東方白英録   作:六月(ろくがつ)

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 作者=作、アーサー=ア
 作「メルトお迎えできたぞぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
 ア「‥‥‥‥」
 作「スキルマにしちゃったぞぉぉぉぉぉ!!!!!」
 ア「‥‥‥‥本編どうぞ」
 


第ニ章「虚構世界」

 「〜ん、困ったな‥‥‥」

 

 永遠亭で診察を受けるのを忘れていて、それに気付き紅魔館を急いで後にしたはいいが肝心の永遠亭の場所が分からない。

 

 辺りは芝生だけの殺風景、俺は幻想郷に来てまだ数日しか経っておらず、全く土地勘が備わっていない。

 

 「そこのお兄さん、こんな所で立ち尽くしてどうしたんですか?」

 

 後ろから声がし、振り向くと一人の女性が立っていた。

 白の日除け傘、ウェーブのかかっか長い金髪、この人は何者なのだろう。

 

 「あなたアーサーよね、本当に小さいわね、それに女の子みたい」

 

 ジロジロと俺を観察する日除け傘の女性、まずは名前を聞いてみるか。

 

 「はい、俺はアーサーです、あなたは誰なんですか?」

 

 俺が返答と共に質問を投げかけるとニヤリと笑う。

 

 「私の名前は八雲(やくも)紫(ゆかり)、この幻想郷の管理者、変わったお客さん、その実力の程を見せてちょうだい」

 

 「実力?、なんのことです‥‥‥えっ」

 

 体を浮遊感が襲う、地面がなくなっている!、落下が始まるなんだこれ!

 

 「さてと、記憶を失った騎士王、その実力はどれ程かしら?」

 

 

 

 

 「ん?、なんだここ?」

 

 俺は永遠亭を目指して、途中で道がわかなくなって、一度紅魔館に戻ろうとして、そしたら日よけ傘をさした女性に話掛けられて、‥‥‥穴に落ちたんだ。

 

 「おい、坊主どかっから入って来た?」

 

 横を向くと銀に輝くフルプレートアーマーに身を包んだ騎士がいた、声のトーンも低いので多分男なのだろう。

 

 「まさか‥‥‥、侵入者か?」

 

 ガチャ、フルプレートアーマーの男は腰に挿した剣に手を伸ばしこちらに向けて構える。 

 

 「いえいえ俺はただの迷子です、外まで案内してほしーなー」

 無害アピール!、頼む俺は見た目は無害な白髪ショタだぞ、ほらほらいたいけな少年を助けてー!

 

 「ふん、こんな小さなガキに侵入のわけないか、ついてこい外まで案内してやる」

 

 歩きだしたフルプレートアーマーの男の後に続いて歩く、しかしここは幻想郷なのか?

 

 石作りの壁、窓から見えるのは人々が行き交う町、ここはお城か館なのか?

 

 「あのー‥‥、ここは何処なんですか?、自分田舎ものでわかなくて‥‥」

 

 「はぁ、坊主どっかで頭でも打ったのか?、ここはイデアーレ王国、首都ホワイトキャスルだろ」

 

 「幻想郷じゃないんですか?」

 

 「幻想‥‥‥何だそれ、そんな国見たことも聞いたこともねぇなぁ」

 

 「そっ、そうですか‥‥‥」

 

 ここは幻想郷じゃないらしい、いったいここはどこなんだ?

 

 鍵を握っているのはあの日除け傘の女性だろうな、どうにか彼女に接触しないと。

 

 「っは、袋熊様!」

 

 ゴンッ、前を歩いていたフルプレートアーマーの男が急に立ち止まりぶつかる。

 

 男の横から前方に何があるのかを見ると‥‥‥

 

 「お仕事ご苦労クマ、おやその子は誰クマ?」

 

 茶色の熊が立っていた、リアルな奴じゃなくデフォルメされた可愛い感じの、きっと子供なら喜んで飛びつく遊園地とかにいるあれだ。 

 

 「はっ!、どうやら城内に迷い込んだらしく、外まで案内しようと‥‥‥」

 

 一体あの熊の着ぐるみは何者なんだ、鎧の騎士も随分と敬意を払っているが。

 

 「分かったクマ、それじゃ後はクマに任せて君は通常業務に戻るクマ」

 

 「しかし、王直属の『三銃士』である袋熊様にこの様な雑用を‥‥‥」

 

 「いいから、いいから、クマは子供大好きだし、きっとこの子もクマが案内してあげたほうが喜ぶクマ」 

 

 「わっ、分かりました、ではお願いします」

 

 すたすたと来た道を戻っていくフルプレートアーマーの騎士。

 

 「ねぇねぇ、きみ名前はなんて言うクマ?、何歳クマ?、それと男の子?女の子?」

 

 短い手を口元に当て可愛い仕草で質問するクマさん、また答えにくい質問を‥‥‥

 

 「あー、名前はアーサー、12歳の男の子だよ‥‥‥」

 とりあえずこのクマさんの夢を壊さない程度の年齢ってことにしておこう

 

 「何処に住んでるクマ?」

 

 「えっと‥‥‥、この町の外れに住んでるよ」

 

 「ふ〜ん、それとそ(・)れ(・)と(・)君(・)の(・)『(・)程(・)度(・)の(・)能(・)力(・)』(・)は(・)何(・)ク(・)マ(・)?(・)」

 

 後ろへ大きく飛びクマさんとの距離を取り、背中の剣の柄に手をかける。  

 

 「君の目的はさとりちゃんの救出?、よくもまぁあんなワガママ娘を助けるクマね」

 

 さとり?、一体誰のことを言っているのだ?

 

 「とりあえず‥‥‥排除クマ、海獣(かいじゅう)『巨大軟体動物(クラーケン)』」

 突き出された両腕が破けイカやタコの脚の様な無数の触手が放たれる。

 

 「聖盾(せいじゅん)『女神の加護を承た盾(プライウェイ)』」

 光の壁を作るスペル、無数の触手は光の壁に阻まれ止まるはずだったが‥‥‥

 

 ぬるりと光の壁を這い上がりこちらへ迫る。

 

 「なっ‥‥‥、クソっ!」

 

 無数の触手を剣で叩き切ろうとすると触手の粘液で滑り切ることが出来なかった。

 触手は俺の肩を掠(か)すめる、鋭い痛みの後、痛みの発信源の肩に手を当てるとベットリとした血がついていた。

 

 「クマクマ、ヌメっていて柔らかいのに鋭い、驚いたクマ?、アーサーこれで君をヌル殺(さつ)クマ」

 

 強い、素早さは美鈴(メイリン)さんの方が上だが、しかしあの触手が厄介だ。

 

 ヌルヌルと滑るのに刃のように鋭い、触手を切断しようと剣を振り下ろすも刃も通らない。

 

 「こうなったら‥‥‥、一旦撤退だ!」

 

 そう叫び後ろに振り向き走り出す。

 

 美鈴(メイリン)さん、あと紅魔館のメイド長咲夜 (さくや)も言っていた『勝機がない時は一時撤退、体制を立て直して再戦』

 

 勝てないと思ったら時は一度撤退し作戦を練(ね)ることが大切だと。

 

 「あつ!、ズルいクマ!、卑怯クマ!」

 

 もふもふのゆるキャラの罵声に耳を傾けることなく俺は後方に一目散(いちもくさん)に逃げた。

 

 

 「‥‥‥ここまで来れば大丈夫かな」

 

 もふもふのゆるキャラから逃げたはいいものも後先考えず下層に降りてしまった。

 

 出口らしい所はない、そうなると出口は今まで降りてきた層のどこかにあるのだろう。

 

 「しかし、ここは‥‥‥」

 

 部屋中に取り付けられた黒の鉄格子、多分ここは罪人を収容するための

 

 「独房なのだろう」

 

 俺の小さな独(ひと)り言(ごと)が薄暗い独房に反響する。

 

 「おい坊主!俺をここから出せ!!」

 

 ん?なんだ今の声?、男の物だと思うけど、発信源は奥の方だろうか?、警戒して背中の剣の柄を握り前へ進むと檻の中に一人の男がいた、黒髪で瞳は血に飢えた猛獣を連想させるほどに鋭利で、檻越しでもその気迫が伝わって来る。

 

 「わりぃがよぉ、俺りゃどうしてもこの檻から抜け出さないといけねぇんだ、開けてくれっか?」

 

 猛獣さながらの眼光がこちらに向けられる、‥‥‥どうしたものか

 

 「俺はアーサー、あなたは誰なんですか?」

 

 まぁ、まずは挨拶から会話をしていこう、しかし怖えーなー‥‥‥

 

 「俺のこと知らないのか?、てかてめぇ男なのか、まぁいい俺の名はジェイは王直属の兵団『三銃士』の一人だ」

 

 「三銃士?、王直属の兵団のあなたが何故牢獄に閉じ込められてるですか?」

 

 「んなもん簡単さぁ、王に叛逆したのさぁ」

 男、ジェイの瞳が今まで以上に鋭くなり、気迫はピリピリとした殺気に変わり肌を刺す。

 

 「叛逆って‥‥‥何を?」

 

 恐怖を抑え込みどうにか質問を出す、この返答次第でジェイを外に出すかどうか判断しよう。

 「女だよ‥‥、俺達は一人の妖怪に造られた存在なんだ、その妖怪の名は古明寺さとり、そいつは現実逃避する為にこの虚構(きょこう)の世界を作ったんだ。

 人も自然も獣も雲も太陽も、だがなぁ余りにも完璧に作り過ぎちまったんだ」

 

 「完璧に作り過ぎた?」

 

 「あぁ完璧に、この世界の人物の数人を外の世界の人間や妖怪と何ら変わらないレベルになぁ」

 

 

 「あー、見つけた発見クマ!」

 

 

 後ろを振り返ると先程襲って来たゆるキャラ熊さんがいた。

 

 「袋熊!、この檻開けろ!、とっととあの馬鹿王さまシバいてさとり助けるぞ!」

 

 「ん〜んそれは無理クマ、だってクマは王様の味方クマ、それにジェイの探してるさとりは今ここにいるクマ」

 

 ゆるキャラ熊さんこと袋熊はそのゆるふわボディをグニャグニャとグロテスクな動きで変貌させ何かを吐き出した。

 

 それは桃色の髪の俺と同じくらいの少女だった。

 「さとり!、袋熊てめぇも裏切ったのか!」

 

 「クマはさとりちゃんを裏切ってないクマ、そうクマねー少し関係が変わっただけクマ、さとりちゃんにはこの世界を維持してもらうための装置になって貰うことにしたクマ」

 

 愛くるしい仕草で喋るゆるキャラ袋熊、しかし話しの内容が何やら物騒だ。

 

 「そんなにさとりちゃん(コイツ)が大切クマ?、クマには到底理解出来ないクマ」

 

 袋熊はその短い脚で少女を蹴飛ばす。

 

 ドサッと蹴られた少女は俺の足元まで転がって来た。

 

 「おい袋熊!、テメェなんてことするんだ!」

 

 怒号を上げるジェイに対して袋熊は‥‥‥

 

 「クマクマ、そうだ良いこと思いついたクマ」

 

 茶色の短い腕からヌルヌルと粘液を垂らす触手が飛び出す、何をする気なんだ‥‥‥、そのクマの怪しい行動を前に背中の剣に手を回す。

 

 「この触手でさとりちゃんを虐めちゃうクマ、痛くて恥ずかしい喜劇(ショー)の始まりクマ」

 

 こちらに行きよい良く飛んでくる触手、切ることは出来ないが防ぐことは出来るなら‥‥

 

 「アーサー退くことをオススメするクマ、君もさとりちゃん(そいつ)と一緒に辱められるクマよ!」

 

 剣を鞘から抜き撃ち構える、さぁこい!  

 

 決意を決めた次の瞬間だった 

 

 後方から激しい破壊音と共に一つの影が俺の横を通り過ぎ迫っていた触手をバラバラに踏み潰した。

 

 「バラバラになる覚悟は出来たかクソ野郎」

 

 目の前に立っていたのは先程まで檻に容れられていた王直属の兵団『三銃士』の一人ジェイだった。

 

 

 

 

 

 




 作「皆様すいませんでした、メルトをお迎えできた喜びが溢れてしまいました」
 ア「てか作者の嫁はアストルフォじゃなかったの?」
 作「はっ!!!!、俺はどちらを‥‥‥どちらを選べば‥‥‥‥」
 ア「お気に入り登録、コメント宜しくお願いします」
 
 
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