一介の人形遣いに何を求めているんですか…   作:影元冬華

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休日出勤マジ許すまじ。




あとPSO2とヒロアカのネタが浮かんでは消えてを繰り返し、ドルフロ単体の話もネタはあっても中身ができませぬ…うぐぐ


今回、人形がほぼ出てこねぇ!!次回から暴れるよ!!


決め手と試験と参りましょうか

 必殺技。ある意味、アニメを見ている人ならば一度は考えるもの。それを自分で考えてやっちまえ!というのだからテンションが上がらないはずなどない。それを如実に証明するかのように騒いでいるクラスメイトと私の中で話を聞いていた人形達。…人形に関して言えば1個、Mod持ちなら2個はあるだろ!?まあ、私もあるんだけど…人形たちにしか見せてない物が。

 

 

 

「詳しい話は実技を交え、合理的に行いたい。コスチュームに着替え、体育館γに集合だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 体育館γ、通称「TDL」…トレーニングの台所ランドって言う名前らしいけどその略称はまずいですよぉ!?ありありと浮かぶ目元に黒い線を引かれたネズミのキャラクターの声が…。

 この体育館、やはり雄英が持っている体育館でヒーロー科が使うことが前提らしく、広さも高さも半端ない。建築法に引っ掛からないのかすごく気になるけど、たぶん気にしたら負けだと思う。

 

 周りの環境を気にしてきょろきょろしてたら、いつの間にか相澤先生達の説明が始まっており、急いでそちらを聞くことに。うっかりしてた…ちょっと気が抜けてきてるかもしれない。

 

 

 

 

「____ヒーローとは事件・天災・事故・人災…あらゆるトラブルから人を救い出すのが仕事だ。取得試験では当然、その適正を見られることになる。情報力・判断力・機動力・戦闘力、他にもコミュニケーション能力や統率力といった多くの適性を毎年違う形で試される。」

「その中でも、戦闘力はこれからのヒーローにとって重要視される項目となります。備えあれば憂い無し!技の有無は合否に大きく影響する。」

「状況に左右されることなく安定行動をとれば、それは高い戦闘力を保有していることになるんだよ。」

 

 

 

 

 上から順に、相澤先生、ミッドナイト先生、セメントス先生で説明を受けた。ふむ…状況に左右されない行動か。…あれ、もしかして私の場合人形呼ぶことがそれにあたるんじゃないのかな?

 

 

 

 

 

「______つまりこれから、後期授業開始まで残り10日余りの夏休みは…”個性”を伸ばしつつ必殺技を編み出す圧縮訓練となる!」

 

 

 

 

 

 轟音とともにできる高低差の激しいフィールドと大量に作り出されたエクトプラズム先生の分身体。なるほど、確かにこれなら指導を受けつつ同時に何人も鍛えることができるだろう。

 

 

 

 

 

「尚、個性の伸びや技の性質に合わせてコスチュームの改良も並行して考えていくように。_______プルスウルトラの精神で乗り越えろ。準備はいいか?」

 

 

 

 

 

 さて、何をどうしていこうかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_______________

 

 

「やってるねえ。特に用事もないけど暇だったから来てみたよ。」

「オールマイト…その怪我ですから休んでいてくださいよ。」

「オイオイオイ、つれないなぁ。必殺技の授業なんだろ?そんなのみたいに決まっているじゃないか!」

 

 

 

 挨拶代わりにマッスルフォームになったオールマイト。相澤先生がそれを宥めるが本人はさほど気にしていないようだ。

 目の前のフィールドでは氷と炎が天井付近まで上がっていたり、作られた壁を爆音とともに壊れるなど各々が必殺技を編み出そうとしているのがありありと感じられる。だが、ある程度の生徒の位置が変わりその姿を見ることができる中、全く姿の見えない生徒が一人いることに気づいた。

 

 

 

「…うん?秀内少女の姿が見えないのだが、保健室にでも行ったのかね?」

「いえ、居ますよ。…いや、本当にどこに行ったあいつ。」

 

 

 

 

 出現しているエクトプラズムの数は21体。そこだけを見れば全員居るのはわかるが、生徒の数を数えれば20人しか見えない。白い軍服のようなコスチュームを着ている以上、それなりに目立つはずだ。

 そこから考えられたのは、個性による行動。

 

 

 

「あいつ、もしや姿を消しているのか?」

「彼女の個性は最終的に【召喚】になったはずだが…いや、その呼び出した人形が規格外すぎるのか。」

『正解ですねー。あ、でもちゃんと私はここにいますから!さぼってどっかに出たりはしてませんから!』

 

 

 

 

 姿を2人で探していれば、突然声が真後ろから聞こえてきた。だが、そこには誰の姿もなくあるのは体育館の出入り口だけだ。相澤先生が個性を発動させて扉の方を見ても何も変化がない、ということはそこには本当に誰もいないのだろう。不思議に思っていると今度は目の前から声が聞こえてきた。

 

 

 

「あー、後ろから聞こえてきてる感じだと思いますけど…私は離れたところにいましたよ。」

「っ!…おい、いきなり目の前に立って話しかけてくるな。心臓に悪い。」

「すみません…でも、今の2人の反応で効果抜群ということが分かりました。ついでに言うとエクトプラズム先生の分身と本人も欺きましたし。」

 

 

 

 

 あっはっはー、と言った感じで笑っている秀内。だが、本当に声を掛けられるまで目の前にいることに気が付かなかった。今は教師としてこの場に立っているが、プロヒーローである以上気配を感じ取ることに関して、それなりに自信はあった。衰えたとはいえ、ついこの間までは前線に出ていたオールマイトですら分からなかった、ということは…本当に姿を消していたのか。

 

 

 

 

「秀内、一応聞くが何をどうしたんだ?」

「えっと、2つやってたんですけど…一つはあの声ですね。本来は呼び出した人形たちに指示出しするときにしか使わない通話、というより念話?のようなものを使って最初に声を掛けました。それで、本当に聞きたいのはこっちだと思うんですけど…実際には姿を一切消してません。強いて言えば認識をずらして『見えているのに見えていない』状態にしてました。」

 

「…は?」

 

 

 

 

 一瞬、説明されたことが分からなかった。念話、と言っていた方に関してはプッシーキャッツにも一人いるから分かるが、もう一つの方である「認識をずらす」ということに関しては理解が一瞬で追いつかなかった。オールマイトは覚えがあるようだが…恐らく、ずらしたとしてもここまでのものではなかったのだろう。

 だが、問題はそれをどのようにして発動させたのかだ。秀内の個性は召喚、ほとんど人にしか見えない人形を呼び出し、それを使役することで戦うものであるはずだ。その応用で人形を自分自身に装備することで身体能力なども向上すると聞いたことはあったが…。

 

 

 

 

 

「実際に見せたほうが早いかもしれませんね。____アーニャ、私の姿を別のものに。とりあえず、ここにいる人のうちだれかでね。」

 

 

 

 そう秀内が誰かに話しかけると…瞬きをした直後、その姿はミッドナイトになっていた。だが、先ほどからミッドナイト本人は少し離れたところで蛙吹の指導をしており、こちらには来ていないはず。目の前にいるのは紛れもなく秀内である、はずなのだが姿かたちがそのままミッドナイトであるため、確証が持てないくらいである。

 

 

 

 

「…ミッドナイトの姿になっているのか。」

「む?セメントスではないのかね?」

 

 

 

 ぽつりとつぶやけば、隣にいたオールマイトはセメントスだという。だが、相変わらずこちらはミッドナイトの姿であり、そこから変化した様子はない。

 その反応を待っていましたと言わんばかりに秀内は笑いながら説明をする。

 

 

 

「はい、そうです。相澤先生にはミッドナイト、オールマイト先生にはセメントスの姿に見せています。ついでに言うとこっちを見てるクラスのみんなには校長の姿にしてたりします。____こんな感じで、私の人形の一体の能力をフル活用すればだまし討ちや同士討ちをさせることができます!…長時間使えないのが弱点ですけど。」

「お前の人形は本当に人形なのか?」

「人形ですよ!?ちょーーーっと美女ぞろいのつよーい銃を持って戦う人形ですよ!人だったらここまでできませんし。」

「それができるから個性なんだろうが。それで、その必殺技の名前は何という名前にしたんだ?」

 

 

 

 ひとしきり説明、というより若干の自慢が入った気もするが。秀内は技の名前を聞かれてハッとした表情をした。こいつ、考えてなかったな。

 

 

 

「お前の場合、現時点で十分すぎるからこれ以上どう指導すればいいか分からないしな。強いて言えば時間を伸ばせということか。ともかく、名前は考えておけ。名前を付けることで型になり、すぐに発動できるようになったりするからな。」

「了解です。…名前かぁ、考えたことなかったな。」

 

 

 

 

 

 考えながらフィールドの奥へと移動していく秀内を見ながら、オールマイトに声をかける。オールマイトもオールマイトで、どこか考えているような感じであったが。

 

 

 

 

「…今の、どう思いましたか。」

「そうだね…まずは私たち二人を完全にだまし切ったところからして相当強力であるのは分かった。本人はさほどすごい事とは思っていないだろうが、プロ2人を欺き…なおかつ完全に姿かたちの違う人物に認識させていた。それに特化していると言っても過言ではないくらいにね。」

 

 

 

 

 

 ありえないものを見た、と言いたげな調子のオールマイトの声に同意してしまう。

 体育祭で見せた桜吹雪のようなバリアとも言えるものは大規模で発動しており、同じ規模の轟の氷ですら無効化した。期末では召喚することができる人数の多さから手数と集団行動、戦闘力の強さを。そして林間合宿では荒地をものともしない機動力と空間把握の強さを見せた。

 この時点で並みのヒーローの実力を超える制圧力の高さがあるが、それ以上に秀内は切れる手札を持っていることになる。底知れぬ能力の高さと汎用性に、こちらが若干の恐怖を覚えるくらいに秀内は様々なことをしてくる。

 

 おそらく、オールマイトも同じようなことを考えているだろう。

 

 

 

 

「秀内の場合、正面からの近接攻撃に持ち込まれればあまり対処できずにやられるでしょう…それこそ、切島や爆豪に一瞬でやられるくらいには。」

「ああ、だが彼女場合そこに持っていくまでの間で決着がつくだろう。さらには今のような認識阻害もあると来た。そのほかにも出していない札をいくつも用意しているはず…。それほどの手札を使いこなす実力もそうだが、あれだけ連続で大規模となれば体力も相当必要だろうね。」

「期末の時の記録を見れば…かなり高精度な索敵も可能なようでした。さらには先ほどのように声が届けば後方からの救出支援や指示出しもできるでしょう。______特化していないが故に、決定力には若干欠けますがそれを補う手数の多さが武器になるでしょう。」

 

 

 

 

 

 

 奥へと移動した秀内を再び見れば、何もないところから赤い軍服を着た大きめの銃、ライフルを背負った凛々しい女性が現れ何かを話している所だった。相変わらず、いつどのように召喚しているか分からない。予備動作もなく、目立つ兆候もない。しかも呼び出す人形は数が多すぎて把握できない。これだけでも、既に危険ともいえるものであり、秀内の強みだろう。

 

 

 

 

 

「______まあ、今から心配してもどうにもならないことですし。あいつが正しい道を行けるように導くしかありませんね。」

「うむ!さて、私は緑谷少年の所へ行ってくるよ。相澤君、君も回ってみたらどうなんだい?」

「遠慮します。自分できっかけをつかんでからでなければ、教えるのは合理的ではないので。」

 

 

 

 

 

 

 今は見るだけにしておこう。

 

 

 

 

 

_________________

 

 

 

 訓練の日々はあっという間に過ぎ、ヒーロー仮免許取得試験当日。

 移動のためのバスの中は緊張と不安と興奮が入り混じったような雰囲気であり_____会場に下りれば、それはさらに膨らんでいた。周りを見れば他校の生徒で溢れかえっており、それぞれから感じられる雰囲気はどれも「強味」を感じる。だが、圧倒的に負けると思えるものはほとんどない。油断をしなければ恐らく大丈夫だろう。あとは、調整を間違えないように気を付ければいいだけか。

 

 荷物であるコスチュームの入った箱を持って下り、クラスで気合を入れるために円陣を組むらしい。おー、と思って集まった時に一つ視線を感じた。…気のせいか、一瞬風が乱れたような気もしたけど。

 

 

 

 

「せーの…Plus…Ultra!

 

 

 

 

 なんでその視線を送ってきた人もいつの間にか混ざっていたのか、めっちゃビビったんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 コスチュームに着替え、試験官のヒーロー公安委員会の人から第一次試験の説明が始まった。巨大な会場には隙間が一切ないくらいにたくさんの生徒が集まっており、どのような試験になるのか、周りはどのような特徴を持っているかなどの情報収集や様子見と言った感じにもなっている。

 

 説明によれば、一次試験の内容は試験者同士による弾当て。自分に付けた3つのターゲットに当てられないようにしながら、他の生徒2名を倒すというものだ。渡されるボールは6個のみ。だが他者から奪ってはいけない、一人に3個自分で当てなければならないとはないため、実際は同じ学校同士での協力、他校との勝負と言った感じになるのだろう。入試以上に厳しいルール、だがここまでやらなければプロにはなれない、ということだ。

 

 説明が終わり、ターゲットとボールを配ると言ったが…展開後とはいったい…?

 そう思っていると、突然施設が揺れたと思ったら壁が分離してすべて外側へと倒れていく。そこから見えるのは…ビルの立ち並ぶエリア、崖のように切り立ったフィールド、廃工場に水辺や森林と様々なエリアだ。なるほど、自分の有利なところで争うことができるわけだ。物を受け取り、クラスのみんながいるところへと行く。今回の場合、私は支援に回ってみんなの援護をした方がよさげだなぁ…。今回は戦闘でも指揮でもいいようにと黒いコートタイプのコスチュームを着ている。外骨格のタイプのように戦闘に全振りしているわけでもなく、かといって後方にずっといることを想定していないので軍服の方でもない。ライトアーマー、というところだろう。

 ダッシュで移動しながらとりあえず私の動きをみんなに伝える。爆豪とそれについていった切島、轟君はもう別方向に行ったみたいだけど。

 

 

 

 

「みどり…デク、一応聞くけどどういう方針で行く?私は攻撃じゃなくて援護に回るよ。」

「皆バラバラじゃないの?爆豪君や轟君みたいに。」

「だってほら…僕らはもう手の内がばれているんだ。学校単位の対抗戦になるのなら…一番最初に潰すのは出方の分かるところからになる。個性が分からないというアドバンテージを失っている高校…つまり僕らは_____」

 

start!!!

 

 

 

 

「______格好の餌だからねっ!!」

 

 

 

 

 

 

 叫びながらこちらへと飛んでくるボールに対処していく。最初に狙われるのが分かれば対処はまぁ、楽になるよね。数はつらいけど。でもこの程度で被弾するほど生ぬるい訓練をしていたわけじゃない。

 

 

 

 

 

「締まって、行こう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう叫ぶ緑谷君、いやデクの掛け声が開戦の合図となった。




しばらくお休みしていいですか????(疲労困憊の顔)大体1週間から2週間くらい!!

低体温症来たら余計に遅くなりますねぇ…あ、前日に公式がニコニコで生放送するので見ましょうねー!

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