あと軽率にM16をバイクに乗せて鉄血仕様にしていく作者。描写…
最近「星と翼のパラドクス」というアーケードゲームを始めました。めっちゃ楽しい。けどね…あれはなんというか…
弟「あんなの、羽のついたブラストよ!!!」(コマンドー吹替のセリフのように)
姉「だったら飛んで撃てばいいだろ!!」(コマンドー風に)
※ブラストとはボーダーブレイクに出てくる機体の総称です。ネフェリム最高。ティアダウナー許さない。
追記:活動報告にて今後の更新についてちらっと発言してます。単純に遅れるだけですはい。
「それで、どこまで把握できてる?」
「何も。ただまあ、ネットワークを監視していたM1887が「雄英の寮に対する情報が多く流れてる。あと周辺に一般車両に化けた警察関係の車両を確認しているわ。」っていう報告があったから監視網を敷いて通信を傍受していたら…強硬だよ。そのあとは今の通りさ。」
4ストロークエンジンの振動と音を感じながらM16に状況を聞いていく。今走っているのは雄英や都市部から離れた郊外、平日は通る車両の少ない山道を走っている。どこに向かっているかは分からないが、恐らくは現実世界のほうに出てきていろいろとやっている人形たちの誰かが拠点としている場所に向かっているのだろう。
木々に挟まれた山道ではあるが、連休などでは多くの車両が通るためそれなりの整備が施された道は目立った穴やヒビ、補修の跡などはほとんど見当たらない。こんな状況でなければツーリングやドライブを楽しむのにちょうどいい場所だろう。
それにしても…事前に学校側に通さず直接乗り込み。入り口の守衛には緊急事態だ、とでもいえば後回しにして乗り込むくらいは容易にできるだろう。プロヒーローと警察では、権限としては警察が上であることに変わりはないから、ということもあるが。
「指揮官、通信のできる電子機器の類は?」
「持ってきてない。入り口で警察を名乗った時点で追跡の可能性があったから全部置いてきた。PCに関してはM1887が工場出荷状態にしたはずだから問題なし…といっても、あのPCには大した情報なんて無いと思うけど。入っていても暗号化しているし、解読してもそこからアナログな方法で読み解かないと意味ないし。」
「ならいいな。通信端末に関してはあとで45が持ってくる手はずになっている。あとはこのまま_____霧島組の所に走る。」
「分かった…それと、M16。」
「ああ…見えている。随分と早い段階で追っかけてきたようだな!」
その言葉を皮切りに、グイっと体にかかる重力と風、そしてエンジンが吼える音。後ろに見えるのは…おおよそ、警察の物には見えないごく一般的な4輪普通自動車が逃がすまいと追従してきている。今走っている道は1本道のストレート、それがしばらく続いた後は急カーブが連続する下り坂と崖がある。狙い目は急カーブの連続する場所だ。
ちらりと後ろを見れば、中にいるのは2人。助手席に座っている一人は窓から身を乗り出して何かをしようとしているのが見える。おそらくは…こちらの足を止めるために個性を使うか、あるいは______撃ってくるか。
「M16!」
「ああ、いつでもできる!」
「それじゃあ頼んだ____M16【
一瞬、体から力が抜けそうになるような感覚。しかし、それを気力でカバーし、態勢を動かさないようにしっかりとM16の腰にしがみつく。運転しているM16は私が出した許可と共に一瞬で姿を鉄血の物へと変え、流れる水のようにたなびく髪が白く染まっていく。
それと同時に後ろタイヤの右横で何かが爆ぜた。後ろから身を乗り出している1人の個性による攻撃だ。
「これで相手の目的がはっきりしたな。あっちは
「だろうな。それで、こちらの方針はチェイスでの時間稼ぎと逃走…車両への被害は?」
「許容範囲、死なない程度に抑えてね。_____しばらく表に戻れなくても、流石に殺人は勘弁だから。」
「了解した_______振り落とされるなよ!」
ブゥゥンッ、と一際大きく唸るエンジンと同時にかかる横荷重と一瞬の浮遊感、そして下から突き上げるような強い衝撃。M16はバイクを一瞬空中に浮かせ、180度回転させたあと____後ろにいた車と真正面から突っ込むように走りはじめた。焦げたタイヤのゴムの匂いとガソリンが燃える独特の匂い、そしてヘルメット越しに聞こえる風切り音を聞きながら振り落とされまいとしがみつく。幾ら他の人と比べて力があるからといって、流石にここまでやるのか。少し油断すれば今頃肉塊になっていてもおかしくない。
ダンッ、ダンッ、と2発の銃声。それが聞こえたと同時に追って来た車とすれ違う。時速100kmを超える車とバイクがすれ違うのはほんの一瞬、その間にM16は弾をフロントガラスと天井部分の隙間、つまり境界部分に的確に命中させ_____車のフロントガラスは設計された通りに粉々に砕けていく。
そのまま今まで走っていた道を戻るように疾駆しながら、M16はさらにバイクを加速させた。
「初弾命中、人的被害は…まあ、車がぶつかったことによる衝撃とかだろう。運が悪ければガラスが目に入っているかもしれないが。」
「十分。あとね…流石にアクション映画以上の事されるとは思わなかった。」
「だから言っただろう?振り落とされるなってな。」
「限度があるでしょう…。」
『指揮官、ご無事ですか!』
「一〇〇式、大丈夫、無事だよ。それで_____雄英の方はどうなってる?」
少しふらつく視界を無視しつつ、通信を入れてきた一〇〇式に答える。…うっわマジで目が回る。しがみついてないといつ落ちてもおかしくないくらいだ。
それからしばらくして、一〇〇式は気まずい感じで報告をしていく。声の調子からしても、相当悪い方向にあるとすぐにわかるくらいに。
『非常にまずいです。指揮官の私室は完全に捜査と言って立ち入り禁止、寮内にいる生徒も自室待機を命じられています。』
「やっぱりか…。くそっ、これだけのことをして来るのは初めてだ。」
『ですが…どうやら雄英側にも話は通っておらず、警察と校長が睨み合いをしています。雄英と関わりの深い部署や所属ではないようです。』
雄英と関わったことのない部署…?ふと、一〇〇式が推測で言った言葉が気になった。
雄英にいるのはプロヒーロー。例え教師であるとしても、要請があれば現場へと赴き、敵の鎮圧・確保をする以上、それなりに警察と関わりがある。それこそ、捜査や逮捕を任される部門のほかに、治安維持のためのパトロールを担当する部署や、盗難などの物を扱う部署などだ。そこまで警察と深いはずのヒーローたちすらも睨みあいをするくらいに知らない、あるいは強硬を取った部署というのはいったいどこなのか。
『インターンで外に出ている生徒は例外、というよりまだ確認していないだけという可能性もありますが…ほとんどの雄英生に警察権限で配信された緊急メールもあります。詳細は…今M16に送りました、確認を。』
「…おいおい、今回暴れてるやつらはどれだけの権限でこんなことをしているんだ?」
「M16、詳細を。」
「ああ、生徒が一人事件を起こしたから部屋から出るなって言うのと____指揮官を見つけたら即刻警察に連絡しろ、というものだな。それこそ、不自然なくらいに無理矢理感の出ている文面だ。」
M16が吐き捨てるように言う。確かに、権限がいくらあるとはいえ
だとすれば、今回の相手は…私や提督と同じ境遇である人間、つまるところ「転生者」という可能性が浮上する。だが、なぜこちらを狙ってくる必要が?
「…駄目だ、情報が足りなさすぎる。推測も仮定もできないくらいに不足、それでいて相手は権力も装備もあるのに対してこちらは現実での備えが薄すぎる。一〇〇式はそのまま情報収集、ROとSOPを補助に付ける。」
『了解。…指揮官、くれぐれも、くれぐれも無茶はしないようにしてください。』
「大丈夫だって、死ぬのはごめんだし。それじゃあ、任せた。」
不安そうに訴える一〇〇式の声に、問題ないとはっきり応える。今までにどれだけ心配をかけたか、自覚している部分もあるので尚更だ。
「さて、次の追手が来る前に少しでも行方をくらませるぞ。」
「分かった…でも事故るのは勘弁だよ?」
「運が悪ければ_____なっ!」
M16が再びアクセルを回し、けたたましい音と共に速度を出す。
それでも_____どれだけ風が吹きぬけていこうと、心の中にある不安感や疑問は消えることはなかった。
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ピピッ、という短い電子音が携帯に着信が来たことを知らせる。未だに起き切らぬ頭を無理矢理働かせ、画面に表示された文字を見る。そこに書かれているのは_____「初動失敗、対象確保ならず」の文字。
予想はしていたが、思わず不満を吐き出し、舌打ちをする。それを聞く人間などいない為に、全く気にしてはいないが。
カーテンを無造作に開き、そのまま入ってきた日光に思わず顔をしかめ、目を逸らす。その目線の先で床に散らばった書類にはPCで書きこまれた無機質で、機械的にキレイに並ぶ文字の横に手書きで追加された情報と推測が。壁に貼り付けられた地図には多くの丸印とバツ印、そして________大量に張られた戦術人形の写真があった。
その写真を見た瞬間、ズキリと頭が痛む。同時に、早くあれを壊したい、とも。
「ああ…全く、全く不愉快だ。こんなものを押し付けられた挙句、反動で6年も寝て…こいつらを抑えるのがどれだけ大変な事か。」
怨嗟とも思える声で、呻くようにつぶやく。それでも、少し頭を振って深呼吸をし…表向き用の顔を
「お早うございます。___報告は受け取りました、これから本部に出るので特務3班を呼んでおいてください。…ええ、わかっています。これだけ大きいことをしている以上、長い間抑え込むのは難しいでしょう。ですが…犯人を、彼女をとらえることができれば何とかなります。そのためには_____」
言葉を切り、相手に顔が見えないのをいいことに人前に決して見せることのできぬ笑顔で答える。
あいつを捕まえ、自分の中にいるこいつらが望むままに殺す瞬間を思い浮かべながら。
「_______雄英の生徒を味方にする必要があるはずです。その役目は、僕が引き受けましょう。多少無理があっても何とかなるはずですから。」
憎いあいつを殺すために。これは、その予行練習だ。
「…。」
「ホークス、何を見ている?」
「なぁ、この子って君の同級生じゃない?」
「…?…奏!?」
「やっぱりか。一つ聞くけどさ______」
「_____なっ。」
「ならいいよ。それで、答えは?」
「…。」
「まあ、いいけど。でも____あまり時間はないよ?」
「…あいつは、こんなことするわけがないだろう!」
「なら、それを証明しに行くよ。と、言ってももう動いているんだけど。」
早すぎるって言うのは、噂じゃないんだよ。