我の相棒がバッドエンドを迎えるわけがない   作:もよぶ

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第一話

体育祭を終え後に控えた大きなイベントが修学旅行となったある日の事

彼がベッドに潜り込んだ時それは起きた。

 

「このままですとあなたは死にます」

 

さっき布団に潜り込んだと思ったらいつの間にか何もない空間で椅子に座っており、目の前に同じく椅子に座っている青い長髪の女性に告げられる。

 

「いいこと?死ぬのを回避するにはあなたが心に思っている女性とお付き合いしなくていけません!女性から告白されるかあなたが告白するかどっちでもいいわ、ともかく想いを伝えあってお付き合いすること!」

 

「あ、あのい、いったいなんのことを言っているんです?そ、それにあなたは誰なんですか?それにいったいここはどこですか?た、確か僕は寝ていたはずなんですが?」

 

「ああ、ごめんなさい、私は死んだ人を導く役割、そうね...女神と呼ぶといいわ、ここは死んだ人と面接するするところなんだけど...」

 

「え?ぼ、僕は死んじゃったんですか!?」

 

「ちょっと落ち着きなさい、まだあなたは死んでいないわ、でもこのままいくとあなたは死んじゃうのよ、具体的に言うと自殺ね」

 

「自殺って...いったいなぜ...」

 

「ともかくあなたは自殺するのよ!でもね、あなたは若くして死ぬ人のリストには載って無いの、だから死なれたら困るのよ!しかもあなたが死ぬことによっていろんな人の人生が狂わされるのよ?」

 

「え?ま、まあ、確かに学校ではボッチですし友達も少ないですが、自殺するほどでは...」

 

「それがしちゃうのよ!あなたのその変な性格のせいで!お陰で今まで以上に仲良くなるはずの女の子達と今回の修学旅行であなたがやらかしちゃったせいで微妙な関係になって人間関係がこじれて誰も信じられなくなって、女の子達から告白されるのに変な考え方をして自分を追い詰めて、告白してきた相手を信じられないとか、そもそも自分は告白される価値はないとか、選んじゃうともう片方に悪いとか、自分がいるからこんなことになるとかメンドクサイこと考えて自殺するなんて変なルートになっちゃうのよ!本当は誰もが羨むカップルになれるはずだったのに!」

 

「??修学旅行?修学旅行はまだ先ですが?そ、それに今まで以上といわれてましてもですよ?ぼ、僕の回りにそんな人は居ませんが?二次元になら居ますけども...」

 

「はぁ~?こんなかわいい子達と同じ部活にいてよくそんなことが言えるわね!あなた何様のつもりよ!」

自称女神は履歴書のような資料を見ながら怒鳴る

 

「ちょっちょっともしかして誰かと勘違いしてませんか?僕は部活には入ってませんが...」

 

「は?...総武高校2年で学年中からあまりよく思われなくて常にボッチ、奉仕部というここの書類に書いてある美少女がいる部活に常に要り入り浸っている!そして何よりその腐った目!ちゃーんと事前のリサーチで調べはついてるのよ!比企谷八幡!」

 

「...いえ、僕は材木座義輝って言いますけど...」

 

「...は?冗談も大概にしなさいよ?こっちはちゃんと調べてるのよ?」

 

「...いえ...そ、そのおっしゃることは確かにその通りなのですが...ぼ、僕もみんなにあまりよく思われてなくてボッチですし、奉仕部には自作の小説をよく持っていきますし、目が腐っているのは最近徹夜でゲームをしたり小説を書いたりしてるので恐らくそのせいかと...そもそも八幡とは顔も体型もまるで違うのですが...」

 

その言葉に自称女神はやってしまったという顔をする。

「...あっちゃーなによーおんなじ条件の人もう一人いるじゃないの!、んもー私は悪くないわよ、最近導入された最新のAI搭載のフィルタリング召喚装置とか言うのが悪いんだわ!上司が『この条件に当てはまるのが比企谷八幡だ、こんな変なやつ早々いるもんじゃないからこの程度の条件で大丈夫だろ、さっさと召喚しとけ』なんていっててさぁ~、それに容姿の情報は目が腐ってるしかくれないんだもん!女性の情報だけは写真つきできちっと渡してくるのに、何が異性には詳細データは見せられないよ、コンプライアンスなんて糞くらえだわ」

 

そういうと自称女神は携帯を取りだしどこかへと電話し始める

「あーもしもし?なんか間違った方を連れてきちゃったみたいで...いえそれっ情報をきちんと渡さないそっちの責任ですよね?...ええ...はい...しかしそれでは...」

何やら揉めているようだったが

「...分かりました。とりあえず目の前の彼のデータをこちらに転送してください...今更コンプライアンスとか...こうなったら彼に...ええ、よろしくお願いします。」

そういうと自称女神は今度はタブレットらしき端末をとりだして操作し始める。

「あー君、うーん材木座君?成る程、これなら好都合ね...」

自称女神はタブレットらしきものを操作しながら納得したように頷く

 

「あ、あのさっきの話からすると八幡が自殺しちゃうんですか?一体何がどうして自殺なんて...」

 

「うん!あなたは知らなくて当然ね、ちょっと未来の話ですもの、修学旅行の時に起きる比企谷八幡の取り巻くおかしげな状況が起因してるのよ」

 

「や、奴なら同じ部活の3人で回る予定があるとかリア充じみたこといっていたような気がしますが?」

 

「その修学旅行でね、彼と彼の大事にしている人たちは大いに傷ついてしまうのよ。原因は...うーん...まあみんながみんな比企谷八幡に期待しすぎてその期待に応えようとした結果?みたいな?」

 

「一体何が起きるのです?」

 

「君は聞かないといけない立場にあるからね」

そう言って自称女神は戸部が奉仕部に持ち込んだ依頼から葉山や海老名の思惑、嘘の告白行われるまでを順を追って説明する。

「とまあこんな感じで相反する依頼を受けその解決方法として誰にも相談せず、嘘の告白をしちゃうんだよね。『今は誰とも付き合うつもりがない』って言葉を引き出して聞かせるためにね、おかげで3人ともバラバラよ」

 

「...なんというか八幡らしい解決方法だな、しかしみんな八幡をなんだと思っているんだ?期待しすぎだろう」

 

「まあ、文化祭での一件が大きかったんじゃない?」

「...あれか...」

 

「おかげで彼を知ってるものは彼だったらどんな難しい状況をなんとかしてくれるなんて期待しちゃったんだろうね、まあそれはそれとして、その一件が尾を引いて比企谷八幡は二人から告白されたときに選ぶことができなくなって問題の効率的な解決策として自分を消す、つまり自殺しちゃうのよ!そして比企谷八幡が自殺したことによって彼の関係者達が自分のせいで自殺したんだとか勝手に思ったりあいつが悪いとか始まって、人間関係が急速に悪化したり後追い自殺やらリストカットやら精神壊すやらめちゃくちゃになるのよ!」

 

「...なんかものすごいことになっちゃうんですね、というか二人って奉仕部の?にわかには信じられませんが、なら八幡をここにつれてきて説得すればいいんではないでしょうか?」

 

「うーんそうしてやりたいのは山々だけど...実は生きている人を連れてくるのって結構ギリギリなことなよねぇ...上司が色々ごまかしてこうやってつれてこれたわけ、間違っちゃったけど、だからもう一回とか難しいのよ...」

 

「はぁ」

 

「だからあなたにお願いするのよ、このタブレットに転送されてきたデータによるとあなたは比企谷八幡によく相棒っていってるそうじゃない!相棒のために一肌脱いでよ!」

 

「脱ぐっていったい何をすれば...」

 

自称女神は呆れた顔になり

「話聞いてた?このままだとあなたの相棒比企谷八幡は自殺しちゃうの!それを防ぐには女性とお付き合いするしかないの!ここまではわかる?」

 

「はぁ」

 

「だからあなたはそれサポートをするの!」

 

「はぁ」

 

「ちょっと話聞いてる?わかってるの?」

 

「あの、そのタブレット?で僕のことが分かるみたいなんでわかると思うんですが、僕はそんなことしたこと無いですし大体僕自信も女性とお付き合いしたことも無いですし...それにさっきから聞いていると告白よりもその依頼をどうにかすればよいのでは?」

 

自称女神はハッとなると

「ま、ま、そうね、もちろんそれも考えてたわ!で、でも!さっさと告白してお付き合い始めた方が手っ取り早いでしょ?」

 

「あとあの二人は八幡が本当に好きなんですか?なんか嫌々連れ回してるうにしか見えませんし八幡もあんまり関わりたくなさそうでしたが?」

 

うさんくさそうな目で疑問を呈する材木座にため息混じりで自称女神は答える。

「あなた奉仕部によく顔を出してるそうじゃない、そこで比企谷八幡と女性二人を見てなんも感じなかった?」

 

「いやまぁずいぶんと八幡に対して結構な物言いをしているようでしたが、八幡はそれに対して引けをとらない感じで、由比ヶ浜殿は常にやり込められてましたし、雪ノ下殿には毒舌に屈せず飄々と返してましたがそれがいったい?」

 

「あのね、あの二人は比企谷八幡にしかああいうことを言わないのよ?それに彼や彼女の言っている言葉通りだとして本当にそういう人と一緒に部活したいと思ったり外で一緒に行動したいと思う人がいると思う?あなたも女子に色々言われたことぐらいあるようだけど、その時と比べてどうだった?」

 

「...確かに、自分が女子に言われる時は心底嫌そうな顔で言われてましたね、そもそも会話したくないというか腫れ物に触るような感じで背を向けられることの方が多かったです。八幡が奉仕部で言われてるときとは全く違いますね」

 

「あなた男友達は少なからずいるでしょ?彼らと軽口叩くように、彼女らは彼にある程度心を許してるのよ?そして彼も同じ、自分では気がついていないようだけどね。だからああいう物言いになっちゃうわけ、そしてこのままいけば親密な仲になるはずだったのに、修学旅行の時に比企谷八幡が予想外のことをしてくれちゃって!」

 

「はぁ、そうですか、まぁ僕にとっては奉仕部の女子は僕のラノベを読んでくれる希少な存在ってだけですが、しかしその、百歩譲ってその付き合うサポートをするとして、実のところ八幡はどっちが好きなんです?どっちのサポートすればよいので?」

 

「どっちもよ」

「はぁ?」

「だからどっちも同じぐらい好きなのよ」

 

その言葉に材木座は声を荒げてしまう

「は?なにそれ?あやついつも俺はボッチだとか一人がいいとか抜かしてたくせに!ふざけんな!色を知る年か!だったら今すぐ告白してハーレム王でも宣言すれば良かろう!我は明日にでも八幡に「あの二人はお前のことが大好きだってよリア充爆発しろ」とでも宣言してくるわ!これで万事解決であるな!」

 

鼻息を荒くして若干怒り気味の材木座を自称女神は慌ててなだめる

「ちょっ興奮しないで、なんか口調も変わっちゃうし...あーそれがいつもの口調なのね。OK、OK、んでまあデータ見る限り一応健全にどちらかを考えてるみたいだけど...なんだか不確定要素が多すぎるわね、あの二人も覚悟してるみたいだし、まぁ現状雪ノ下雪乃の方に傾いてるみたいだけどね」

 

「んじゃあ我が八幡にYOU雪ノ下殿にコクっちゃいなよ、とで言えばいいのか?」

 

「だからね、彼らの性格的に簡単にいくと思う?無理無理、だからあなたが色々サポートしてあげるのよ!」

「んな具体的どうすれば...大体そう簡単にうまくいくわけ...」

 

「無論間違ったお詫びと無理を承知でお願いするんだから、特殊な能力をあげるわよ?あなたこういうの好きなんでしょ」

 

「やります!やらせてください!我としては無限の剣製がいい!」

 

「あんたねぇ...その能力を使って現代日本でいったい何をする気なの?それは異世界用よ、それに本人に直接能力を付与できるのは本人が死んでないとダメなのよね、いろんな意味で一回死んどく?」

 

怖い顔で迫る自称女神に土下座で謝る材木座

「...調子こいてすみませんでした!...あれ?でもそうするとどうやって能力を?」

 

「あなたが日常使ってる物に魔力を注入してマジックアイテムにしてあげるから、あとさっきから気になってんだけどあんたなんで私に目を合わせてしゃべらないの?」

 

「い、いや我は女人は苦手でして...」

 

「ハァー、いかにも童貞な台詞ねぇ...女子と話すこともあるかもだし、それは特殊能力じゃないからなんとかできるわね、あなたのコミュニケーションスキルを改善してあげるわ」

そういうと自称女神は材木座の頭の上に手をかざす。

「うーんあなたはコミュニケーションスキルが変な風に育ってるみたいね、お陰で他人との距離感が全くつかめない状態だからうざったいキャラに思われてるみたい、真っ直ぐにすれば大分ましになるわね、元々おしゃべり好きみたいだし」

「マジで!、これで我もリア充になっちゃうの?!」

 

小躍りしてる材木座に自称女神はまたもやため息をつく

「ハーあなた本当に残念な人ね、私はただ女性も含めた人たちと普通に話せるようにしてあげるってだけ、これは皆が持ってる普通のスキルだからまともに使えるようになるだけなのよ、あなたが言ってるリア充ってのはそのコミュニケーションスキルをうまく扱えるって人たちのことね、要は剣を持てるようにはしてあげるけど振り方は自分でってことよ」

 

その発言に材木座は不満げに呟く

「クソ!役に立たん女神だな!」

「...コミュニケーションスキルを改善したとたんに横柄になったわね...ゴッドブローでもかましてあげようかしら?」

 

「スイマセンデシタ」

また土下座をかます材木座

 

「さて、これで終わりね、私は手伝えないから一人でどうにか頑張ってねー、あとタイムリミットはバレンタイン辺りだから忘れないようにねー」

 

自称女神の声が遠のき周囲の景色もぼんやりとして来る。

ああこれは夢か、材木座はそう思うと意識がどんどん薄れていった。

 

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