 

 辺りを見回すも誰もいない、俺は勿論ジェイも動けなかった、では一体誰だ袋熊を倒したのだろうか? 

 

 「騎士王、そんなに強くないわね」

 

 目の前の空間がジッパーの様に開きそこから白い傘を持った金髪の女性が現れた。

 

 「八雲‥‥‥紫」

 

 この女性を俺は知っていた、彼女は八雲紫、幻想郷の管理者、そして確定ではないか俺をここに連れて来た張本人。

 

 「お手並み拝見させて貰ったけど期待外れね、これも記憶喪失のせいかしら?」 

 

 「何で俺が記憶喪失だってこと知ってるんだ!、それに俺の名前も」

 

 八雲紫との接点などさっきと今くらいしかないのだか、この女性は俺が記憶喪失だと言うことをしっている。 

 

 一体何故なんだい?

 

 「ふふ、幻想郷は私の庭同然、知らないことなんてないは‥‥‥」

 

 

 「捕まえたクマ!」

 

 

 八雲紫の背後には頭を失った袋熊が八雲紫の体を包囲していた。

 

 「はぁ、全く悪趣味な化け物なこと、バラバラになりなさい」

 

 八雲紫の背後にいた袋熊はジッパーの様な空間の中に飲まれグチャ、ベチャと不快音を立てる、中で何が起こっているのかは知りたくない。

 

 「さぁ行きましょ、下らないお人形さんごっこを終わらせるわよ」

 

 

 

    

 

 「‥まで来れば安全よ」

 

 「‥‥‥‥かしこの子は無事なのか?」

 

 「‥馬野郎!!外傷は見られないし大丈夫だ!」

 

 誰かの話し声が聞こえる意識がはっきりとしてないせいか途切れ途切れだ。

 

 誰か何だろう、いや会話しているってことは複数人なのだろう。

 

 やっと視界に掛かっていた(もや)の様な物が晴れてきた。

 

 石造りの小部屋、簡易な椅子と机、そして私が寝かされているベッド、ここはホワイトキャスルの一室だ。 

 

 そして今まで会話していた人物は‥‥‥

 

 「さとり!良かった目を覚ましたのか」

 

 黒髪の少し目つきの悪い青年は私を抱きしめる。

 

 「ジェイ‥‥‥良かった生きていたのね」

 

 私も青年ジェイを抱きしめる、その暖かさを離さないように、強く強く

 

 「お熱い所悪いけど、これからどうするか話し合うわよ」

 

 声の方を見ると、幻想郷の管理者、八雲紫がいた。

 

 何故彼女がここに彼女は情や義理なんかでは動かない妖怪の筈だ、何か別の目的があるのかもしれない。

 

 それにあの白髪の少年‥‥なのだろうか?、少年にも少女にも見える中性的な顔立ち、長く伸びた白髪が更に謎を深める。

 

 「まず自己紹介から初めましょ、私は八雲(やくも)(ゆかり)、幻想郷の管理人よ、じぁ次はあなた」

 八雲紫に振られたジェイはのっそりと椅子から腰を上げ自己紹介をする。

 

 「俺の名はジェイ、このイデアーレ王国の国王直属の部隊『三銃士』の一人だった今は反逆者って所だ言うことこれくらいだ、それじゃ次はアーサー」

 

 ジェイが椅子に腰を下ろすと、一番気になっていた少年?アーサーの番が来た。

 

 「俺はアーサーって言います、日頃は紅魔館で従者をやってます、良く聞かれるので先に言っておきます男です」

 彼は男なのか、それにしても彼は身長が低いな、私と同じくらいの大きさだ。  

 

 そして回って来てしまった‥‥‥私の番が!

 あぁどうしよう、人前で話すの苦手なのに‥‥‥

 

 「‥‥‥えっと古明寺(こめいじ)さとりです、‥‥‥以上です」

 

 意を決してどうにか自己紹介をする、人前で話すのいやぁぁぁぁ!

 

 「さて今後の方針を考えて行きたいのだけど、敵の残りの戦力はあとどれくらい残っているの?」 

 

 羞恥に(もだ)える私をよそに作戦会議が始ま

る。  

 「そうだな‥‥‥、兵隊を抜きにすると残りは二人、三銃士の一人と王様だな」

 

 「残りの数はそんなに多くないですね」

 

 「しかしなぁ、数こそ多くないな問題は‥‥強さだな」

 

 ジェイの難しそう顔、ここは説明を私が引き継ぎで‥‥

 

 「特に王様のナイト、あいつがこの世界じゃ一番強いんじゃないか?、まぁそれもそうだが」

 

 八雲紫と少年アーサーの方に目線を向けるジェイ

 

 「あぁ、それで合っている所であんたとアーサーは外の世界から来たんだよな?、あんた達は外の世界に帰るのか?」

 

 八雲紫はアーサーと顔を見合わせ頷く。

 

 「えぇ、私達はこの異変の解決後、幻想郷に戻る予定だけどどうかしたの?」

 

 さっきの二人と同じくジェイと私も顔を見合わせ頷く。

 「いやただ確認を取っただけだ、俺とさとりはここに残る」

 

 「えぇ、幻想郷に帰らないの?」

 

 「あぁ、俺は外に出られないし、さとりも外に出る気はない」

 

 ジェイの言葉に場が静まる。

 

 でも私は外の世界『幻想郷』には戻りたくない、つい最近幻想郷には手違いで地獄の住人達が流れ混んで来た。

 

 私の程度の能力は『相手の心を読む程度の能力』。

 

 文字通り、私は人の考えて居ることが自分の頭の中に流れ混んで来る。

 

 この能力にオンオフはなく絶え間なくだ、恨み、殺意、絶望、悲観、見たくもない汚い思想、そんな物が寝ている時以外常に頭に流れ混んで来るのだ。

 

 地獄の亡者達、彼らの思考がまともな筈もなく、とても汚いものだった。

 

 殺し、奪い、犯す、ただそれだけを渇望している。

 

 私は彼らに直接会った訳ではない、然し彼らの怨念にも似た思考は私のいた幻想郷の地下『地霊殿(じれいでん)』まで届いた。

 

 その思考を感じ取った私は比喩表現(ひゆひょうげん)ではなく本当に頭痛で頭が割れてしまいそうだった。

 

 普段は人との関わりを立ってと言うよりも、自分の思考を読まれることを恐れ誰も私に近よらない、例外は妹とその友達、地霊殿(うち)のペット件従者、後は時々来るお客くらいだ。

 

 今後もこんなことがいつ起こるか分からない、そんな恐怖に私は耐えられなかった、だからこの世界を造ったの

だ。

 

 中世のファンタジーの世界をイメージし、私はある王国のお姫様、ちょっと不思議な従者達、優しい王子様とちょと怖い幼馴染に私は引っ張りだこそんな夢物語でこの世界は出来ている。

 

 この世界の住人の思考を読むことは出来ない、私のための居場所、それがこの世界。

 

 「まぁいいわ、外のに出るにしても残るにしてもこのままじゃマズイは、どうにかして残りの三銃士と王様を倒さないとね、王様と最後の三銃士について教えて頂戴」

 

 「奴の名前は『ピエロ』三銃士で最もヤバイ奴だ、奴の程度の能力は『存在を‥‥‥」

 

 

 「ひゃっはははは!、さとりちゃん見っけ!!!!」

 

 

 突如ドアが吹き飛び、一人の少女が現れた。

 

 赤と青の左右非対称の服、顔には道化師(ピエロ)を彷彿とさせる星やハートのペイントが施されている。

 

 「噂をすれば何とやら‥‥‥現れやがったなピエロ」 

 

 「はぁーい、紳士淑女(しゅくじょ)の皆さんこんにちは、私はピエロしがない道化師よろしくね」

 

 大鎌をブンブンと振り回し丁寧な自己紹介をするピエロ。

 

 「ちょっとジェイく〜ん、そんな警戒しないでよ、同じ三銃士の仲間だろ?、ミーは仕事さえ終われば帰るからさ」

 

 大鎌を私に向け宣言する、このままだと私は‥‥‥ 

 

 「仕事ねぇ、さとりを殺る気なんだろ?、だったら尚更気を張んねぇとなぁ」

 

  私の盾になるようにジェイはピエロの正面に立つ。

 

 「フューお熱いねぇ、これだと間違ってジェイ君も殺しちゃいそうだよ」

 

 「はなっからその気だろ、イカれ道化師(ピエロ)

 

 「こりゃ酷いや、ミーこんなに美少女なのに!」

 

 ピエロがジェイに斬り掛かり戦いの幕は切って落とされた。

 

 

 

 

 

 

 




 作「さて皆さんはブックオフのセールで何買います?」
 ア「唐突!それで作者は何買うの?」
 作「まだ決まってましぇん」
 ア「決まってないんかい!」
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