我の相棒がバッドエンドを迎えるわけがない   作:もよぶ

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第三話

放課後、奉仕部の様子を探りに来る材木座

「これで透明になってと、まるで天狗の隠れ蓑だな、そういや攻殻機動隊にこんなんあったな、2902光学迷彩だったかな?いや3302式の方が新しかったかな?」

 

どうでもいいことを考えつつ奉仕部の前のドアまで来たが、この状態でドアを開けると誰もいないのに開いたことになり幽霊騒ぎになることは想像に難くない為どうやって開けようかと思案していると向こうから戸部たちがやって来た

 

「あの女神が言ってた依頼というやつだな、これを阻止できれば丸く収まるわけだが...」

と戸部たちが扉を開けたとき滑り込むように中へとはいり会話の内容を聞く。

 

「ふむ、確かに告白を失敗しないようにとか言っておるな、ギャルゲーですらきちんとフラグ立てないと玉砕してしまうのにそう簡単にいくわけなかろう」

材木座は透明な状態で部室の隅っこに座り戸部たちが話しているのをボーッと見ていたが

 

「いかんな、依頼を阻止しようにも止め方がわからぬ、まあ各人が何を考えてるか確認してみるか」

メガネを使いまず戸部の思考を読み取って見る

『結衣とあの雪ノ下さんがいるなら楽勝でショー、ヒキタニくんはわからないけど手伝ってくれるみたいだし、隼人もいるしきっと成功するっショー』

 

「うーむずいぶんと短絡的であるな、ラノベや漫画だと告白手伝うのってお互いの気持ちを理解している人が集結してやっているような気もするんだが、さっきから聞いているとこの中にいる人たちは誰も海老名殿の気持ちを知らんみたいなんだが?」

 

次にずいぶんと乗り気の由比ヶ浜を見てみる

『きっと姫菜も嫌な顔しないはず!戸部っちが告白成功したらそのまま流れであたしもヒッキーに告白したいな、でもゆきのんもきっとヒッキーのことが好きだよね...ヒッキーから告白されるんだったら恨みっこなしって思ってるけど、こっちからいかないと難しいし、ゆきのんのこともヒッキーのことも大好きなのにどうすればいいのかな』

 

「なるほど確かに八幡に惚れてるようだが、自分のことと重ねしまって相手が見えていないようだの、しかし由比ヶ浜殿は八幡のことが好きすぎるだろう、八幡のことばかり考えてるではないか」

 

次に雪ノ下を見てみる

『告白のサポートなんてどうすればいいのかしら?されてばかりだからまったくわからないわ、でも由比ヶ浜さんはすごく乗り気だから無下にするのも悪いしなんか良いアイディアを思い付ければいいのだけれど、比企谷くんならどう考えるかしら?』

 

「雪の下殿は真面目だのう、まあ我の小説もきちんと読んでくれるし」

と思って見ていたが

『でもまた自分が傷つくような解決方法を選んだら嫌だわ、いえそんな方法を取らせないようしっかり監視しておく必要があるわね、ずっと比企谷くん側にいて何を発言するにも私の許可をとるようにしたらどうかしら?フフフ、そうして他の女性のことを口に出せないようにするのも悪くないわね、比企谷くんは自分のことを他の誰よりも知っている私とだけ話をすべきだわ』

「...なんか若干ヤンデレ入ってないか?でもまあ雪ノ下殿も似たようなものだな」

 

比企谷を見てみると

『うわぁーめんどくせー、何こいつら?文化祭のことで散々なこと言ってるくせにどの面下げてここに来ているんだ?本当に死ねばいいのに』

「ふ、八幡らしいな」

と思いつつ見ていると

 

『誰かが協力したからと言って告白成功なんてするわけないだろ、それで成功するんだったら俺の黒歴史なんてないし、そもそも葉山の奴自分等で何とかしろよ、っつたく由比ヶ浜がお願いすると雪ノ下はすぐ首を縦に振りやがって、全く仕方ないな。さてどうするか』

「八幡はあの二人に甘いのう」

と思っていると

 

『大体絶対成功する告白方法なんてあったらとっくに由比ヶ浜か雪ノ下に告白しているわ、由比ヶ浜はかわいいしスタイルいいし胸でかいし雪ノ下は胸が貧相だがやっぱかわいいしスタイルいいし二人ともいい臭いがするし下着姿も見ちゃったから毎晩おかずに困らねぇ、妄想の中なら二人は俺の翼とかいえるんだけどな』

 

「...八幡は毎日あんなこと考えておるのか?」

 

最後に葉山の思考を見てみる

『何で諦めないんだよ、姫菜は今のままでいたいから告白自体無くしてと俺にいってきるんだぞ、俺も今のグループ関係が崩れるのは嫌だし、だからといって戸部に事実を伝えてしまうとこじれるし、第三者に諦めるよういってもらえればと思って比企谷にだめ押ししてもらおうかと思ったのに、結衣がこういう話好きだったの忘れてた。優美子もこういう話好きだから黙ってたのに、一応失敗したときはうまくやるからとは言ったが、本当にどうすればいいんだ?比企谷の奴に頼るしかないのか?』

 

「...葉山殿は一体何を考えているんだ?早い段階で本音を八幡達に話しておけば八幡も嘘告白とかせずに済んだのでは無いだろうか?、まあ言ったところでタブルスタンダードっぷり非難されるだろうがそれが嫌なのか?我が代わりに話してもいいがなんで知ってるんだってなるしそもそも我の話をまともに聞いてはくれぬだろうし」

 

その後また全員の思考を読んでいると葉山達は出ていき戸部だけが残されることになる

 

そして何故奉仕部へ相談しにきたのかという話が始まる、葉山はこういうことに苦労してないから恋愛に苦労してそうな比企谷へ相談しにきたのであろうとか言いあっていたがしばらく会話した後戸部は出ていったので、材木座も開けっ放し扉から一緒に出ていくことにした。

「ふむ、おおむね女神から聞いた話の通りだな」

歩きながら先程の会話を思い出し少し違和感を感じた。

 

「んん?なんで『奉仕部』ではなく『八幡』へ相談しにきたという流れになっていたのだ?戸部殿も奉仕部三人にではなく八幡に頭下げてたし、なんか皆の考えてることを覗いたら八幡はどう考えるみたいな感じになっていたし八幡も自分がやらなきゃみたいな感じで考え出してたし」

 

ああなるほどと材木座は一人で納得する

「そうかこれがあの女神が言っていた皆が期待してその期待に応ようとしてって奴か、ここから既に始まっていた訳だな。八幡も抱え込まないで周りに相談すれば良いのにな」

 

ともかく依頼自体を無くせないかと思い。戸部と接触することにしたのだった。

 

材木座は戸部の後ろで距離をとってコートを着直し姿を表して接触する。

 

「戸部殿」

「うわっ、あれ?えーっと誰だっけ?」

「材木座と言う、八幡の友達である」

「えーっとそのザイモクザくん?が俺に何の用?」

「我も奉仕部へ用があったのでな、珍しい人が出てきたので興味が湧いたのだよ、して戸部殿はどのような用件で?八幡の友人である我にも手助けできるやもしれぬ」

 

戸部は話すべきかどうか悩んでいたようだが確かに比企谷と一緒のところをよく目撃していたためすっかり信じこみ依頼内容を材木座へ話した。

「フム、海老名殿とは体育祭の際に一緒に仕事をした仲でな、その時に海老名殿に告白した人がいたらしく海老名殿から付き合う気がないとか何とかでフラれたとか聞いたような気がするが?」

このような事実はないがとりあえず本人に確認されても誤魔化せるような当たり障りの無さそうな嘘を並べて見たが

 

「え?そうなん?うーんでもよ?ザイモクザくんはその告白の現場見てないべ?」

とまるで信じていない上にもしかして自分が本命だからあえて断っていたのかもという超解釈を始めて余計に火をつける結果になってしまった。

 

これでは話にならぬと戸部と別れた材木座は奉仕部の方をどうにかできないかと思い部室の扉を叩く

「たのもう!八幡はおるか」

「いないから帰れ」

「んもうつれないな八幡よ」

 

嫌そうな比企谷を無視して材木座は話を続ける

「なにやらトップカースト陣営が出てきたようなのでまた厄介ごとを押し付けられたのであろう、実は先程そこで戸部殿に出会ってな...」

と依頼の内容を聞いたと話すが

 

「は?おまえ戸部とそんなに仲がよかったか?」

「ざ、財津くん、なにがあったのかしら?変な小説の書きすぎでとうとう頭までおかしく...」

「中二、本当に中二なの?偽物じゃないよね?」

 

一様に失礼なことを言われてしまう。

「ほむん、主らは大分失敬だな!男子三日会わざれば刮目してみよと言うであろう!我も成長しておるのだ!あと雪ノ下殿!我は剣豪将軍材木座義輝であるぞ!その名をしかと心に刻むがよい!」

 

「あ、ああ、ご、ごめんなさい、ケ、ケンゴー?ショーグンさん?」

雪ノ下は以前と違う材木座の態度にたじたじとなり比企谷の影に隠れてしまう

由比ヶ浜も不安な顔をしてやはり比企谷の後ろに隠れようとしている

 

「なにやら告白の手伝いを頼まれたそうではないか、八幡よ、主は告白に失敗したことしかなかろう、前そのようなことを言っておったではないか?」

 

「そういうおまえは告白したことすらないだろ、一体どうしたんだ?」

「あまいな八幡!その点我は古今東西様々なギャルゲーでバッドエンドから性別人種を越えたグッドエンド、全てを手に入れるハーレムエンドまであらゆる告白を成功している落とし神!どうだ八幡!困ったときには助け合うのが相棒の勤め!この我も戸部殿のお手伝いに加えてはもらえぬだろうか?」

依頼自体を無くせないなら近くで監視して嘘告白以外の方法を取らせるか妨害できないかと思う材木座だったが

 

「駆け魂でも集める気かよ...ゲームだったら俺もモテモテだぞ」

「ゲームと現実の区別ぐらいつけなさい、ここはあなたの書いた小説の世界ではないのよ」

飽れ顔の八幡と雪ノ下

 

「中二、手伝ってくれるのは嬉しいけど...」

由比ヶ浜が言いにくそうに比企谷の後ろから顔を出してきたので材木座は由比ヶ浜の思考を読んでみる

『中二が手伝うってことは中二も一緒に行動するってことだよね、ヒッキーとゆきのんとの三人だけの時間がなくなっちゃうよ、ってかめっちゃ見られてる、ヒッキー助けてよ。なんか怖い』

雪ノ下を見てみると

『比企谷くんと由比ヶ浜さんとの時間をこんなのに邪魔されたくないわ、なんとか断らないと、というか何故こっちを見てるのかしら?今まですぐ目をそらしたのに、本当に何かあったのかしら?どのみちあんまり気分いいものではないわね、比企谷くんとだったらいつまでも見つめあってられるのに』

比企谷はというと

『却下だな、ただでさえ厄介ごとを抱えてるのに厄介な人まで面倒見切れんわ、ってかさっきからなんで由比ヶ浜と雪ノ下をじっと見てんだ?今度はこっちを見てるし本当にどうしたんだ?』

「ぐっ、めっちゃ要らない子扱いだな我、でもここで引くわけには...」

そう思う材木座だったが

 

「まぁ分かったわ、でもお前違うクラスだろ、必要なときは連絡するからそれでいいだろ」

と、比企谷に言われてしまう、慌てて比企谷の思考を読んでみると

『俺の黒歴史を参考にした必殺いやー比企谷だけ連絡するのを忘れていた作戦、連絡するよといいつつわざと連絡をしない、これで実質こいつを排除できたな、めでたしめでたし』

 

「くそ、その手があったか」

材木座は悔しがるが後の祭り

「そ、そうだね!中二、必要なときには呼ぶからその時には来てね!」

「そうね、比企谷くんが呼び出すからその時には来てちょうだい」

「ま、そういうことだ、一応なんか決まったら教えるからな」

 

そういわれて材木座は体よく奉仕部を追い出されてしまった。

「くっこれではなにもできんぞ、どうしたものか」

 

次の日、またも材木座は姿を消し奉仕部に行くことにした。

比企谷が来るのを待ち一緒に中へとはいる。

 

「うっす」

「あら、来たのね?恋愛苦労谷くん」

「うっせ、苦労してるレベルでいうとお前もそうだろうが」

「あら?私は常に向こうから告白してくるから葉山くん並みに苦労したことないのよ?」

「実際にお付き合いしたことない人がよく言いますね」

 

そんな軽口の応酬中にメガネを使い雪ノ下の思考を読み取って見る

『彼を見てると悪いと思ってもついつい口が出てしまう、でもこの二人だけの時間は楽しいわ、他の人達と違って黙りこんだり嫌な顔せずに付き合ってくれるんですもの、でも駄目ね、本当はこんな言葉じゃなくてもっと別なことを言いたいのに』

 

次に比企谷を見る

『またいつものか、これが無ければすぐさま告白して玉砕してるんだがな、でも雪ノ下いい笑顔が見れるし悪くない、笑った顔めっちゃかわいいし、うっかり告白してフラれるレベル、この時間ずっと続けばいいのに、おお神はなんと残酷な』

 

「もうこいつら本音をいえよ、うっかり告白しろよ、ここまで想っているんだったらあとはゴールに一直線であろうになんで口に出さないの?本当に我はどうしたらいいのだ」

 

頭を抱えていると由比ヶ浜と戸部が入ってきていかにして告白を成功させるかの相談が始まる。

思考を読み取りつつ相談の内容を聞く材木座

「うーむ、話をしているのを客観的に見るとやっぱり皆八幡個人へ相談しているように見えるな。しかも奴は獄炎の女王には話を伏せるようにとかのたまってる、奴のグループのことだし葉山殿も失敗したときは任せろといってたから任せればいいのに、これではやっぱり非難が奴に集中することになるぞ」

 

不安に思い比企谷の思考を読み取るが

『こんなもんうまくいくはずがない、失敗したとき三浦も関与していたとなると由比ヶ浜と三浦が戸部を海老名さんにけしかけたということになる、特に由比ヶ浜は奉仕部と掛け持ちだ、海老名さんの目には由比ヶ浜が糸を引いていたように見えるかもしれない。それは絶対避けなければ』

 

「...八幡、男だのう、惚れるのもわかる気もする、というか戸部殿は本当になんも考えてないみたいだな。葉山殿が困るのもわかる気がするワイ、して我はいったいどうすればいいのだろうか?」

 

悩んでいてもわからずここまできては止めることも難しい上に時間を浪費するだけなので戸部が出ていった後の開けっぱなしになっているドアから材木座も出ていくことにした。

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