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「
空中に投げられた魔力の集合体『弾幕』が散り散りになりこちら目掛けて飛んで来る。
「円卓『
飛来する弾幕を連続剣技のスペルで撃ち落としていく。
弾幕やんだ反撃だ!、正面にいる緑のチャイナ服の従者を見据え‥‥‥いない!
「スキありです!、
気がついた時にはチャイナ服の少女は間近まで迫っており、俺は突き出した腕から放たれたスペルに飲み込まれいた。
魔力で作られた蕾、その蕾が花開くと同時俺は行きよいよく吹き飛ばさていた。
「また私の勝ちですね、アーサーさん」
倒れた俺に白く長い手を差し出す少女、彼女は
「十回やって一回も勝てなかった、‥‥‥俺弱すぎません」
少女の手を取ると、そのほっそりとした腕とは対照的に軽々と俺を引き上げる。
「〜ん、技はとてもいいのですが、何だか動きがぎこちないですよね」
ごきごきと首を曲げて背伸びをする美鈴さん。
「やっぱり記憶喪失が関係してるんですかね、然し似合ってますねその格好」
流石にその格好では働けないとお下がりの服を貰い今に至る。
白のシャツの上に黒のジャケット俗に言うバーテン服だ。
レーディースなのに少しダボついているのは俺がチビだから。
長く伸びていた白髪は切ろうとしたら主のフランちゃんに止められ、「アーサーの髪綺麗だからもったいない」と言われポニテにすることに。
「レディースで少しダボついてるんですが‥‥‥」
「大丈夫ですよ、アーサーさんはきっとこれから成長期が来るはずですから」
俺は記憶喪失だ。自分が何者なのか、何歳なのか、ここに来る前にどこに住んでいたのかそれすら覚えていない。
だから俺の実年齢も分からないためおじいさんだったらもう永遠におチビちゃんだ。
「今日はもうお開きにしましょっか、私も居眠‥‥門番の仕事に戻らなければならないので」
ここは幻想郷、吸血鬼の館『紅魔館』の二階広場。
広場一面に白のタイルが敷き詰められおり、天井はなく上を見れば蒼い空と雲が見られる。
本来は洗濯物を干すための場所だのだが、洗濯物を干すだけでは広すぎので大部分が余っている。
そこで組手の場所として利用させて貰っていたのだ。
「アーサー修行終った?」
扉の方から元気な少女の声が聞こえてくる。
金髪に白い帽子、大きな瞳、俺より少し背の低い少女。
彼女の名はフランドール・スカーレット、フランちゃん。
俺は彼女の執事をしている。
「昔のこと何か思い出せた?」
「全然ダメだったよ」
俺の返答にフランちゃんの表情が曇る。
俺は記憶喪失なのだ、
分かることは自分が「アーサー王」だと言うこと、背中に差した剣がエクスカリバーだと言うことだけだ。
さっき組手をしたのも記憶を取り戻すための方法らしい、「アーサー王」はかなりの知名度らしく、その生涯を戦場で終えたらしいので戦うとこで少しでも何かを掴めるかもしれない、それも理由の一つだ。
「あっアーサー、パチュリーが呼んでたよ、『地下図書館に来るように』だって」
「パチュリー様が?、いったい何なんだろう」
「なんかね『程度の能力』についてって言ってたよ、さぁ行こ」
少女の小さな手に掴まれ、俺は地下図書館に足を進め
た。
扉を開き中に入る。
地下とは思えないほどに高い天井、見渡す限り本棚で埋め尽くされている。
奥の方へ足を進めるとそこには二人の少女がいた。
「パチュリー、アーサー連れて来たよ」
「ありがとうフラン」
椅子に佇み今まで読んでいた本に栞をはさむ、紫の帽子に同色のヌグリジュのような服装、彼女はパチュリー・ノーレッジ、この館の主レミリア・スカーレットの親友だ。
「やっと来ましたかロリ‥‥アーサーさん」
パチュリー様の横に立っている赤毛の少女、彼女は
「今なんか言い間違えませんでした?」
「いえいえ、妹様の心を懐柔したロリコン野郎なんて全然思ってませんよ」
ニヤニヤと嬉しそうに悪態をつく
「ねぇアーサー、懐柔ってなに?」
無垢な瞳をこちらに向けてとんでもないな質問を飛ばしてくるフランちゃん。不味い、このままはではフランちゃんが知らなくていい知識を身に着けてしまう。
「あっ‥‥えっとそれは‥‥‥」
考えろ、考えるだ俺!、どうにかして少女の
「妹様それはですね‥‥‥」
バシッ、乾いた音の後に
「フランの
「ありがとうございます、パチュリー様〜!」
女神だ、女神はここにいらした!
「それもさておき、本題に入るわよ」
先ほど座っていた椅子にもう一度座るパチュリー様。
「改めてだけどよく来てくれたわねアーサー、今日は貴方の『程度の能力』について話があるの、
「思い当たる節ですか‥‥‥」
幻想郷に来て数日、程度の能力やスペルについてはフランちゃんから一応説明を受けた。
程度の能力、持つもの持たざるもの個人差はある、どれも奇怪なものばかりで物によっては時間を停止させるものも、そしてスペルは魔力を用意いた技のこと、先程の美鈴さんの『弾幕』もその一つ、一部の技は人から人へ受け継ぐことも出来るらしい。
「こうなかった?、戦っているとき不思議なことが起こったりとか自分の体に異変があったりとか?」
戦っている時‥‥‥、俺が幻想郷に来て戦ったのはあのシルクって言う妖怪、フランちゃん、
これと言って何もなかったような‥‥‥
「ねぇアーサー、フランとの戦いの時、弾幕を斬ってなかった?」
「弾幕を斬る‥‥‥魔力に物理で干渉できるのかしら?、ならこれを切ってみて」
パチュリー様は手のひらから弾幕を出現させフヨフヨとこちらに飛ばし少し手前で停止する。
「分かりました、せい!」
背中の鞘から剣を抜き、弾幕を斬りつけるとパンッと軽く小爆発を起こした。
「これは斬ったとは言えないわね、ほかにはなかった?不思議なこと?」
「〜ん、思い当たる節がありませんね」
考えてみても思いつかない、あっただろうか『不思議なこと』
それから一時間程あれこれ考えたが進展はなかった。
「まっ、今日はお開きにしましょ、明日も来てもらうは」
軽く答えるパチュリー様、俺の記憶喪失のために明日も付き合ってもらうと思うと申し訳ない。
「ありがとうございました、その‥‥‥」
「ん?、何か気になることでもあるの?」
もしこの図書館に来ることがあったら頼もうと思っていたことがあった、でもそれは‥‥‥、いやこれは知らなくてはいけないことだ。
「アーサー王について記されている本とかありますか?」
俺の発言に少し遅れてパチュリー様が反応する。
「アーサーについて、‥‥‥アーサー王はゲームや漫画では華やかに書かれているけど、本当の所そんな話しじゃないわよ、愛憎と裏切りの物語それでも読む?」
「それでも‥‥‥」
決意が揺らぐ、自分を知ることが怖い、このまま何も思い出さずここで暮し続けるほうが幸せかもしれない、でもやっぱり‥‥‥
「フランが一緒に読んであげる、一人で読んで怖いなら、二人で読も、そしたらきっと怖くないよ」
俺の手を少女の小さな暖かい手がそっと優しく包む、その心地よい暖かさが俺はを前へ進ませた。
「俺やっぱり読みます、皆さんが俺のために色々してくれているのに、俺自身が逃げちゃダメだと思うんです」
「分かったは、
「はい、了解です」
「アーサー、アーサーの過去に何があってもフランは嫌いにならないからね」
「ありがとうフランちゃん、俺がんばるよ」
図書館を後にした俺とフランちゃんは俺の自室で借りた本を読んだ。
魔術師マーリンに育てられ、岩に刺さった剣を抜き、泉の妖精に聖剣エクスカリバーを貰い、異父姉と行為に至り息子モードレッドが生まれた。
巨人と戦い、ローマと呼ばれる国に遠征し、王妃ギネヴィアを迎えた円卓の騎士を作った。
王妃は円卓の騎士のランスロットと不義の恋に落ち、息子であるモードレッドが
聖剣エクスカリバーは円卓の騎士、ベディヴィエールによって泉の妖精へと帰された。
「確かにハードだね、自分の子供とたたかうなんてね」
「あっ‥‥‥、そうだね」
パチュリー様の言う通り、記憶を失う前の俺はかなりハードな人生を生きていたんだな‥‥‥
だがこの話だとエクスカリバーは泉に返されたはず、じゃあこの背中の剣は一体なになんだ?
「入るわよ、ってフランもここにいたのね」
ガチャとドアが空きそこから振り向くとそこには薄い紫色の髪の少女が立っていた。
俺がより頭一つ小さい少女、彼女はレミリア・スカーレット、この館「紅魔館」の主だ。
「どうしたんですか、お嬢様」
「あんた永遠亭に行くの忘れてない?」
はっ!、いつもは紅魔館の仕事がメインなのだが今日は俺だけ別メニューを渡されいた、お嬢様は俺のことを気遣って病院の予約まで取ってくれていたのだ。
「すっ、すいません、急いで行って来ます!」
座っていた椅子から飛び上がり外を目指して走り出した。
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ア・良かったな