一介の人形遣いに何を求めているんですか…   作:影元冬華

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財布(諭吉)よぉーし!Wi-Fi環境よぉーし!急な仕事の予定なぁーし!

ステンバイステンバイ。







あの…秋葉原の扇子すごくほしいんですけど!!


嵐の前の静けさ

「____該当区域到達。指揮官、確認を。」

「“マタタビ荘”…うん、ここが合宿施設だね。現在時刻は…11時58分か、もうちょっと早く来れたかも。皆、お疲れ様。」

 

 

 

 一緒に走り回ってた第一部隊を一度基地に返し、ぐぐっと体を伸ばす。

 爆破と放火と零距離ショットを決めながら【装備】を使って全力疾走した結果、お昼前に施設に到着しました。予想だと11時30分のはずだったからロスが多かったかもしれない。森を駆け抜けるのは初めてだったけれど…人形達との訓練、という名のサバゲーを日ごろからやっていたのでそこまで大変だとは思わなかった。あの魔獣モドキは土の塊でイチコロだったし、邪魔だと思った密集地帯は若干加減して吹き飛ばしたのでそこまで苦労することもなかった。燃え広がりすぎないように調整するほうが大変だったけど。あ、でも地面がいきなり動き出したときはさすがに驚いた。一定のパターンがあったから2回目からは利用したけど…あれだけの広さで大規模な地形操作はなかなかのものだと思いました。

 

 

 

 

「…まさか、途中で抜かれるとは思わなかったにゃん。」

「え?途中でってことはあの森の中に隠れていたんですか。」

「そうだよ!!!というか、爆破はともかく放火はやめてほしかったよ!!こっちでも延焼が起きないように動くの大変なんだから!!!」

「あれ放っておいても延焼起きませんよ…。私の個性(人形)は優秀ですから!」

 

 

 

 

 ふふんっ!放火、もとい延焼に関してのスペシャリスト、Vectorが本気でやってますから!!でもどうしよう、この様子だと絶対12時前に生徒が着くこと想定していなかったっぽいね。

 自主練でもして時間潰そうかなぁ…と思っていた時、プッシーキャッツの…確か、マンダレイって言ったかな?その人がちびっ子を一人連れてこっちにやってきた。でもなんというか、すっごく目つきが悪い。なにゆえ。でもその前に相澤先生がのっそりと出てきたから指示を聞くことに。

 

 

 

 

 

「秀内、先にバスから物を下ろして部屋に運んでおけ。そのあとは昼食って他のやつらが来るまで自由にしてろ。」

「了解です。…あ、ここで個性使っちゃっても大丈夫ですか?」

「…迷惑にならん程度にな。」

「よぉし!カモン、IDW!!荷下ろししたら適当になんか作るぞー!」

「___ボディガードのお出ましニャン!!!」

 

 

 

 

 

 よし、荷物持ち兼本日のお供召喚完了!自由にしろって言われたけど…まあ、風呂でも借りようかな。そのあとに近接戦闘用の武器メンテと再設計済ませないと…。あとちびっ子、そう睨むんじゃねぇ…私が何をしたっていうんだ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…被っている気がする!!」

「諦めろ。あいつの個性はブラックボックスだからどんな奴が出てくるか予想できん。」

 

 

_____________

 

 

 

 

 

 一歩、右足を前に踏み込み上段から小太刀を振り下ろす。そのまま返す刃で下から上へと切り返し、左足を前に出すと同時に正面へと拳を振り抜く。その場で反転、空中にTMPの本体だけを顕現させて左手で持った瞬間に空撃ち。そのまま目の前に左手を出したまま少し待ち、構えを解く。くるくると右手で回した後に小太刀をしまい、同時にある違和感を振り払うために少し左肩を回す。呼び出したTMPの本体を消し、左肩辺りを少しさする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…駄目だ、やっぱり反応が鈍くなってきてる。」

「にゃー…指揮官、やっぱり無理はするべきじゃないにゃー。」

「まあ、そうなんだけどさ。でも、これだけひどくなってるとは思わなかったし……っい゛っつうぅ…!」

「指揮官!?」

 

 

 

 

 ズキリと突然痛み出したのは、かつて切られた左肩。予想外の痛みだったために、その場に膝をついてしまった。心配して駆け寄ってきたIDWに「一時的なものだから大丈夫」と伝え、少し離れたところに置いたウエストポーチから薬を取り出す。

 最近はあまり痛み出すことはなかったものの、いつも急に来るために流石に困ってしまう。大体は半日も放っておけば収まるが…そろそろ夕方になる。おそらくクラスのみんながこちらにつく頃だと思うので、心配させないように痛み止めを飲んで待機しておくとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 みんなが無事森を脱出してマタタビ荘にやってきたのは17時ちょっと過ぎ、夕日がきれいに見えるようなタイミングだった。先生に「先に食堂に行って飯の準備手伝ってろ」と言われたので、現在は私と何人かの人形で鍋を回したり炊きあがったご飯をお櫃に入れたりと結構忙しいです。さっきから唐揚げを油に入れていい感じになったら取り出す作業をかなりこなしてる。跳ねてくる油が痛い、あと量多いよ…何十キロあるんだこの唐揚げは…。

 

 

 

 

 

 

 

「ペーシャ、そろそろこのお皿をあっちに持って行ってー!スコーピオンは追加の野菜切っちゃって、IDWはそのままタマネギとニンジンを炒めてG36のとこの鍋に入れてー。」

「しきかーん、お櫃(おひつ)全部にご飯入れ終わったよ!」

「オッケー、ステンはそのまま調理器具洗ってるAS Valの手伝いに行ってー。」

 

 

 

 

「うおぉぉぉ!!!!すっげーうまそう!!!」

「肉!肉だ!」

「ああもう腹減ったーーーー!!」

「てか秀内!?お前何でそこに立ってるんだよ!」

「後ろにいる子たちかわいいな…お手伝いさんか?」

「メイド!メイドもいるぞぉぉぉ!!」

 

「ええいっ、いいからとっとと座れ!!唐揚げの割合減らすぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 一気に騒がしくなる食堂。荷下ろしが終わったから一気に流れこんできて来やがった!裏口の方から先生が来て「お前も座って食え」と言われたので離脱。ただし、まだ作業中だった人形達は切りのいいところで終わりたいらしく「もう少し動いてから下がりますねー。」と言ってくれた。すまんな、指揮官が先に飯にありつくんだからな…。

 女子組の席に座れば、そこにいたのは疲労困憊の様子の面々。あー、この様子じゃあ水を取りに行くのも大変かもな。

 

 

 

 

 

「水取ってくるけど、他になんかほしい物とかある?」

「だいじょーぶ…うぅ、流石に脚が痛いよ。」

「秀内さん、いつぐらいには着いたのですか?」

「水だけでオッケー、と。ああ、なんだかんだでほぼ12時だねー。周りに誰もいないのをいいことに暴れてショートカット状態だったから。」

『12時!?』

「お、おう…。てか、ところどころ樹がなぎ倒されてたり、木っ端みじんになったり、火事になってたりしてなかった?あれの犯人私なんだけど。」

「あの爆心地みたいなのお前がやったのかよ!」

「ますます秀内さんの個性が分からなくなりましたわ…。」

「ついでに言うとあそこに立ってる何人かも私の個性ぞ。そのうち帰…消えると思うけど。」

 

 

 

 

 

 

 益々わかんない、といった表情でこっちを見てくる面々。というか、B組も見てきてる。ええい、まずは飯を食いたいんじゃあ!!

 ひょいひょいと動き回る男子共を避けて、盆に水を入れたコップを人数分のせて席に戻る。峰田君他何名かがずっと吾輩の人形たちをイヤラシイ目つきで見てたけど…手を出せば地獄を見せるしかないな。いただきます!、とみんなであいさつした瞬間に唐揚げが消えていく。どんだけ肉食いたいんだよお前ら。そのほかの料理も順調に消えていくのを傍目に見ながら、自分で作った一部のおかずを評価していく。…うーん、もうちょっと時間かけれればよかったかな。

 

 

 そのあと、疲れすぎてテンションのおかしくなっている男子の叫びを聞きながら夕飯を済ませ、皆で大浴場へと移動してお風呂タイムとなりました。片付けはしなくていいとプッシーキャッツの方々に言われたので、ありがたーくそうさせてもらうことに。レッツゴー露天風呂!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________

 

 

 

「いやー、気持ちいいねぇ。」

「温泉あるなんてサイコーだわ。」

「あ、昼間空いてたのは男湯の方だったのか。まあ一人だったから問題ないか。」

「かなちゃんだけ2回入ってるのずるいよー!」

「いや、先についただけだからね?暇だったし。」

 

 

 

 

 なぎ倒した木を足場にしてお空飛んだり枝から枝に飛び移ったりしてたのでね。流石に葉っぱなり硝煙なりでそこそこ汚れたもん…。今は汗流す目的できたけど。あ、ちゃんと眼帯も外してきてます。目の傷が思いっきり見えちゃってるけど…うん、今くらいは大丈夫でしょう。

 かこーん、という旅館とかに置いてあるシシオドシは流石にないけどあったらよさげな露天風呂。広い風呂に澄んだ夜空、騒がしい車の音とかも一切ないこの場所は体を休めるのにはちょうどいいなぁー。これで雪が降ればもう文句は出ない。まあ、今の時期的にそれはないけど。

 

 

 

 

 

「…うん?なんか男子側の風呂騒がしいな。」

「そう?いつも通りに騒いでるだけだと思うけど…。」

 

 

 

 

 

 なんか、男子側の風呂から飯田君の声が聞こえる。いや、他の男子の声も聞こえるんだけど明らかに制止するような声なんですよ。てか、男子と入浴時間一緒なのかい!?

 …まてよ、男子側と女子側を遮るのは目の前の板のみ。しかし材質は木なのでその気になれば穴をあけたり上に上ることができ____

 

 

 

 

 

 

「峰田が覗きをするつもりか!!」

「ストップかなちゃん!!だったら隠して!!」

 

 

 

 

 ザバァ、と風呂から飛び上がったけど直後に腕を引っ張られて再度IN。一応、壁を確認すれば…おりょ?あのちびっこ…確か洸汰と言ったかな。その子が追い払ってというか突き落としてくれてたようだ。峰田の怨嗟の声がよーく聞こえてきます。ザマア。

 

 

 

 

「やっぱり峰田ちゃんサイテーね。」

「ありがと、洸汰くーん!」

 

 

 

 梅雨ちゃんと芦戸さんが上で門番してるちびっ子にお礼を言うと…あ、落ちた。…落ちたぁ!?ちょっと待て大丈夫かあれ!高さ的には5mくらいあるんだぞ!

 その直後、「ナイス緑谷!」って聞こえてきたから…きっとうまい感じにキャッチしたんだろうな。よかったよかった。

 

 

 

 

「さて、男子が覗いてきたし…ちょっと逆上せそうだから先に上がってるわー。…それに、ちょっと眠い。」

「早いねー。じゃあちょっと早いけどおやすみー。」

 

 

 

 本当はもうちょっと入っていたかったけど…左肩の調子が戻らないし、痛み止めの効果も薄れてきてるから早いとこ下がったほうがいいかなと思った次第でございます。うぅ、明日以降はのんびり入りたいよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ああ、見つけたよ。僕が付けた()が見えるよ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 待っていてくれ、僕の愛する人(殺したい人)よ。




やばい人もステンバイ。ついでに裏でいろんなこともステンバイ
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